出典:EPGの番組情報
あしたも晴れ!人生レシピ「拝見!あの人の冷蔵庫 第三弾」[解][字]
好評シリーズ「拝見!あの人の冷蔵庫」第三弾をお届けします。冷蔵庫を開けばその人の暮らしだけでなく生き方までも見えてくる。世界の料理研究家や動物園の冷蔵庫に密着!
番組内容
「拝見!あの人の冷蔵庫」第三弾!。今回は、世界各地を訪ね歩いた料理研究家が、「お宝だ」という自身の冷蔵庫を公開!秘境の地で学んできた料理には、現地の知恵と工夫がいっぱい。なかなか見ることのできない動物園の冷蔵庫・冷凍庫にも密着!飼育員がこだわって作るエサの数々。そこには動物たちへの愛情がこめられていた。お正月に食べる雑煮、その雑煮の魅力にひきこまれ、普及活動に取り組む女性の冷蔵庫もご紹介!
出演者
【出演】フードコーディネーター…荻野恭子,【司会】賀来千香子,小澤康喬,【語り】堀内賢雄ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
情報/ワイドショー – グルメ・料理
テキストマイニング結果
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キーワード出現数ベスト20
- 雑煮
- 冷蔵庫
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- 料理
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- 野菜
- 世界
- 大切
- マレーバク
- 宮本
- 工夫
- 食材
- オットセイ
- リスザル
- 日本
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
♬~
「あしたも晴れ!人生レシピ」
賀来千香子です。
小澤康喬です。 今回は
「拝見!あの人の冷蔵庫 第三弾」。
これまで いろんな方々の冷蔵庫を
見せて頂きましたよね。
今年 亡くなられた脚本家の
橋田壽賀子さんのお宅にも伺いました。
自衛隊の市ヶ谷駐屯地の冷蔵庫も。
冷蔵庫には その人の暮らし 生き方が
詰まっているんですよね。
今回は世界の食材を集めた冷蔵庫に
動物園の冷蔵庫
ある食べ物をこよなく愛する方の
ユニークな冷蔵庫をお届けします。
早速 世界中を訪ね歩いた料理研究家の
冷蔵庫から ご覧頂きましょう。
荻野恭子さん 69歳。
料理番組でも活躍する料理研究家です。
こちらは インドの炊き込みごはん
ビリヤニ。
そう 荻野さんが作るのは
世界中の個性豊かな料理。
アジアやヨーロッパだけでなく アフリカ
中東 中南米など幅広い国の料理です。
実は こうした料理は 荻野さん自身が
40年かけて 世界65か国を訪ね
自分で覚えたもの。
そこで学んだ世界各地の料理を
多くの人に知ってもらいたいと
レシピ本にして 出版もしてきました。
こんにちは。
どうぞ。
そんな荻野さんの冷蔵庫には
何が入っているのでしょうか?
早速 見せて頂くことに。
荻野さんが世界各地から買ってきた
数々の食材が
冷凍庫に大切に しまわれていました。
これ これ これ。 これはね あのね
干した かきなんですけど
これはね 香港で。
香港で手に入れたという
カキを干したもの。
カキ。 ほらほら 海のカキ。
香港では カキやアワビ ナマコなどの
海産物が乾物にされ
炒め物やスープなどに
使われているのです。
これを手に入れるために
専門店を訪ね 買ってきたもの。
これね お正月に ファーサイといって
何か 髪の毛みたいな海藻みたいなのと
これとを煮て食べるんです。
これは カンボジアで買ってきたね
なれずしのもと みたいな。
魚の切り身に米の粉とか混ぜて
ちょっと甘いですね これ。
日本のなれずし 甘くないけど
これは ちょっと甘いんです。
その他にも魚の卵やドライフルーツなど
なかなか日本では手に入らない
珍しい食材が ぎっしり。
これは確かに お宝です。
次に冷蔵庫を開けると…。
大きな瓶には保存食が。
小さな瓶は こだわりの調味料が
ぎっしり。
これ トゥック・トレイ。
カンボジアの魚しょうです。
小魚を塩漬けにして発酵させた 魚しょう。
魚しょうといえば
タイのナンプラーが有名ですよね。
でも荻野さんは
本場の作り方を探求していくうちに
カンボジアの奥地 トンレサップ湖まで
足を運んだというんです。
おじいさん おばあさんが
やってるような 魚しょう屋さんに
カンボジアに行って 見せてもらって
それで そこから買ってきた。
自分で手作りした調味料も。
中国・四川省で学んできた
絶妙な辛さの豆板醤。
6回 足を運んで作り方を覚え 納得の
いくものが作れるようになったそう。
こうした食材や調味料は
料理教室で使ったり
自分でも味わって楽しんでいます。
この日は 中国・新彊ウイグル自治区で
学んできたという麺料理
ラグマンを作ります。
小麦粉と塩で練った生地を渦巻き状に。
具材は ラム肉。 お手製の豆板醤を入れ…。
野菜を加え
コリアンダー クミンなどで味付け。
寝かせておいた生地を丁寧に細くのばし
両手に巻きつけ…。
麺をたたくように のばします。
ゆでてから水で締め 皿へ。
そこへ具材をのせれば
シルクロードの旅の味が よみがえる
ラグマンの完成。
揚げギョーザも おいしそう。
こうして世界の味を
ここ 日本でも楽しんでいるんです。
東京・浅草生まれの荻野さん。
実家は天ぷらの店を営み
慣れ親しんでいたのは和食でした。
そんな荻野さんに 中学生の時
衝撃を与えた出来事が起きました。
中学校の時の担任の先生が
ロシア料理屋さんで
ボルシチとピロシキとロシアンティーを
ごちそうしてくださったんですね。
日本に その当時
まだ ビーツがなかったから
食べたことがないからね
すごい新鮮だったと思います。
「自分の知らない味が
世界には もっとある」。
料理に興味を持った荻野さんは
料理学校に通い始めます。
世界の食べ物を特派員が紹介する雑誌も
夢中になって読んだといいます。
ものすごい おいしそうなものが
いっぱい写ってたんですね。
自分も機会があったら 実際に行って
それを食べてみたいと思って
それで目覚めたということですね。
そして 29歳の時 知り合いのつてで
旧ソ連へ向かいます。
一般の家庭に住み込みで
言葉も分からないまま
料理を教えてもらったのです。
その後も何度も訪れ 必死に
コミュニケーションをとりながら
料理を覚えていった荻野さん。
料理以外にも大切なことを
学んだといいます。
あのね みんなね やっぱり もてなし上手。
例えば 私なんか外人が訪ねて行っても
30分もしない間に
7~8品 出てくるんですよ。
大切にされていたのは保存食。
訪ねてきた人に料理を いつでも
ふるまうことができるのだといいます。
荻野さんの冷蔵庫には その時 学んだ
方法で作った 保存食が並んでいます。
こちらは野菜を塩水に漬けたものです。
新鮮な野菜を切って 塩と水を入れるだけ。
ふたを少し開け 半日ほど置くと
よいそうです。
野菜だけではありません。
さけも塩水に漬けておくのです。
生ジャケを塩水に漬けてあるだけ。
しばらくすると乳酸発酵してくるわけ。
この汁も おいしいし
この魚も おいしくなるから。
これが どのように手早く
おもてなし料理になるのか
見せて頂きました。
さけをソテーしたら…。
そこに加えるのが 冷蔵庫から取り出した
きのこを塩水に漬けた保存食。
これも ロシアで学んだもの。
これを さけの上にのせ…。
さけを漬けておいた塩水を加えます。
ロシア料理に欠かせない
自家製サワークリームを加えます。
スプーンで よく混ぜ合わせると…。
作り始めて およそ10分。
まろやかで味わい深く仕上がりました。
ドライフルーツなども添えれば
素朴だけれども
素材のうまみを引き出した
ロシアの家庭料理の出来上がりです。
荻野さんが その後も世界の料理を
訪ね歩くようになったのは
現地の人が いかに知恵と工夫を
凝らしながら
その風土に合わせて
食文化を育んでいるのか
それをもっと知りたいと
思うようになったからでした。
標高3, 000メートルを超える
北インドのラダックで
ホームステイをしていた時のこと。
水道がない暮らしの中で
水が十分にないため
現地の人が お皿をなめるように
きれいに食べ終えていました。
アフリカでは 水が貴重なため
野菜から出る水分が鍋の中に落ち
水を使わず 蒸し煮ができる
タジン鍋が使われていました。
「何でね そんな 何か秘境とか
誰も行かないとこばっかり行ってんの?」
って言われるんですよ。
だけどね そういう所だからこそ
生活の知恵が凝縮してるわけですよね。
人間がね そこで生きるには
どうしてるかっていうのを
生き様が すごい楽しいじゃないですか。
「自分が見て 味わってきた世界の料理を
多くの人に伝えたい」。
荻野さんは料理教室を開き
現地の人から学んだ知恵と工夫や
おもてなしの心を伝えています。
いろんな国に行って 学んできた知恵を
若い方たちに少しでも役に立てるように
するっていうことですよね。
食べるっていうことはさ
生きるっていうことでさ
やっぱり生きる以上はさ
楽しくなくちゃね。
さて 続いては
なかなか見ることのできない冷蔵庫。
動物園の冷蔵庫に密着!
多くの命が支えられていました。
埼玉県にある東武動物公園。
ここには およそ120種類 1, 200頭もの
動物が飼育されています。
海にすむ動物。
さらに絶滅危惧種に
指定されている貴重な種まで
多種多様な動物たちが
暮らしているんです。
その命を支えている食料
それを保存している冷蔵庫を
今回 特別に見せて頂きます。
冷蔵庫があるのは 動物園のバックヤード。
こちらは調理棟といいまして…。
この建物の中にあるんだそう。
冷蔵庫には 多くの動物が食べる
野菜や果物が。
右側の冷凍庫には大型の肉食動物のための
肉が冷凍保存されています。
さらに外に もう一つ。
ここには海の生き物のエサとなる魚が
入っています。
一日に食べる量は およそ330キロにも
なるんだそうです。
冷蔵庫に向かった飼育係
冷蔵庫の中から リンゴを取り出しました。
北濱健太さん。 飼育歴6年。
担当は絶滅危惧種のマレーバクと
大型ネコ科の動物。
マレーバクの大好物 リンゴを
へたなどが喉に引っかからないよう
素早くカットしていきます。
見事な手さばき。
「飼育係あるある」では
あるかもしんないですけど
エサ切りが先で エサ切りで
この包丁さばきが うまくなって
料理のほうが あとから上達するという。
こちらは干し草を固めたもの。
動物のことを大切に思うからこそ
エサ作りにも工夫を凝らします。
そのままでは与えません。
このまま あげると かなり硬くて
草食動物の歯を だめにしてしまうので
当園では ふやかして。
歯が傷めば
エサを食べる力が弱くなります。
そのために手間は惜しみません。
マレーバクがエサを食べる広場へ。
決まった場所へ置きます。
マレーバクを呼んできます。
東南アジアの森に生息するマレーバク。
自然破壊や狩猟により 生息数は減少し
絶滅危惧種となっています。
本来 夜行性で
朝は まだ眠いようですが
北濱さんが作ったごはんへ まっしぐら。
冬にかけて エサの量を増やしました。
寒さに耐えられるよう
皮下脂肪をつけてもらうためなんです。
体のことを考えて 調整しているんですね。
北濱さんが マレーバクを我が子のように
かわいがっているのには理由があります。
母親のシンディーちゃんが
育児ができず
北濱さんが 大きくなるまで
面倒を見ていたのです。
我が子のように育てたマレーバク。
惜しみない愛情を注ぎます。
動物園で人気のショー
アニマルパフォーマンス。
ここで海の動物を担当しているのが…。
飼育歴6年の宮本恵里さんです。
宮本さんがエサ作りのために向かったのは
冷凍庫。
今 奥に入ってるのが アジです。
動物に与えるため 魚を解凍するんです。
ぎっしり詰まった冷凍の魚。
これを毎日 運んでは解凍する宮本さん。
結構 力仕事です。
解凍した魚
これを6頭いるアザラシとオットセイ
それぞれ1頭ずつに合わせて
仕分けします。
1頭1頭 年齢も体重も違うので
与える魚の量と種類で
カロリー計算することが大切。
そして最も大切なのが
魚の背中に塩を入れることなんです。
うちの水槽が 淡水で真水なんですよ。
なので塩分を摂取しないと
低ナトリウム血症ってやつで
病気になってしまうので。
海の動物に欠かせない塩分を食事で補い
病気を予防します。
ペンギン用の魚にも塩を足します。
ペンギンたちに魚を与える前にも
ある工夫があります。
少しでも健康でいてもらうために
ビタミン補給は欠かせないといいます。
サプリを入れたものは
1羽ずつ確認しながら与えています。
テトというペンギンには
顔の左側に向かって
魚を差し出していました。
この子の場合は…。
(取材者)あ~ 事故だ。
でも 全然 元気で 今は違うペアの子と
一緒にいるので安心してるんですけど。
あっ 今 おなかいっぱいになって
戻っていきましたね。
そして オットセイ アザラシ
鳥たちのショーが始まります。
実は この時に ごほうびとして与える魚が
ショーに出る動物の食事となるのです。
ここでも切り身に サプリを入れました。
そして本番。 宮本さんとペアを組むのは
オットセイの女の子 キャロルちゃん
≪お願いします!
まずは行ってらっしゃい。
さあ 勢いよくプールに
飛び込んでいきました。
バンドをくぐり抜ければ大成功。 OK!
ありがとうございます!
演技の間に宮本さんは
オットセイに魚を与え続けます。
こうやって… 乗ってもらったまま
一緒に園内をお散歩していくこと
これも とても大事なポイントなんです。
歓声を浴びて ショーは無事終了。
しかし その後 お客さんが
いなくなった会場に
宮本さんが 別のオットセイを連れて
やって来ました。
この動物園に来て 既に21年。
オットセイの中では高齢の
ムーンちゃん。
視力も落ちたため ショーには出ず
宮本さんたち飼育係と
楽しく過ごすのが日課。
優しく なでながら魚を食べさせる。
この時間が 宮本さんとムーンちゃんの
大切なひとときです。
この動物園の食事 さまざまな人の協力で
成り立っていました。
毎朝 運ばれてくるキャベツと白菜
150キロ。
牛丼チェーンが使わない外側の葉などを
無償で届けてくれていました。
この野菜は 数多くの動物たちのおなかを
満たしてくれています。
こちらのバナナ
これも大手の果物メーカーから
無償で提供されていました。
バナナは多くの動物が食べますが
この動物園では竹に刺し
子どもたちが ゾウに与えるイベントでも
活用。
ゾウも子どもも大喜び。
さらに動物園へやって来たトラック。
運ばれてきたのは鶏肉。
山形名産のさくらんぼの果汁で育てた
こだわりの鶏。
その鶏ガラが 毎月300キロ以上
無償で山形から送られてくるんです。
実は去年 新型コロナの影響で
この動物園が休園を余儀なくされ
無収入となったことを知り
この会社が 無償で鶏肉を
提供してくれることになったのです。
これは ホワイトタイガーなど 大型の
ネコ科の動物の貴重なエサとなります。
多くの人の協力で 動物たちの命が
支えられているのです。
こうした食材を飼育係たちは
決して無駄にせず
さまざまな工夫を凝らしています。
…を溶かしていました。
飼育歴14年のベテラン
川井舞子さんの担当はリスザル。
リスザルは口も手も小さく
とれる食事が限られています。
そこで少量でも栄養価が高いものをと
工夫しているのです。
まずは ひき肉にし それを湯に入れ
焦げないように
かき混ぜながら煮込みます。
およそ20分 じっくり煮込んだあと
冷凍庫で冷やし
30分後 ゼラチン状になりかけたものを
別の容器に移し替え 形を整えます。
再び 冷凍庫へ1時間ほど入れると
ゼラチンが固まり 完成です。
川井さんの手間と愛情が詰まった
特製メニューです。
さらに栄養のバランスを考え
野菜と果物 卵を細かくしたものをプラス。
リスザルの健康を願う
川井さんの思いが込められています。
向かったのが リスザルの島。
周りを池で囲まれた
リスザル6匹が暮らす島です。
川井さんの姿を見つけると
一斉に集まりました。
お目当てのごはんに
リスザルたちは大興奮。
小さな手で 特製ごはんをつかんで食べ
大喜び。
川井さんの思いは届いているようです。
一方 こちらは サル山。
50匹を超えるアカゲザルが
暮らしています。
そこへやって来た飼育係が
エサを一斉に与えます。
群れで暮らす このサルたち。
それぞれの食べ方が気になります。
ごはんを食べてるってことは
健康で元気だってことが
分かりやすい指標になるので
安心しますよね。
谷仲由妃さん。 飼育歴10年。
飼育係の中でも一目 置かれる
スゴ技の持ち主です。
冷蔵庫から取り出したのは…。
にんじん出します。
箱ごと取り出すとは
大量に必要なようですね。
にんじんの端を切り落として
はかりの上に並べ始めました。
(取材者)何で これ立てるんですか?
必要な量を素早く量り 素早く切る。
実は谷仲さん
サル山のサルだけでなくて
他に ヤマアラシ アライグマ
ミーアキャット カワウソなどなど
10種類もの動物の担当。
そのエサを一気に準備するというのです。
続いて さつまいも。
こちらも猛スピード!
これは ヤマアラシ用。
ヤマアラシが食べやすいサイズに
一気にカット。
サル用は細かくカット。
50匹以上いるので
公平に行き渡らせるためです。
休む間もなく 今度はコウモリ
ミーアキャットなど
口の小さな動物のエサの用意。
野菜は煮たものを使います。
動物の年齢 健康状態を見ながら
それぞれに合わせたエサを
あっという間に作りました。
自分が作ったエサを食べてもらうのは
谷仲さんの楽しみな時間。
ヤマアラシ コツメカワウソ
ミーアキャットなど
エサを与えながら
健康状態の観察をするんです。
そして今 一番 気になる動物がいる
という場所へ。
アライグマのオス
スエゾウくん。
数年前に
てんかんで倒れて以来
谷仲さんたち飼育係が
看病にあたっていました。
朝夕2回 処方された薬をスエゾウくんが
好きなバナナに混ぜ 与えるのです。
頑張って。
食べれました。 OK!
動物園に来るお客さんには会えない
スエゾウくんですが
谷仲さんたちは大切にしていました。
野生動物など さまざまな生き物を
間近に見ることができる動物園。
その命をあずかる飼育係たちには
ある思いがありました。
命を支える動物園の冷蔵庫。
飼育係のエサ作りには 愛情と工夫と
思いやりが込められていました。
最後に お届けするのは ある食べ物を
こよなく愛する方の冷蔵庫です。
一体どんな冷蔵庫なんでしょうか?
向かったのは福岡県。
は~い こんにちは。
筑紫野市に住む 粕谷浩子さん 49歳です。
(取材者)早速なんですけども 冷蔵庫を
見せて頂けますでしょうか?
はい いいですよ。 どうぞ。
こちらが粕谷さんの冷蔵庫です。
恥ずかしいな 本当に。
数多くの食材が入っていますが
気になるのが 一番上の袋に入ったもの。
煮干しが いっぱいなんですよね。
これが いりこでしょ。
これが あごでしょ。
そして これが こはだでしょ。
これが あじでしょ。
そして これは あゆ。
それとか あと これ かつおでしょ。
これ しいたけ。
そして するめのだし用でしょ。
あと これ えびですね。 昆布。
なんと 全て だしの材料でした。
そして粕谷さんが日課としている作業が
始まりました。
作り始めたのは…。
冷凍庫にも もちを常備。
それで作るのは…。
鹿児島特産の焼きえびで とっただしを
えびごと鍋へ。
鶏肉と白菜を入れ
甘口のしょうゆで味付け。
トースターで焼いておいた
もちを器に入れ…。
そこへ具材をのせ
こだわりの汁を入れると…。
そう 「お雑煮」。
これは鹿児島の焼きえびを使った
雑煮です。
正月でもないのに 大好きで
ほぼ毎日 食べているというのです。
おだしが やっぱり おいしい。
おいしい 本当に。 本当おいしいんですよ。
もう どうしよう…。
実は粕谷さん 雑煮の研究家。
地方ごとに異なる雑煮の魅力を
発信しています。
こちらは粕谷さんが出版した本。
全ての都道府県の雑煮を調べ
そのいわれなどを紹介しました。
雑煮をレトルトにして 商品化するなど
雑煮の普及活動を行う会社も
立ち上げました。
雑煮はですね みんなが
自分ちの分は普通だって思ってるのに
みんな 聞く人 聞く人
全然それが違うんですよ。
「うちはね ぶりが入っててね」とか
それで「かつお菜っていう菜っ葉が
入っててね」とか
いろいろ言うんですけど
こんなに バリエーションの多い
同じ日本語の「雑煮」って言葉
使いながら
全然 頭の中で思い描いてるイメージが
違うっていうのは
なかなか 他の料理ではない。
で はまりました。
晴れの日に食べられてきた 日本の雑煮。
入れる具材にも地域ごとに
特徴や由来がありますよね。
名古屋の雑煮は すまし汁。
「みそをつける」という言葉を避けるため
みそは使いません。
「名をあげる」という験担ぎから
まずは青菜を持ち上げて食べるんだそう。
岡山の雑煮は 立身出世を願い
出世魚のぶりを使います。
いろんな お雑煮があるんですね。
粕谷さんが幼少の頃から食べてきたのは
香川の雑煮。
香川出身の母親が作ってくれた味です。
どんな雑煮だったかというと…。
あんこをもちの中に入れて 大福に。
いりこでとった だしを使います。
甘い白みそで味付け。
つきたてのもちは 軽くゆでます。
ゆでたもちが器に引っつき
あんこが出るのを防ぐため
大根を最初に入れ もちを入れます。
最後に あおさを振ると出来上がり。
このね ちょびっと みその塩味と
それと甘い あんこもち。
これね 合わないわけないんですよ。
まったりした感じの気持ちになる
いいお雑煮です。
粕谷さんが雑煮の魅力に気付いたのは
親の転勤で 北海道から広島まで
引っ越しを繰り返したこと。
中学生の時 家で食べる雑煮とは
違うものと出会ったのです。
お正月に お友達のおうちに
遊びに行く機会があって
その時に上越市の頸城郡のところ
だったんですけど
そこのお雑煮 食べて
びっくりしちゃいました 本当に。
茶色だったんです。
具は山菜が中心で昆布だし。
全体的に茶色の雑煮。
しかも同じ新潟で 海側と山側では
雑煮が全く異なります。
具材も味も変わる雑煮の面白さの
とりこになったのです。
大学を卒業後 会社員を経て
中小企業診断士となった粕谷さん。
起業支援をする中で 自分でも起業したい
という思いが膨らんできました。
その時 思い浮かんだのが雑煮でした。
あっ 自分で やっちゃおうかな。
お雑煮 前々から面白いって思ってたけど
こんな面白いから
だったら それができて それが もう
お仕事になったらいいねっていう。
「まだまだ知らない雑煮が
あるに違いない」。
粕谷さんは 全国各地を訪ね歩き
知られざる雑煮や そのいわれを
探求していきました。
農作業してる おばあちゃんとかいたら
「すいません!」って聞きに行ったり
そういうことを
ずっと やってるんですよ。
そういう ばあちゃんナンパをしながら
いろいろ 雑煮情報を集めてるんですけど。
2年前には東京から九州へ移住。
特に個性豊かな雑煮がそろっている九州で
雑煮サミットを開きたいと考えたのです。
家庭でしか食べられることのない雑煮を
地域の飲食店で
お客さんに出してもらえないか
1軒1軒 交渉して回るなど
地道な活動を続けてきました。
雑煮の魅力を
ホームページで発信したところ
全国各地の珍しい雑煮の情報が
寄せられるようにもなりました。
中には粕谷さんが驚いたものも。
一体 どんな雑煮なのか。
すりこぎで豆腐を細かく砕き
白みそと砂糖で味付け。
加えるのは かつお昆布だし。
火にかけて トロトロになると完成。
もちの上に その豆腐汁をかけた こちらが
茨城・常陸太田の雑煮です。
本当に さまざまな雑煮が
あるものなんですね。
雑煮を毎日 欠かさず食べ
雑煮研究を日夜 続ける粕谷さん。
その目標は?
日本の各地の所で お雑煮を その土地の
お雑煮が食べれるようになったら
旅行が もっと楽しくなるかもしれないし
そして そういうお雑煮みたいなものを
世界のスープの中に入れていくっていう
形の
おもちを入れるっていう食べ方みたいな
感じで
「雑煮」っていう言葉が
海外に出て行くのも
もっと また それも
面白いんじゃないっていう。
伝統みたいなものが 楽しくなれたら
いいんじゃんって思ってます。
今回の冷蔵庫にも
さまざまな物語がありました。
食材への思い 食べてもらう相手への思い
どれも気持ちが こもっていましたね。
次は どんな冷蔵庫に
出会えるのでしょうか? お楽しみに!
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