チョイス@病気になったとき「腎臓がん 最新治療情報」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

チョイス@病気になったとき「腎臓がん 最新治療情報」[解][字]

早期に見つかれば手術で根治できることが多い「腎臓がん」。腎臓や体への負担を減らす手術のチョイスや、続々登場している新薬のチョイス、早期発見のポイントを伝える。

番組内容
早期に見つかれば手術で根治できることが多い「腎臓がん」。近年、傷が小さくてすむ腹くう鏡手術や、ロボット支援手術を受けられる施設が増加。がんが小さい場合は全摘出ではなく部分切除を選択することで、腎臓の機能の低下が減らせるようになってきた。新薬も続々登場し、手術が難しい場合でも長期にわたって進行を抑えられるケースが増えている。進行度に応じた治療のチョイスや、早期に発見するためのポイントを伝える。
出演者
【キャスター】八嶋智人,大和田美帆,【講師】東京医科歯科大学医学部付属病院…藤井靖久,【リポーター】深川仁志,【語り】江越彬紀,佐藤真由美

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 高齢者

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キーワード出現数ベスト20

  1. 腎臓
  2. 場合
  3. 手術
  4. 転移
  5. 免疫チェックポイント阻害薬
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  11. 腎機能
  12. 島本
  13. 大体
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  15. 症状
  16. 腎部分切除
  17. 非常
  18. 本当
  19. 攻撃
  20. 部分

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

<今回のテーマは…>

<早期では症状がなく
気付かないうちに進行していることも。

こちらの女性も
自覚症状は ありませんでした>

ふだんどおりで。

えっ そうですか? という感じでしたね。

<一方 転移がきっかけで見つかることも>

<この男性は 気付いたときには

鼻の奥に転移。

4.5cmもの大きさになっていたのです>

<でも チョイスはあります!>

(2人)チョイス!

<ロボットを使って行う最新の手術。

早期がんの治療では
主流になりつつあります>

<今までの手術と比べて

細かい動きが正確にできるんです>

<…といわれる新しい仕組みの薬も>

<組み合わせて使うことで

治療成績が さらに向上しています>

<今日は
「腎臓がん」の最新治療のチョイスを

た~っぷりと ご紹介しま~す!>

健康への道のりはチョイスの連続!

ということで 今日の「チョイス」は…

あまり 僕 周りで
聞いたことがないので

ちょっと こう ぴんときてないところも
あるんですけれども。

全然 進行するまで症状が出ないって
怖いですね。

あとは VTRにあった 鼻の奥に
転移してしまうっていう方も…。

4.5cmって 相当大きいですよ。
だいぶ大きいですよ!

今日は 腎臓がんについて
お伝えしていきます。

まず
その腎臓がんが出来る腎臓について

おさらいしていきます。
こちらで見ていきます。

この茶色い臓器なんですけど
背中に近い所にありまして

これ 左右に2つあります。 そして

右のほうが 少し低くなっています。

その大きさなんですけども。

大体 握り拳ぐらいだと
思ってください。

これが 2つある
っていうことですね。

そして 非常に重要なことを指す言葉で

「肝腎要」と。
あの「腎」?

それだけに
非常に重要な臓器なんですよね。

ちなみに この腎臓
どんな働きがあるか ご存じですか?

どんな働き…?
何か まあ おしっこを…。

尿を作って…。
…作って 体に悪いものを出すという

そういう働きぐらいしか
ちょっと 分からないですが…。

そうです。
血液を ろ過して 老廃物や毒素を

尿として排泄する。 そのほかにもですね

骨を作るビタミンDを活性化したり

それから 血圧をコントロールする。
そのほかにもですね

血液を作ったりするためのホルモンを
作ったりしているんですよ。

やっぱり それは
「肝腎な臓器」ってことですかね これは。

その腎臓に出来るがん 腎臓がん。

大きく分けて
2つあります。

まず この腎臓の
尿を作る部分。

このオレンジの部分ですね。
ここに出来るがんは

「腎細胞がん」といって

これを
「腎がん」といいます。

もう一つはですね
この尿をためる部分

ここを「腎盂」というんですども
ここに出来るがんは

「腎盂がん」といいます。

これは どちらのほうが多いとかは
あるんですか?

これは およそ9割
もう ほとんどが こちらの

腎細胞がんなんですね。
なるほど!
腎がんです。

じゃあ やっぱり 出来る所によって違う…
種類があるってことだけれども

いわゆる 我々が思ってるのは その
腎細胞がんのほうだということですね。

なので 今日は この腎臓がんのうち

この腎細胞がんについて
腎がんについて

見ていきたいと思います。
分かりました。

まずは
こちらのケースから ご覧ください。

<古典の本を読んだり
美術館巡りをしたり

多趣味な島本さん>

<そんな島本さんが
腎臓がんだと分かったのは

別の病気の検査がきっかけでした>

<4年前の健康診断で見つかった

肺の小さな影>

<追跡調査のため
大学病院で 1年に1度

定期的に
CT検査を受けていた島本さん。

すると 今年1月の検査で

画像に写り込んだ腎臓に
たまたま 大きな影が見つかったのです>

それが…

<泌尿器科で詳しく調べると

結果は…>

<左の腎臓に
4cmのがんが出来ていたのです>

わりに楽天的なもんで。

<そんな島本さんのチョイスは…>

チョイス!

<一体 どんな治療なの?>

<ロボット支援の手術では
執刀医がいるのは

手術台の脇ではなく こちら>

<患者から離れた場所で
おなかの中をモニターで見ながら

遠隔操作で手術を行うんです>

<医師の操作で

手術器具が付いた
腕のようなものを動かし

手術を進めます>

<患者のそばでは

薬剤を注入したり
患部の出血を拭き取ったりして

執刀医のサポートをします>

<島本さんの手術は
およそ…>

<がんは すべて切除できました>

<7日後には 無事 退院>

<手術後は
体重が 一時的に落ちたものの

現在は 体調も良好だといいます>

人と会わないようにとはしてましたので。

チョイス!

いやあ よかったですね。
よかったです。

もう まもなく
行けるんじゃないですか 美術館ね。

では ここからは 専門家に
加わっていただき お話を伺っていきます。

よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いいたします。

症状が
出にくいということなんですけれど

本当に 全然分かんないぐらい
症状って出ないもんですか?

はい。 腎臓がんは早期ですとですね

ほぼ 症状が出ないといっても
間違いではないです。

4cm超えると 少し
血尿が出る方も出てきますけれども

でも かなり大きくなってもですね
無症状の方もいます。

こちらに 腎臓がんの自覚症状のほうを
まとめてみました。

まず こちらですね。
「3大症状」と呼ばれるのが…

この「上腹部のこぶ」というのは
この 脇腹辺り

この辺りを指します。

そのほかの全身症状としては…

「腹部や背中の痛み」ってありますけど
どういう痛みになるんでしょうか?

まずですね 今 言った

3大症状の方っていうのは
今 ほとんど いなくて

せいぜい いても 血尿ぐらいです。
ああ そうですか。

ただ 時には
非常に大きくなると 腎臓って

この腰の… 背中側にあるんで そこに

重いような
鈍痛を感じる方もいるという

そういうことになります。
ということはですよ

かなり大きくならないと
こういう症状が出てこないってなると

どうやって
見つけるのかということですが。

今はですね 今回の患者さんのように

画像診断で 症状がないうちに

偶然見つかるっていうのが
もう 圧倒的に多いです。

昔はですね 9割以上の人が

血尿とかの症状で
見つかっていましたけれども

今はですね 大体 8割くらいは
健康診断とか人間ドックとかの

そういった画像診断で
見つかるようになっています。

そうですか。
じゃあ やっぱり 検査に行くってことが

大事だということですか?
本当に そう思います。

中高年になってからの話ですけども
年に1回は 健康診断や人間ドックで

特に超音波検査を受けられることを
お勧めしたいと思っています。

超音波検査 いわゆる
エコー検査のことですけれども

がんか 正常かって そこまでは

なかなか 分からないことも
あるんですけれども

がんが あるかどうかっていう
そういう拾い上げですかね

「スクリーニング」って呼んでますけど
それには 本当に有効な検査です。

なるほど。
ちなみに VTRの島本さんは

肺の検査をしてたら
見つかったということでしたけれども

腎臓って 肺の検査してて 写るもの…
一緒に写っちゃうものなんですか?

腎臓って やや上側にあるんで
肺と 少し重なってますんで

肺のCTやると 大まかにいうと
腎臓の上半分ぐらいは写ります。

最初のほうも 何か
丸い感じのものがあるっていうふうに

島本さん おっしゃってましたけど
それが やっぱ 大きくなって

がんになったということですか?
今回の場合は。

島本さんの場合は もともと 腎臓に
「のう胞」っていって

これ 水の入った風船みたいなもので
良性の病変なんですけども

腎のう胞自体はですね

40歳 50歳に
なると

人口の半分ぐらいには
あるっていう

それぐらい
よくあるものです。

島本さんの場合 もともと
腎臓に 数個

腎のう胞が
あったんですけれども

小さいとですね
なかなか 普通のCTだと

腎臓の のう胞なのか
がんなのかっていうのは

なかなか分からないっていう
そういう状況があります。

そのCT画像を見ていきましょう。
こちらですね。

この黄色で囲ってある所です。

こちらが 腎のう胞。 そして こちらが

腎細胞がんとありますけども

確かに 比べてみると どうですか?
そうですね…

放射線技師役をやった私が見ても

同じように見えますね。

ちょっと 上下反対
みたいなのあるけど 何か

形まで… 何か 同じように

見えますよね これ。
これが

普通のCTでの所見なんですけど
このように のう胞と がん

しばしば
分からないっていうことがあります。

分からないですね。

造影剤を使わないCTだと
難しいんですけれども

造影を使ったCTだと もう
のう胞と がんっていうのは

ものすごく簡単に分かりますんで。

<こちらは 造影CTの画像です。

造影CT検査では 血流のある部分を
白く写し出す

「造影剤」という薬を

患者に注射で投与し

腎臓に到達したタイミングで撮影します>

<造影剤を使用しない
CT画像と比べると

一目瞭然。

がんならば 血流が豊富なため

白く写し出され すぐに診断できるのです>

造影CTっていう検査が
がんの診断では

最も重要な検査といわれています。
そうですか…!

じゃあ どういう人が
なりやすいのかっていうのは

ちょっと 気になるところではありますね。

こちらがですね
腎臓がんの3大危険因子です。

なるほど。 でも その肥満とか高血圧が

どうして 腎臓がんに
つながるのかっていうことなんですが。

これは とてもいい質問で
実は 本当の意味で

まだ 明確には
分かってないんですけれども

ただ 一つ
いえるのは

肥満で増えるというのは
腎臓がんだけじゃなくて

実は 多くのがんが
増えます。

じゃあ なぜ
増えるかというと

肥満でですね
いろんなことが

起こるんですけど
最終的に

free IGF1っていう
成長因子なんですけど

それが増えることで
多くのがんが

増えるのではないか
というふうにいわれています。

なるほど。
高血圧のほうはいかがでしょう?

こちらもですね
正確なメカニズムは

分かっていないんですけれども

高血圧の方というのは
動脈硬化を

伴っておりますので

腎臓の血流が悪くなって

いわゆる 慢性の
低酸素状態に

腎臓が なってる
といわれていて

それが がん化につながる
というふうに

考えられています。
なるほど。

腎臓がんの患者さんっていうのは
大体 どのぐらい いらっしゃるんですか?

今ですね 腎臓がんの患者さん
すごく増えていて

日本だけでも 大体 3万人弱ぐらい
毎年 診断されています。

毎年 はい。
で 何で 増えてるかっていうのは

一つは 先ほどの画像診断ですけれども

これを 前よりも
多く やられるようになっていて

それで
偶然見つかるケースが増えてるっていう

それは もう 間違いなく
理由になってるんですけれども

もう一つはですね 食事の欧米化で
肥満の方とか高血圧の方とか

そういった方が増えてきて
もう 腎臓がん自体が

増えているのではないかっていうことも
いわれていて

私自身は 腎臓がん自体
増えてるんではないかと思っています。

例えば もともと
腎臓に病気がある方っていうのは

腎臓がんに
なりやすいっていうこともありますか?

腎臓の機能が落ちてくると 少しずつ
腎臓がんになりやすいといわれていて

特にですね 透析になりますとですね

非常に
腎臓がんになりやすくなるということで

腎癌研究会の調査では 大体

普通の人の15倍ぐらい 腎臓がんに
なりやすいというふうにいわれています。

VTRの島本さん 腎臓の一部を

がんだけを とったということに
なるわけですか?

今はですね
あんまり大きくない腎臓がんであれば

腎臓を全部とらないで がんの部分で…

少しだけ
周りの正常な部分をつけて とる

「腎部分切除」といわれておりますけど
これを

できるだけ やるようになっています。
なるほど。

昔と違ってですね ロボット手術で

部分切除が
より安全にできるようになってるので。

前は 大体 4cm未満っていうふうに
いわれていましたけど

今は 4cmを超えていてもですね

かなり 腎部分切除が
やられるようになっています。

そうはいってもですね 全員が
部分切除っていうわけではないので

腎臓のがんの大きさとか位置とか
患者さんの腎機能とか

そういったことで総合判断して

部分切除にするか
腎臓を全部とる「全摘」にするかという

そういった判断になります。

VTRの島本さんは
腎臓は2つあるから

1つ とっても 大丈夫だろうって
おっしゃってましたけども

そもそも 腎臓は 1つ とってしまっても
正常に動くものなんでしょうか?

腎臓を1個 とると 腎機能って 術後
50%ぐらいと思うかもしれませんけど

実は 残した腎臓が 結構 頑張るんで

正常な腎機能の人ですと

術後の腎機能は 大体70%ぐらいです。

もともとの腎機能が非常に良ければ

30%ぐらい 腎機能が落ちてもですね

それほど 健康状態には
問題ないともいわれています。

ただ
もともとの腎機能が良くない方だと

もっと落ちたりするんですね。

そうなると
透析のリスクとかも出てきますので

問題になるっていうことかと思います。

一部だけを とる手術なのであれば

その機能自体は もっと残るというふうに
考えてよろしいですか?

部分切除の場合はですね
大まかにいうと

大体 全体の腎機能の90%が残ります。

で そのほうが
健康状態にはいいっていうことが

だんだん分かってきましたので
安全に腎部分切除ができるような場合は

腎部分切除を勧めるっていう
そういう時代になっています。

島本さんね ロボット支援手術というのを
受けたそうですけれども。

まあ 何か いっぱいアームが出てて
すごいですけれども

これは 具体的には
どういった手術なんでしょうか?

正確には「ロボット支援腹腔鏡下手術」
といっています。

まず 患者さんのメリットでいうと

傷が小さくて 痛みが小さい。

そして
出血が少ないので回復が早いということ。

そして
本当に 手術がやりやすくなりますので

従来の腹腔鏡手術ですと

なかなか
部分切除できなかったような方でも

ロボットで安全に

腎部分切除
できるようになってきているので

前よりも
腎部分切除の適応が広がってるというか

たくさんの患者さんが

腎部分切除できるようになってきてる
ということが

挙げられます。
なるほど。

私たち 外科医のほうから見てもですね

本当に
ロボット手術 やりやすいんですね。

まず 一つは「拡大立体視野」っていって

非常に立体で
見やすい視野でできるっていうことと

あとは ロボットアーム
ものすごく関節も多くて

人間ができないような
精緻な動きができるっていうことで

あと
手ぶれ防止機能が付いておりますので

もう 本当に 何ていうか…

安心して
操作できるっていうことで。 そうか。

腎部分切除の場合は

がんの部分だけを
正確に とるっていうことと

とったあとに腎臓を
きれいに縫うっていうことがあるんで

そういった点で ロボットは
本当に強みがあります。

その手術 保険適用っていう部分では
どうでしょう?

ロボットの
がんに対する腎部分切除ですけれども

2016年に 日本で保険診療になっています。

先ほど ちょっと お話の出た
腎臓全部とる 全摘術ですけど

これもですね 今年の2022年の4月から

保険適用になっています。
そうですか。

これは こちらが希望すれば

ロボット支援手術っていうのは
受けられるということですか?

がんの大きさとか位置

あるいは 患者さんの状況で
選択されるんですね。

で 今は 早期がんでは
この手術が主流となってきています。

ただ 導入されてる病院はですね

確実に増えてるんですけど
まだ 限られてるっていうことで

どこでも受けられるものではない
っていうこともいえます。

でも 最新ということなので これ
費用も高いんじゃないかなと

少し気になるんですが いかがでしょう?

<ただし
高額療養費制度が使え

年齢や収入にも
よりますが

ひとつき当たりの
支払い額は

10万円ほどに
なります>

腎臓がんの治療の基本は手術。

しかし 手術で とることができない場合
どんなチョイスがあるんでしょうか?

<63歳で退職してからは
妻と2人暮らし。

趣味は 写真撮影と山登り>

<年に4~5回は

3, 000m級の山にも登っていました>

体力は 自信ありました。

だから…

<そんな氏家さん

4年前 長引く
鼻炎の症状に

悩まされていました>

<そこで 総合病院を受診>

<すると
鼻の奥に検査器具を入れただけで

大量の出血を
してしまいました>

<結局 入院して
精密検査を受けることになった氏家さん>

<検査の結果 鼻の奥に

大きさ4.5cmの
がんが見つかったのです。

実は そのがんは…>

<…が出来ていたのです>

<氏家さんのがんは…>

<大学病院に転院して
治療を受けることに。

その治療方針は?>

転移があってもですね
それが「少数転移」っていって

ごくごく限られた数

1個か2個ぐらいの転移であれば

手術で とりにいくっていうのが
原則なんですが…。

<ところが 氏家さんの場合

鼻の奥に転移したがんは
大きすぎて とるのが難しく

また 腎機能が低下していたため

腎臓を 1つ とってしまうと

人工透析になる可能性が高かったのです>

<手術は できない状況でした。

そこで 氏家さんがチョイスしたのは…>

チョイス!

<…による治療です。

うん? それって 一体 どんな薬なの?>

<体に 細菌やウイルスといった異物が

侵入したとき 私たちの体には

これを排除しようとする

免疫細胞があります。

免疫細胞は もちろん

がん細胞も攻撃します。

ところが がん細胞も

やられる一方ではありません。

ある方法で反撃を始めるのです。

実は 免疫細胞には

攻撃をやめるブレーキボタンがあります。

攻撃を受けたがん細胞は

このボタンを押すのです>

<すると 免疫細胞は

攻撃をやめてしまい

その結果 がん細胞が増え

がんが進行していきます>

<これに対し

「免疫チェックポイント阻害薬」は

ブレーキを押すがん細胞から

ブレーキを守ります。

こうすることで 免疫細胞の

攻撃力を復活させる薬が

免疫チェックポイント阻害薬なのです>

<氏家さんは
2つの免疫チェックポイント阻害薬

「ニボルマブ」と「イピリムマブ」で
治療を始めました>

<しかし 治療を4か月続けたところで

副作用のため血糖値が上昇し

糖尿病を併発>

<がんの治療は中断し
糖尿病の治療に専念しました>

<半年後 免疫チェックポイント阻害薬の
治療を再開。

今 がんは小さくなってきています>

<がんが見つかって3年。

時折 趣味の写真撮影に出かけることも
できるようになりました>

やはり…

(2人)チョイス!

う~ん…。 やっぱり 今もなお
体の中にあるということでね

それは 何となく いろんなことが 頭に

よぎられるのかなというのも…。
気が気じゃないですよね。

先生 鼻の奥に
転移するっていうふうに…

そんなこと よくあることなんですか?

鼻の奥って 正確には「副鼻腔」という所の
転移なんですけれども

これは かなり珍しいです。 腎臓がんは

一番多いのは肺に転移するんですけれども
ただ 不思議なことにですね

いろんな臓器に…
すい臓とかですね 骨とか脳とか

あと 私が経験してるものでは
胆のうとかですね

そういった変わった臓器にも
転移しますので

副鼻腔に転移しても
おかしくはないっていうことになります。

じゃあ 転移があっても
原則 手術はするということでしょうか?

昔は そうだったんですけれども
今は 薬が進歩してますんで

転移がある場合は 原則は

薬の治療を先行することになってます。

ただ 氏家さんの場合は
転移が1か所だったので

こういった場合に限れば 転移と

腎臓のがんを とるっていう
そういった手術も

考えられるっていうことになります。
なるほど。

ただ 氏家さんの場合は
まず この転移先が副鼻腔で

しかも 4.5cmって大きいので

ものすごく大がかりな手術が
必要だっていうことで

なかなか そちらの手術の適応というのは
慎重になります。 なるほど。

腎臓のほうが とれないのは

それは どういう場合ということに
なりますか?

氏家さんの場合は 技術的には とるのは
そんな難しくはないんですけれども

診断の時点でですね
もう 腎機能が かなり お悪くて

腎臓を とったらですね…

先ほど 透析になる可能性
高いって言ってましたけど

ほぼ必発なので
そういったことで 総合判断で

手術を選択しないっていうことに
なりました。 なるほど。

でも あれですね ほかの臓器にも
転移するっていうことを考えると

この腎臓のほうにあるやつだけでも

とっておいたほうがいいというふうには
思うんですけれど いかがですか?

透析になりますとですね
よく知られてるように

週3回 4~5時間
血液透析に時間が取られて

生活の質 QOLが
低下するっていうことと

あとは 透析になるっていうことで

少し 心臓とか血管とかに
負担 かかりますので

生命予後も
若干 短くなるっていうこともあるので

透析をする必要がある場合は
手術適応を 少し

慎重に考える必要があります。
なるほど。 それで 氏家さんはね

免疫チェックポイント阻害薬というのを
使ってらっしゃいましたけど

いわゆる 我々が思う 抗がん剤というのは
使わないということでしょうか?

これが不思議なんですけど 腎臓がんは
いわゆる 抗がん剤はですね

ほぼ効かないので使いません。
ええ~…。

なぜ 効かないんですか?
これも なかなか分かってないんですけど。

腎臓っていうのは
血液の中の毒素を こして

ポンプで尿の中に出すような
そういう働きがあります。

がんになってもですね
毒素を くみ出すっていうことで

抗がん剤を入れても それが

くみ出されちゃうんじゃないかって
いわれてます。

抗がん剤のことを毒素だと思って

出しちゃおうとしてしまう
ってことですか。 はあ~…!

ただ この10年ちょっと前からはですね
有効な薬も増えてきて

まず 一つは
「分子標的薬」っていう薬で そのあとは

「免疫チェックポイント阻害薬」という薬も
登場して

今 その2つを上手に使うっていうことが
腎がん治療の中心になっています。

先生 その分子標的薬というのは
これは どういった薬なんでしょうか?

分子標的薬というのは
がんがですね

成長していくうえで
重要な分子があって

その分子を標的にする。
つまり 狙い撃ちにして

がんの増殖とか転移を
止める薬なんですね。

腎臓がんの場合の
分子標的薬っていうのは

血管を作る「血管内皮増殖因子」
という所を狙い撃つもので

今 腎臓がんに対しては
7つの分子標的薬があるんですけど

そのうちの5つは
血管を標的としたものです。 なるほど。

じゃあ 一方
免疫チェックポイント阻害薬というのは

具体的には どういった薬なんでしょう?

がんというのは
非常に頭のいい細胞で

免疫の細胞から
攻撃しないように

いろんなブレーキを
かけてきてるんですね。

そのブレーキを外して

また がんに対する
免疫が働くようにするという

そういったお薬が
免疫チェックポイント阻害薬です。

腎臓がんにおいてはですね
4つの免疫チェックポイント阻害薬が

使用できています。
じゃあ それも

保険診療で
診ていただけるということですか?

そうですね。
それは うれしいですね。

VTRの氏家さんですけれども
免疫チェックポイント阻害薬

2つ併せて 使ってらっしゃったと
思うんですけれども

そういうこともあるっていうことですか?

今は 免疫チェックポイント阻害薬を
組み合わせて使う

そういった併用療法っていうことが
治療の中心になっています。

それについて こちらで
まとめて見ていきましょう。

免疫チェックポイント阻害薬の
併用療法です。

免疫チェックポイント阻害薬
これ 2つを

併せて使う場合ですね。
そして もう一つはですね

免疫チェックポイント阻害薬と
こちらの分子標的薬 これを併せて使う。

この2パターン
あるということなんですね。 なるほど。

これ どちらも
一長一短があるんですけれども

免疫チェックポイント阻害薬
2つを使うというのは

大体 有効率が40%ぐらいです。

その分ですね 効果がある人は

すごくよく効いて
長く効くっていう特徴があって

氏家さんも もう 鼻の転移は…

ちょっと残ってますけど
もしかしたら あの中は

がん細胞 いない可能性もあるぐらい
よく効いてます。

よく効いているということですか。
はあ~…!

一方 下の 免疫チェックポイント阻害薬と
分子標的薬を組み合わせると

6~7割の方に効くっていう
非常に たくさんの方に効きます。

ただ 長く効く率は
上より ちょっと劣るっていうことで

患者さんのシチュエーションとか
腎機能とか いろんなこと考えて

選択されるということになります。
なるほど。

一つ 心配なことがあって
VTRの氏家さんもそうですけれども

糖尿病に
おなりになったっていうことで

これ 副作用があるのかなって
ちょっと

お話を聞いてて心配になるんですが
いかがですか?

免疫チェックポイント阻害薬の… 先ほど
免疫のブレーキを外すということで

がん細胞を攻撃するんですけど

免疫が活性化してるんで 時にですね

その免疫の攻撃が
正常細胞にいくこともありまして

いろんな臓器が免疫細胞に
攻撃されてしまうっていうことがあって。

氏家さんの場合は すい臓のですね
β細胞っていって

インスリンを作る細胞が
攻撃の的になってしまって

それで 糖尿病になった
ということなんです。 分かりました。

でも これは
費用は どのぐらいになるんでしょう?

ニボルマブとイピリムマブの場合は

1回投与で 80万円ぐらいですけど

3割負担で およそ24万円。

ただ 高額療養費制度が使えますので

自己負担は
患者さんの収入にもよりますけど

大体 月に10万円台くらいになっています。

分かりました。 手術と薬以外にも

どのような治療があるのかというのが
気になるところですが。

放射線もですね 抗がん剤と同じように
そんなには効かないんですけれども

脳の転移と骨の転移で
痛みがあったりするような場合には

放射線が非常に有効で
痛みをとったりとかですね

進行を抑えたりするのには
よく使われています。

腎臓がんの場合 転移があっても
非常に 進行 ゆっくりな方がいますので

高齢者の場合なんかはですね

転移がなかった場合も
含めてですけれども

慎重に経過を見てですね
何かあったときに対応するっていう

そういった場合もあります。
そのための 何か いろいろな手段も

今は ちゃんと
整ってきたということでしょうかね。

それは ちょっと うれしいですね。

画像検査の進歩によって
腎臓がんの早期発見は増えましたが

その一方で こんなケースも出ています。

<雑誌の編集やライターとして
働いている…>

<今から2年前 ある異変に襲われました>

<胃と背中に痛みを感じ
近くの内科を受診>

<CT検査を受けると
思わぬことを告げられます>

<泌尿器科で精密検査を受けると

結果は…>

<右の腎臓に 大きさ9mm

早期のがんがあると言われました>

「あっ がんだったんだ」っていう
わりと冷静な感じではありました。

<医師からは おなかを切って
がんを とり除く手術を勧められ

手術日も決まっていました>

<しかし 登山が趣味の小宮さん。

手術に関して
一つ 気がかりなことがありました>

<そこで 小宮さん
おなかを切る手術以外の治療はないか

自分で調べたり
友達に意見を聞いたりしました>

<すると もっと…>

<…があると
分かったのです>

<そこで 小宮さんが チョイスしたのは…>

チョイス!

<大学病院で セカンドオピニオンを
受けることにしました。

すると 意外な事実が判明します>

まず…

…っていう所見がありまして。

<小宮さんの腎臓の腫瘍を細かくみると

なんと…>

<さらに MRI検査を行うと…>

<…という良性の腫瘍であると
考えられました>

<そこで さらに 念のため

腫瘍の一部をとって 顕微鏡で
詳しく調べる検査「生検」を行うと

やはり がんではありませんでした。

小宮さんは
セカンドオピニオンを受けたことで

受けなくてもよい手術を
回避できたのです>

それは 安心しました。

う~ん! これは 本当に よかったですね。
本当に よかったですよ。

こんなこと あるんですね。
そして 先生 すごいですね! やっぱり。

ありがとうございます。
まあ でも 小宮さんの場合はね

手術前に 先生 これ
分かったからよかったですけど

手術後に分かるケースっていうのも
あるんですか?

今 褒めていただいて恐縮なんですけど
実は 結構 ありましてですね

私たちの病院で
かなり前のデータですけれども

腎部分切除をやって
良性だったケースって

実は 10%あったっていう…
結構 多いんですね。

ただ 今は もっと 画像診断の
解釈のしかたが進歩してるのと

先ほどありましたように
生検を上手に入れるっていうことで

手術して良性だったっていうのは
どんどん減ってきていて

今 うちでは 5%未満ですね。
半分以下になった… よかったですね。

でも 腎臓って元気だから

とっても 何となく 機能として
頑張ってくれるから

怪しかったら とるみたいな部分って
あるんですか?

ちょっと前まではですね
部分切除だったら 腎機能も

せいぜい 10%ぐらいしか
落ちないっていうことで

迷ったら とるっていう
そういったことは… そういう考え方

今も少しあるんですけれども

でも よけいな手術は
しないほうがいいって思うんで

やっぱり 画像を ちゃんと よくみて

必要な場合には 生検するっていうのが
いいのかなと思います。

それだと 手術の前に 全員

生検をすればいいんじゃないかなって
思ってしまうんですけれども。

あの… まあ ここが難しいところで

まず 造影CTだけでですね
がんの場合は 大体は分かります。

ですので
全員に生検する必要はないですし

さらに MRIやっても
まだ分かんない場合っていうのが

生検の適応かなと思っております。
なぜかというと

生検自体 少し 出血をするとか

感染するっていう
そういうリスクがあるっていうことと

あと もし それが がんだった場合
針を刺すと そこから

がん細胞が広がってしまうんじゃないか
っていう懸念が 一応 あるんですね。

これは 欧米の施設で
たくさんの生検をやって

ほぼないというふうには
いわれているんですけど

一応 理論的には
リスクがあるっていうことで…。

ですので やっぱり
全員に生検するっていうのは

少しオーバーなのかなと思います。

患者さんって やっぱり 自分が 一回
がんなんて言われたら

怖いと思うんですけれども
セカンドオピニオンであるとか

いろんなことあると思うんですが
その辺は いかが…?

まずですね 造影CT
大抵 やると思うんですけど

それで「がんの可能性
どのぐらいですか?」と聞いてみるのは

一つだと思うんですね。
なるほど。

がんかどうか迷うっていうようなケース
あるいは

それが どのぐらい がんかっていうのを
あまり教えてくれないようなときは

手術数の多い大学病院とか
がんの専門病院を受診するとか

セカンドオピニオンを考えるとか

そういうのがいいのかなと思います。
分かりました。

では 最後に
今日お伝えした内容を踏まえまして

ベストチョイスのためのアドバイスを
お願いします。

早期では 症状 出にくいので
中高年になったら

人間ドックとか健康診断で

年に1回は 超音波検査をするということ。

診断されたとしても 早期に見つかれば

今 ロボットを中心に

安全に 部分切除できるように
なっておりますので

手術を考えられるのがいいのかなと
思っています。

たとえ 転移があってもですね

今は 薬のほうが
どんどん 進歩しておりますので

昔は考えられなかったような

長期に効くとか
もしかしたら 治るっていう

そういった時代になってるのかなと
思っています。 分かりました。

先生 どうも ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。

今日は
健康診断で受ける

「尿検査」のお話。

尿検査の尿は なぜ

朝起きた直後に とるのか

知っていますか?

さらに 出始めではなく

途中の中間尿を とるのは なぜか。

それは…

次回も 皆さんに お届けします。

健康への ベスト…。
(2人)チョイス!

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