クローズアップ現代「ボクサー村田諒太・世紀の一戦へ▽人としての“強さ”とは」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

クローズアップ現代「ボクサー村田諒太・世紀の一戦へ▽人としての“強さ”とは」[字]

“世紀の一戦”に、日本中の注目が集まる。プロボクサー村田諒太と“最強の相手”ゴロフキンの世界頂上決戦。戦いの舞台裏に密着。桑子キャスターが単独インタビューへ。

番組内容
“闘う哲学者”と呼ばれ、その生き方が多くの人を魅了するプロボクサー村田諒太(36)。4月9日、“世紀の一戦”と注目される世界頂上決戦へ。これまで五輪王者や世界王者の称号を獲得しても、「それと引き換えに心がどんどん弱くなる」と確固たる自己を手に入れられずにきた村田。コロナ禍で2年以上も試合が中止・延期となるなか、生きる意味や人間としての強さを問い続けてきた。村田が背負ってきた知られざる思いに迫る。
出演者
【出演】村田諒太,【キャスター】桑子真帆,【語り】安元洋貴

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
スポーツ – 相撲・格闘技

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  18. 大事
  19. チャレンジ
  20. プロボクサー

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

生字幕放送です。一部、字幕で
表現しきれない場合があります。

桑子≫こんばんは
「クローズアップ現代」です。

世界王座統一戦に挑んだ
プロボクサー、村田諒太さん。

私たちに明かした
知られざる胸の内とは。

おととい行われた
日本ボクシング史上最大

総額数十億円に上る
タイトルマッチ。

村田諒太さんは
史上最強と呼ばれる

ゲンナジー・ゴロフキン選手に
挑みました。

実況≫村田の左ボディ。
もう一度、村田の右。

右のクロス。

桑子≫26分11秒に及ぶ激闘。

打たれても、打たれても
前に出続けました。

そして、壮絶なKO負け。

(ゴングの音)

桑子≫しかし、その瞬間

村田さんの表情は
どこか、穏やかでした。

実は、試合の1か月半前。

私たちに
ある覚悟を語っていました。

桑子≫ゴロフキン選手との
一戦にかけていたのは

過去の弱い自分との決別。

死闘の果てに
村田さんは何を得たのか。

桑子≫プロボクサー
村田諒太さん、36歳。

知られざる闘いに迫ります。

桑子≫こんにちは。
よろしくお願いします。

村田≫よろしくお願いします。

腫れちゃって、顔が。

≫激戦を闘い抜いた村田選手。

試合の翌日、単独インタビューに
応じてくれました。

桑子≫試合を終えて
けさ目が覚めたときの

景色というのは
それまでと違うものなんですか。

それとも意外と変わらないのか。

村田≫だからあれ
不思議なもので

ぞっとしましたね。
桑子≫ぞっとする?

村田≫朝、起きるじゃないですか。

試合が終わったって感覚が
まだないんですよ、起きた瞬間は。

だから、起きて試合だと。
試合があると思うんですよ。

思って、思った瞬間に
不思議なもので

いや、終わってると
負けたんだ、君はって

自分に言い聞かせるわけですよ。

負けたんだ君はって
言い聞かせながら

試合がないことに
ほっとするんですよ。

試合が、またあの苦しみが
だから、ほんとになんか

現実がどれなのか、ちょっと
分かんなくなったみたいな

そういう、すごく境目みたいな
朝ですよね。

≫ミドル級の世界王座統一戦に
挑んだ村田選手。

カザフスタンのゴロフキン選手と
激しい打ち合いを繰り広げ

第9ラウンドで
KO負けを喫しました。

桑子≫いや、でも本当に
ものすごい試合でした。

特に序盤は
本当に村田さんのほうから

前に前に出て
ゴロフキン選手が後ずさりする

ボディーも食らうっていうような
シーンもあって。

村田≫やっぱりゴロフキンって
3ラウンドまでが強いんですよ

いつも。
なので3ラウンドまでに

絶対、相手にペースを渡さないと
思って初めから行くと思って。

逆に4、5、6、7になったら
チャンスはあると

思っていたんですけど
やっぱり、そんなに甘いもの

じゃなかったですね。
その辺りのやっぱりキャリアの差。

歴戦の雄というか、やっぱり
強い選手とやってきたっていう

そのキャリアの差は
昨日は、今思うと感じてますね。

≫村田選手は
最強の相手との試合に

どんな覚悟で臨んでいたのか。

半年前から密着取材を続けていた
取材班。

2月下旬。

練習を終えた村田選手が
喫茶店に立ち寄ったときのこと。

そのことばは
おもむろに飛び出しました。

≫負けても、勝っても
引退するかもしれない。

村田選手は、このとき

勝敗ではない何かを
見据えているようでした。

10年前のロンドンオリンピック。

日本選手として48年ぶりに
金メダルを獲得し

一躍、脚光を浴びる存在に。

場内アナウンス≫村田~諒太~。

≫よくとし、プロに転向。

鉄壁のブロックと右ストレートを
武器に勝ち続けます。

2017年には
世界王者の称号を手にし

名実ともに
日本屈指のプロボクサーへと

上り詰めました。

しかし、その裏で村田選手は
ある苦悩を抱えていました。

(ミット打ちの音)

≫ボクシングに勝ち続けても

心が弱くなるとは
どういうことなのか。

それは、金メダルを取っても
世界王者になっても拭えずにいた

過去の体験にあると明かしました。

村田≫僕の中のテーマとして
高校3年生のときに

全日本選手権に出て、初めて。

決勝まで行って
別に普通にやれば

いい勝負ができる相手だったのに
相手の強さ

強い、強いっていう評判に
負けちゃって。

で、もうびびっていっちゃって
1ラウンドで負けちゃった

記憶があって。

で、もう一つが
北京オリンピックの予選のときに

外人がやっぱり強いと
そこには勝てないんだという

やぱり心理が働いていて
両方とも負けてしまって。

それは相手に負けただけ
じゃなくて

自分に負けてしまったっていう。

だから、僕は強くなりたい
強くなりたいって

ずっと思ってたんですけど
強いって何かって言ったら

相手に勝つとか負けるってのは
それはもう神が決めるところでも

あるので。

そうではなくて

自分を認めてあげれるか
どうかだと思っていたので

だから、自分が逃げない
そういった同じ過ちを

繰り返さない
あのときの悔しい思いをした

情けない思いをした
自分というものを

乗り越えるんだと。

≫勝敗だけではなく
人間としての弱さを

乗り越えることを目指してきた
村田選手。

しかし、そのための試合が
できない日々が続きました。

コロナ禍で試合は7回にわたり
延期や中止。

2年以上、闘うことを
許されなくなりました。

≫先月、練習の合間に
公園に立ち寄った村田選手。

桜の木の前で足を止めました。

目を向けたのは満開の桜ではなく
その幹でした。

≫人として強くなる。

そのために必要だったのが
最強と呼ばれる男との一戦でした。

場内アナウンス≫ゴロフキン。

≫ミドル級の頂点に君臨してきた
カザフスタンの英雄

ゲンナジー・ゴロフキン選手。

43戦41勝。

世界王座を19回連続で防衛。

村田選手がデビュー以来
憧れ続けた存在でした。

ゴロフキン選手の強さとは
どういうものなのか。

7年前、試合を観戦した
村田選手は

その神髄を目の当たりにしました。

(歓声)

≫圧倒的な勝利を収めた
ゴロフキン選手。

このとき村田選手が感じたのは

ボクサーとしての
強さだけではありませんでした。

試合直後にも関わらず

ゴロフキン選手が
控え室に招き入れてくれたのです。

村田≫コングラチュレーション。
ゴロフキン≫サンキュー。

≫ゴロフキン選手は
村田選手との合同練習を

受け入れてくれました。

練習に向き合う姿勢や誠実な人柄。

そして、人間としての強さ。

≫そして、ようやく実現した闘い。

興行規模数十億円に上る

日本ボクシング史上最大の
タイトルマッチとなりました。

下馬評は、圧倒的に
ゴロフキン選手有利。

それでも、村田選手は
最強のボクサーと闘い抜いたとき

初めて弱い自分を超えられると
考えていました。

村田≫もうゴロフキンって
最強のチャンピオンですし

彼の名実ともに最強だと
思っているので。

その選手に対して
ぶつかっていければ

残す、思い残すところが
ないというか。

やっぱり北京オリンピックの
予選で負けたあとに

何が思い残したかっていうと
本気でやってない自分なんですね。

本気でぶつかりに行ってない
自分であって

そこに、今回の試合の
意味があるんだっていうふうに

思い変えていたので。

だから、試合前も

自分へのチャレンジだ
チャレンジだ、チャレンジだって。

ゴロフキンじゃないと
こんな気持ちにさせて

もらえなかったですね。
ここまで追い込めなかった。

≫ゴロフキン選手を想定した
スパーリング。

村田選手は
自分のスタイルを

貫き通そうとしていました。

≫前へ、前へと攻めるボクシング。

ゴロフキン選手の
強烈なパンチを受けたとしても

ひるまず近い距離で
打ち合いたいと考えていました。

試合が3週間後に迫ったこの日

村田選手が
胸の内を明かしてくれました。

≫村田選手は、かつて自分に
弱さをもたらしていた恐怖と

向き合おうとしていました。

そして、試合当日。

♪~
(拍手)

場内アナウンス≫
リョウタ~ムラタ~。

ゲンナジー。

≫序盤、村田選手は
前へ前へと攻め立てます。

実況≫下がって受けたのか。

おっと左のボディだ。
村田のコンビネーション。

右のボディだ、右のフック
きいている。

≫強打のゴロフキン選手を
後ろに下がらせ

主導権を握ります。

場内アナウンス≫
ラウンドファイブ。

≫しかし、中盤。

ゴロフキン選手が
史上最強たるゆえんを

見せつけます。

どこから飛んでくるか分からない
変幻自在のパンチ。

そして、多彩な
コンビネーションで

追い詰められていきます。

実況≫左フックだ。
これは危ない村田。

ロープを背負う。

≫それでも

村田選手は前に出る姿勢を
失うことはありませんでした。

第9ラウンド。
前に出た瞬間でした。

実況≫ここで、あっと。

(ゴングの音)

実況≫村田サイドから
今、タオルが投げ込まれました。

村田、敗れました。

≫世紀の一戦は終わりました。

桑子≫村田さんて
そのボクシングを通して

こう自分の本当の強さをこう
ずっと探求していらっしゃったと

思っていて、で、今回のその
ゴロフキン選手との試合の前に

その恐怖はもう相当なものが
あるけれども、恐怖と闘うって

どんな境地なんだろうって思って。

村田≫そう、やっぱり
やってみるとね、ゴロフキンは

ゴロフキンしかいないから。

結局は慣れなんてものは
ないですよね。ただ、じゃ

慣れることが大事なのかとか
恐怖がなくなることが

大事なのかっていうと、別に
そんなんじゃないなと思って

恐怖のままでいいんだと思って。

怖くていい、怖いけど
進むんだって、そういう気持ちで

いれたので、最終的には
そういう気持ちになれたので。

だから、こんなかけがえない日々
ないですよね。もう1回

経験しろって言われたら
めっちゃ嫌ですよ。

絶対、断固拒否しますよ。

だけど、結果として
結局、そこに立ち向かうことが

なんか
人間を作っていくというか

そんなもんなんじゃないかなと。

だから、すごくありがたい機会を
くれた。やっぱりゴロフキン選手

じゃないとこんな気持ちに
させてくれなかった。

変な話、勝てると思ってる相手
だったら、こんな気持ちに

させてくれなかった。

恐怖っていうものが絶対的な
マイナス要因ではないってこと

なんです、人生において。

桑子≫今は自分が思い描いている

人間に近づけていますか
それとも、なれましたか。

村田≫前よりかは近づきました。

試合前よりかは
近づいたと思います。

確かにゴロフキンよりも弱かった。

きのうの試合ではゴロフキンより
弱かった。だから世界一じゃない

それは認める。だけど、お前は
強さをちゃんと追いかけたよ。

だから、お前もこのまま
頑張っていな、いろんなことある

いろんなつらいことが
お前の人生ある。

だけど、このまま頑張れって
僕に対して、今、声をかけて

あげれるかなとは思うので。

そういう気持ちにさせてくれる
ゴロフキン選手

やっぱり感謝してますし

そういった意味で強くなったか
どうかっていうと

強くなれたかなと思います。

相手に勝つうんぬんっていうこと
ばっかり追いかけるんではなくて

やっぱり自分に勝つこと。

そして、自分に負けなかった

勝つじゃなくていい
負けないでいいと思います。

自分に負けない、勝ったと思える

この気持ちっていうのは

やっぱり何事にも
代えがたいんだなと。

勝利以上のものを
なんかもらえた気がします。

桑子≫試合後にダウンされて
下をずっと見ていらっしゃって。

そこから顔を上げたときの
あのときの感情って

覚えていらっしゃいますか。
何とも言えない表情をされていて。

試合前に村田さんが
負けたら引退、勝っても続ける

選択肢がないっていうふうに
おっしゃっていて

戦い終えた今っていうのは
どんなふうに感じていますか。

村田≫確かに、もっとやりたい。

ああ、やりたい。だけど、これは
どうなんだろう。そこはやっぱり

冷静な判断をしていかなきゃ
いけないので。

だから、この期間にしっかり
その判断をね

下せるようにしなきゃいけないし
可能性としては、可能性としては

というか、今の僕としてはですよ
この辺りがほんとはいい

辞め時なんだろうとは思ってます。

ただ、まだ答えは出せないので
うん、そんな感じですかね。

桑子≫村田さんが桜の木の下に
いらっしゃって、で、花を

見上げて、これは試合だと
で、大事なのは

この幹の部分なんだと。

でも、これからね
その桜の木を、幹を

作っていく上で、どういう
その村田諒太という人間を

見せていただけますか。

村田≫えてして人間は
花だけ見てしまう

自分も自分の花だけ見てしまう。
そうじゃないよなって。

見ろ、この堂々とした幹の部分

そして力が全ての栄養を下から
吸収していくような

この力強い根を見た瞬間に
やっぱりそこだなと、人間

それってやっぱり人間として
どうあるかだと思うんですよ。

だから、人の目に見えない所でも
しっかり根を張って、そういう

ような人生をこれから歩む
そっちのほうが大事でしょうね。

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