チョイス@病気になったとき「急増!潰瘍性大腸炎」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

チョイス@病気になったとき「急増!潰瘍性大腸炎」[解][字]

免疫の暴走により大腸の粘膜に炎症が起き、血便や下痢が生じる「潰瘍性大腸炎」。重症度別の治療のチョイスや、症状の悪化を防ぐ食事のポイントを伝える。

番組内容
免疫の暴走により、大腸の粘膜に炎症が起きて潰瘍やただれができ、血便や下痢が生じる「潰瘍性大腸炎」。患者数は全国22万人にものぼり、さらに5年で約1.5倍のペースで増え続けている。今のところ完治が難しいため、治療は、症状を抑えてよい状態をできるだけ長く続けることを目標に行う。近年開発が相次ぐ、重症の人向けの薬など、重症度によって異なる治療のチョイスを紹介。症状の悪化を防ぐ食事のポイントも伝える。
出演者
【キャスター】八嶋智人,大和田美帆,【講師】東邦大学医療センター佐倉病院院長補佐…松岡克善,【リポーター】深川仁志,【語り】江越彬紀,佐藤真由美

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 高齢者

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キーワード出現数ベスト20

  1. 潰瘍性大腸炎
  2. 炎症
  3. 病気
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  5. 症状
  6. 大腸
  7. 場合
  8. 生物学的製剤
  9. チョイス
  10. 免疫
  11. お薬
  12. ステロイド
  13. 腹痛
  14. 治療
  15. アミノサリチル酸製剤
  16. サイトカイン
  17. 再燃
  18. 下痢
  19. 食事
  20. VTR

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

いたたたた…! ううっ…!

<突然の…>

<そして 繰り返す下痢>

<そして まさかの…>

<こんな症状を繰り返している あなた。

ひょっとしたら それ

「潰瘍性大腸炎」かもしれません>

ひと言で言うと…

残念ながら…

<実は…>

<患者は なんと 22万人。

さらに増え続けているんです>

何回か あります。

…を余儀なくされてたんじゃないかなと
思いますけどね。

<じゃあ 一体…>

<大丈夫! チョイスはあります!>

(4人)チョイス!

<新薬が 次々と登場!

重症度別の薬のチョイスが
広がっています>

うれしかったですね 素直に。

<あなたに合った
潰瘍性大腸炎の治療のチョイスを

じっくり お伝えしま~す!>

健康への道のりはチョイスの連続!

ということで 今日の「チョイス」は…

元総理大臣の安倍さんがね…。

なりましたね。
なった病気ということで

聞いてはいますけど 詳しくは…。
分からないです。

あと VTRにもあったように 治療がね
根本的な治療がないっていうので

なかなか治らないっていうイメージも
ありますけれども。

今日のテーマは
大腸の病気なんですけども

腸の中に生息する腸内細菌。

これ おなかの中に
どれぐらいいるか分かりますか?

おなかの中に? それは もう
何億といるんじゃないですか?

100億… 100億。
100億? 100億です!

これね ちょっと 桁が違うんですよ。
えっ!

100兆から1, 000兆個。

兆!
全然違いますね。

重さにすると 1kgから1.5kgほど。

えっ!
あっ もう 自分の体重の…。

その子たち集めたら?
はい。

そうですか!
結構なウエイトがあるんですね。

そのほとんどが大腸にいるんですけども

その大腸で起きる潰瘍性大腸炎
一体 どんな病気なんでしょうか?

<歯科衛生士をしている…>

<川島さんが たびたび
腹痛に襲われるようになったのは

3年前のことでした>

<突然 繰り返すようになった腹痛。

トイレの回数も増え 多いときは

勤務中に
5回もトイレに駆け込むときも。

そして なんと

便に血が混じることも
あったのです>

当たり前と思って あんまり…

<しかし 1年たっても

症状は回復しませんでした。

そんな ある日
職場の健康診断がありました。

腹痛と血便があったので

「便潜血検査」も
追加で受けることにしました。

その結果は やはり「陽性」。

「要精密検査」の判定でした>

<そこで 川島さんは
大学病院を受診することにしました。

まず 行ったのは 大腸の状態を
内視鏡で調べる…>

<その結果…>

<診断は「軽症の潰瘍性大腸炎」。

「潰瘍性大腸炎」って どんな病気?>

<「潰瘍性大腸炎」は大腸の粘膜の病気です>

<本来 大腸の内側の粘膜は

外敵の侵入を防ぐ

いわば 防波堤の役割をしています>

<ところが 何らかの原因で

免疫が過剰に働き 炎症が起こると

組織が傷つき

防波堤が崩れてしまいます。

すると
さまざまな物質が免疫を刺激し

炎症が続くようになります。

炎症が続くと ただれや潰瘍が出来

そこから出血して
血便が出るのです>

まさか…

<川島さんには
「5-アミノサリチル酸製剤」の のみ薬が

処方されました。

大腸に直接作用して炎症を抑える…>

<薬を のみ始めると
すぐに 効果が見られました>

チョイス!

<事務の仕事をしている…>

<…と診断されました>

<高木さんの場合 腹痛と血便以外に

ある症状が現れました。 それは…>

…ってことが多かったです。

<なぜ 高木さんの場合は

下痢にもなったのでしょうか?>

<小腸で消化され
大腸に運ばれてきた食べ物は

大腸内を進むにつれて

粘膜から 徐々に水分が吸収され

最終的に 硬い便になります。

ところが 潰瘍性大腸炎になると

炎症を起こした粘膜は

水分を
吸収しづらくなります。

そのため 腸内の水分が増え過ぎて

下痢になってしまうのです>

<高木さんの場合
下痢や腹痛の症状が

一番出たのは朝方でした>

<そんな高木さんを
改善に導いたチョイスとは…>

チョイス!

それは
「5-アミノサリチル酸製剤」に加えて

お尻から注入するタイプの
ステロイドを使うこと>

<実は 潰瘍性大腸炎は

肛門の出口付近の
直腸から

炎症が広がっていく
特徴があります。

そのため
直腸付近の炎症を抑える治療が

効果的なんです>

<2つの薬で治療した結果は…>

う~ん…!
なるほど。

あんな若い女性でね
そういうことになるっていうのは

本当に大変だなっていうふうに
思いますし

何か 普通に働きにも
出れなくなっちゃうんじゃないかってね。

何か メンタル的にも
やられそうな感じがして心配ですが。

では お話 伺っていきましょう。
ここからは 専門家にも

お越しいただいております。

よろしくお願いします。

(一同)よろしくお願いします。

やっぱり
冒頭からね 難病指定というふうにね

僕ら VTRで見て
ちょっと どきっとしたんですけれども

でも 何か 難病指定っていうと
患者の数が

そんなに多くないんじゃないかっていう
勝手なイメージがあるんですけれども

潰瘍性大腸炎って22万人もいらっしゃる。

結構 多いなあというイメージが
あるんですけれど。

そうですね
難病に指定されている疾患の中では

パーキンソン病に次いで
2番目に多い病気になります。

ただ パーキンソン病との差は…
1, 800人ぐらいですので

実質 一番…。
じゃあ 断トツ その2つが

多いっていう感じに
なってるってことですね。

ほぼ 1位と変わらないですね。
そうですね。

この病気の特徴は

ものすごく 最近 患者さんの数が
増えてることなんです。

そうですか。
この病気が難病に指定されたのが

大体 50年ぐらい前なんです。

そのころは 日本全国で
1, 000人ぐらいしか いなかったんですね。

それが 今や 22万人になって

ここの10年だけでも
2倍ぐらいに増えてます。

じゃあ 一気に加速度的に増えてきた…。
増えてます。

そういう じゃあ… 潰瘍性大腸炎

免疫が過剰に働く病気
ということでしたけれども

そもそも 何で そんなふうになるのか
ってことなんですが。

それが 実は 分かってないので
難病なんですね。

腸の免疫が過剰になってるのは
もう 間違いないと思いますね。

もともと 免疫というのは

外からやって来た病原体を
やっつけるための反応です。

それが 潰瘍性大腸炎の場合
病原体が入ってきたわけでもないのに

なぜか 過剰に反応してしまう。

それが 何で起こるかは分かりません。

恐らく そういう… 腸の免疫が
過剰に反応しやすい体質の方がいて

そこに 何か
プラスアルファが加わることで

起こっていると考えられています。
何らかの環境的な因子っていうのが

病気に関与してると考えられています。

例えば 食事も
大きく関わったと思いますし

生活習慣も変わった。
ストレスが増えたかもしれない。

あとは 腸内細菌
先ほど お話にありましたけど

そういうのが いろんな要素で
変わってきたのかもしれない。

そういう環境的な要素が加わることで

患者さんの数が
増えてきてると思うんですね。

先生 遺伝的な要素っていうのは
あるんですか?

いわゆる 親が この病気だから 子どもが
この病気になるっていうような

遺伝の病気ではないです。
ただ 腸の免疫が

活性化されやすい体質な方っていうのが

どうやら いるみたいで そういう方は

少し この病気には
なりやすいという遺伝的背景はあります。

VTRの患者さん
先ほども話してましたけど

どちらも20代
しかも 女性ということで

若い方が多い病気なんでしょうか?
そうですね。

発症のピークは
大体 30代ですね。

ただ 病気になる
年齢層 幅広いです。

本当に 10代でなる方も
いらっしゃいますし

逆に 50代 60代で
発症される方も

いらっしゃるんですね。

例えば 私の外来ですと

13歳の中学生から90歳のご高齢の方まで
通ってきてらっしゃいます。

じゃあ あまり 年齢…
ピークはあるとはいえ

関係なく発症するというような感じ…。
そうですね。

男女比は どうですか?
男女比は 1対1です。

やっぱり 本当 分からないことが多い
病気なんでしょうね。

先ほど VTRで見たような
いろんな症状が

出るというのもありますけれども
下痢以外にも

いろんな症状が
起こったりするんでしょうか?

症状 見ていきましょう。 こちらです。

まずは「腹痛」ですね。 そして「下痢」。

「血便」。
さらに この「粘液便」というのもあります。

「粘液便」。
粘液便って どんな…。

粘液便ってね
どういうものなのかってことですが。

こちらは 初期の潰瘍性大腸炎の方の
内視鏡像になります。

見ていただくと 白い粘液が

たくさん付着してるのが
分かるかと思います。

この粘液が
便と混じって出てくるんですね。

もしくは
この粘液だけが出てくることもあります。

直腸に炎症があると
便意を感じるんですけれども

そこに便がなければ 患者さん ずっと
便が出てくるのを待ってるんですけども

そのうち
便じゃなくて 粘液だけが出てくる。

または
血液だけが出てくることもあります。

その粘液便… 粘液だって
分かるんですか? 自分で見ても。

そうですね。
患者さん いろんな表現されますね。

「ネバネバが出てきた」とか

「粘膜が出てきた」って言う方も
いらっしゃるし

「何か 白い粘液が出てきた」って
おっしゃる方もいらっしゃいます。

今まで見たことない何かが
出てきたってことですね。

でも VTRの1人目の患者さんは
下痢の症状ではなかったですよね。

炎症の程度と範囲によって
下痢が出ないことがあります。

直腸だけに炎症がある方とかは
下痢にならないですし

炎症が幅広くて… 範囲が広くても
炎症が軽い場合

あんまり下痢にならないこともあります。
なるほど。

さっきのVTRで 朝方に

腹痛が起こることが多いって
おっしゃってましたけど

やはり
朝に起こりやすいものなんですか?

これがですね 本当に…

悪くなるときは 本当に みんな
朝っておっしゃいますね。

本当ですか?
そうですか!
何でなんでしょう?

ひどい方だと 朝 便で起きちゃう。

お通じ行きたくて起きちゃう。
で そこから トイレに

ずっと籠もらなきゃいけない
っていうような方もいらっしゃいます。

ただ 本当に 皆さん 朝ですね。

何か 原因っていうか
その理由みたいなのっていうのは…。

この理由 まだ 分かってないんですね。
ああ そうですか…。

自律神経の関係だとか

あと 寝てる間に 血液とか粘液が
直腸にたまって それが刺激になるとか

いろいろ いわれてますけど
分かってないです。

これといったものがないんですね。
さらに 朝 すごく お通じ 忙しくても

昼間 何ともない方っていうのが
多いんですね。 そうですか…!

本当に朝だけっていう方も
非常に多いです。

じゃあ これから 朝ね 出かけるっていう
一番忙しい時間帯だから

そこで うわ~ってなって…。
何か 気持ち的にも

実際にも大変なことになるし
これは大変だなと思いますけれども。

先ほど VTRでね 肛門のほうから
炎症が始まってくるっていう…。

それは もう 大体が そういうことに
なってるっていうことなんでしょうか?

ほとんど そうですね。 そうですか。
見ていきましょう。 こちらです。

炎症の範囲なんですけど 一般的には

この肛門に近い
直腸から始まって

S状結腸 下行結腸

横行結腸
上行結腸ときて

この盲腸まで その
範囲が広がって

悪化していくんです。
なるほど。

川島さんは 最初 出血をね
痔なんじゃないかって勘違いされてた…。

確かに そうやって思っちゃうだろうな
って思うんですけども

そういう方 多いんですか?

お尻に近いほうから出血するので
やはり 赤い血 鮮血になるんですよね。

そうすると なかなか それだけでは
痔と区別がつかないことがあります。

気付きづらいでしょうね そうなると。
はい。

あとは 患者さん自身も
痔と思いたがるんですね。

重篤な病気だと思いたくなくて…。
そうでしょうね。

これは きっと 痔だと。
まあ 痔だし ちょっと恥ずかしいし

病院へ行くのはとか
市販の薬でとかっていうようなことに…。

判断しちゃいがちですよね。
そうですね。

でも 痔でない出血と見分ける方法
っていうのは ないもんですかね?

色とかは どういう感じですかね?

先ほど申し上げたとおり
直腸にだけ炎症があると

赤い血になるので…。
真っ赤ってことですね。

真っ赤ですね。 そこは なかなか
区別 つきづらいと思います。

ただですね 腹痛 あとは 粘液便。

そのようなものが
ないかどうかというのも

非常に重要なところに
なってくるかと思います。

さあ VTRのほうは
のみ薬とステロイドを

使ってらっしゃいましたけれども
これは…?

では 薬について
こちらで まとめて見ていきます。

まずはですね 基本的には
この5-アミノサリチル酸製剤という

これを… のみ薬なんですけども使います。

さあ 今ね 写真に
4種類 何か 写ってますけれども

これ 全部が 5-アミノサリチル酸製剤
ということですか? これは。

そうなんです。
これが 5-アミノサリチル酸製剤で

これがですね 大腸の中で溶けて
薬が効くようになっているんです。

これは 先生 あれですか やっぱり
5-アミノサリチル酸製剤っていうのが

基本のお薬になるっていうことですか?
そうですね。

潰瘍性大腸炎の患者さん
ほとんどすべての方が

この5-アミノサリチル酸製剤の
のみ薬をのみます。

その中で 大体 6割の方は

この5-アミノサリチル酸だけで
良くなりますね。

5-アミノサリチル酸製剤を
のみ続けていても

効果が出なかったり
症状が悪化してしまった場合には

こちらの注腸剤。
お尻から注入するタイプの

ステロイドを
併用することになっています。

ステロイドって 今まで のみ薬とか
注射なんかは聞いたことあるんですけど

こういう お尻から入れるものが
あるんですね。

皮膚に発疹が出来たときに

ステロイドの軟膏を塗るような
イメージですね。

ピンポイントで そこだけをってことですね。
そうですね。

特に
潰瘍性大腸炎 直腸から始まりますので

お尻に近いんですね。

だから お尻から ステロイドを入れると
一番 病変に効くということになります。

これはですね やはり
ずっと使い続けることはないです。

潰瘍性大腸炎 症状が
良くなったり悪くなったり

どうしても 繰り返しますので

悪くなったときに使うお薬になります。

少し悪くなったなと思うと
患者さんが 自分で お尻から入れて

治療をするというような感じになります。
なるほど。

できるだけ早く使うほうが
いいと思います。

少しでも おかしいなと思ったら

患者さんの判断で
使ってもらってるんですね。

下痢がひどくなると 確かに
入れても すぐ出てきちゃいますので

やはり 効果が落ちると思います。
分かりました。

さあ ここまでは 潰瘍性大腸炎の
基本的な治療方法を ご紹介しましたが

これでも良くならない場合には
どんなチョイスがあるんでしょうか?

失礼いたします。 いらっしゃいませ。

<川上さんが 潰瘍性大腸炎になったのは

今から3年前。

飲食店で働いているときのことでした>

いたたた…。 あいたたたた…!

ああ~…! いたたた…!

<激しい腹痛に
繰り返し見舞われるようになったのです>

<回数だけではありませんでした>

<辛い食べ物など
刺激物は避けるようにしましたが

症状は
悪化していく一方でした>

<腹痛が始まってから数か月後…>

<ちょうど 会社の健康診断があり

医師に 腹痛について相談してみました>

<川上さんが「潰瘍性大腸炎」という病名を
耳にしたのは

このときが初めてでした>

治らないっていう病気…。

どうなっていくのか…。

<医師に紹介され 消化器の専門医のいる
病院へ行った川上さん>

<大腸内視鏡検査を受けた結果

腸の出口付近に炎症があり

「潰瘍性大腸炎」と診断されたのです>

<そこで 5-アミノサリチル酸製剤と

お尻から注入するステロイドを
使い始めました>

<しかし 車での通勤途中

また…>

もう 自分の意識で…

情けなかったし 悔しかったし

怖い…。

<腹痛や出血は
一向に治まらなかったのです。

食べると おなかが痛くなるので
食事も食べられなくなり

体重が 5kgも落ちてしまいました>

<多くの人に効果のある
5-アミノサリチル酸製剤。

しかし 川上さんには効かなかったのです>

<そこで 川上さんに合う
薬探しが始まりました。

まず ステロイドを
3か月。

次に 免疫調節薬も
試しましたが

どちらの薬も
効果がありませんでした>

完全に治らなくて これから先も…

<一度は諦めかけた川上さん。

しかし 半年後 新たなチョイスが>

チョイス!

<…が使えるようになったのです。

「生物学的製剤」って どんな薬なの?>

<潰瘍性大腸炎では

免疫細胞が分泌する

「サイトカイン」と呼ばれる
たんぱく質によって

炎症が引き起こされます。

生物学的製剤は その
サイトカインに結び付いて

働きを
ピンポイントでブロックすることで

大腸の炎症を抑えるのです>

<生物学的製剤「ウステキヌマブ」の
効果は…>

<これは
川上さんの大腸の内視鏡画像です。

治療前は 炎症によって赤く腫れ上がり

粘液も大量に見られましたが

治療後は こんなに きれいになりました>

動物園とか牧場とか そういう…

<よかったですね! 川上さん>

う~ん…!
おつらかったでしょうね。

よかったですね 気持ち的にもね…。
本当 気持ちがね。

まあ 良くなって 本当に よかったな
というふうに思いますけれども。

では 薬について
こちらで まとめて見ていきます。

この5-アミノサリチル酸製剤。
この のみ薬を使っていて

それでも 調子が良くならなかった場合は
このステロイド 注腸剤を

使うというところまで
先ほど 説明をしました。

これでも 良くならなかった場合は
次に進みます。

まずはですね
のみ薬のステロイドを使います。

ただ このステロイド
長く使う薬ではないので

2~3か月だけ使って
徐々に量を減らしていきます。

この のみ薬のステロイドを
減量 中止したときに

悪化してしまうという
そういう場合には

こちらの免疫調節薬を使います。

この「免疫調節薬」っていうものは
何なんでしょうか?

字のごとく 免疫を調節するお薬

免疫を抑えるお薬になりますね。

もともとは このお薬は

臓器移植後の拒絶反応を抑えるために
使われてたお薬ですけれども

潰瘍性大腸炎
腸の免疫が過剰になってますので

それを抑える目的で使うお薬になります。
なるほど。

そして VTRに出てきた川上さん。

残念ながら この免疫調節薬を使っても

効果が見られなかったので 今度は

こちら 生物学的製剤。

こちらを使うようになりました。

この生物学的製剤っていうのは

いろんな種類があるってことですよね。

生物学的製剤っていうのは

生物に作らせるお薬です。

いわゆる 化学物質として
工場で作るわけではなくて

培養細胞に作らせるものを
生物学的製剤といいます。

特に 炎症… 免疫の場合は

サイトカインっていう物質を抑えます。

サイトカインも いくつか種類があります。

ですので
それぞれのサイトカインに応じて

生物学的製剤 抗体っていうのを使います。

この絵でいいますと

免疫細胞が持ってる矢がありますね。

それがサイトカインということですね。

で 薬が 生物学的製剤と。 はい。

腸の粘膜には いろんな免疫細胞がいます。

その免疫細胞が それぞれ

違うサイトカインを出します。

この絵でいいますと

この矢印が サイトカインになります。

色が違うのが分かると思います。

それぞれ 一つ一つ 種類が違います。

この違ったサイトカイン

いろいろありますけれども それぞれを

ピンポイントで抑えるお薬が

生物学的製剤ということになります。

なるほど。

この潰瘍性大腸炎 若い世代だけでなく

中高年でも発症する場合があります。

その場合 治療には
どんな注意が必要なんでしょうか?

<都内で営業の仕事をしている…>

<中野さんが
潰瘍性大腸炎だと分かったのは

会社の健康診断が きっかけでした>

<53歳のときの 便潜血検査で

陽性反応が出たのです。 しかし…>

まあ ただ それが出てもですね わりと…

<何も自覚症状がなかったため
精密検査を受けず

これまでどおりの生活を送っていた
中野さん。

しかし 検査から半年後…>

…というのが最初のほうの症状です。

<腹痛に耐えながら過ごす毎日。

気が付けば
次の年の健康診断を迎えていました。

その結果は やはり「陽性」>

<今度は すぐに…>

<…と分かりました>

<…が起こっている状態でした。

そこで 5-アミノサリチル酸製剤と

お尻から注入するステロイドが
処方されました>

<薬を使い始めてからは 症状が改善し

たまに 腹痛が起こるぐらいで

普通の生活が送れるようになりました>

<しかし それから10年たった
ある日のこと

症状が 突然
悪化し始めたのです>

一番ひどいときということであれば…

必ずしも出るものがなくても…

<症状が悪化したことを医師に告げると

ステロイドの のみ薬と
その後 免疫調節薬も処方されましたが

どちらも効果が見られませんでした>

<そこで 次に 医師が考えたのは…>

<当時 最もよく使われていたのは

強い効果がある…>

<サイトカインの中でも
TNF-αを抑えます>

<しかし 中野さんは

この抗TNF-α抗体製剤が
使えなかったのです。

その理由は 中野さんの持病でした>

<結核菌によく似た菌に

いったん感染すると

肺の中に その菌が

とどまり続ける病気です>

<この病気の人が
もし 抗TNF-α抗体製剤を使うと

この菌が増殖し
肺炎を起こすリスクがあるのです>

<中野さんに
何かいいチョイスはないのでしょうか?>

チョイス!

<腸だけに作用する生物学的製剤

「ベドリズマブ」を使うことになりました>

<潰瘍性大腸炎になると

リンパ球が
必要以上に大腸の組織に侵入し

炎症を起こします>

<ベドリズマブは これを防いで

炎症を抑えるのです>

<果たして 効果は?>

先生 でも あれですね 中野さん。
せっかく良くなったのに

また悪くなっちゃうっていう
そういうことがあるんですね。

はい。 潰瘍性大腸炎
症状が良くなったり悪くなったり

どうしても繰り返します。
なるほど。

症状が強く出るときのことを
「活動期」っていいます。

症状が治まって
落ち着いてる時期を

「寛解期」といいます。

いったん 寛解期に入っても

また 症状が ぶり返すことを

「再燃」と呼びます。
ということは 中野さん

再燃してしまった
ということなんですね。 そうですね。

何で 再燃してしまうんでしょうか?

これ 皆さん 知りたいですよね。
はい。

患者さんもですね
再燃しちゃったときって

何で 再燃したんだろうって
考えるんですね。

良くなったって思ってますからね。

大体 皆さん 行き着くのが
「食事」とか「ストレス」。

あの食事が
いけなかったんじゃないかとか

ストレスがかかったから
悪くなっちゃったんじゃないかとか

皆さん 考えるんですね。

でも いろんな研究を見てみると
食事とストレス

あんまり 再燃とは関係ないという報告が
多いんですね。 そうなんですか。

じゃあ どうして そうなるのか…。
ですので もう 再燃しちゃったのは

その病気の性質上 そういう状況に…。

じゃあ はっきりとしたことは
これも分からないと。

分からないです。
でも

繰り返し 寛解期を迎えたり
次 また 再燃してってなると

腸自体は こう…
弱ってったりはしないんですか?

一番怖いのは
炎症を… ずっと続いていると

大腸がんの発生率が少し上がってきます。
なるほど。

特に
発症してから10年以上たってくると

大腸がんの発症のリスクっていうのが
上がってくるといわれてるんですね。

もちろん みんなが
なるわけではないです。

数%の方が
大腸がんのリスクが上がってきます。

じゃあ そのリスクがあると。
そして でもね

潰瘍性大腸炎っていうのは
治らないっていうことですから

予防したいなと思うんですけれども
それは できるものなんでしょうか?

潰瘍性大腸炎から出てくる大腸がんは

ずっと炎症が続くことによって
出てきます。

ですので 大腸がんを予防するためには

炎症も しっかり抑えていくことが大事。

そうすると もう
ほとんど 大腸がん 出てきませんので

しっかり 治療を続けて炎症を抑えるのが
大腸がんの一番の予防。

さらに 発症後 10年たつと

やっぱり 少し
大腸がんのリスク 出てきますので

そういう方には 毎年1回
しっかり 大腸内視鏡検査を受けて

できるだけ早期に 大腸がんを
見つけるのが大事といわれています。

あったとしてもね
早期に発見されると

手の打ちようがある
ということでしょうかね。

あと VTRにもありましたけど
持病があると使えない生物学的製剤が

あるということなんですか?

そうですね。
生物学的製剤で 一番 歴史が長いのが

抗TNF-α抗体製剤という
お薬になります。

TNFというサイトカインを
抑えるお薬ですね。

ただですね
このお薬を使いづらい方がいるんですね。

というのは 免疫を抑えます。
ですので

体の中に
結核菌が知らない間に入っていた。

B型肝炎ウイルスが体の中にいる。

こういうのは
みんな 免疫で抑えてるんですよね。

その免疫を抑えてしまいますので

その病原体が
また 悪さをするかもしれない。

ですので この患者さんの場合

腸の免疫だけを抑えることができる薬を
使ったことになります。

症状の程度とか持病に合わせて やっぱり
ピンポイントで効くものもあるし

いろいろチョイスは
広がってるっていうふうに

いえるってことですかね。
そのとおりですね。

<抗TNF-α抗体製剤 ベドリズマブ

ウステキヌマブなどの生物学的製剤は

注射のタイプが中心でした。

しかし 生物学的製剤と同じように

炎症に関わる物質を
ピンポイントで抑える

のみ薬も出てきています>

<従来からあった
カルシニューリン阻害薬に加えて

JAK阻害薬

α4インテグリン阻害薬です。

今後も
さらに新しい薬が登場する予定です>

すごい速度で
いろんな薬 出てますけども

やはり そんなにたくさんの種類というか
薬が必要だということなんですよね。

そうですね。
100%効く薬ってないんですね。

大体 どの薬も 有効率っていうのは
60%ぐらい。

だから 10人の患者さんに使うと
6人は良くなります。

ただ 4人の方は
全然 その薬が効かない方がいるんですね。

これ なぜかって
まだ 分からないんですけれども

腸の免疫…
ドライブしているサイトカインが

それぞれの患者さんによって
違うんじゃないかって考えられてます。

そうですね ここまで はっきりと
効く人 効かない人って

分かれてくるっていうことは
そうでしょうね。

ある方は TNF-αが悪いかもしれない。

ある方は インターロイキン 12とか 23が
悪いかもしれない。

ですので それぞれ
ピンポイントに抑えるお薬が出て

それぞれの
患者さんに合うお薬っていうのが

今 いろいろ
登場してきてるわけなんですね。

自分に合うものさえ… 出会えさえすれば
良くなる可能性っていうかね

悪くならない可能性も
あるっていうことでしょうかね。

ただ まだ 今ある薬 全部使っても

効かない方も…
患者さんもいらっしゃるので…。

もっともっと 研究して じゃあ

皆さんも お薬を作ってらっしゃると。
そうですね。

これだけ 加速度的に 新しいお薬が
出てきてるってことは

研究が それだけ すごく

進んできてるっていうことも
いえるってことですもんね。

だから まあ 期待…

過度に期待し過ぎるのも あれですけれど。
でも 希望はありますね。

希望があるっていうか 光が見えるなあ
というふうには思いますが。

ただですね その生物学的製剤は

ちょっと お値段が張るイメージが
あるんですけれども。 そうですね。

非常に高いですね。

一番長く使われている
抗TNF-α抗体製剤の場合

1回の点滴で
大体20万円ぐらいかかります。

これを 2か月に1回
繰り返しという形になりますね。

だんだん
特許っていうのが切れてくると

「後発医薬品」っていうのが出てきます。
生物学的製剤の場合は

「バイオシミラー」という…
出るんですけど

そうなると 価格は
半分近くまで下がりますけれども

やはり まだ 高いですね。
そうですね。

ただですね 潰瘍性大腸炎

指定難病に指定されておりますので
医療費の補助が受けられます。

<潰瘍性大腸炎で
高額の医療費がかかる場合

申請し 認定されれば

医療費助成制度が受けられます。

この制度では
自己負担の割合が2割になります。

また 負担の上限額も
決まります。

収入や
かかる治療費によっても違いますが

多くの場合 ひと月
1万円から2万円程度に

抑えられます。

詳しくは
お住まいの都道府県の

保健所などに
ご相談ください>

やはり 食べ物が とても影響あるんじゃ
ないかなって思うんですけども

潰瘍性大腸炎になった場合
やはり 刺激物とか辛いものというのは

避けたほうがいいんですか?

寛解期と活動期に分けて考えてみます。

寛解期は
食事制限 ほとんど必要ないです。

あっ そうですか…! ええ~!
患者さんによっては

こういうものを食べたら
悪くなるっていう経験がありますので

そういうものは
避けたほうがいいと思いますし

先ほど おっしゃられた
辛いものだとか刺激物。

健康な方が食べても
下痢しちゃうようなものは

避けたほうがいいですね。
確かに そうですね。

食べ過ぎないとかね。
ただ それ以外の食事制限は 特に

寛解期では必要ないと思いますね。

一方 活動期は いかがですか?
活動期も 基本的には そんなに

食事のことを
細かく考える必要はないんですが

ただ 刺激になることもありますので

腸に優しい食事を
心がけたほうがよいと思いますね。

具体的には 脂肪が少なめで

高エネルギー 高たんぱくの食事が

いいと思います。 分かりました。

根本的に治らないんだとすれば
その寛解期ということを

やっぱり 延ばしたい… その期間をね。
何か できることはありますでしょうか?

そうですね… 患者さん 皆さん
できるだけ 寛解期 長くしたくて

いろんなことを考えられます。

で やはり 行き着くのが
「食事」と「ストレス」。

ただ やはり 食事とかストレス

そんなに 再燃への影響は
少ないといわれております。

一方で
潰瘍性大腸炎の治療で大事なのは

やっぱり 治療を
ちゃんと続けることなんですね。

潰瘍性大腸炎の治療薬
いろいろありますけれども

残念ながら どれも
根本的な原因を治してるわけじゃない。

炎症を抑えてるだけなんです。 だから

抑えるのをやめちゃうと
悪くなっちゃう可能性があるので

自分でできることで再燃を一番減らす…

再燃のリスクを減らすことができるのは

治療を ちゃんと続けることですね。

それが一番大事だと思います。
分かりました。

では 最後に
今日お伝えした内容を踏まえまして

ベストチョイスのためのアドバイスを
お願いいたします。

潰瘍性大腸炎
新しい薬が次々と登場してきていて

それぞれの患者さんに合った治療を

選べるような時代に
なってきてるんですね。

自分に合った薬が見つかれば 寛解期は

食事も含めて
普通の生活が送れるようになります。

ですから 再燃をしないためには
治療を しっかり 続けていくことが

一番大事だと思います。
分かりました。

先生 どうも ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。

今回は…

腸に負担がかかるため

控えたほうがよいとされる
食品はありますが

食べても影響がない人も
中にはいます。

そこで おすすめなのが「食事日記」。

食材 調理法 食べた量

そして
食べたあと どんな症状が出たかを

記録しておきましょう。

スマホで写真を
撮ってもいいですね。

そうすれば
自分に 合うもの 合わないものを

見極めることができるんです。

合わないものだけを避けるようにして

できるだけ
普通の食生活を目指しましょう。

次回も 皆さんに お届けします。

健康への ベスト…。
(2人)チョイス!

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