金魚出荷、夏祭り中止で「注文ほぼない」 選手権も中止

夏祭りなどの金魚すくいに使われる金魚の出荷数が激減している。新型コロナウイルスの感染拡大で催しの中止が相次いだことが原因で、養殖・販売業者は「このままでは廃業する業者も増えるのでは」と危機感を募らせる。
 金魚の産地として知られる奈良県大和郡山市の金魚養殖・販売業者「やまと錦魚園」では、金魚すくい用の「和金」が本来なら7、8月にかけて出荷のピークを迎えるが、今年は出荷数が9割以上減る見込み。昨年は7、8月で約200万匹を出荷したが「4月から、祭り関連の注文がほぼない」状態だという。
 コロナ禍の巣ごもり需要で鑑賞用の出荷は2割ほど増えたが、緊急事態宣言が出た4月の売り上げは昨年同月比で5割減となった。同社の嶋田輝也代表は「万が一のことがあったらと考えると祭りの中止は仕方ないが、来年も同じような状況になるのでは」と危惧している。同市によると、県郡山金魚漁業協同組合加盟の業者の3~6月の売り上げは昨年同期比で3、4割程度落ち込んだという。また、7、8月に予定されていた恒例の「全国金魚すくい選手権大会」も中止となった。

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