歴史探偵「吉原遊郭」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

歴史探偵「吉原遊郭」[解][字]

人気アニメの舞台となり、注目を集める吉原。華やかな遊郭がCGでよみがえる。伝説の花魁(おいらん)も登場!大江戸に衝撃を与えた遊女たちの放火事件の真相も明らかに。

詳細情報
番組内容
江戸で唯一認められた公認遊郭・吉原。遊女たちが織りなす妖艶な世界は映画や人気アニメの舞台にもなり、今注目を集めている。最先端の技術を使い、吉原遊郭のにぎわいをCGで徹底復元。さらに江戸を揺るがした放火事件の真相を解く手がかりも入手!そこからは、華やかな世界の裏に秘められた遊女たちの悲惨な境遇が浮かび上がってきた。数え切れない女性たちが必死に生きた吉原。その奥深くを歴史探偵が徹底調査する。
出演者
【出演】佐藤二朗,多摩大学客員教授・歴史研究家…河合敦

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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  17. 注目
  18. 調査
  19. 伝説
  20. 浮世絵

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
created by Rinker
エンスカイ(ENSKY)

吉原。

それは 幕府が認めた
江戸で唯一の公認遊郭。

妖艶な世界は 映画やアニメの舞台となり
今 注目されています。

今日は 吉原遊郭の
歴史の真相に迫ります。

まずは CGを駆使して
吉原の町並みを徹底復元!

女性の観光客まで訪れたという
にぎわいとは!?

更に 吉原きっての
花魁が登場!

かれんな少女が
伝説を作り上げるまでの物語です。

女性たちが身を売る場だった吉原。

過酷な環境の中で頻発したのが…

火事だ~!

付け火をしたのは
わたくしどもでございます。

なぜ彼女たちは放火をしたのか?

近年 解読された
裁判記録から

事件の真相が
明らかに!

数えきれない女性たちが生きた 吉原遊郭。

その奥深くへ!

「歴史探偵」 調査開始です。

♬~

今日のテーマは 「吉原遊郭」。

あの人気漫画の舞台にもなって
注目されてますよね。

そうですね。 ものすごい人気ですよね。

所長は 吉原遊郭には どういう…?
いや 私の世代ですと

もうほんとに即答で…

1980年代の…。

そのね 吉原遊郭
今回 徹底調査したのは 石橋探偵です。

出た! 石橋亜紗探偵。
はい よろしくお願いします。

その話題の吉原遊郭なんですが…

…となると 所長
意外と ご存じないんじゃないですか?

そうですね。 作品にはね なりますけど
じゃあ実際の姿っていうのをね。

で そもそも吉原が どこにあったのか?
ということなんですが

こちらがですね
江戸の地図なんですけれども。

ここ 江戸城 日本橋。

吉原 どこにあったか イメージあります?

この辺り。
あっちの上の方…。

あれ…。 うん。 まあ でも…

そうなんですよ。 離れてるんですよね。

江戸時代の ほとんどの期間
この田んぼの中に…。

田んぼの中にあったの?
はい 吉原遊郭あったと。

で まずは 現地調査と史料から

吉原の町を CGで よみがえらせました。

江戸時代の吉原は
どんなところだったのか。

まずは 遊郭があった跡地で調査開始です。

吉原へ ようこそ。

遊郭専門書店を
経営し

吉原の歴史にも
詳しい方です。

最初に注目したのは
こちらの柳の木。

当時を知る
手がかりなんだそうです。

遊郭から帰る客が
名残惜しく見返ったという 柳の木。

当時の様子が しのばれますよね。

幕府が江戸で唯一公認した遊郭 吉原。

町のつくりから
幕府の思惑が見えてきます。

よく見てもらうと 何か気が付くことが
あるかなあと思うんですけど。

あ! 何か…

ぐにゃ~っと
カーブしていて…。

この道 大きく曲がっています。

空から見ると
大通りの柳の木は
こちら。

そこから
大きく曲がった
道の先に

吉原遊郭が
ありました。

目隠し?
はい。

庶民の暮らしと一線を画すよう
配慮をしながらも

巨大な町が築かれていきました。

ここ 見て分かるとおり…

あ 階段が… はい 上がってます。

これは なぜかというと…

そうなんです。

地形を地図で見ると

土を盛った痕跡は よりはっきりと!

ほんとだね。

およそ
300m四方に及ぶ

広い台地が
浮かび上がりました。

完全に人工的…
極めて人工的にね。

計画性に のっとって…

調査で明らかになった
吉原の地形です。

目印の柳の木を曲がり
目隠しのカーブを抜けると…。

異世界である吉原への入り口
大門が現れます。

周囲は どぶと塀に囲まれ
外の世界と区切られていました。

江戸の郊外に突然つくられた 人工の遊郭。

中は どんな様子だったんでしょうか。

ここからは 吉原の町を
精密に再現していきます。

こんにちは~。
こんにちは。

手がかりは こちらの本です。

「吉原細見」という名前です。

これは…

そうですね。 はい。

中を見てみると…。

そうですね。
へぇ~。 あ!

もしかして この これは
今もある あの柳ですか。 あ はい。

柳の木 曲がった道
そして 大門。

調査で見た風景が
忠実に描かれています。

この詳細な地図の全てのページを

先ほどのCGに合成!

すると
整然とした町並みが よみがえりました。

大門から延びるメインストリート
仲之町通り。

その両側に並ぶのは 「引手茶屋」です。

客の素性や資金力を見定めた上で
ふさわしい遊女を紹介します。

こちらは
路地の遊女屋。

あ これ 名前なんですね。
はい。

よく見ると 遊女たちの名前の上に印が。

これ 遊女のランクや料金を表しています。

例えば この2人では 右側

入山形の中に 四角がついた遊女の方が

高いランクです。

吉原で独自に発展した遊興のシステム。

幕末の頃には…

吉原は 徳川の繁栄にとって
なくてはならないものだったのです。

地形と建物の配置から明らかになった
吉原の全体像。

吉原の町が できてますね。
できてますね~。

最後は
浮世絵の専門家 浅野さんの力を借り

町の活気と にぎわいを
よみがえらせます。

はい。 お願いします。
お願いします。

まず復元するのは…

浮世絵を切り抜き CGに入れていきます。

あ~ すごい! すごい
この中に ほんとにいるみたいですね。

行列の先頭は 引手茶屋で
紹介を受けた客です。

花魁と
連れ添い

茶屋から遊女屋までの
道中を歩きます。

なるほど。

(浅野)まあ 男性の おじさんですね。
「どうだ」みたいなね。

あ~。
自慢げにっていうか。

花魁道中は 客に気前よく大金を
払ってもらうための演出でもありました。

客にとっても ステータスみたいな感じが
あったんですかね。 (2人)そうですね。

お~。

更に 吉原では
幅広い客を引き付ける

仕掛けもありました。

仲之町通りを埋め尽くす
桜です。

え~!

大衆受けするイベントも
年中 催されていました。

秋には 「俄」を開催。

2か月にわたり 吉原の関係者が
仮装し 踊り 練り歩きます。

え~ 何だ これ?
笠を いわゆる…

あ ほんとだ! あ~ 花笠をかぶって
手にも笠を持ってるんですか?

そうみたいですね。
へぇ~。

実は吉原 男性に限らず
誰でも入ることができました。

あ 女性も多かったんですか。
はい。 ええ。 そういう意味では…

今回の調査を経て 完成したCGが
こちら!

メインストリート 仲之町通りには
花魁道中が 何十組も行き交います。

こちらは 遊女のデビューを祝う道中。
先頭の4人が新人です。

衣装代など 数百万円に及ぶ費用を
負担したのも 客でした。

見上げれば 桜。

江戸でも ここでしか見られない
夜桜です。

桜が散ると 牡丹畑へと
イメージチェンジ!

夏が近づくと 涼やかな菖蒲も
植えられます。

秋には 仮装パレードの 俄!

雀踊りが乱舞し…

アクロバティックな 獅子の曲芸まで!

更に タコ踊りも!

町の人たちが着ぐるみを着て
盛り上げたといわれます。

四季折々の にぎやかなイベントは
女性観光客たちも魅了しました。

吉原は 地形から 町並み イベントまで
計算し尽くされて つくられた

江戸で唯一無二の異世界空間でした。

う~ん。 何か これ見ると ほんとに
人々が吉原に魅了されたの分かるね。

今すごい楽しそうでいいなぁと思って
見ちゃった。

にぎやかな声が
聞こえてきそうでしたよね。 ハハハハ。

あ~。

なっ…!

ほんとに…

そうですね はい。

なるほど。

さあ 所長 なんと 当探偵事務所に
吉原の花魁に お越し頂きました。

いや~ まあ ようこそ
お越し頂いたというか…。 お願いしんす。

江戸時代の中期から後期に
ご活躍された花魁です。

で あの~ 先ほどね 吉原には

女性客も たくさん訪れたというふうに
お伝えしましたけれども その…

やっぱり注目して頂きたいのが
このファッションなんですが

いかがですか? 所長。
ちょっと こう…

りんとした空気になりますね。
りんとした感じがありますよねえ。

(河合)やっぱり 一番目立つのが
上に羽織ってるの 打掛っていいまして

これが もうほんとに あでやかで

やっぱり道行く人が ほんとに この
花魁のですね 打掛を見て ハッていう

PRだとか印象づけるのに
まあ 役立つというか。
なるほど。

これも派手なんですけど
まあ 例えば

クジャクがですね
刺しゅうされてたりとか

虎とかですね。
虎! はい。

あと西洋人の顔が
ついてるんですね。

バラエティーに富んだ

そんな いろんなもんが
刺しゅうされてる。

所長さん。
あ はい 私です。 所長。

わちきの髪を 見ておくんなんし。

「見ておくんなんし」と言われました。

え~ 髪すごいですね。
特に やっぱ あの~…

これ たくさん挿してますけど
当時の人たちは

この姿を見て
後光がさしているようだ

というふうに
言ったそうです。

仏様のよう。
なるほどね~。

それからですね
髪形の横に張り出した部分にも

注目して頂きたいんです。

灯籠鬢でありんす。

灯籠鬢。
(河合)
骨組みなんですが 鯨のひげを使って

髪をこう大きく…
横に広げているんですね。

この遊女から こう日本中にね 広まって

いろんな髪形が
こう アレンジされて流行した。

で あの 花魁がですね
人々の心を引き付けたのは

このファッションが
すてきだったからだけではないんですね。

江戸時代の初め 吉原の伝説となった
一人の花魁を調査してきました。

伝説の花魁の姿を求めて こちら 隅田川を
一望できるところにやって来ました。

この辺りに

伝説の花魁ゆかりの地が
あるんですね?

ええ。 あれが…

あ! あの神社が。 へぇ~。

300年の歴史を持つ
高尾稲荷神社。

隅田川を描いた江戸時代の浮世絵にも
登場する由緒ある神社です。

あら~
ほんとだ。

あそこに
ありましたですね。

失礼しま~す。
あ こちらに きれいな絵があります。

これが高尾ですか?
はい。

あ~ 美しい。

祀られているのは 吉原の花魁 高尾。

紅葉の名所 高雄にちなみ
紅葉の衣装を身につけています。

高尾の名は 吉原でも格式のある遊女屋
三浦屋の花魁が襲名するものでした。

この神社に祀られている高尾は

その中でも 江戸初期に活躍したという
最も有名な人物です。

この下に納められてるんですか。 へぇ~。

はい。
で お清めをするということをやってます。

今も大切に祀り続けられている高尾。

一体 どんな花魁だったのでしょうか?

一見 吉原とは縁遠そうな この温泉地に
高尾の伝承が残っていました。

こんにちは~。
こんにちは~。

ゆかりの場所を
案内して頂きます。

あ! 高尾の文字が あります。
そうなんです。 はい。

高尾塚。
はい。

その名も 高尾塚。

江戸時代 高尾の没後150年をしのんで
建てられた石碑です。

確かに 高尾は
塩原の出身だと

刻まれています。

「あき」という名前を聞くと
こう 急にちょっと親近感がね

高尾さんというよりは
何か 湧く感じが…。
そうですよね はい。

ということで
まずは あきの人物像に迫っていきます。

え? あ すごい!

え? あきと地層に関係があるんですか?

塩原は はるか昔
火山活動で 湖の底にありました。

なんと その湖に積もった地層の中に

あきの暮らしぶりを知るヒントが
隠されているそうです。

一体 どういうことなのか。

地層を割ってみると…。

割れました。

はい。 ああっ!

出ましたね。

出ました。

これは?

これ 化石なんですか?
そうです。 え~!

現れたのは 植物の葉の化石です。

塩原特有の地層が生んだ 貴重なもの。

ほんとに きれい。
ねえ ほんとに きれいに残ってる。

この化石こそ
幼い あきの姿に迫るカギでした。

どう… 何ですの? どういうこと?

あきの実家は 貧しい農家。

しかも父親は
あまり働かない人物だったといいます。

あきは
家計を助けるため

拾ってきた化石を
湯治場で売り歩きました。

そこで出会ったのが
吉原で有名な 三浦屋の主人です。

器量も良く 頑張り屋のあきにほれ込み

養女として
引き取ったと伝わります。

ここから あきの人生は
大きく変わっていきました。

およそ10年後 吉原。

あきは
三浦屋の看板花魁 高尾としてデビュー。

その姿や 振る舞いは

瞬く間に 客の心をつかんだといいます。

♬~

当時の 高尾の姿をしのばせる品々が

塩原の お寺に残っていました。

ありがとうございます。

あっ 着物の袖ですか。
はい。

はあ~。

わあ すごい。
すごいなあ。

紅葉模様の着物。

高尾が身につけていたものと
いわれます。

そして お茶やお香をたしなむ時に
使われる器です。

当時の花魁は
高い教養を身につけるため

なみなみならぬ努力を
続けていました。

高尾も
その一人だったことが

うかがえます。

花魁となった高尾は
ある信念を貫いたと伝わります。

(旗本)高尾! 頼む このとおりだ。

これだけ言うても聞けぬか。

お前さんは 嫌でありんす。

(旗本)な… なに!?

もう これ限り 二度と来て下さるな。

心を許せぬ相手には

決して その身を
売らなかったというのです。

…というふうには思いますね。

貧しい境遇から大スターになり
気高く生きた花魁 高尾。

その姿は
死後 少しずつ伝説となってゆきます。

江戸時代
井原西鶴が書いたベストセラー…

プレーボーイの主人公を
35回も ふり続ける女性として

高尾が登場します。

はあ~!

(拍手)

歌舞伎の一場面。

高尾のそばには

仙台藩の殿様になぞらえた
男性がいます。

間夫のある わしゆえ

お前は嫌でござんすわいなあ。

おのれ 売女め! 思い知れ!

ああ!

殿様をふり 斬り殺されてしまう高尾。

その意気地は
江戸の人々に広がってゆきます。

浮世絵 長唄 浄瑠璃。

高尾を題材にした作品が
次々と作られました。

史実の高尾は

19歳の時
病で静かに亡くなったといわれています。

…というような気持ちはありますね。

一人の少女の ひたむきな姿は
吉原の象徴となっていったのです。

あきという少女が

もう その 花魁の 何ていうかな

スタイルまで影響を与えるような
スーパースターに なったんですね。

実はね そんな
日本で有名な高尾なんですが

ヨーロッパの ある有名な画家が
その姿を描いているんです。

所長も ご存じ…

ゴッホ!?
はい そうなんです。

それが こちらの絵。

この肖像の後ろ 背景 ご覧下さい。

ここに描かれている人物が

高尾を モデルにしていると
いわれてるんです。
ああっ!

はあ~ ほんとだ。
ああ ほんとだ ほんとだ。

あの 花魁いますね。
ねえ。

ゴッホは もう 浮世絵の
大ファンだったんですよ。

いや~…

所長 ここまでは きらびやかな面を
見てまいりましたけれども

ここからは
闇の側面を見てまいりましょう。

こちらはですね 一般的な遊女の一生を
まとめたものなんですが

まず 貧しい家から売られるなどして
吉原に来た少女はですね

禿や 新造として

先輩の遊女について
しきたりなどを学んでいくんですね。

そして 17歳くらいで
遊女になると

年季奉公として…

はあ… 10年。
はい。

ただ…

引き続き 場所を変えて…

中には ほんとに…

遊女たちは 本当に
過酷な環境で生きていたんですよね。

しかも それは…

河合先生。
あの ほんとに初期の頃はですね

やっぱり 身分の高い武士 大名とか

あとは お金持ちの豪商

それが やっぱり
お客さんの中心だったんですけど

だんだん こう
時代が下ってくるとともにですね

あんまり こう
大金を 一度に払ってくれるような

そういう大名たちが
なかなか 減ってきちゃったんですね。

そうなってくると もう ほんとに
たくさん お客をとらなくちゃいけない。

だよねえ。 やっぱり心身…。

もう まさに ほんとに
体を張ってということ…。 そうですね。

ということで 最後はですね

そんな苦境に立たされた遊女たちが
関わった

ある事件を調査してきました。

お… おい あ… ありゃ 何だ!?

こりゃ ひでえや…。

火事だ~!
消すぞ!

(半鐘の音)

吉原の遊女屋「梅本屋」で

放火事件が起きます。

混乱のさなか 町の役人のもとへ
遊女たちが駆け込んできました。

何だい お前さんたちは…。

まさか…。
付け火をしたのは
わたくしどもでございます。

彼女たちこそ
放火の犯人。

なぜ 自分の店に
火を放ったのか…。

2016年。

遊女たちの心の内に迫る史料が
解読されました。

事件の犯人となった
遊女たちの日記や

裁判の調書などが まとめられています。

火をつけた遊女の一人
小雛の日記からは

梅本屋での苦しい生活が
浮かび上がります。

おなか すいた…。

時には 丸2日
何も食べられないことも。

頻繁に登場する献立は

「腐った漬物と茶漬け」でした。

また 来て下さいましね。
ああ。

店から出される食事だけでは
到底 生きることはできません。

遊女たちは

なぜ このような悲惨な状況に
追い込まれたのか。

そこには 当時の吉原の
苦しい経済状況がありました。

江戸時代後期

江戸周辺は
非公認の遊郭が あふれていました。

幕府は それらの取締りを開始。

遊女たちが 次々と
吉原に流れ込んでいきます。

吉原の 身分の低い
遊女たちの数です。

大きな取締りがあった
1795年ごろから

急激に 増えていることが
分かります。

江戸時代の終わりの
チラシには

「遊女大安売り」の
文字が。

遊女が身を売って
得られる

僅かな利益を
奪い合う

悲惨な状況に
陥っていました。

吉原の厳しい現状を
うかがい知るものが

長野県の豪農の家に
眠っていました。

吉原の遊女屋が借りた
借金の証文です。

こちらの方に
書かれてるんですが

ここに 「若松」「一本」「住の江」という…

遊女たちを担保に
借りられていたのは

30両 数百万円という大金。

遊女屋の経営は

借金なしには
回らない状況でした。

その しわ寄せは
遊女たちに向かっていきます。

店の利益を増やすため
梅本屋は ある方法に打って出ます。

それが 「紋日」です。

吉原では
正月や七夕などに紋日を設け

客から 2倍の料金をとっていました。

しかし ここで
客がつかなければ

遊女自身が その金額を
支払わなければなりません。

梅本屋の主人 佐吉は

この特別な日を
他の店より多く定め

遊女を
追い詰めていたのです。

不満の くすぶる梅本屋では
ある事件も起きていました。

一人の遊女が 脱走。

怒った佐吉は 見せしめとして

リーダー格の遊女 豊平を折檻します。

まだ しらを切るか。 ああ?

そそのかしたのは てめえだろう。

私は… そのようなことは…!

豊平は この日の出来事を
日記に つづっています。

「棒で
四十五回あまりも たたかれ

縄で縛られ…」。

「死んでしまいそうでしたが

くやしい一心で こらえました」。

必死に働いてきた
これまでの人生そのものを

否定するような仕打ちでした。

あたしらの苦しみや怒りを

何としても 皆に知ってもらうんだ。

たとえ どんな罰を受けようとも。

いいね?

豊平たち 16人の遊女は
ついに放火を決意します。

死んでしまう前に

この過酷な状況を
訴えて

憤りを晴らしたい。

全員の名前を署名し

計画の実行を誓い合いました。

翌日 夕刻。

佐吉の昼寝中
ひそかに放火は行われます。

よし いくよ。

1人に罪をかぶせぬよう
4人の遊女が連携。

こっち こっち!

火をつけたのは 2階の天井でした。

人目につきやすく

すぐに 火が消し止められると
考えたからです。

お… おい あ… ありゃ 何だ!?

こりゃ ひでえや…。

火事だ~!
消すぞ!

(半鐘の音)

死者が 一人も出ることなく終わった
放火事件。

豊平たちは
捕らわれの身となりました。

そして 4か月後。

裁きが行われます。

江戸時代 放火は大罪。

火あぶりにされることも
珍しくありませんでした。

わたくしどもの思いは 付け火で
吉原を焼くことではございません。

わたくしども16人
皆 誓って 逃げ隠れはいたしません。

裁判を担当したのは…

あの 遠山の金さんです。

遠山の下した判決は…。

(遠山)福岡 谷川 玉芝 錦糸は…

直接 放火に携わった4人は
火あぶりよりも軽い 島流し。

他12人の者は
禁錮のうえ 請人引き渡しといたす。

残りの12人は
更に軽い禁錮刑という温情でした。

命を懸けた 遊女たちの訴え。

こうして 吉原の闇の内実が

世に知れ渡ることになったのです。

もう ほんとに…

そうですね はい。

ほんとに…

そういうことだね そういうことだね
うん。

でも ほんとに その放火というとね
当然 まあ 今も大罪ですけども

死刑になる可能性の方がね
大きいと思いつつ

これは やっぱり あの
遠山の金さんだからですかね?

そうですね。 まあ あの…

何よりですね 被害者である
梅本屋の主人の佐吉がですね

遠島 島流しに
なってるんですよ。

はあ! なるほど。

だから やっぱり原因は
遊女だけでなくて

主人も 原因があるんだ
っていうことをですね

出した判決だったんですね。
え~!

さあ 今日は所長
吉原 見てまいりました。

やっぱり その
過酷と言えるような状況の中で

精いっぱい生きた女性たちが
いたんだっていうね ことが

非常に 印象に残りましたね。 うん。

こういう 遊女たちの
もう 血のにじむような…。

うん ほんと 犠牲があって…。
あれが あってですね。

中に入っていくと
もう 全然 違うものがあるっていう。

で なかなか こういうことって
あんまり取り上げないので

すごく 僕は
意義があるんじゃないかなと思いますね。

なるほどね。

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