先人たちの底力 知恵泉 温泉スペシャル(2)「古代ローマ人の快楽大作戦」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

先人たちの底力 知恵泉 温泉スペシャル(2)「古代ローマ人の快楽大作戦」[解][字]

世界には魅力あふれる温泉がいっぱい。トルコの世界遺産パムッカレやイギリスのバースなどだ。実はそれらは古代ローマ帝国と深い関係が。帝国繁栄の秘密は快楽にあった!?

番組内容
日本人に負けず劣らず温泉・風呂を愛したのが古代ローマ人。都にはなんと900の浴場があり、さらに床暖房やマッサージなどを備えた、現代のスパリゾートのような大浴場を数多く造った。そこは極上の快楽を生み出す施設。古代ローマ人は、それを巨大帝国を築くことに利用する。ヨーロッパの有名温泉地に残るその知恵とは?加えて驚きの情報もお届け。ダビンチの名画「モナ・リザ」、実はお風呂と深い関係があるそう。その理由とは
出演者
【出演】チームラボ株式会社代表取締役…猪子寿之,漫画家…ヤマザキマリ,温泉評論家…石川理夫,【司会】新井秀和

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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あったか~い温泉が恋しくなる季節。

今回は 世界の温泉にご案内しちゃいます。

こちらは 2, 000年の歴史を持つ温泉地…

湯の中には なんと 古代遺跡。

貴重な文化遺産と一緒に
入浴ができるんです。

う~ん 気持ちよさそう。

温泉に魅了されるのは 万国共通ですね。

イギリス最古の温泉地…

ここには 2, 000年前に作られた
巨大な温泉施設が残ります。

この地の人々は
温泉の効能を「神の力」と考え

温泉の神を祀ったといいます。

実は こうした温泉やお風呂が
世界の歴史を動かす

重要な役目を果たしてきたこと
ご存じですか?

その一つが 古代ローマ人が
世界各地に建設した巨大な浴場です。

浴場は
巨大な帝国をひとつにまとめるための

切り札でもありました。

更に 16世紀のフランス。

王の宮殿の浴室には ルネサンスの名画が
数多く飾られたといわれます。

そこには
どんな知恵が隠されているのか?

今回 知恵を読み解くのは アート集団…

デジタルテクノロジーを駆使した
斬新なアート作品で

世界でも注目を集めています。

そんな猪子さんは
お風呂やサウナが大好き。

それが高じて
サウナとアートを融合させた

「体験型」の展覧会を開くなど
新しい試みを続けています。

日本人の入浴文化
その新たな可能性を模索する猪子さんが

世界の温泉の知恵を読み解きます。

今回は 海外の温泉地の知恵を ちょっと
見ていこうかなと思うんですけれども。

実際 猪子さんも いろんなところに
行かれたと思うんですけど

世界の温泉の魅力って何ですかね?

いや 本当にね あの…
アイスランドのブルーラグーンは

本当にもう広大な…
湖が温泉みたいになってるんですね。

湖って言い過ぎですけど
大きな巨大な池が温泉になっていたり

スイスのテルメ ヴァルスは 本当に

ピーター・ズントーっていう
偉大な建築家が

すばらしい建築を
その温泉地のために作っていて

だから すばらしい景色と建築と温泉と。

まあ 本当にすばらしいですね。
ああ。

あの 温泉の歴史や文化に詳しい
石川理夫さん。

海外の温泉っていうのも奥深そうですね。
はい。

今 ちょうどVTRにありましたけどね

バースは 確かにね 非常に
歴史を考える上でもいいと思うんですね。

古代ローマ人は非常に 森とか 湧泉ですね
温泉も含む 泉信仰がすごかったんです。

大体 そこには
女神がいると。

それで そこに 神殿を
建ててるんですね。

そういう意味では
ヨーロッパの そういう温泉が

どういう形であがめられて
かつ 楽しんで利用するかっていうね

歴史が分かるようなのが バース温泉だ
っていうふうに私は思います。

いや でも ローマといいますとね
ヤマザキさんだと思うんですけど

やっぱ ローマ人っていうのは
お風呂が好きなんですよね?

そうですね。
やっぱり 火山列島の人々なので

もう どこにでも やっぱり温泉が湧くし
で やっぱり温泉が湧けば

これを都市部で どういうふうに
再現できるかっていうことを

いろいろ考えて…。
もう当時 ローマ人に

プリニウスっていう
博物学者がいましてね

彼なんていうのは もう 既にですね
温泉の効能について書き記してます。

硫黄泉は
筋肉痛にいいだったりとか

そういう効能を
既に彼らは知っているので

行かれた 例えば スイスの そういう
アルプス山系の温泉…

あれも全部
ローマ人が見つけていますし。

そうすると 何て言うんですか
古代ローマ人って

突出して温泉を愛してたっていうか。
温泉が全てです。

温泉が外交であり そして 政治家同士が
重要な話をしなきゃいけない時は

まず お湯に入って 丸腰で

リラックスした状態で
話すということだったりとか。

だから…

語りだすと止まらなくなるので
はい この辺で…。

さあ 今夜もですね こういったメニューを
ご用意させて頂きました。

こちらでございます。

ローマだけにイタリアンの料理で

温泉だけに スパ… ゲティ。
なるほど。

古代ローマ人の知恵からご覧下さい。

かつて 史上空前の繁栄を誇った…

その帝国を築いた人々は
こうも例えられます。

どれほど
お風呂を愛していたのでしょうか?

その様子をうかがえるのが
「テルマエ」と呼ばれた共同浴場です。

これは 西暦216年
時の皇帝 カラカラによって作られた

テルマエの跡。

では このお風呂をのぞいてみましょう。

テルマエの中央には直径30メートルもある
円い浴室がありました。

隣には
温度の違う数種類のサウナや水風呂。

周りには マッサージ室や理髪店があり
なんと 床下暖房も完備されていました。

日本が弥生時代だった頃

こんな施設を作ってしまうのだから
驚きです。

更に 運動場やダンスホール
図書館などもあり

まるで 現代の…

記録によると ローマの都だけで
テルマエは900か所あったといいます。

ローマ帝国が支配した ある街には
こんな落書きが。

彼らの人生の一部だったテルマエ。

同時に それは 広大な帝国の領地を
円滑に治めるための

切り札でもあったのです。

ローマ人の知恵が
生かされた場所があります。

まるで 雪山のような景色。

これは 炭酸カルシウムを含んだ
およそ35度の源泉が

山肌を流れ
長い年月の末につくり上げた絶景です。

源泉のすぐ近くにある浴場。

中を見ると
丸い柱のようなものが沈んでいます。

これは 古代ローマ時代の遺跡で
温泉を祀る神殿の一部といわれます。

豊かなお湯に恵まれた この地は

当時 「ヒエラポリス」と呼ばれた
ローマ最大級の温泉地でした。

最盛期には 10万人以上の人々が暮らし

ローマ皇帝も訪れる
一大都市だったのです。

その繁栄の裏には 温泉を利用した
ローマ人ならではの知恵がありました。

実は この地は
もともとローマに敵対する

「ペルガモン王国」が支配していました。

紀元前2世紀
急成長するローマが これを征服します。

しかし 王国の一部の人が
ローマに支配されることに反発。

争いが絶えませんでした。

これを鎮める秘策として
ローマ人が作ったのが

テルマエだったのです。

なぜ テルマエが
人と人との和解につながるのでしょうか?

そのヒントが
なんと 熱海にあるというので

行ってまいりました。

あれ? これじゃないですかね。

ローマ風呂。 ここに来るとですね

ローマの共同浴場の秘密が分かる
ということなんですけれども

どういうことなんでしょうか。

あっ これはこれは。
よろしくお願いいたします。

「知恵泉」店主の新井と申します。
今日は よろしくお願いいたします。

失礼します。 はあ~!

うわっ ハハハハハッ!
見て下さい これ。 はあ~!

古代ローマに
タイムスリップしたような気分。

こういう柱
ちょっと 古代ローマっぽいですよね。

テルマエを参考に作られたんだそうです。

いや~ 2, 000年前のローマ風呂は
こんな様子だったかもしれません。

どうぞ!

かつて ローマに征服された
ペルガモン王国の人々。

初めてテルマエに入った時

こんなふうに 驚きと興奮を
爆発させたのかもしれません。

ひとたび 湯につかれば
言葉や民族を問わず

誰もが
極上の気分を味わうことができました。

アカスリなどで垣根を越えた交流が
進んでいったのかもしれません。

ローマ人が
争いの地にテルマエを作った理由。

それは
万人が極上体験を味わうことができる。

それによって 心の壁が崩れ

相手と歩み寄るきっかけになる
というものでした。

いや~ 2, 000年前 こういった景色が
広がっていたのかもしれませんけれども

このお風呂に入ったらね 立場を超えて
みんな 心が一つになる。

そうですね
心の壁が崩れるんじゃないでしょうか。

乾杯!
かんぱ~い!

ヒエラポリスに作られた浴場は 実に広大。

メインの浴室には
一度に数百人が入浴できたといいます。

マッサージ室もあり
あの床下暖房も設置されていました。

当初 ローマに反発したペルガモンの人々。

次第に 反乱を起こすことはなくなります。

やがて この地は ローマ中から人が集まる
一大温泉郷として

空前の発展を遂げていったのです。

古代ローマの知恵が 極上体験で
心の壁を壊せということでしたが

ヤマザキさん。
よく熱海で あんな再現したなと思って…。

どうだったんですか? 実際は。
まあ 何と言っても あれですよね

やっぱり
快楽をもたらされるということはですね

たとえ ローマが
驚異的な支配力を持っていて

支配される側にしてみれば
ある種の威圧感を感じてしまう。

でも 人っていうのは
やっぱり快楽をもたらされると

文句言えませんからね。 だって
こんなにいいものくれるんだったら

じゃあ いいかってなるじゃないですか。

なかなか お風呂に入って

荒々しい気持ちに
ならないじゃないですか。

まず だから 領地を広げたら
そこに お風呂を作る。

地元の人にも開放させる。
彼らが そこを使うことによって

何となく こう
外交ができるっていうかね

やっぱり
そういう効果は大きかったと思いますよ。

やっぱり 温泉場っていうのは
いろんなところから

多様な人々が集まって
受け入れる場所ですよね。

ですから 心の壁を取っ払うには
一番いいんじゃないかなと。

その典型的な もう これ すごい例が
実はヨーロッパであるんですけれども

18世紀に 七年戦争という
戦争をするんですね。

そうすると 現在のチェコの 大体… と
ポーランドの温泉地の4か所をですね

いわば 国際協定を両国が結びまして
戦争中も 負傷した将兵は

その4つの温泉地では
療養することを認めると。

そのために保護状を出すんですよ。

そうやって 将兵のリハビリをさせる。

これなんか もう 心の壁どころか

本当に お互いの温泉場では
争ってはならないという そういう…。

協定が結ばれるような。
はい。

極上体験で心の壁を壊せ
ということだったわけなんですけれども

猪子さんなんか どうご覧になりました?
何か 日本も

実は
奈良の大仏を作った行基っていうのは

全国を修行していく中で
ずっと風呂を作っていくんですね。

もちろん
信仰がまだないような人たちも

まあ 大げさな話
お寺に お風呂があるから

しかも 誰でもが入れるから
入りに行って

心の壁を壊して まあ じゃあ
その教えも習っておこうかといって

仏教が広まっていって
国家ができたとも言えるんですね。

で まあ それが結局
大衆が誰でも入れるお風呂が

各地のお寺にできていくので
それが まあ 今で言う

銭湯につながっていくんだと
思うんですね。

その「壁を壊す」ということでいうと

猪子さんのやってらっしゃる
作品の中でもね

こういったものが
ちょっとあるんですけれども。 はい。

これは 「かみさまがすまう森」と。

さっき言った行基の…
行基が その時代に

五百羅漢を彫ったっていわれている
武雄温泉の御船山っていう場所ですね。

そのお庭の中に
温泉があるんですけれども

そのお庭全体を使って
展覧会をやってるんですね。

これも
樹齢3, 000年ぐらいあるんですけども

何か そういうものを見ると
自分が知ってる時間よりも長い時間が

ちゃんと存在するっていうことを
体が知れるような気がしていて。

何か 「認知の壁」が壊れるんじゃないかな
と思ってるんですね。

自分っていう存在がね
すごい長い時間の こう

生命が ずっと連続して
連続し続けた上に

奇跡的に存在してることに
気付けたりすると思うんですね。

そうすること自体が
ありとあらゆることを

生きてること自体をね
より肯定できるような

何か 気がするんですね。

いや 美しいし
ローマ人に見せてあげたいなって。

多分ね 彼らだったら
絶対 理解できるんですよ。

私… 今 時空を超えてっていう話を
おっしゃってたけど

もしね
古代ローマが2, 000年前じゃなかったら

もう 日本なんていうのは
格好の観光地になっただろうな

みんな喜んでやって来ただろうと
思うわけですよね。

温泉につかって
デフォルトにすると同時に

新たな考え方 それまで
縛られてなかったような発想も

ここから生み出してくるような
そんな場所ですよね。

さあ そしてですね 実は お風呂で
心の壁を壊すということを行ったのは

古代ローマだけではないということで
そこで登場するのが

こちらなんです。 ご存じ 「モナ・リザ」。

実は これも お風呂に非常に深い縁が
あったかもしれないというお話です。

フランス・パリの郊外にある…

12世紀以来 フランスの歴代君主たちが
自らの住まいとしてきた「王の宮殿」です。

実は この宮殿にも お風呂を用いた
巧みな知恵があったんです。

主人公は フランス王…

この方 パリを芸術の都とした
知る人ぞ知る人物です。

こちらが 宮殿の1階にあった浴室。

サウナや浴槽 休息室など
7つの部屋がありました。

フランソワ一世は なんと この浴室に

ルネサンス期の数々の名画を集め
飾らせていたといいます。

巨匠 ラファエロの「美しき女庭師」。

天才 レオナルド・ダ・ビンチの
「岩窟の聖母」。

そして 至宝…

これらの名画は いずれも当時
フランソワ一世のコレクションでした。

イタリアのルネサンスに憧れていた
フランソワ一世は

各地の芸術家を保護し 彼らの作品を
宮殿の浴室に次々と飾ったといいます。

フィレンツェやベネチアなど
ルネサンスのあらゆる流派の傑作が

この浴室に飾られていました。

レオナルドの傑作「モナ・リザ」も

その浴室に飾られていたと
考えられます。

つまり この浴室は 芸術史上 最も早い
絵画美術館でした。

ルネサンスの数々の傑作が
フォンテーヌブローの浴室の蒸気の中で

保管されていたのです。

それにしても なぜ 浴室に
アート作品を飾ったのでしょうか?

フランソワ一世が活躍した
16世紀のヨーロッパ。

「イタリア戦争」が勃発するなど
各国の間で激しい戦いが続いていました。

そこで フランソワ一世は
各国の貴族などを宮殿に招き

お風呂に入れ 極上のアートを見せます。

それによって 「感動体験を与え

争う心を解きほぐそうとした」と
考えられるのです。

体をケアしている瞬間や
肌に水が触れる瞬間

精神が解放され くつろぐのです。

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」
ということで

これは 極めて重要なことなんです。

やがて 各国の間で和平が結ばれ
戦争は終結。

その後 フランスは 世界に冠たる
芸術の国として 華やいでいくのです。

アートというものが
出てきたわけですけれども

ヤマザキさん どうご覧になりました?

やっぱり トータルメンテナンスだなと
思って 体の。

肉体だけじゃなくて やっぱり
精神面も豊かにするっていう効果を

図った結果なんでしょうね。

古代ローマ時代も やっぱり 浴槽の周りに
すばらしい彫像がたくさんあって

それをお風呂に入りながら
美しいなと思うっていう

効果を図っていたようなんですけど
結局 そこに行くことによって

人間が持ってる機能を全て
感受性を豊かにするための

機能をなしていた
ということなんでしょうね。

お風呂とアートといいますとね
今日 ちょっと その

のれんをお借りしてきたんですけど。

実は ヤマザキさん 2年前に
銭湯でアートを楽しむイベントに参加。

都内の銭湯 490軒の入り口に飾る
のれんをデザインしました。

2年前ですね TOKYO SENTO Festivalで。
これは まあ のれんだけじゃなくて

私 銭湯に絵を描くっていう
プロジェクトをやったんですけど

それは まあ 古代ギリシャの ちょっと
こう 壺絵のようなイラストと

あと アスリートですね。
アスリートを見ながら

結局 まあ 美術という考えで
お風呂につかってみるっていう

要するに まあ やっぱり
トータルメンテナンスという意味で

精神的にも 何かこう
トリートメントをするっていう。

そうです。 そういう効果を計らった
というのはありますね。

やっぱり アートといいますとね

猪子さんに聞かないといけないなと
思うんですけれども

そういった展覧会もやってらっしゃる
ということで…。

とにかく サウナ入って 冷水を浴びて
で またサウナ入って 冷水を浴びて

いわゆる ととのってる状態で
アートを見るっていう展覧会を

やってたんですね。 ちょうど
東京オリンピックあった年だったので

世界中から人が来た時に 日本には
とんでもない変な展覧会があるっていう

体験をしてもらえたらいいなと思って
やったんですね。

ととのって見ると
やっぱり 見え方 変わりますか?

やっぱり その ととのってると
五感が すごい増すので

五感が増してる状態でアートを見る。

普通 現代だと
アートは高級な場所に置いて

高級な場所に見に行くみたいなことだと
されてるんですけども

むしろ 何か 来る人が 風呂入って

心が高級な状態になって
アートを見る方が

より未来的なんじゃないかなと思ってね
やったんですね。

どうですか 石川さん
全国的に見てですね

温泉とアートっていう
組み合わせっていうのは?

温泉地というのは 基本的には

芸術家 アーティスト
受け入れてきたわけですよね。

山形県の
東北でも有名な湯治場なんですけれど

肘折温泉っていうのがあるんですね。

地元の 山形県の芸術系の学生たちと
ジョイントして

灯籠みたいなね ぼんぼりみたいなものを
ず~っと 素朴な湯治場の温泉街に

こう 明るくしていくと。

すごく心が和んで
子どもたちも喜んでる…

そういう取り組みなんかもありますね。

あと 今ちょうど 有名な道後温泉本館が

リニューアル工事を
ずっとやってますけど

その壁全体に アート作品っていうのを
ずっと広い空間に掲示していくというね

そういう形で アートや地元の芸術文化を
もっともっと 温泉地が媒介にして

来る人に発信していくという
そういう良循環がね できていければ

いいんじゃないかなというふうに
期待しています。 そうですよね。

今 コロナ禍でね
いろんな各地の温泉地も

苦境に立たされているような状況も
ありますから

そういうプロジェクトが
一つ きっかけになって

また お客さんが戻ってくると
いいですよね。

続いて 登場するのは…
ヤマザキさん お待たせしました。

あら… 師匠。

ヤマザキさんが師匠と呼ぶ
第14代 ローマ皇帝のハドリアヌス帝。

どんな人物と言ったらいいでしょうかね?

彼はですね 実は もう…

今でも 建築を学ぶ方の
最初の方の教科書では

必ずハドリアヌスが建てた建造物のことを
学ばなきゃいけない。

この方は とにかく その まあ
建造技術によって

また その お風呂も
愛していた人でもあるので

そういったものを融合させることによって
ある種の…

ローマの東30キロ。

ここに ハドリアヌスの別荘の跡が
残ります。

宮殿や図書館など 複雑な形をした建物。

「海の劇場」と呼ばれた
水を駆使した円形の劇場。

「ローマ建築の全てが集まる」といわれる
この別荘は

その多くが ハドリアヌス自身の手で
デザインされたといわれます。

中でも 風呂好きのハドリアヌスは
共同浴場 テルマエに

なみなみならぬこだわりを見せます。

大きな浴槽が置かれた部屋。

天井の真ん中には 「丸い穴」。

さし込んだ日の光が
まるで太陽のように浮かび上がり

入浴をぜいたくな時間にしてくれます。

マッサージや仲間と談笑する部屋は
広々と開放的な作り。

そんなハドリアヌスは
当時 あることに頭を悩ませていました。

このころ ローマ帝国は 領土拡大の果てに
史上最大の広さに達します。

国境線の長さは 実に1万5, 000キロ。

その外にいたのが 帝国の富を狙う

ゲルマン民族など
さまざまな異民族でした。

ハドリアヌスは 領土を守るため
国境に30万もの兵を配備。

しかし 前線に送られた兵士の間で
皇帝に対する不満が続出しました。

国境警備が いかに大変だったか。

それを物語るものが
帝国の最北の地に残されています。

イギリス中部にある
「ハドリアヌスの長城」です。

ハドリアヌスが

全長120キロメートルにわたって
作らせた

高さ およそ6.5メートルの壁。

1.5キロごとに 兵士たちの詰め所があり

見張り塔では 昼夜を問わず
異民族の動きを監視していました。

常に臨戦態勢をとり
神経をすり減らす兵士たち。

近くから出土した木片から
苦悩の様子がうかがえます。

一部のローマ兵は

国の存亡に関わる
重要な使命を投げ出す始末だったのです。

厳しい環境に耐えきれない兵士たち。

彼らを鼓舞するため
ハドリアヌスが利用したのが

ローマ人のアイデンティティーとも
いうべき 「お風呂」でした。

ハドリアヌスの長城にあった
詰め所の一つ…

長年にわたる発掘調査で

兵士たちの様子を示すものが
次々と出土し

その実態が明らかになってきました。

そして 国境の最前線としては
驚くべきものが見つかりました。

ローマ人が愛したテルマエです。

(青柳)この町で面白いのはですね

兵士たちが中心となって使う
浴場があったということですね。

本来は これが 恐らく こういうふうに
立ち上がっていて それで一定の高さ。

我々は風呂に入る時
しゃがんで入りますけどね

ローマ人たちは
大体 立って入るんですね。

ですから この辺までの高さの深さ
これが床ですからね

立ち上がっていて
だから 水深が1メーター20とか30とか

というところで
ワイワイ ガヤガヤやりながら

冷たい風呂に入ると。

水風呂のほかに 熱い風呂やサウナも。

都のローマから2, 000キロ以上離れた
辺境の地で

国境警備にあたる兵士たち。

ハドリアヌスは お風呂によって
彼らを肉体的にも精神的にも支え

同時に 遠い前線と
心を通わせようとしたと考えられます。

グループになってパトロールをして
で 1週間ぐらいキャンプ 野営をして

ここに帰ってくるわけですね。
で もう 帰ってきた時から 恐らく

この要塞が見えるところまで
来た時からですね

彼らは何がやりたいかっていったら
もう 何しろ 報告をしたら

すぐにでも このお風呂場に来てですね
それで体を癒やしたい。

あの あったかくて それで 汗がかけて

で ほかでは
絶対に経験することのできない

穏やかな空間の中で
ぼけ~っとしたいという。

そうすると
それまでの1週間なり 10日なりの

パトロールの野営してきた疲れが
いっぺんに取れる。

リフレッシュメントっていうか
それから もう それがなくては とても…

今から1, 900年以上前に作られた
浴場施設。

それは 疲労だけでなく

ローマ人としてのアイデンティティーも
回復させようとした

類いまれなリーダーの姿を
伝えているのです。

すごいですよね。
やっぱり だから お風呂が

どれだけ ローマ人たちにとっての
誇りだったかっていう

自分たちが生み出し
そして ローマ帝国を拡張させることに

一役も二役も買った
彼らのアイデアというか。

お風呂は もともと
温泉が湧いているところには

みんな入れるんだけども
あのように温泉が湧かない場所にですね

きちんと お湯を沸かすという
そういった装置まで全部作るっていう

その執念というか そういったものは

何にも勝る彼らの誇りだったんだろうな
っていうふうに感じますよね。

日本も 誰でもが入れるお風呂が
町じゅうにある。

そのインフラが 多分
今まで延々と続いていることこそが

結構 この社会の本当に誇りっていうか
価値な気がして

全国 どこの町にも 銭湯があって

誰でもが風呂… 全国 全員
風呂に日常的に入れるっていうね

インフラが ずっと続いたっていうのがね
何か すばらしいなと思うんですね。

そういう歴史は やっぱり誇りですよね。
はい。

あと
ヤマザキさんに伺いたいんですけど

ハドリアヌスが
前線に浴場を作るっていうのは

前線の兵士たちも気にかけてますよ
みたいな

そういうメッセージみたいなものも…。
もちろん もちろん。

そうですね だから まず そこを守る
兵士のことを思うがゆえですね。

やっぱり 自己満足だけのことばっかり
やってられないので

兵士たちのことをおもんぱかれる
「寛容性」が どれだけあるか。

古代ローマにおいて
寛容っていう言葉は もう

ずっとコンスタンスに大事な格言として
あるわけですよ。

多様なものを受け入れる。
異文化も受け入れる。

自分たちと考えていることが違う
価値観が違うからといって

それを全て 争いの材料にせずに
それをどうやって共有させていけるか。

お風呂っていうのは
ものすごく そういった意味では

よい緩衝材になったってことですよね。

そして どんどん
ローマ市民にしてますよね。

してます してますし…。
異民族でもね。

風呂に入るだけで寛容になりますもんね。
なります。

「もういいよ はいはい いいよ いいよ」
みたいな感じになるじゃないですか。

それをちゃんとローマ人たちも
分かっていたということですし。

なるほどね。
多様さとか 寛容さとかってね

最近も言われることですけれども。
大事なことですよね。

今 非常に そこが
私たち 失いがちになってるというか

何て言うか こう 「寛容性」なんていうのは
そんなに努力しなきゃいけないほど

大変なことではないと思うんですよね。
だけど どうしても

自分が思いどおりになってることに
ならないことは 全部許せないとか。

こうなるはずじゃないと
私は もう受け入れられないとか。

でも お風呂に入ったら
そんなの どうでもいいじゃないですか

はっきり言って。
まあ 明日は明日の風が吹くから

もういいかなみたいな気持ちに
なれるっていう。

そういうのがあったから
ローマ帝国のようなもの

すごい大国が成立してたってことは
無関係じゃないと思うんですよね。

さあ 2回にわたってですね
温泉 お風呂の知恵を

見てきましたけれども
体で何かを感じるっていうのが

やっぱり 一つポイントになりますかね?
そうですよね。

自分は やっぱり 作品を
手段としてデジタルで作ってますけど

やっぱ 身体で体験してもらいたい。

あげくの果てにはね
お風呂の力を使って

身体状態をよくして アートを見せる。

ととのってからですね。
…だったりね

温泉地でアートを作ったりしてるので

とにかく 身体で体験することこそがね

やっぱり 唯一ね 人間の価値観を広げて

視野を広げることだと思ってるんですね。

だから 体で何か世界を知るのの
究極的なのがね

多分 お風呂だと思うんですね。

何かこう 今の時代 次の時代につながる
何かこう きっかけになりそうですかね?

そうですね。 それによって 人はね
本当 おっしゃるとおりで

寛容になったり
いろんなものを受け入れたり

多様性を受け入れるように
なっていくんだと思うんですね。

それこそがね これからの社会では
多分 「寛容性」こそがね

多分 一番重要なことだと思うんですね。

だから そういう まあ 風呂に限らずね
何か 体で体験して

何か 世界を広げていってほしいですね。

やっぱり 温泉やお風呂というのは
お湯の空間というのは

一番 人が平和に安らぎ
誰もを受け入れる場所ですよね。

こういう特徴…
特性っていうんでしょうかね。

これをもっとね 社会が
特に温泉大国ですので 日本は

広めていく。 で 皆さんが やっぱり
いつもワーキングしてる大変な人たちが

一年に何日かは そこで
自分をやっぱり リセットしたり

インスパイアされる
そういうお湯の空間というのを

確保して頂きたいなと。
マイ癒やしのスポット。

ぜひ それが知恵じゃないかな
というふうに

勝手ながら 私は思いますけど。

やっぱり 人間の社会にいると
私たち 疲れるだけじゃないですか。

何だかんだ。 だけど 温泉に入ると

単純に 「ご苦労さんでした」って こう
お湯に言われてる あの感じ

肉体を癒やせる感じは
やっぱり 最高だと思いますし。

みんな 何かと 今 つらい
コロナで大変 わ~って言うけど

温泉に入ってごらんって。
温泉は 地球が あなたを温めてくれる。

「大変だっただろうけど頑張ってくれよ」
って言ってくれる。

別に その 人間の言葉じゃなくて
いいんですよ ねぎらいは。

地球から癒やされてもらえば
いいんじゃないかと。

「ああ 地球に生まれてきて
私は よかったんだ」と

そういうふうに単純に思える場所が
やっぱり温泉じゃないかなと思うので。

いや~ ありがとうございます。

いや このカウンターの下に…
さっきから ずっと思ってたんですけど

これが足湯だったらいいのになって。

ちょっと 足元が冷えますよね。
ちょっと いろいろ考えましょうかね。

いやいやいや…
今日は ありがとうございました。

(一同)ありがとうございました。

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