出典:EPGの番組情報
情熱大陸【線香花火職人/筒井良太▽どこにも行けない夏に、幻想的な火花の世界へ】[字]
国内での製造はたった4軒!福岡県の『花火製造所』3代目が作る“日本製の線香花火”夏を楽しみにする人たちのために…守り進化させ、究極の火花の美しさを作り出す職人
番組内容
夏、線香花火をじっと見つめた記憶を持つ人は多いのではないだろうか。 日本で生まれ江戸時代から続く線香花火。だが、現在販売されている製品の99%は輸入品で国内製造している会社はたった4軒。和紙をよった「長手牡丹」が多く作られる中、職人・筒井良太は線香花火の始まりの形…ワラに練り火薬をつけた「スボ手牡丹」も作ることができる国内唯一の職人である。そんな彼の元には、数々のオーダーメイドの線香花火の注文が。
番組内容2
0.08gの火薬と紙のみでできているシンプルな“究極の花火の形”。筒井が作るものは長いもので2分半も燃え続け、持ち手まで火花が迫ることも。その究極の美しさを作り出すまで20年…「花火のことなら、とにかく試してみたい」と、『スボ手牡丹』は最高のワラを求め自身で田植えまで始めた。花火大会の中止が相次ぐ今年の夏。苦しい花火業界のため、夏を楽しみにする人たちのため、線香花火を極め続ける男のひと夏を追った。
プロフィール
【線香花火職人/筒井良太】 1973年、福岡県出身。花火師の元に生まれ、幼い頃から火薬で実験などをして遊んでいた。高校卒業後、外の世界を知りたいと愛知県の自動車製造会社に就職。3年後、地元に戻ると、叔父が営む花火製造会社「隈本火工」へ修行に出る。その後、修行先から線香花火を受け継ぎ、2011年には3代目筒井時正を襲名する。
プロフィール2
オリジナル商品を次々と生み出し、線香花火を中心に、40種類以上の玩具花火を製造する日々。何よりの趣味は、息子や弟子といく船釣り。普段、料理はしないが釣った魚の料理のレパートリーは多岐にわたる。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
公式HP
【番組HP】 http://www.mbs.jp/jounetsu/
関連公式URL
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
福祉 – 文字(字幕)
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
<夏の夕暮れ>
<夜空に大輪を見上げる興奮は
今年も お預けになってしまった>
<代わりに 広場や庭先で
小さな花火を楽しむ人が
増えている>
<豪快で華やかな打ち上げ花火とは
また違う かれんな はかなさ>
<手持ち花火のほとんどが
輸入品となった今
日本ならではの技を受け継ぐ者は
わずかだ>
(筒井良太)
これ ちょっと多い… 多い
<その一人 筒井良太>
<とりわけ
線香花火に 彼の腕は さえ渡る>
<長い時には 2分半>
<飛び散る火花の変容は
一編の物語といっていい>
心臓じゃないけど 何か これ…
<現在 国内に残る
線香花火の製造所は たった4軒>
<筒井が手がける
線香花火の中には
田植えから
製造を始めるものもある>
<目当ては
たわわに実る稲穂ではない>
<茎を乾燥させた
ワラスボが必要なのだ>
<線香花火のルーツ・スボ手牡丹>
<天下太平の江戸時代
先人たちは
ワラスボの先端に火薬をつけ
香炉に立てて
飛び散る火花を楽しんだ>
<途絶えかけた伝統を
よみがえらせたのは
筒井の功績だろう>
<息を吹きかけると
一段と勢いを増すのも その妙味>
<小さな花火の楽しさを
もっともっと知ってほしい>
なかなかね…
<だから
日々 新しい試みを模索している>
<安価な外国産に負けることなく
日本の花火文化を支えるために>
和風の「和」の 「火」
<手間暇をかけてこそ
生まれる美しさ>
<そこに 職人の意地が燃えていた>
♬~
<線香花火職人
筒井良太の拠点は
福岡県みやま市>
<工房の一角には
自前の花火を並べた売り場もある>
<地元の子どもたちには
人気のスポットだ>
<どれも皆
手軽に楽しめる おもちゃ花火>
<握りしめてきたお小遣いを見ると
つい おまけを付けたくなる>
(子ども)すげえな
さらに さらに… はい…
ありがとうございます
めっちゃ もらったやん
<職人は 気前のいい
花火おじさんでもあるのだ>
<火薬を扱う工房らしく
火に強いコンテナが事務所だった>
<筒井を含め5人の職人と
妻を中心に
3人の企画営業スタッフがいる>
<コロナ禍が思わぬ追い風となり
おもちゃ花火のニーズが高まった>
<従業員を増やして
対応しているそうだ>
あの~ 各自 やっぱ
水分補給 とったりとかして
体調管理は 自分で…
自己管理で お願いします
<この日 筒井が取りかかったのは
線香花火作り>
<燃焼時間や 火花の色 勢い…>
<原料の配合一つで
線香花火の出来栄えが決まる>
<無論 そこは企業秘密>
(スタッフ)分かりました はい
<配合するのは 3種類だった>
<最も重要な松煙>
<この松煙が
飛び散る火花のもとになる>
<今や 入手が難しい貴重品>
すす… 松煙
(スタッフ)これ… 黄色いのが…
硫黄ですね
(スタッフ)で こっちの白いのが…
硝酸カリウム
<まず 火球になる硫黄と
燃焼を助ける硝酸カリウムを
丹念に ふるいにかけ
均質に混ぜ合わせる>
<それぞれの粒子が
隙間なく混ざり合うほど
燃焼時間も長くなる>
<続けて 木で作られた配合機に
原料3種を投入>
<粒子が細かい松煙は
そのままだと
配合機の中で漂ってしまう>
<水を入れるのは 湿らせて
満遍なく混ぜ合わせるためだった>
<年代物の配合機は
廃業した花火工場から
譲り受けたもの>
<およそ4時間
かくはんを続けたところで
配合の善しあしを確かめる>
<線香花火1本につき 火薬0.08g>
<実際に火をつけてみないと
うまくいったか分からない>
<すぐに火球が出来れば
まずまずだ>
<さらに 燃焼時間や
火花が散り出すタイミング
変化してゆく様子などをチェック>
ふぅ~
手伝ってあげると
(スタッフ)強いですね
うん
<だが 出来上がりは まだ遠い>
<火薬の状態を観察しながら
最低でも
1年は熟成させる必要があった>
<職人の根気に 頭が下がる>
平和な時代 江戸時代…
<花火作りのかたわら 筒井は
その歴史や技術を
一般に伝える場を作ってきた>
そこで花火は 誕生してますね
少し手をぬらして…
軽く湿らせるぐらい
湿らせたあとに この角を…
<線香花火の本体となるのは 和紙>
<先端に火薬を封じ
こよりを よるようにして
仕上げてゆく>
ここで 何回か こう…
<ポイントは
しっかりと火薬を閉じ込めること>
<こんなワークショップを主催して
15年になる>
<よりが甘いと
あっという間に燃え尽きてしまう>
<それにしても 線香花火は
なぜ 人を引き付けるのだろう>
人生で例えられたりもします これ
<着火 間もなく
火球が生まれる時が蕾>
<すなわち 幼年期>
<さまざまに
火花を伸ばし始めると 牡丹>
<すなわち 青年期>
<大きくはじける姿は 松葉>
<すなわち 壮年期>
<命を閉じようとする 散り菊>
<すなわち 老年期>
せっかくね…
それを
やっぱり 続けていくためにはね
皆さんに知ってもらう
っていうことがね やっぱり 一番
知ってもらって
手に取ってもらうっていうのをね
何もしなければね やっぱり
知らないまんまで
終わってしまうしね
<この地で
花火の製造を始めた祖父は
あの丸い ねずみ花火の考案者>
<1973年 筒井は
3人きょうだいの長男に生まれる>
<幼い頃から
もの作りが好きだった>
<高校を出たあと
一度は 自動車メーカーに就職>
<家業を継ごうと決めたのは
21歳の時だった>
<実家に戻り 修業を重ねて
38歳で3代目となる>
<だが 当時
日本のおもちゃ花火業界は
存亡の危機に瀕していた>
輸入が
ピークで入ってくる時期で
国内メーカーも
もう 太刀打ちできない感じで
生産… 向こうからの輸入が
もう いっぱい来るし
中国産… 外国産との差別化が
やっぱり 必要な考えが
やっぱ 出てきたのかな
そこからね
あぁ できませんって こう 何か
諦める気持ちはなかったもんね
うん
<価格競争に巻き込まれれば
勝ち目はない>
<自分は 個性と質で勝負する>
<そこから
死に物狂いの試行錯誤が始まった>
だから こう…
<火薬の配合を変え
光と色に工夫を凝らす>
<10年かけて
20種類近い商品を開発>
<全国のセレクトショップで
人気を博すまでになった>
<3代目が追求してきた
こだわりの花火…>
<ため息を誘う美しさと
卓抜なアイデアを ご覧あれ>
<江戸時代と全く同じ製法で作った
和火 炭火>
<特色は ぬくもりを感じさせる
だいだい色にある>
<金属花火シリーズでは
明治期に業界に流入した
金属粉に注目>
<アルミニウム
マグナリウム チタニウム>
<それぞれの色や音の違いが
楽しめる>
<遊び心を発揮した
噴き出し花火もある>
<鯨が潮を吹く様子を 炎で再現>
<チャーミングな
デザインと
海の色をイメージした
青い炎で
人気が高い>
<こちらは 勇壮な火山がモチーフ>
<キャンプファイアを
囲む夜などに うってつけだろう>
<筒井のもとに 一人の若者が
弟子入りしたのは この4月>
<打ち上げ花火の本場
秋田・大曲で
花火師を目指していた>
<けれど 2年続くコロナ禍が
彼を 小さな手持ち花火に
向かわせたそうだ>
っていうのがあって…
<筒井の仕事には
磁力があるのかもしれない>
<九州大学で
航空宇宙工学を研究する
井上智博さん>
<線香花火の魅力に取りつかれて
しばしば訪ねてくる>
<科学者の見方は
やはり 違っていた>
<井上さんによれば
線香花火の原理は
炭酸水などから出る
泡と同じだという>
あっ そうですね…
<とっておきの映像が
超スローモーションで
捉えられていた>
(井上さん)溶けてますよね
マグマみたいになってますよね
気泡が こう 見えます
(井上さん)それが こう
残像として 火花に見えてくる
泡が はじけると
音がするんですけど
それが線香花火の音ですね
シュワシュワ~っとか
そういう感じかな
<工房には
特別の注文が舞い込むこともある>
<今年 50年の歴史を持つ
安芸の宮島の水中花火大会が
正式に打ち切られた>
<依頼は 美しい記憶を
思い出に残せるような線香花火>
<8月の終わり
厳島神社を望む海辺で
この花火を楽しむ
イベントが開かれるそうだ>
<頭の中には いつも
新しい花火の構想が渦巻いている>
<最近 知り合いから
びわ畑の管理を頼まれて
アイデアが浮かんだ>
<松に代えて びわの木の炭で
花火が作れないだろうか>
<もし出来たら これも地産地消>
<火花の勢いを左右するのは
木の炭に含まれる油分>
<松には豊富にあるが
びわは どうか…>
<手持ち花火で試してみる>
<乞うご期待!>
<びわの炭で試作した 手持ち花火>
<果たして
火花は出てくれるだろうか>
<問題は 発火剤の炎が収まった
そのあとだ>
<風に舞う火の粉たちは
大ぶりで ほんのり赤く
松とは また別の趣>
<時代は変わる>
<この夜 筒井は
パソコンの画面を見つめていた>
<東京の取引先から
オンラインの線香花火大会に
招かれたのだ>
で まぁ 線香花火…
線香花火を楽しむ上で
なるべく 風がないほうが
いいですね これは
(女性)ありがとうございます
ありがとうございます
<東京で暮らす
取引先の社員と家族たち>
<福岡の筒井良太も
妻と共に加わった>
すごい
(女性)すごいね
ちゃんと持ってて
こっち見て
子どもがね
やっぱり 喜んでるのがね 一番ね
大人も大人で やっぱり こう
一人 しんみり こう 楽しみながら
<お家時間の夕暮れに…
この夏 線香花火は いかがだろう>
<世界のアート界も注目する
圧倒的な技巧と美しさ>
<令和の仏師の矜持に迫る>
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