出典:EPGの番組情報
あしたも晴れ!人生レシピ「ステキに再生!使い続けたい大切なモノ」[解][字]
大切に使ってきた器が壊れた、衣類がすりきれた、そんな時、捨てずに補修しながら使い続けるポイントをご紹介。たんすに眠ったままの着物をステキにアレンジした事例も!
番組内容
大切に使い続けたい大切なモノありませんか?器が欠けた、割れた、そんなときに修復する金継ぎの技術。その教室に通う人たちを紹介。着続けたい衣類が薄くなったり破れたりしたときには、ダーニングというつくろう技がおすすめ。使う糸の色やデザインでによって、かえってステキな一点ものが出来上がる!さらに、タンスに眠ったままになりがちな着物が、現代的なワンピースや小物に大変身!捨てる前のリメイク、考えてみませんか?
出演者
【ゲスト】篠原ともえ,【司会】賀来千香子,小澤康喬,【語り】堀内賢雄ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
情報/ワイドショー – グルメ・料理
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
- 着物
- 生地
- ダーニング
- 大切
- 自分
- リメイク
- 本当
- 金継
- 野口
- 作業
- 仕上
- 部分
- ワンピース
- 教室
- 祖母
- レイチェル
- 工程
- 八千子
- 和田
- センチ
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
欠けてしまった食器に…。
簡単に処分するの もったいないですよね。
こちらは金継ぎ教室。
思い出のある割れた器を 自分で直そう
という人が増えているといいます。
金継ぎを施すことで
違う味わいのものに仕上がります。
着物をリメイクしたいという声に応えて
現代風なファッションアイテムに
変身させる人も…。
衣類のほころびを繕う
「ダーニング」という技術も ご紹介。
そうすることで
オリジナリティーも生まれます。
こちらは ダーニング作家が8年間
はき続けている靴下です。
手間をかけながら
大切なものを使い続けてみませんか?
♬~
「あしたも晴れ!人生レシピ」。
今回は 大切な「捨てるに忍びないもの」に
手を加えて
すてきに生まれ変わらせる方法を
見ていきます。
実は 私もね 祖母のお着物を
いとこがですね
こういうふうに
トートバックにしてもらって。
傘入れも こんなふうな…
裏地が こんなで
ちょっと こうやって これも
ぼんぼり付けてもらって。
いや~ 上品ですね。
何か 祖母も喜んでるかなと思って
私自身も祖母の存在をまた感じられて
こうやって大事に形として残せて
とても うれしいです。
では ゲストをご紹介しましょう。
デザイナーとしても活躍されています
篠原ともえさんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
私 実は子どもの頃から
リメイクが大好きで
初めてリメイクをしたのは小学校ぐらいの
時だったと思うんですけど
母親のデニムを切って
それで ポーチを作ったんです。
それで怒られると思ったら「なんて
すてきなポーチなの」って喜んでくれて。
アレンジする楽しさって
皆さん お持ちだと思うんですよね。
だから今回のテーマで また
よりリメイク愛が増えるんじゃないかなと
思って楽しみにしています。
さあ まず見てまいりますのは
壊れた器を修復する「金継ぎ」です。
直して 使い続けたいという人たちの間で
人気となっているようなんです。
東京・台東区にある漆工芸の教室。
少ないより多いほうがいいです。
はい。
ここで行われているのが
漆を使った金継ぎです。
金継ぎとは 割れたり欠けたりした
陶磁器などを漆を使い修復
金などの金属粉で装飾する
日本古来の伝統技法。
この教室では 家で使っていた器を
自ら修復したいという人が
増えているといいます。
そんな教室に初参加の志岐朋子さんです。
持ち込んだのは この6点の器。
大切にしたい理由がありました。
これは全部 祖父母宅から
持ってきたものです。
ふだん使っていたものなんですけど
帰省するたんびに これに ごはんを出して
食べさせて頂いたというもので。
家は今 もう空き家に
なっちゃってるんですけど
やっぱり何か…
長年 使っていて
欠けてしまったところがありました。
そこで 金継ぎで直したいと考えたのです。
まずは欠けた部分をきれいにする作業。
形を整え さらに漆をつきやすくするため
欠けた部分に やすりをかけます。
細かい作業に志岐さんは…。
今年 始めてよかったなと思います。
老眼になったら できないから。
初めての作業なので 加減が分かりません。
どこまでやればいいのか分からない。
深さは要らないです。 触って
「さっきと違うな」ぐらいでいいです。
こんな感じで いいですか?
もう当たってます。 当たってます。
やすりかけると ちょっと柔らかい
肌触りになるので
そうなったら もうOKです。
削り終えたのが こちら。
削る前と比べてみると ギザギザの部分が
減り 滑らかになっています。
次に その部分に漆を塗っていきます。
漆が直接 皮膚に当たると
アレルギー反応が起こり
かぶれる危険性があります。
そのため必ず手袋などをしたうえで
行います。
不乾性の油を混ぜ 薄めた漆を
欠けた部分に塗っていきます。
一度 漆を薄く塗っておくことで
次の漆が つきやすくなるといいます。
ティッシュに 漆がつかなくなるまで
拭き取れば 素地固めは終了。
今日やった作業では 仕上がりが
ちょっと想像ができないので
どんな形になるのか楽しみです。
そのあとは…
その後 2週間程度 乾燥させます。
ここで再び…
次に始まるのが 塗りの工程。
色を付けた漆を補修箇所に
はみ出さないよう 薄く均一に塗ります。
きれいに仕上げるため
この工程を繰り返すことも あるそう。
そして最後の工程。
そんな工程を経て
教室で金継ぎされた器が こちら。
それぞれ大切な器が
味わい深いものになっています。
この日 初参加の志岐さん。
完成は早くても月に3回 通って
半年ほど かかるそうですが…。
全部 修復できたら一面に並べて
「これからも よろしく」って
言いたいですね 器に。
この教室に通い始めて2か月になる
田中さんです。
これです。
直していたのは お気に入りのコップです。
4年ほど前に 父親へのプレゼントとして
買った 作家の一点物。
大切にしていましたが
飲み口が欠けてしまいました。
田中さんは
この日が最終仕上げの日でした。
じゃあ 粉固めしますね。
はい。
粉固めとは 修復箇所にまいた
金属粉の上から漆を塗ることで
しっかりと定着させる作業のこと。
これで 一気にいっても大丈夫ですか?
そうですね。
修復部分から少しでも はみ出したり
塗る漆が多かったりすると
出来上がりにムラが出るという この工程。
めっちゃ緊張してます。 すごい震えてる。
最後の仕上げに関わるため
緊張が高まります。
ゆっくりと確実に筆を進め…。
ティッシュで丁寧に余分な漆を拭き取る
作業を繰り返し
全ての工程を終えました。
1つ目なんで。
時間がかかった分 愛情も増しますし…
思ったより工程と手間と時間が
かかるんですけども
その分 何か そのものと向き合う時間が
長い分 何か「大事だったんだよ」って
こう お互いが響き合う気がして。
私も実は すごく気に入ってる器が
あったんですけど 欠けてしまって
ちゃんと取っといてます。
金継ぎをするために その楽しみを
取っておくために取っといてます。
今まで高い器とかも
あっ 割れちゃいそうとか思って
手が出なかったものも 自分で
いつか直せるというふうに思うと
手に取りやすいなと思って。
好きなものの器の幅が広がるのも
すごくいいなと思いますね。
本当そうですね。
じゃあ この金継ぎが そもそも何で
誕生したのかということをですね
美術評論家の森 孝一さんに
教えて頂きました。
つまり当時から漆が使われていたって
ことが分かっているそうなんです。
その後 金継ぎは室町時代
茶の湯文化とともに広がって
繕った部分をあえて見せる
「景色」と称して
そこに美しさを見いだすように
なったそうなんです。
江戸時代には 破損した磁器を
継ぎ目に釉薬をつけて接着したあと
焼いて接合する。 くっつける。
「焼き継ぎ」という手法で
修理する習慣が広まったと。
それを専門にする職人も
現れたそうなんです。
このころから…
なるほど。 でも その欠けたところに
美を見いだすという文化って
すごく日本人らしいなって
思ったんですよね。
それをまた景色と捉える。
そうですね。
捉えたいですよね。
捉えたい。
これは もう私の使った証し
という景色だから。
そのまま ずっと愛し続けて使う
というのは すばらしいことですね。
さあ では生まれ変わらせて
大切に使い続けていきたいもの
着物を見てまいりましょう。
受け継いだものの 着る機会が
なかなか なかったり
あと着付けが難しかったりということで
たんすの肥やしになっているという方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
思い切って ふだん使いできるものに
リメイクしたという方を取材しました。
こんにちは。
長野県に暮らす和田さんです。
こちらは母親の孝子さん。
和田さんが去年 亡くなった祖母
八千子さんが大切にしていたという
着物を見せてくれました。
八千子さんは着物などを自分で縫うほどの
腕を持ち 30着ほど持っていました。
ピンクの着物は 母が お嫁に来る時に
祖母が持たせたというやつで。
家庭科の先生をしていた八千子さん。
祝い事などの時は
好んで着物を着ていました。
自分の娘には
お手製の晴れ着を着せていました。
そんな着物は 八千子さんを思い出させる
大切なもの。
しかし ふだん なかなか
着る機会がないため
リメイクすることに決めました。
それが こちら。
薄墨色の柄物 黒の留め袖 明るい花柄
青色の着物に
八千子さんお手製の
子ども用の晴れ着です。
せっかくだから ちょっと
やってみようかっていうことで妹と。
着物を送ったのは 埼玉県にある
着物をリメイクする会社。
ブランドプロデューサーである
大方知子さんと
クリエーティブディレクターの
宇波滉基さんです。
2人は着物の生地を今の時代に着られる
ファッションアイテムに作り替える試みを
7年前から始めました。
生地の特性や柄を生かした
デザインなどを考え
すてきに アレンジしているんです。
ワンピースですと こちらは小紋柄ですね。
すごく お着物の素材感と
すごく相性が よくてですね。
こちらのワンピース
シルクの柔らかい生地の特徴を
生かしたため
着心地のいいものに仕上がりました。
「銘仙」と呼ばれる古い着物を
スカートにリメイク。
大胆な花柄が鮮やかな印象に。
やっぱり何か 物が生かされるっていう
その喜びは ものすごくあります。
「ビフォー・アフター」大好きで 基本的に…
そういった楽しみもあります。
そこが すごい楽しいです。
着物という素材を大切にしたいと
考えている大方さん。
きっかけは
ファッションの勉強をする中で
大量消費 大量廃棄のサイクルに
疑問を感じるようになったこと。
そこで古着の生地をアクセサリーなどに
使うようにしたのです。
そんな時 知り合いから着物が
大量に廃棄されていると聞かされ
なんとか できないかと
考えるようになりました。
着物のリメイクを始めたところ 多くの
着物が送られてくるようになりました。
依頼件数は月に 30~50ほど。
どのように リメイクしているのか
作業を見せて頂きました。
箱から取り出したのは
長野の和田さんの着物。
糸を取って洗い
生地の状態にしたものです。
着物から服に リメイクする時
大変なのは 生地のとり方。
細長く分量が限られた生地を
どのように組み合わせ
服の継ぎ目や柄を違和感のないものに
仕上げていくのか。
腕の見せどころでもあります。
では こうと こうにしましょう。
うん いいと思う。
こっちが前ということで いきましょうか。
了解!
柄合わせを終えると
出来上がりイメージを作ります。
これね 結構もう 下ないから。
もうちょい下。
これが前ね?
うん。
柄をどこに配置すれば
一番きれいに見えるのか
デジタル技術を使い 試行錯誤を重ねます。
扇の模様は ワンピースの下に
配置することにしました。
和田さんの服のイメージ図が
出来上がりました。
生地は縫製の専門業者に送り
そこで縫ってもらいます。
こうして世界に一つしかない
特別なものが出来上がるのです。
なので お客様との やはり
暮らしの中で寄り添っていく…
着物を送ってから およそ1か月。
依頼者の和田さんのもとに
リメイクした品物が届きました。
こちらは和田さん用のワンピース。
かわいいね 本当に。 これ 着物だったとは
ちょっと思えない柄だね。
もともとが わりと
着物っぽくない柄だから
なおさらかも しれないけど。
花柄と明るい色合いが
印象的な仕上がりに。
ゆったりと流れるように形づくられ
袖口は肩のラインが
きれいに見えるという
フレンチスリーブになっています。
このワンピースに
オンラインで参加の妹さんは?
いくよ。
こんな感じで。
すそが スリット そして。
スリットが ちゃんと入ってる。
本当だ。 すごいな。
でも こんなふうに…
着物が こんなふうになるんだね。
黒留め袖も ワンピースに大変身。
実は このワンピース 娘2人から
母への還暦のプレゼントでした。
本当に ありがたいなと思います。
あ~ いいね。
リボン どこでもいいけど。
そうだね。 確かに。
よく似合う。
ありがとうございます。
孝子さんも着てみました。
あ~ いいね。
いいですか。
そうだね 本当だ。
あっさりした感じの…。
へえ~。
ここは ちゃんと柄が…。
スリットになってるから動きやすそう。
本当だね。 柄 違うんだ ほら。
後ろと ちょっとね。
ねっ 前とね。
何か 生地だけ見た時は
もうちょっと何か こう
フォーマルに着ないといけないかなって
思ったけど
こうやって着てみちゃうと
本当に いつでも着れそうだね。
その他にも 大きな柄が印象的な
青色の着物は
Vネックのシックなドレスに。
落ち着いた色みの着物は 腰に切り替えの
ついたエレガントなワンピースに。
さらに…。
カラフルな晴れ着は 肩掛けバッグや
ハンカチなどの小物になりました。
ふだん 使うことができるように
生まれ変わった着物。
使うたびに
八千子さんを思い出すことができます。
そのままにしてたら あまり…
ほぼ着ないで結局 捨てちゃったりとか
売っちゃったりとか してたのかな
というふうに思うと
せっかく取っといてもらったやつを…
もう ちょっと見てて
胸が いっぱいになっちゃいました。
こうやってね デザインでね 人の心を
つないでいくということって
できるんだなっていう。
何か物語が すごくありましたし。
親子3代 すてきですよね。
ああやって こう気持ちや思いが紡がれて。
ねえ 何か本当
オーダーメードですよね。
柄合わせって 洋服でも作る時に
すっごく難しいんですよね。
でも やっぱり それをこう デザインで
もうずっと この先も愛せる作品が
一着できるって
もう本当に スペシャルですよね。
着物の生地を使った さまざまな小物を
ご紹介しましょう。
こちらは風呂敷。
色合わせを工夫すると
すてきな仕上がりに。
あずま袋は 生地を2か所 縫うだけで
簡単に仕上がります。
帯の生地を使った コンパクトなバッグ。
こちらはネクタイ。
蝶ネクタイも すてきですね。
髪をたくし上げるターバンにもなります。
こちらは バブーシュと呼ばれる
モロッコの伝統的な履物です。
篠原さんも賀来さんも
手に取ってみました。
着物の生地って すごく鮮やかなので
ぐるりと回しても どこも明るい。
え~ おしゃれ。
すごい おしゃれ。
すっごい おしゃれ。
何か 心が浮きたちますよね。
かわいい。 すごい かわいい。
「ザ・着物」という柄ですよね。
だけど この大胆な変身で。
何? 何か こう異国情緒が。
そうですね。
何か エスニックな感じしますよ。
ねえ これ インパクトありますね。
ありますね。
足元にあると。
これだけ変化できる 着物の潜在的な
可能性というのにも驚かされましたね。
確かに。
篠原さんにも リメイク作品を
お持ち頂きました。
おばあちゃんの帯で作ったカバンに
なりますね。
やっぱり光沢がありますね。
そうですね。 表の柄と裏の柄を替えて
中は…。
うわ~。
おばあちゃんが ツバキが
すごく好きだったので
このコーディネートに合わせたいなと
思って。
すごく気に入ってるんです。
そうですよね。 これ すてきね。
帯だと ちょっと渋いかなと
思ったんですけど カバンになると
すごく華やかになるというのが
自分で作ってみても分かりましたし。
あと もう一つ あるんですけれど
これは着物の はぎれを使った
マフラーなんですけど。
うわ~ かわいい。
これは すごく鮮やかですね。
これも全部 四角い生地をパズルのように
どんどん どんどん つなぎ合わせて。
これだけ鮮やかなのに
浮かないから不思議ですよね。
そうなのね。
アンティークさが 着物ってあるので
結構 派手なものを組み合わせても
派手すぎない。
これが小物になると また
これくらい明るくても自然なので
これからも ずっと
愛用していくと思います。
してください。
はい。
まさに篠原さん 実践されてますけれども
昔は着物として着られたあと
傷んでくると最後は はぎれにして
げたの鼻緒にしたりとか
あと巾着になったりとか
最後は オムツとか雑巾になって
もう本当に最後まで使い切られるもの
だったと。 究極ですね。
そう。 究極の もう エコと申しますかね
衣類だったということを感じますよね。
着物の一生を全うする。 すてきね。
着物 着る時も ありますけれども
どっちかというと やっぱり
しまっていて 時々 見てとか
祖母だったり そういうお着物を見て
ということだったのでね
何か やっぱり本当に再生させたいなと
思いました 今。
続いては ふだん使いの衣類についてです。
すり切れたり 穴が開いたりしますと
どうしても処分してしまいがち
ですけれども
ある技を使って直しますと
特別な一点物に変わるんだそうです。
こちらです。
こちらは都内で開かれている教室。
受講生が学んでいるのは
ダーニングと呼ばれる
ヨーロッパ発祥の衣類の修繕方法です。
英語で「繕う」という意味がある
ダーニング。
穴が開いたり 傷んだりした部分を
縫うことで見えないようにしたり
逆に あえて見せるために カラフルな糸で
装飾を施したりするものです。
指導しているのは 野口 光さん。
日本のダーニング人気の
火付け役と言われています。
野口さんは 生地の素材を選んだり
柄をデザインするテキスタイルデザイナー
として活躍する一方で
マフラーや手袋といった オリジナルの
ニット製品なども手がけています。
そんな野口さんに お気に入りの
ダーニングアイテムを見せてもらいました。
カシミヤのソックス。
もう こちらは8年近く
はいてるものなんですけど
まだ はける。 まだ はける。
靴下との せめぎ合い?
もう少し はけるぞ。 まだ繕って
また もう1年はいてやるぞっていう。
育てる楽しさもありますが…
そんな野口さんが ダーニングと
出会ったのは 10年ほど前。
仕事を通じて イギリス人の
レイチェルさんと知り合いになり
彼女が営む手芸店を
訪ねた時のことでした。
それまで見かけたことのない
「ダーニングマッシュルーム」と
呼ばれるものが 目に入ったのです。
レイチェルさんに「これって どうやって
使うの?」というふうに伺ったら
「これは ダーニング… お繕いをする時の
道具なのよ」というふうに伺って
レイチェルが その時に
デモンストレーションをしてくれて
その時に使ったセーターというのが
もうすごく レイチェルが
もう何年もかけて
ダーニングをしてるもので。
こちらが その時 見せてくれたセーター。
大工仕事が趣味のレイチェルさんが
作業する中で傷んできたところを
繕い続け オリジナルのセーターに
育て上げていました。
野口さんは衝撃を受けたといいます。
レイチェルが どれぐらい
自分の大工仕事に
情熱を向けて やっているかという…
繕うというのは 新品同様にする。
繕ったところを いかに
見せないようにするっていうものが
繕いだと思ってましたから…
…なんだなということが分かりました。
ダーニングの方法を その場で
レイチェルさんに学んだという野口さん。
そんな時 父親にプレゼントした
マフラーが ほつれているのを発見。
ショックを受けた野口さん
そのマフラーに
自ら ダーニングを施しました。
その時に そういった自分の手で
ダーニングをすることで
「がっかりが うれしいになる」という
経験をして
これって もっと
いろんな人に知らせたいな。
野口さんに ダーニングの技を
一つ紹介してもらいました。
生地が薄くなったところなどを
補強していきます。
用意するのは ダーニングマッシュルームに
糸と針 そして糸通し ヘアゴム。
糸は自分の好きな色や太さで構いません。
ダーニングマッシュルームの中心に
傷んだ部分が来るように
生地をかぶせます。
代わりに おたまを使っても
いいそうですよ。
動かないよう ヘアゴムなどで縛ります。
この時 生地を
引っ張りすぎないようにしましょう。
1回に使う糸の長さは腕1本分
およそ50センチです。
皆さん 糸って長くしがちなんですが
こんがらがる原因になりますから。
糸は2本どりではなく
1本どりで使用します。
傷んだ部分の5ミリから1センチ
外側までを縫っていきますよ。
ではですね ここに右左 右左 右左と
ゴマシオダーニングというステッチを
やっていきたいと思います。
縫う範囲の3センチほど外側から針を刺し
刺し始めのところへ糸を通します。
次に糸が出ているところから1ミリ程度
進行方向とは逆の位置に刺し
5ミリから1センチ程度 先に出します。
そうすると ゴマが1個できました。
あとは同じように 戻っては進みを
繰り返しながら端まで縫い進めます。
はい 次の段にいきます。 ぐるりと回して。
糸が出ている1ミリ程度上のところに
一針目を刺し
5ミリから1センチ程度 先に出します。
あとは1段目と同じように縫いましょう。
1段目にできたゴマの すぐお隣に
刺す必要はありません。
バラバラという表情のほうが
かわいかったりしますので。
このタイミングで…
縫い始めは最初と同じように3センチ
外側から針を刺し 縫い進めていきます。
あとは この作業を全体を縫い終えるまで
繰り返すだけです。
縫い始めから およそ20分後。
5色の糸を使い ステッチが終了。
残すは糸の始末です。
ダーニングマッシュルームを外します。
生地を裏返すと こんな感じ。
こちらを表面にしても いいそうです。
糸の始末は まず
外側3センチのところから出した
糸の端を裏側に入れ込みます。
その糸を針に通し 縫い目に4~5回
くぐらせ 余った糸を切れば終了。
玉結びにしても構わないそうです。
これで ゴマシオダーニングの完成です。
その他にも縦糸と横糸を交互に通す
バスケットダーニングや…。
伸縮性のある生地でも使えるという
ハニカムダーニングなど
およそ30種類のテクニックがあると
いいます。
ダーニングの魅力を伝えたいと
教室を開いている野口さん。
この線を ここの線に合わせます。
大切にしているのは
細かく指示を出さないことです。
ここなんですけど ここのステッチの
しかたは もう お好みで…。
服って 素材も色も あと傷み方も
千差万別で
一つの答えが絶対ないんですね。
で 皆さんに
これには どういう糸がいいか
どういうステッチがいいか
というふうに考えて…
私の やってるダーニングは…
すごい よくできてる。 ねえ。
オリジナリティーあふれる生徒の作品を
見るのは 何よりの楽しみです。
すごい小さいレベルで
自分らしさを実現してみたり
そんな工夫ができるので
自分の手で そういうことができるんだな
という自信というか
…に つなげてもらいたいと思います。
かわいかったですね。
何だろう…
ホッコリしちゃうっていうかね。
もう穴が開いた すり切れたら もう
それで おしまいって なりがちですけど
このダーニングの観点からすると
そこからが スタートになるわけですよね。
どうしても消費して 廃棄っていうふうに
なってしまいますもんね。
今 また特に安くて便利だからとかって
そっちに行きがちな。
愛情 込めて 逆に育てていくというのが
すごいですよね。
先ほど ちょっと お見せした
このマフラーも
実は どんどん ちょっと穴が
開いてきちゃったりするんですけど
ワッペンを付けて
実は穴を隠してるんですね。
自分の そういう お気に入りのアレンジの
しかたとか 大切なしかたっていうのは
あると ちょっと いいなと思いますね。
野口さんには 夢があるそうでして
このダーニングを
小学校で教科として教える。
そういったことが 実現するといいなと。
やっぱり物を大切にするっていう
言葉自体を伝えることはできると
思うんですけど
それを どう子どもたちに実感
持ってもらうかって
このダーニングのように 繕うことで
それが おしゃれになったりとか
あるいは個性を表現することに
なったりとか
何か そういうことに つながるんだよって
伝えられると
物を大切にするっていうことの裾野が
広がっていくんじゃないかなという
印象を受けましたね。
物を大切にすることが
いかに尊いことかというのが
小さい時から学べて
自然に学べて いいですね。
今は簡単に物が手に入って
つい買ってしまいがちなんですけれども
家にあるものを アレンジして
自分で オリジナルで
ちょっと手を加えてあげて
長く使って愛せる。
そうだよな… もともと昔は そういう
使い方とか 作り方してたんだよな
というのを改めて教えてもらえましたね。
それを大事にすることで その人
例えば祖母だったり その人そのものを
また思い起こすというかね。
あと その時の自分とか その時間も
思い起こさせてくれる
とても貴重な時間なんだなと思って。
もう一人の祖母の着物を見に行きたいと
思いました。
篠原さん どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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