歴史探偵「幻の東京大改造計画」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

歴史探偵「幻の東京大改造計画」[解][字]

東京を丸ごとヨーロッパ風の町並みに造り変える一大プロジェクトがあった。幻に終わった明治の東京大改造計画が最新CGでよみがえる!宮殿のような国会議事堂案にも注目!

番組内容
江戸から名前を変え、新たに日本の首都となった東京。近代化の切り札として町を丸ごとヨーロッパ風に生まれ変わらせるという東京大改造計画の図面がドイツで見つかった。巨大ドームが特徴的な国会議事堂、ネオバロック様式の裁判所など、ヨーロッパの宮殿のような壮麗な建物の数々…。この壮大な計画が誕生した背景には、当時の日本が直面していた深刻な国際情勢があった。実現しなかった幻の東京の姿がCGでよみがえる。
出演者
【司会】佐藤二朗,渡邊佐和子,【解説】江戸東京博物館館長…藤森照信,【リポーター】山田大樹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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  15. 調査
  16. 藤森
  17. パリ
  18. 近代化
  19. 今回
  20. 実現

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

日本から遠く離れた ドイツ。

ここに 100年以上昔の

東京に関する貴重な史料が
残されていました。

これは 明治時代に描かれた 日本の…

他にも まるで ヨーロッパの宮殿のような
建物の図面が次々と…。

浮かび上がってきたのは

東京を 丸ごと ヨーロッパ風の街に
つくり替えようという…

見て下さい! これ!

「歴史探偵」 今回は

幻に終わった
明治の「東京大改造計画」を徹底調査!

お~!

あっ なかなか すてきな空間ですね。

ドイツの首都 ベルリンと
明治の 首都 東京の…

更に 最新のCGで

幻の東京の姿が よみがえる!

今や 世界屈指の大都市となった 東京。

そのルーツに迫ります!

♬~

所長 今日は

明治時代の東京大改造計画について
迫ろうと思うんですけれども。

そんな 東京大改造計画っていうの 私
明治時代にあったって知らないんだけど

ただ やっぱり…

あの 明治時代といいますと

それまで 1, 000年以上
都のあった京都から

今日まで続く東京へと

新しく首都がうつった時代でも
ありましたよね。

今日の調査は
どうも それと関係があるそうなんです。

で 調査した探偵は
この探偵事務所に 新しく加わりました

山田探偵です。
どうぞ よろしくお願いします。

山田探偵!
はい。

今回ですね
私の「歴史探偵」デビュー回にしまして

もう とてつもなく貴重な図面を…。

あなた 売り込むね いきなり。
アハハハッ。

それがね こちらに隠れておりますので
お見せいたしましょう。

はい 是非。
では どうぞ こちらになります。

残念ながら…

幻に終わったんですね。
はい。

なるほど なるほど。

まあ 「築地本願寺」とかですね。

おっ これ
「皇后大通り」というのがありますね。

これ まあ じゃあ 皇居?

あっ 「皇居」 ここにあるがな。
はい。

まあ じゃ
これが東京の中心部辺りですかね。

どうですか?
今の東京と比べて。

何か… 例えばですね

この「中央駅」の前に

ちょっとこう この放射線状になった
広場があるじゃないですか。

これ 何か ちょっとヨーロッパを
思わせるような… ねえ 感じですよね。

何とおっしゃいました? 今。

ハハハッ!
何とおっしゃいました? 今。

ちょっ… 待っ… 何ですか?
私 まずいこと言いました? いえ。

いやいや 何かちょっと
ヨーロッパの町並みを思わせる…。

ヨーロッパ?
うん。

ヨーロッパ! まさに それが
今回の大事なキーワードです。

あ~ そうなんですか?
はい 明治の大改造計画。

まずは この図面に示された
改造計画の痕跡が

今も 東京に
残っているということで

調査してきました。

やって来たのは…

ここに 幻となった 東京大改造計画の
痕跡を うかがわせる建物が

今も 一つだけ残っているそうなんです。

一つだけ。 ほうほう。

おっ! 見えてきましたよ 所長。

見えてきました 見えてきました!

立派な建物ですねえ。

こちらは…

国の重要文化財に
指定されていて

今も 現役の庁舎として

使われているんですよ。

よろしくお願いします~。
(2人)よろしくお願いします。

調査に ご協力頂くのは…

建築史が専門の堀内正昭さん。

…というふうに考えていいんですか?

…という経緯がございます。

(石綱)その結果 ご覧頂いてるような
こういう姿になっていると。

平成の修復工事を経て

創建当時の姿によみがえった
法務省の建物。

これこそ 明治19年の
東京大改造計画の名残を 唯一 残す

とっても貴重な建物なんです。

あの まずですね…

円柱 あの 3階の。
ありますね。

柱や アーチ状の窓などを
組み合わせることで

建物に重厚さを演出する。

なるほど。

パリのオペラ座をはじめ

19世紀後半のヨーロッパで流行していた

「ネオ・バロック」という
建築様式です。

これ でも 明治時代に
いきなり こんな建…

みんな びっくりしたろうなあ。

私 特に あの…

確かに パリのオペラ座を思いました。

そんな とっさに
パリのオペラ座を思い出すほど おい…。

あっ そうなのか!
所長は どこでしたか?

行ってないよ! 金がなかったんだよ!
私は パリでした。

思い出しました。 すいません。

中に入ると 更に洗練された建物の様子が
分かるといいます。

あっ この また 石段がいいですね
雰囲気がありますね。

(堀内)そうですよね ええ。
はぁ~。

はぁ~。

大きなアーチ状の窓からは
日の光が たっぷりと注ぎ

重厚感のある外観とは
打って変わった 洗練された造り。

うん… いや でも ほんと
「洗練」という言葉がぴったりですねえ。

ですねえ。

そして 何といっても

当時のヨーロッパ建築に
欠かすことのできないものが

あるといいます。

ここでは やっぱり この…

実は この「赤レンガ」こそ

明治の
東京大改造計画実現の

重要なカギを
握っていたのです。

このレンガが カギを握るんだね。

(汽笛)

それまで 200年以上 続いた
侍の時代が終わり

日本が 近代化への道を歩み始めた
明治時代。

江戸の町は 新たな日本の首都
「東京」へと名前を変え

生まれ変わりました。

ところが…。

こちらは 明治5年ごろに撮影された
東京の町並み。

町の名前こそ 新しくなったものの

古くからの木造家屋が
立ち並ぶ

江戸時代と変わらない風景が
広がっています。

そりゃ なあ… 風景なんて
そんな簡単に変わんないからね。

そうですよね。
変わんないですね。

そんな中 明治政府が編み出したのが…。

レンガを使った…

東京中の建物を 当時のヨーロッパと同じ
レンガ造りにすることで

新しい首都に ふさわしい姿へと

生まれ変わらせようと考えたのです。

つまり…

その結果 わずか5年という
驚くほどの短期間で

丸ごと レンガ造りの街が

東京に出現します。

おお どこだい?

その街とは どこなのか。

両国にある 江戸東京博物館を訪ねました。

館長の藤森照信さんが
案内してくれたのは…。

お~! 何か見えてきましたよ。

えっ これは 何ですか? これは…。

(藤森)えっとね…
これが あの 銀座のジオラマです。

これ 銀座ですか! (藤森)はい。
え~!

当時の写真などをもとに復元された

明治10年代の 銀座のジオラマ。

うわ~! すてき。

テーマパークみたいですよね。
いや ほんとだねえ ほんとだね。

実は この銀座こそ

僅か5年足らずで 大改造を遂げた…

もう… ねっ
江戸っていう感じはしないよね。

もう 明治ですよ。

そのお店が入ってる建物 見ると…

アーケードがあることで

雨でも買い物を楽しむことができる。

これは イギリス ロンドンの
ショッピング街を参考に

デザインされたといいます。

建物だけではありません。

道路にも 改造が加えられました。

ほうほう。

なるほど。
今や 当たり前だけど。

江戸時代の道幅は

レンガ街の建設を機に 30m近くに拡張。

この時の道幅が

現在の銀座中央通りに
そのまま引き継がれています。

あら~! そうなんだねえ。

ちなみに レンガ街と言いつつ
建物が白いのは

表面に 漆喰が塗られているから。

中は 壁も柱も

全て レンガで
出来ていたんですよ。

えっ これ 本物ですか?
(藤森)本物。

こちらは 銀座の工事現場で
偶然見つかった 当時のレンガの壁。

うわ~ 貴重な… ねえ。
貴重ですねえ。

これが 至る所に 銀座にあったんですね。
(藤森)そうそう。

いや~!

え~!?

もう ちょっと あまりの数字に
よく分からないぐらいの…。

そうですね。
数だね。

レンガは 当時…

質の良いレンガを
大量に 手に入れるのは

まだまだ難しい時代でした。

にもかかわらず
銀座レンガ街の完成までは 僅か5年。

大通りに至っては

なんと1年半足らずで
建物が完成したといいます。

異常な早さだよね。

いや~ かなりのスピード工事。
ねえ?

一体…

謎を解く手がかりを求めて
やって来たのは

栃木県最南端の町。

いや こうしてね
レンガの探偵してますと

最近ね そこにレンガがあるっていう
空気感が

分かってきたんですよね~。

いや ほんとかい!
香りもね…。

あっ レンガがあるよ。

あっ やっぱり!
(嗅ぐ音)

香り するするする!
見て下さい! これ!

おっきな建築物ですね!

現れたのは 奇妙な形をした
巨大なレンガ造りの建物!

これって… ナニ?

こんにちは~。

こんにちは。

調査に協力してくれるのは

地元のボランティアガイド 田村行子さん。

御年91歳。

あらま!
いや~ お元気だ!

短期間に 大量のレンガを
手に入れることができた秘密が

この 謎の建物のどこかに
隠されているはずです。

おっ ここ 入っていいんですか?
(田村)はい。 ここ 入ります。

はい。

ちょっと 低いねえ。

ちょっと 私の頭が当たるぐらい。

(田村)そうです。
カメラさん 入れるか? これ。

しゃがんで行きましょう。 お~!

(田村)はい。
へえ~!

現れたのは
高さ3mほどの

廊下のような
細長い空間。

一体 何をする
場所なんでしょう?

はい 上。

何の穴?

天井に開いた
穴は…

上の階には この穴が
全部で400個も。

一体 何のための穴なのか
所長も考えて下さい。

何だ え~? 全然分からない。

難易度 高いですね これね。
難易度 高いよ。

♬~

田村さん 正解をお願いします!

あ… ってことは…

そう! 正解は…

上から 薪などを
投入することで

燃料を絶やすことなく

レンガを
焼き続けることができます。

つまり この建物は…

その名も…

明治時代
ヨーロッパから初めて導入され

銀座のレンガは
これと同じ形の窯で生産されていました。

お~! レンガ
たくさん 積み上がってますよ。

普通の人は積めない?
(田村)はい。

はい 空いてますね。

へえ~!

レンガ 一つ一つに
火が均等に当たるための工夫。

これは 職人たちの手作業で
行われていました。

あと 田村さんね これ…

実は この 窯がドーナツ状に
つながっていることこそ

レンガの大量生産を実現するカギでした。

上から見た ホフマン窯の内部。

ドーナツ状の窯の中は

それぞれに入り口を持つ

16の部屋に分けることができ

レンガを焼くのは 2部屋だけ。

反対側の部屋では

これから焼くレンガを運び入れ

職人たちが積み上げていきます。

およそ3日ほど

上から燃料を投入しながら

レンガを焼き続けると

火を 次の部屋へ移す。

それを繰り返すうちに

焼き上がったレンガは冷め

窯から取り出すことが
できます。

なるほど。

以後 同じ作業を繰り返すことで

一度も火を絶やすことなく

半永久的に レンガを焼き続けることが
できる仕組みです。

うわ~!
いや~。

更に 火の熱を
次の部屋にも行き渡らせることで

レンガを焼く前に必要な乾燥や

部屋の予熱にかかる日数を

短縮することもできます。

う~ん なるほど。
効率的なんですねえ。

このホフマン窯では およそ20日間で

22万本という 驚異的な数のレンガを
焼き上げることができました。

そうですか。
はい。

いや~ 所長…

短期間での レンガの大量生産を実現した
ホフマン窯。

最新技術の導入が

銀座をはじめ 明治の東京大改造計画を
支えていたのです。

もう 大変な量のレンガが要るのは

まあ ちょっと考えりゃ
分かることですけど

それが あの
ホフマン窯のね 仕組みでできた。

まあ 銀座といえば よくニュースでも言うし
まあ イメージにもあるんだけど

「日本一 地価の高い街」っていうふうに
取り上げられるじゃないですか。

そのきっかけも
このレンガ街だったのかねえ?

その辺りね 詳しく伺える方を
お招きいたしました。

江戸東京博物館の調査でも
ご協力頂きました…

どうぞ よろしくお願いいたします~。

ようこそ お越し下さいました 藤森先生。

明治以前はね…

全然 今とイメージ違いますね。
もう まるっきり違います。

でも 今のような その銀座に変わる
そのきっかけって どういう…。

なるほど。
そこを…

外国の方に
最初に その 目につくところを…。

ちゃんとして。
ちゃんとしよう。

ちゃんとしようって
先生 面白いですね 表現が。

言葉 あれかもしれないですけど

まあ ちょっと
見えを張っとこうみたいな…。

そういう…。
ことですよねえ。 そういうことです。

まあ こうやって
国家プロジェクトとして誕生した

その 銀座のレンガ街なんですけれども

実はね 不人気で…。
何でだい!

あれ?
その理由がですね

実は こちらにあります
史料から読み解けます。

「新聞雑誌」って書いてあります。
ええ。

これが まあ
当時の新聞のことなんですね。

「新聞なのか 雑誌なのか
どっちなんだ!」って
言いたくなりますけど

まあ これ
新聞のタイトルなんですね。

で これ あの…

はいはい はいはい。

え~と… 「此頃 連日」かな
「連日の降雨」 降る雨。

「雨 漏りて」って
書いてあるよ。

そう!
そこなんですよ。

こう 書いてありまして

「此頃 連日の降雨にて

京橋銀座町 新築 練化石家作

雨 漏りて

既に そば店
丁子庵なるものは

是が為 一日 商業を廃し」。

「商業を廃し」
っていうのは その

商いをやめざるをえない
ってことですか?

はい。 まだあるんです。
まだ あんのか。

「又 葉茶屋抔は
雨湿にて葉茶しめり

困却の余り 石炭を焼き

湿気を払わんとせしに

石炭の臭気 葉茶に移りて…」。

フフフフッ ハハハッ。
「大損失を醸し」。

もう 藤森さん
笑いが こらえられない。

ちょっと待ってくれ これ…

だから つまり 何かこれ えっと
要するに 雨漏りによって

売り物のお茶っ葉が
湿ってしまったと。

だから 「あかんがな!」っつって

「もう これ ヤバくな~い?」っつって

「そしたら 今度 石炭のにおいが
茶葉にうつっちゃって~!」。

これ 踏んだり蹴ったりじゃないか。

俺が レンガだったらさ
泣くね この酷評。

どの商売も大変で
あと 雨漏りはするし 湿気もすごいと。

やっぱり その…

いや そんなことはなくてね

恐らくね あの まあ 初めて 本格的に
レンガ造を大量に造ったから

やはり 雨じまいが悪くて

で 雨が漏ったんだと思いますよ。

いや でも いかに当時の政府が

近代化っていうか
それ 急いでたかっていう感じしますよね。

ということで…

ただ…

それが 最初の
スタジオでご紹介しました

この図面になります。
なるほど。

で 今回ですね この計画案と
深い関わりのある史料が

なんと 海外で見つかりましたので

調査してきました!
海外!

史料が残っていたのは
こちらのヨーロッパの国。

所長 どこだか分かりますか?

分からない。 どこですか?

ドイツですね!

私 ごめんなさい ビール
もう 私 お酒 大好きですから。

さすがは所長。
そう ドイツなんです!

こんにちは。

こんにちは 山田さん。

私は ドイツにあるベルリン工科大学
建築博物館のネーゲルケです。

よろしくお願いします。

ここ ベルリン工科大学に

日本には存在しない
幻の史料が眠っているといいます。

何か 大きいものが出てきましたよ。
大きいですね。

おお~!

え~!

宮殿のような…。
いや もう 宮殿です。

「のような」じゃなくて
宮殿です これ。

宮殿ですね。

こちらは 明治19年に描かれたものの
実現しなかった

幻の国会議事堂案。

中央にそびえる 巨大なドーム。

地面からの高さは およそ70m。

これは
現在の国会議事堂よりも高く

当時の東京の中でも 群を抜く高さです。

こちらは 断面図。

ドームの中は

吹き抜けのホールに
なっていて

左右から階段がのびる設計は
まるで 西洋のお城のよう。

すごいですよね。
日本の建物とは ちょっと思えない。

それにしても…

ベックマンとエンデは

当時 ドイツ政府の建築顧問を務めていた

著名な建築家。

2人が 日本のために設計したのは

国会議事堂だけではありません。

華麗ながら 厳かな雰囲気も併せ持つ…

当時 ヨーロッパで流行していた

ネオ・バロック様式の建物です。

一方 こちらは

中庭や噴水が設けられた
とても豪華な建物。

ほんとですねえ。

天皇の住まい 「皇居」です。

異世界ですよね。
異世界だよね。

日本じゃないような。

更に こちらは 「司法省」。

現在の
法務省旧本館です。

あっ さっきのか!

これも同じく
ベックマンたちの設計だったんです。

あ~ そうか。

他にも 「首相官邸」や「警視庁」など

設計された建物は 実に6種類。

これらは 全て

あの東京大改造計画の
図面の中に

配置されていた建物です。

なぜ 明治政府は

東京の建物の設計を
わざわざ ドイツ人建築家に依頼したのか。

それは この時 日本が直面していた

ある 深刻な問題と関係がありました。

事の発端は 幕末。

ペリーの来航をきっかけに

いわゆる 鎖国から開国へと
大きく かじを切った日本。

この時 欧米諸国と結んだ条約は

日本にとって かなり不利な内容の
不平等条約でした。

屈辱的な…。

この不平等条約を改正するため

明治政府は
欧米諸国と何度も交渉を行うも

暗礁に乗り上げていたのです。

そんな中 明治12年。

外務大臣に就任した
井上 馨は

こう 考えます。

「条約を
改正できなかったのは

諸外国から 我が国が

未開で 野蛮と
見られているのが
原因である」。

そこで 井上が考え出したのが あの…。

ヨーロッパ風の町並みに
東京をつくり替え

日本が欧米並みの文明国であることを
目に見える形でアピール。

それを 条約改正の足がかりにしようと
考えたのです。

この時 明治政府が
注目したのが

他でもない…

理由のひとつだと思います。

イギリスやフランスに比べ

近代化に後れを取っていた ドイツでも

日本と同じように

首都ベルリンの大改造を
行っていたというのです。

そこで!

こんにちは! ベルリン支部 探偵の
ジーモン・スタッヘです。

何人いるの 探偵。 我が事務所。

そこから…

さあ みんな 僕についておいで。

ちょっと 随分
高圧的な探偵だね。

まずは あちらの建物。

東京大改造計画と
まさに同じ時期に建設中だった

ドイツの国会議事堂。

正面に柱や アーチ状の窓を配し

荘厳で力強い建物を演出。

新興国として駆け上がる

新生ドイツ帝国の まさに象徴です。

次は あちらの建物。

ひときわ目を引くのが
中央の巨大なドーム。

これは 日本の国会議事堂案とも
共通するデザイン。

ほんとだねえ。

ドームの中が
吹き抜けになっているのも

日本の国会議事堂案と同じです。

♬~

更に このドーム
上にあがることもできるんです!

うわ~ すごい!
ベルリン市内を一望できるよ。

とっても すばらしい眺め!

もしかしたら 東京にも

ベルリンと同じような町並みが
広がっていたのかもしれない。

そう考えると 何だか夢が膨らみますねえ。

♬~

外務大臣・井上 馨を中心に

ドイツ人建築家の手によって
作り上げられた

東京大改造計画。

ところが 僅か1年後…。

27回にも及んだ
不平等条約の改正交渉が破談。

その責任を取り…

計画も 中止に追い込まれます。

こうして 東京大改造計画は
幻のままに終わってしまったのです。

う~ん なるほど。
でも 何か 今 これ見てると

その まあ 当時の外務大臣が
急いでた理由が 何か分かったよね。

不平等条約 屈辱的な不平等条約を
何とか改正したいっていうので

実際のね 当時のベルリンの建物も
すごい豪華な造りだから

また あれが実現したら
全然 今と違う東京で

また それはそれで
壮観な町並みになったんだろうね。

うん 全然違いますよね きっとね。

新しい時代をつくる時にですね

政治や経済 あるいは産業

そういうものを新しくしないと
いけないわけですけども

実は あの~ それだけでは
実は 新しいものは進まないんです。

そのためには…

ああ そうか。

やっぱり 建物が変わる 町並みが変わる
っていうのが ものすごい…。

そうすると こう いろんな
例えば モチベーションとか

新しい時代が来たんだぞっていう
庶民の意識が変わる。

そうすると 全体の近代化も
うまくいくっていうことですね。

だから…

なるほど なるほど。

改めて…

どういうところだと
藤森さんは お考えですか?

当時 まだ ドイツでも
あんな計画 やってなかったんですよね。

それを 初めて 日本でやるっていう。

だから 世界でも ほんとに…

はぁ~!
それを 明治政府がやろうとしてたんだ。

もう それだけで もう 不平等条約

ちょっと 改正してくんねえかって
思っちゃいますけどね。

ほんとに。 その志だけで。
志だけで。

ほんとですよね。
その 当時 屈指だったわけですもんね

その 近代化の計画はね。

ということは この東京が実現していたら
どんな東京の姿になっていたのか。

所長 なおさら
やっぱり 見たくありませんか?

それは 見たいさ。
それは見たいけども

幻に終わった計画なんだから
見れないじゃないか。

いやいや 諦めてはいけませんよ。
おっと?

時代はね 令和まで来ております。

私たちは…

うん!
藤森さんも 気になりますよね?

もちろん。 見たいですよね?
はい。 ねっ!

早く見たい 早く見たい!
それでは… ご覧下さい。

何で焦らした 今 もう!

今回 我々は ドイツに残されていた
設計図をもとに

建物を3次元化。

平面図に即して配置し

町並みの再現に挑みました。

さあ こちら!

ご覧下さい!

中央駅の前には 緑が生い茂る広場。

放射状にのびる道路は

まるで パリの凱旋門前のよう。

贅沢な空間だよね。
贅沢ですねえ。

「天皇大通り」と名付けられた
道路に面して建つのは 裁判所。

あら~! もう 日本じゃないよね。

日本が 近代国家にふさわしい
司法制度を持つ国であることを

重厚なネオ・バロック様式の建物で
アピールしています。

ものすごい荘厳な感じがするもんね。

現在の日比谷公園にあたる場所には

世界中から人を招いて開催する

万国博覧会のための 広大な敷地。

一方 お堀の先。

旧江戸城の中には

天皇が生活するための 皇居。

すごいねえ。
すごいですね。

湾曲する中央部が

後に 赤坂に建てられる
現在の迎賓館の建物と似ています。

なるほど~ そうか。

そして 永田町の丘の上に建つのが…。

すごいわ。

国会議事堂だね。

そう 国会議事堂です。

ひときわ
こう 目立ったでしょうね。

うん すごいわ。

立法府の長の名にふさわしい
威風堂々たる姿。

中央の巨大ドームや 立ち並ぶ柱など

3次元で見ると
その豪華さが 更に分かります。

もし 計画が実現していたら

全く違う東京の風景が
今も広がっていたのかもしれません。

いや~ すごい。
いや もっと こう CGをこう

長く 詳しく 見たいと思っちゃったねえ。
非常に魅力的。

何かね イメージが こう一気にね
現実的になりましたけども。

先生は いかがでしたでしょうか?
今の…。

いや~ すごいと思いました。
もう パリに並ぶような…。

いや ほんとですよね。

…と思いますけどね。

ということは 私の今回の探偵は
全く無駄だったという…。

あの~ まあ 山田探偵のデビューとしては
どうですかね 副所長。

アハハハッ 厳しいですね。
どうですかな。

いや そんなことはなくてね。 まず…

おお! なるほど。
これか。

ですから…

ちゃんと その 計画全体は
幻に終わってしまったけども

しっかり 近代化の一翼を担えた
ということですよね。

あの 先生ね
僕 あの よく まあ 車 運転してて

私の職業柄は 全然 その
霞が関には 用はないんですけど

通るんですよね。
やっぱね 国会 通る度ね

何ていうの 「ああ…」っていう…
何ていうかな

その 僕は もう素人なんで
分かんないですけど

その 何かね ちょっと威圧される感じが
あるんですよね。

そういうのって ベックマンが決めた
その位置とか 向きとかっていうこと

関係してるんですかね。
もちろん大きく関係してます。

あの ベックマンは
東京を どうするかっていう時

東京の高いところに立って
高いところがなければ やぐらを建てて

カメラマンと登って 写真を撮り
スケッチをしてる。

ですから あの 一番こう…

(2人)はぁ~!
海から!

だから あれだよね。 あの ほんとに今
何も知らない僕なんかが 車で通っても

「うわあ…」って
思わず 見とれちゃうっていうのは

何か もう ベックマンに
してやられてるわけですよね。

そうですね。 時を超えて
してやられてるわけですね。

そうです そうです。

さあ 所長 今日は 明治の東京大改造計画
ということで 見てまいりましたが。

ほんとに まあ 明治時代っていうのは
新しい時代 迎えた中でね

あの ほんとに
たくさんの人たちが 汗水…

もう ほんとに 血のにじむような努力と
苦労を重ねてきたんだけど

で まあ そのおかげで
今の東京も そうだし

今の我々がある
っていうことなんですけど

ほんとに それを 今日 改めてね
また あの 実感しましたですよ。

なぜ 銀座が 一番地価が高い
っていうふうに至るかっていうことも

先生 分かりましたしね。
ねえ 分かりましたしね うんうん。

これ あれですね。
事務所… この事務所も

全部 赤レンガにしたらどうだ。
アハッ まさかの?

あっ レンガ。 レンガ ちょっと雨漏り…。

雨漏りがするか そうか!
藤森先生 どうですか?

いや~ アハハ。
お勧めしないですか?

しないですね。
なんてことだ!

もう 秒で
俺の意見 シャットアウトされた!

くそ~。
所長案は もう 即 きょっ… 却下ですね。

「きょっか」って言おうした 今!

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