チョイス@病気になったとき「なんとかしたい 手のふるえ」[解][字] …の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

チョイス@病気になったとき「なんとかしたい 手のふるえ」[解][字]

手がふるえる症状に悩んでいる人のほとんどを占める「本態性振戦」。脳の原因部位を超音波で固めて破壊する最新治療が登場した。原因別の治療のチョイスを詳しく伝える。

番組内容
手がふるえる症状に悩んでいる人は、全国に約300万人いると推定され、そのほとんどを占めるのが「本態性振戦」。手を動かそうとした時にふるえが起きる。主な治療は、高血圧の治療にも使われる「β遮断薬」。2019年には、脳の原因部位を超音波で固めて破壊する最新治療「FUS(集束超音波治療)」も登場した。「パーキンソン病」や「バセドウ病」などの意外な原因の見分け方、原因別の治療のチョイスを詳しく伝える。
出演者
【キャスター】八嶋智人,大和田美帆,【講師】聖マリアンナ医科大学脳神経内科講師…眞木二葉,【リポーター】松田利仁亜,【語り】江越彬紀,佐藤真由美

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 高齢者

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 手術
  2. 本態性振戦
  3. チョイス
  4. 治療
  5. 病気
  6. パーキンソン病
  7. 特徴
  8. 原因
  9. 中村
  10. 異常
  11. 緊張
  12. 視床Vim核
  13. 症状
  14. 場合
  15. バセドウ病
  16. 診断
  17. 温度
  18. 照射
  19. Vim核
  20. 右手

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
created by Rinker
エンスカイ(ENSKY)

<今日のテーマは…>

<何もしていないのに 手が ふるえる>

<字を書こうとすると ふるえる>

<「ふるえ」といっても
いろいろなタイプがあり

仕事や生活に大きな支障が出る人も…>

<「ふるえは治せない」と思って

諦めていませんか?>

<でも 大丈夫! チョイスはありま~す!>

(4人)チョイス!

<ふるえで字が書けなかった
こちらの男性…>

<ある薬をのむチョイスをしたら

ご覧のとおり!>

<さらに メスを使わない

最新の脳手術も登場>

<たった3時間の手術で

ふるえが ぴたりと止まりました!>

<今回は ふるえを治すチョイスを

ばっちり ご紹介しちゃいま~す!>

健康への道のりはチョイスの連続!

ということで 今日の「チョイス」は…

経験あります?
ドラマの撮影とか… 「チョイス」でも

「物撮り」っていって こう 物を持って

アップで こう 撮られると緊張して…。
ハハハハ…! ああ~ ありますね。

私の気持ちとは裏腹に 手が…
ふるえが止まんないことはありますね。

僕は 何となく イメージとしては

年配の方が 何か ふるえ…

おじいちゃんとか おばあちゃん
みたいな人が ふるえるのかなと

子ども心に思ったりはしてましたけどね。

今日は そんな「手のふるえ」について
見ていきたいと思いますが。

大和田さんが
ちょっと おっしゃったような

緊張してる場面…
手を止めなきゃと思ったら

より ふるえちゃうみたいなことも
ありますけど

ああいう緊張した場面とか
寒いときのふるえというのは…。

単純に ふるえますね。
ありますよね。

ああいった 体の自然な反応のふるえは
問題ないということなんです。

じゃあ 気にしなくていいんですね
こちらのふるえは。

で 今日 ご紹介するのは
そういった自然な反応ではない

病気で治療が必要なふるえについてです。
なるほど。

一体 どんな ふるえなんでしょうか?

<会社員の…>

<右手のふるえが気になりだしたのは
30代。

葬儀に出席したときのことでした>

<そのときだけのことと思い

最初は気に留めていませんでしたが…>

<右手を使おうとすると ふるえてしまい

50代になると 仕事にも
支障が出るようになってきたのです>

こんなんなっちゃって もう…。

<右手のふるえに悩んだ大西さんは

脳神経内科を受診。

ふるえの原因は何なのか。

MRI検査や

血液検査を受けましたが

異常は見つかりませんでした>

<しかし 医師からは

「本態性振戦」と告げられました。

それって 一体 どんな病気?>

「本態性」というのは
原因が不明ということです。

また 「振戦」というのは
一般の用語で言えば

「ふるえ」ということに
なるんですけれども。

<脳と手は 神経で つながっています>

<手が動くのは
信号が脳から神経を伝って

手の筋肉に届くからです>

<ところが 本態性振戦の場合

脳で異常な信号が発生し それによって

自分の意思とは関係なく
手が動いてしまい

ふるえが起きると考えられています>

<「本態性振戦」と診断された
大西さんのチョイスは…>

チョイス!

<「β遮断薬」をのむこと。

それって どんな薬?>

<本態性振戦は 異常な信号が

脳から手の筋肉に届くことで起きます>

<β遮断薬は その異常な信号が

筋肉に届く前に止めることで

ふるえを抑えると考えられています>

<大西さんは β遮断薬を

1日3回 のみ続けました。

すると およそ1か月で

手のふるえは ほとんど止まりました>

<ふるえのために書けなかった字も
このとおり。

ばっちり 書けるようになったのです!>

なるほど。 やっぱり 年を重ねると

サインをすることが多くなって…。
増えてきてね。

それが ちょっと できないとなると
いろんなところに

影響が出てきちゃうんじゃないかなと
思って ちょっと ドキドキしますね。

では
より詳しく お話を聞いていきましょう。

手のふるえに詳しい…

よろしくお願いいたします。
(一同)よろしくお願いいたします。

「本態性振戦」。
いや 僕は もう 本当 聞き慣れない…

何か 強そうな名前なんですけれども。

「戦う」って字ですからね。

「本態性振戦」っていうのは…
「本態性」っていうのは

原因不明ということなんですけれども

「振戦」は 一般の用語で言うと
「ふるえ」という意味なので

ひと言で言えば「原因不明のふるえ」
ということになります。

何か動作をしようとしたときとか
そういうときに ふるえるのが

本態性振戦の特徴となっています。
なるほど。

VTRのね 大西さん
字を書くときに特に困るっていう…。

ほかに困るときっていうのは

どういうことなのかなと思いますが…。
まとめてあります。

「文字を書くとき」 今 出てましたよね。
それから…

日常生活 かなり
影響があるということなんですよね。

そうですね。 これ… 手を使う動作が

ほとんど難しくなっちゃう
ということなんでしょうけれども。

ふるえるのは
片手だけだったりするんですか?

本態性振戦では 両方が やはり

ふるえることが多いですね。
なるほど。

ただ
利き手が右の方 多いと思いますので

VTRの大西さんも 恐らく 両手
ふるえているんですけれども

特に 右手を使うときに
それが感じやすい…。

使うから 自分でも気付きやすいという…。
気付くということだと思います。

この中で 「人前で何かをするとき」
っていうの ありますけども

それは どういうことなんですか?

本態性振戦って やっぱり 緊張すると

結構 ふるえが
強くなるという特徴があるので。

例えば 役所で
何か こういう細かい枠の中に

しかも 役所の方が見てる前で

名前とかを
書かなきゃいけないときなんかに

特に ふるえが強くなる
というような特徴があると思います。

また 乾杯の発声なんかをするときに

片手でコップ 片手でマイク
っていうような状態になると

かなり大勢の前で お話ししたあとに

乾杯のご発声ということになると
患者さんにとっては

厳しい状況になるということですね。
それで やっぱり

ふるえて こぼしたら
まずいって思えば思うほど

またね 緊張も高まるっていうのが…。

緊張で悪化するってなると
先ほど… 私が話していたような

見られて…
カメラでって あれでしたけども

それとは また違いますか?
そうですね。

緊張による
生理的なふるえというものですけども

それは 脳が原因ではなくて

手に近い神経の所が原因というふうに
いわれていますので

本態性振戦というのは…
しかも 同じ動作

例えば 書くとか
何か コップを取るとか

同じ動作のときに 毎回 出ます。
で 緊張のときは

この場合は緊張するし こっちはしない
っていうこともあるかと思うので

動作によるというよりは
その状況によって

ふるえが出るっていうことかな
というふうに思われます。

その本態性振戦 どのぐらいの人が
発症するのかなと 気になるとこですが。

海外の調査だと

40代以上だと4%ぐらい発症してるよ
っていうデータもあります。

日本では あんまり ちょっと
はっきり分かっていないっていうのが

現状かなっていう…。
「手のふるえぐらいでね

病院に行くなんてね」っていう…。

「ちょっと 年も取ってきたしさ…」
みたいなね。

例えば どういう方に多い
っていうのはあるんですか?

高齢者に多いんですけれども

20代ぐらいで発症するケースもあります。

発症年齢で見ると
20歳ぐらいのときと60歳ぐらいの

2つのコブというか 山があって…。

そうですか。 若い方でもなるんですね。
なるっていうことはありますね。

じゃあ… 「たかだか ふるえだな」と思って
ほっとくと やっぱり

悪化していくっていうことになりますか?
そうですね。

年を やっぱり 重ねていくと
悪化する人もいらっしゃいます。

ただ 結構前から
ず~っと同じ状態を続けてるっていうか

続いちゃってるっていう人も
いらっしゃいますね。

ただ 本態性振戦がもとで

亡くなったりするっていうことはない
病気です。

逆に こう 一回 なったけども

そのあと 突然 治るっていうことは
あるんですか?

残念ながら やっぱり 自然に治る
っていうことはなくて…。 なるほど。

病院に行こうとするじゃないですか。
まず 何科に行けばいいのかなっていう…。

やはり ふるえは 脳神経内科に

来ていただくのがいいかな
というふうに思います。

生活に支障が出たり お仕事 それから

学業とかに支障が出たら来ていただく。

それから もちろん「このふるえって
何なんだろうな」っていうふうに思って

気になったら来ていただくのがいいかな
というふうに思います。

じゃあ これ… どういうふうに
診断を行っていくのかっていうのは

気になるとこですが…。
診断までの流れをまとめてあります。

まずは 「問診」で症状を聞きます。

こういったことを
まず聞いていきます。

で その後
「ふるえのテスト」っていうのを行って

実際に ふるえる様子を確認します。

で 次に 「検査」で
CTやMRI 血液検査を行って

異常なしとされれば

「本態性振戦」と診断される
ということなんですね。

異常がないからね。
原因が不明っていうことですからね。

でも その「問診」っていうのは
何となく分かるんですけれども

「ふるえのテスト」っていうのは
これ 何を 具体的には…。

例えばですね 診察上ですと

例えば 私が こう 指を出したときに
患者さんに指を合わせてもらってですね

そこまでに…
当然 ふるえていくわけですけれども

ぴたっと くっつかないで やはり
ふるえて

こうなるということもありますし

それから 診察室の中で
文字を書いていただいたりとか

それから コップを持って

飲むまねを
していただいたりっていうことをします。

実際に 困る場面が
その人それぞれに違いますので

それを
再現していただくということもあります。

じゃあ 治療ということになると…
まあ あのVTRでは

「β遮断薬」というのが
出てきましたけど…。

「β遮断薬」というのは 基本的には

高血圧の治療にも使われてる
お薬なんですけれども

そのお薬はですね 脳ではなく

手に近いほうの神経を
遮断するというふうな形で

効くっていうふうに考えられています。
なるほど。

この薬っていうのは
やめられるときが来るんですか?

あくまでも やはり その…
ふるえを改善するというか

強くふるえるのを抑える
というお薬ですので

すっかりと
良くなってしまったっていって

ぱっと やめれるっていうものでもない
っていうことはありますね。

β遮断薬
副作用っていうのは どうですか?

脈が遅くなるとか それから 気管支を
少し狭めるなどの作用があります。

そのために
心臓の病気の方とか それから

ぜんそくがある方は
使えないことがあります。

それから また 糖尿病の人にも
注意が必要というふうにいわれてます。

そういう病気があって
β遮断薬が使えない人っていうのは

どういうふうに治療していくんですか?

それが使えないとなると
2番目のお薬としては

「抗てんかん薬」とか「抗うつ薬」なんかを
用いることがありますね。

薬以外では これ 治せないもんですか?

薬以外の方法なんですけれども

2年前に
新たな手術のチョイスが現れたんです。

<ふるえの症状が出始めたのは7年前。

肩の手術を受けたあとでした>

ぶるぶる こう… きてたの。

<一番 困ったのは

大好きなマージャンを
するとき>

会社の会で
健康マージャンということで…

<手のふるえは 肩の手術の
後遺症だと思っていた中村さん>

<しかし 検査をしても

肩に異常は見つかりませんでした>

<その後も 大好きな読書をするときに

ページを めくれなかったり

箸を うまく使えなかったりと

生活に支障が出てきました>

<なんとか
ふるえを止めたい中村さんは

脳神経内科を受診>

<すると 中村さんのふるえは

「本態性振戦」と診断されたのです>

<β遮断薬を
のむようになると

ふるえは
おさまっていきました>

<しかし
1日2回 薬をのみ続ける生活は

苦痛だったといいます>

<薬以外の治療として行われてきたのは…>

<脳には「視床」と呼ばれる場所があり

その一部 「Vim核」が

ふるえに関係していることが
分かっています。

「視床Vim核」は
8mmほどの大きさで

左右にあります。

右手のふるえを
止めるには

左側の視床Vim核の
働きを抑えます>

<これまで行われてきたのは

この視床Vim核に
電極をさし込み

僅か3mmほどの範囲を
熱して固める方法です。

ふるえを止めるには効果的ですが

頭蓋骨に
穴を開ける必要があります>

<そこで 中村さんのチョイスは…>

チョイス!

<2019年に保険適用となった
新しい手術です。

それって どんな手術なの?>

<超音波発生装置から出る
1, 000本近い超音波を

視床Vim核に集中的に当てて

温度を上げ 熱で固めます。

超音波 一本一本のエネルギーが
弱いうえ

ピンポイントで当てられるため

周辺の脳にダメージを
与えにくいのも特徴。

頭蓋骨に
穴を開ける必要がないので

患者の負担も少なくて済みます>

<今年6月 中村さんの治療の様子を

特別に取材させていただきました>

<手術前の中村さん。

指先が 激しく ふるえていることが
分かります>

こんな丸の中に… 穴に手を入れます。

ぶつかっちゃいますよね。 最初はね。

はい。 手元まで戻して。
で もう一回 入れます。

そうです。 手元まで戻します。

はい いいですよ。

<MRI室に入り いよいよ手術。

全身麻酔はせず
意識がある状態で手術を行います>

<白いヘルメットのようなものが
超音波発生装置です>

<脳のMRI画像で

ターゲットの視床Vim核を
慎重に確認しながら

超音波を照射します>

じゃあ これでいきましょう。

OK…!

<最初は 視床Vim核が

40℃くらいの低い温度になるよう

超音波を照射します。

1回の照射は 20秒ほど。

徐々に温度を上げながら
視床Vim核が固まるまで

数回に分けて照射します>

<途中で 医師が
副作用と効果のチェックに入りました>

中村さ~ん。 大丈夫ですか?

はい。 じゃあ 一回ね 症状 見ます。

どう? しびれます? 大丈夫?

しびれてない?
大丈夫…。

<視床Vim核の近くには

体の感覚と関係している部分があり

そこに照射してしまうと
しびれが出るのです>

<中村さん しびれは出ていないようです>

<さらに テストをして
照射の効果を確認します>

<少し
ふるえが抑えられてきているようですね>

<その後も 副作用や ふるえのチェックを
細かく続けながら

温度を 少しずつ 上げていきます。

最終的に 視床Vim核が

53℃になるよう
照射したところで終了>

<手術にかかったのは
3時間ほどでした>

<これは中村さんの脳のMRI画像です。

手術後は 視床Vim核が固まり

白く写っています。

果たして ふるえは?>

手元…。 一回 入れま~す。

<指先のふるえは全くありません>

<箸も スムーズに使えます>

<全身麻酔をしないので 手術後

すぐに立ち上がることもできました>

だから すげえよかった。

…な~んつって。

<手術の2日後に
中村さんは退院。

右手のふるえは
すっかり止まり

好きな歴史の本も
落ち着いて読めるようになりました>

よく 女房とね 「歴史探訪」とか言って

関ケ原へ行ったり
いろいろ行ったんですよ。

<よかったですね 中村さ~ん!>

いやあ よかったですね。
よかった~!

こんなに すぐ 効果が出てね。

そうですよ。 すごいですね。
すごい!

いや だって あれ 本当に
数時間の出来事ってことですからね

びっくりしましたけど。
びっくりしましたね!

視床Vim核っていうんですか。

それを 超音波で 焼き固める
っていうことなんですけれども

つまり そこが 原因っていうことですか?

そもそも 原因が よく分かっていない
病気なんですけれども

Vim核を焼くと
良くはなるんですけれども

そこが発信源ではないという研究が

多く報告されています。

あくまでも
視床のVim核っていうのは

ふるえを悪化させるのに関わってる
というふうに考えられているので

その場所を焼いて
治療としているという場所ですね。

やっぱり 相当 慎重にされて。

3時間かけて 検査しながら
やられてましたけど

難しい手術ではあるということですね。
そうですね。

そもそも 視床のVim核っていうのは
かなり小さいっていうことと

それから
周りに脳の大事な部分があるので

かなり慎重に行う手術になっています。

低い温度から 何度も
超音波を当ててらっしゃいました…。

あれは 何か 理由があるんですか?

例えば そこで もし 副作用がある

しびれがあるっていった場合でもですね

それは 低温度で焼いていますので

完全に固まったわけではないので

照射をやめれば わりと すぐに
元に戻るということなので

低い温度から 順番に行うということです。

低い温度だったら 引き返せるみたいな
そういうことですかね。

そういうことになりますね。 なので

徐々に温度を上げていって

2回目 3回目と
ちょっとずつ 温度を上げていって

本当に この場所でOKだ

もう これで 固めて
焼いてしまおうということになったら

55℃ぐらいでですね
しっかりと 熱のエネルギーを

加えるっていうことになります。

熱くはないんですか?
熱いんです。 実は 熱くてですね

その
シャンプーハットみたいなものの中に

冷水が
通っていまして

何十秒か超音波を照射したあとに

休みの時間があるんですけども そこは

頭を冷やすようにしています。

これを受けていくと 完全に
ふるえは なくなっていくんですか?

残念ながらですね
完全になくなるっていうわけではなくて

ほとんどは 問題なく
治療ができるんですけれども

数か月すると まれに ふるえが

再燃してしまう 再発してしまう
という方もおられますね。

このFUSを受けたら
そのあと 薬は やめられるんですか?

基本的には お薬を

減らせたり やめられるっていう人も
多いんですけれども

そもそも
やはり 両方が ふるえているので

治療していない側のふるえは
残っていることもあるので

そのために
お薬をのむということもあります。

今現在 FUSは

片側だけに保険の適用が通っている
というものなので

本態性振戦は 両方に ふるえがある方は

どちらか ご本人と相談して

希望の側ですね
基本的には利き手が多いんですけれども

利き手の逆の
脳の部分の視床のVim核を

焼くというような治療になってますね。
そうか…。

将来的には 両方できれば
一番いいと思うんですけれども

まだ 安全性とか いろいろな問題が

まだ 確認が
不十分な部分もありますので

将来的には 両方をできるっていうのが
一番望まれることかな…。

FUSは いいことずくめだな
と思ったりするんですけど

副作用とかは どうですか?

まあ 中村さんは
痛くもかゆくもないっていうふうに

おっしゃっていただいてたんですけれども
手術中には

ちょっと 痛みを感じる方もおられますね。

それから 頭の中に
やはり そういうふうに…

焼く 熱凝固するっていう治療なので

当然 ある細かい血管なんかは
通っていきますので

出血するっていうリスクもゼロではない
というふうに考えられていますね。

その手術は
どこでも受けられるんですか?

現在ですね 日本で

この手術ができる病院
っていうのは限られていまして

17ぐらいの施設だというふうに
聞いています。

費用のほうが気になるんですけども
おいくらぐらいでしょう?

入院費とか いろんな病院のことも

ちょっと
違いはあるかもしれませんけれども

検査費なんかも込みで
3割負担だと40万円ぐらいになります。

ただ
高額療養費制度というのがありまして

患者さんの負担は 実際は

収入とか年齢とかによっても
違いますけれども

10万円程度
というふうな形になっていますね。

FUSを受けられない方も
いらっしゃるんですか?

<頭蓋骨の密度に ばらつきが大きい人。

脳に ほかの病気がある人や

脳の手術を受けたことがある人は

治療を受けられない可能性があります。

超音波を ターゲットに
うまく当てられないからです。

また 認知症などで
医師とのやり取りが難しく

長時間 じっとしていられない人も
受けられません>

VTRの最初のほうで

頭蓋骨に 穴を開ける手術っていうのも
紹介されてましたけども

これは どういったものなんでしょう?

今も もちろん 行われている
手術ですけれども

頭蓋骨にですね 1cmぐらいの小さな穴を
開けまして

そこから 直径1mmぐらいの電極を
さし込んでいきます。

電極を…
さし込んでいって

同じ視床のVim核という所まで
到達したときに

電極の先に
電気を流してですね

そこを 熱凝固して固めるというような
治療になりますね。

でも 頭蓋骨に穴を開ける…。
小さいといっても

やっぱり ちょっと 怖いなというのが
正直 思うところですが。

結構 前から 行われていて
1950年代ぐらいから

行われている手術ですね。
そんなに!

方法が
確立しているということはあります。

そうか。 じゃあ 歴史が長いし
いろんな症例も

あるっていうことを考えると
ほかにメリットはあるんですか?

視床のVim核に電極をさすと

その電極の先からですね

ふるえに対する…
ふるえを起こす異常な信号というのを

測ることができます。
そうするとですね

これによって Vim核に到達したんだ
っていうことが よく分かりますので

焼く場所の確認がですね
より正確にできるということになります。

それから 骨の密度の問題で

FUSを受けられない人だったら

実際に 脳からの信号をキャッチして
針をさすもののほうの手術をすれば

しっかりと場所を位置確認できる
っていうようなメリットがありますね。

さて 本態性振戦について
お伝えしてきましたけれども

このほかにも 手のふるえが起きる
病気があるんです。

<三宅さんが 右手のふるえに
気が付いたのは8年前。

テレビのリモコンが

うまく操作
できなくなったのです。

さらに…>

ふるえも 今ぐらい
大きくふるえるんじゃなくて…

<生活に支障が出始めた三宅さんは

脳神経内科を受診>

<医師は 診察中

三宅さんの手のふるえの特徴に
気付きました>

一番の特徴はですね
「静止時振戦」といって…

<ところが 三宅さんは

ただ いすに座っているだけなのに

右手が ふるえていたのです>

<詳しい検査の結果
三宅さんのふるえは

「パーキンソン病」が原因と
分かりました。

それって 一体 どんな病気?>

<脳では「ドパミン」という物質が
分泌されていて

体の動きを
滑らかにする働きをしています>

<パーキンソン病は

この
ドパミンの分泌が減る病気です。

そのため
体の動きの調節が難しくなり

動作が ゆっくりになったり

何もしなくても
手が ふるえるのです>

<三宅さんの治療のチョイスは…>

チョイス!

<「レボドパ」という薬をのむことでした。

レボドパは
減ってしまったドパミンを補う薬です>

<三宅さんは この薬を
1日4回のむことで

ふるえを
かなり抑えられるようになりました>

<趣味の庭いじりや日曜大工も
再び 楽しめるようになったのです>

趣味は いっぱい ありますから…

僕の たぶん… 母親が
パーキンソン症候群…

「病」っていう はっきりとしたあれでは
なかったんですけれど。

だから やっぱり… 手紙を書くのが
すごい好きだったんですけど

だんだん ふるえて書けなくなったんで

「もう書かない!」
って言われたことがあって。

パーキンソン病で
手が ふるえる方っていうのは

どのぐらい いらっしゃるんでしょう?

パーキンソン病は
70歳以上の100人に1人という

かなり高確率の
病気というふうにされていますね。

その中で 7割ぐらいの人が
手が ふるえるという症状があります。

本態性振戦とパーキンソン病と
どうやったら見分けることができますか?

ふるえ方の特徴。
2つを比べてみたいと思います。

本態性振戦は
何かをしようとすると ふるえます。

一方 パーキンソン病は
何もしていないときに

手に力を入れず だら~んとしてるときに
ふるえます。

本態性振戦は
両手に ふるえの症状が出ますが

パーキンソン病は 初期は 片手に
この ふるえが出るということです。

さらに 本態性振戦では 緊張すると
ふるえが強くなりますけれども

パーキンソン病では さまざまな…

動作が ゆっくりになるとか
嗅覚低下・便秘などの症状が起こると。

<ふるえ方そのものにも違いがあります。

本態性振戦では 何かをすると
激しくふるえるのに対して

パーキンソン病の
初期では

何もしないときに
手が ふるえます。

さらに 腕の力を抜くと
ふるえが激しくなります>

パーキンソン病は 基本的には
できるだけ早く治療したほうが

その後の経過にも
いい影響を与えますので

しっかりと
どちらの ふるえなのかっていうのを

見定めるっていうことが
大事かなというふうに思っています。

じゃあ そのパーキンソン病
っていうことになりますと

治療は どうしていけばいいということ…。

パーキンソン病も 残念ながら
やはり 根治は ちょっと 難しくて

基本的には 三宅さんがのんでいた

レボドパというお薬を
毎日 のんでいただくことになります。

パーキンソン病が進行してくると
効果が出る時間が すごく短くなって

早く お薬が切れるというようなことも
出てきますね。

そうなると どうしたらいいんでしょう?

レボドパだけに頼っていくというのは
ちょっと 難しくて

ドパミンの拮抗薬 それから
抗コリン薬なんかも

ほかの薬だとか
いろいろ工夫して

使っていくということに
なりますね。

それでも やはり
効果が出ない場合は

脳の手術などを
やはり 併せて行うことも検討してますね。

ということは 先ほどのFUSとか

頭に穴を開けない方法も
使えるということでしょうか?

2020年に パーキンソン病に対しても

保険適用になりましたので。
そうですか。

ただ パーキンソン病の場合はですね

ふるえ以外にも
たくさんの症状がありますので。

動作が ゆっくりになったり
筋肉が 硬くなったりとかっていう

たくさんの症状があるので
それに対しては 残念ながら

効果が薄いということなので。

ふるえだけでも どうしても治したい
っていう方に お勧めしておりますので

主治医の先生と よくご相談いただいて
選択して チョイスしていただければ

いいかなというふうに思ってます。
分かりました。

さらに こんな病気でも
手のふるえが起きるんです。

<主婦の…>

<3年前「バセドウ病」と診断されました>

<首にある「甲状腺」は

神経や臓器を活発にする
「甲状腺ホルモン」を作っています>

<バセドウ病は
免疫が異常を起こす病気です。

異常な免疫細胞が甲状腺を刺激し

甲状腺ホルモンを
作り過ぎてしまうのです>

<すると 神経や臓器が
活発になり過ぎて

動悸や けん怠感などの症状が
起こります>

<宮里さんも 動悸が ひどかったため

甲状腺の働きを抑える薬を
のむことにしました>

<しかし 薬は効かず

動悸だけでなく

手のふるえまで出てきてしまったのです>

<でも…>

(取材者)動作時とかは…?

<宮里さんは
両手が 常に ふるえるようになり

日常生活を送ることも難しくなりました>

<包丁を しっかり握れなかったり…>

<口紅も
うまく引けなくなってしまったのです>

<バセドウ病に悩んだ宮里さんの
治療のチョイスは…>

チョイス!

<手術で 甲状腺を取り除き

甲状腺ホルモンの分泌を
止めることでした>

<手術は 無事 成功。

手のふるえなど バセドウ病の症状は

全く なくなりました>

本当に 手術してよかったと
心から思いました。

さあ バセドウ病でも
手が ふるえるということですけど。

これは 脳は 関係ないってことですね?

バセドウ病による ふるえは

交感神経という神経の働きが
強まることで起きるので

脳は 直接 関係ないですね。

バセドウ病による ふるえっていうのは
何か 特徴があるんですか?

比較をして見てみましょう。
本態性振戦とパーキンソン病の特徴と

比べてみて
バセドウ病による手のふるえは

常に 両手に出るということです。

で 動悸や多汗・首の腫れなどの症状も
伴うということですね。

このバセドウ病のふるえ方っていうのは
どういう感じというふうに…。

あの… 寒さとか緊張などで

生理的に 細かく ふるえがすることは
あると思うんですけども

それが かなり強くなったような感じで。

大体 細かい…
かなり 非常に細かいようなふるえが

バセドウ病のふるえの特徴っていうふうに
考えられてますね。 なるほど。

これは ほかに ふるえが起こる病気
っていうのは あるんですか?

脳の 小脳という場所にですね

脳卒中などの異常が起きると

ふるえる場合があります。

また 薬なんかも… 別のご病気でですね

お薬 のんでいたりすると それが原因で

ふるえが起きることもありますね。

これも 特徴を ご紹介したいと思いますが
小脳の病気 脳卒中などは

何かをするときに
片手に ふるえが起きるということです。

特徴は 目標物に手を近づけると
ふるえが大きくなるそうです。

で 薬が原因の場合は
これは 薬によって違うと。

特徴としては やめると改善すると。

のむのをやめると改善すると。
こういう特徴があるそうです。

これ 小脳による ふるえっていうのは

目標物に近づくと だんだん
大きくなるっていうことですよね。

例えば 小脳性のふるえの場合はですね

スタートのとき
伸ばそうとするスタートのときは

あまり ふるえてないんですけれども
実際に目標物が近くなってくると

このように 大きくなってきて 実際に

取り損ねたりするようなことも
あるぐらいに 大きなふるえになります。

これまでと ずいぶん違ったふるえ方を
するっていうふうに感じますけれども

小脳の脳卒中の場合っていうのは
やっぱり

危険な状態にあるってことですか?
そうですね。

命に関わるような可能性もありますので

脳卒中が やはり 疑われる場合には

迷わず すぐに 救急車を
呼んでいただきたいと思っています。

薬が原因のふるえっていうのは
どんな薬で起きるんですか?

一部の
向精神薬とか抗てんかん薬とか

一部の 胃腸薬とか
気管支ぜんそくのお薬なんかでも

ふるえが起こる人がいますね。

あと 高齢の方だと たくさんのお薬を

同時に のんでいたりしますので

いろんな
相互作用とかで出る場合もあります。

ただ お薬 必要で のんでいる方が
ほとんどだとは思いますけれども

のんだからといって 必ず
ふるえが出るわけではありませんので

そういったことも踏まえて

ふるえで いらっしゃった患者さんには

もともと どういうお薬を
のまれているのかっていうのを

聞くようにしています。

では 最後に
今日 お伝えした内容を踏まえまして

ベストチョイスのためのアドバイスを
お願いします。

ふるえが起きる病気は たくさんあります。

それぞれに診断して そのあとに
治療が控えてるわけなんですけれども

いろんな治療のチョイスがありますので

ふるえに困って
気になるという方は ぜひですね

脳神経内科に 一度
ご受診いただいて相談することが

肝要かなと思っております。
分かりました。

先生 どうもありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。

この番組でも
よく出てくる

CT検査と
MRI検査。

装置も画像も
よく似ていますが

どう違うか
ご存じですか?

CTは
X線検査の一種。

MRIは
X線ではなく 磁力を使って撮影します。

使い分けは?

例えば
原因の分からない

頭痛や 頭のケガで
受診したとき。

まず 行われるのは
脳のCT検査。

CTでは
出血した部分が

はっきり白く写るため
起きた直後の

脳出血や くも膜下出血の
診断ができるからです。

骨も写るので 頭蓋骨が

折れているかどうかも
分かります。

5分ぐらいの短い時間で
検査できるのもメリット。

一方 MRIは

脳の血管を撮影するのが
得意なので

脳の血管が詰まる
脳梗塞などの診断に使われます。

検査には
30分ほどかかりますが

CTよりも
細かい画像が撮れ

脳腫瘍の診断にも
役立ちます。

それぞれ 得意分野によって
使い分けられているんですね。

次回も 皆さんにお届けします。

健康へのベスト…。
(2人)チョイス!

Source: https://dnptxt.com/feed/

powered by Auto Youtube Summarize

おすすめの記事