100分de名著forティーンズ2▽WHAT IS LIFE? 生命とは何か[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著forティーンズ2▽WHAT IS LIFE? 生命とは何か[解][字]

不意に庭を訪れた蝶々の美しさに打たれた少年は生物学者を志す。彼こそ生物学の歴史を変える大発見を行いノーベル生理学・医学賞を受賞することになるポール・ナースだ。

番組内容
生物学者ナースが蝶々との出会いによって直面した「生きるって何だろう」「生命って何だろう」「どうして蝶々はこんなに美しいんだろう」といった素朴な疑問が、彼の著作の中で生物学や遺伝学の最先端を使って鮮やかに解き明かされていく。サイエンスライターの竹内薫さんに読み解いてもらうことで、「科学することの喜び」「すべての生命のつながりや尊さ」を学んでいく。
出演者
【ゲスト】鈴木福,【講師】サイエンス・ライター…竹内薫,【司会】加藤シゲアキ,安部みちこ,【朗読】下野紘,【語り】目黒泉

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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  14. 自然淘汰
  15. 重要
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  17. キリン
  18. コンピューター
  19. 意味
  20. 加藤

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

8月の「100分de名著」は
10代に向けた 夏休みスペシャル。

第2回は ベストセラーとなった科学書

「WHAT IS LIFE?
生命とは何か」。

著者は ノーベル賞を受賞した生物学者…

若者に伝えたかったのは
すべての命に対する「責任」。

地球に向き合うべき今
命の物語を伝えます。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著 for ティーンズ」
司会の安部みちこです。

加藤シゲアキです。

そして 今回 ゲストをお招きしています。
鈴木 福さんです。

(一同)よろしくお願いします。

第2回で取り上げる本は こちらです。

「WHAT IS LIFE? 生命とは何か」
という生物学の本なのですが

福くん 生物学は どうですか?

学校では やりましたけど そんな すごく
得意とか そういうわけじゃないです。

僕も小さい頃は どっちかっていうと
理系で 理科が好きでした。

ただ 理科で止まってるんですよ。
生物学って その先じゃないですか。

そうですね。
さあ では指南役 お迎えいたします。

サイエンスライターの竹内 薫さんです。

よろしくお願いします。
よろしくお願いします。

「WHAT IS LIFE? 生命とは何か」の
翻訳者である 竹内 薫さん。

執筆活動を通して 科学の楽しさを
伝えてきた竹内さんにとって

画期的な本だといいます。

これですね
やっぱり すごく面白いんですね。

著者のエピソードが
豊富に入っていて

何かこう 小説を読んでるような感じで
楽しめると。

ということで 学校の授業で
ちょっと難しいなと思う人に

お薦めかなと思いますね。

作者の方から ご紹介していきましょう。

ポール・ナースさんで
遺伝学者であり 細胞生物学者です。

遠回りしながら 大学の研究員の
職を得ている苦労人なんです。

このような
輝かしい経歴・受賞歴がある方で

2001年には ノーベル生理学・医学賞を
受賞しています。

分裂酵母という
ビールなんかで使われてる酵母ですね。

これを研究材料として
細胞が どうやって分裂するのか

その仕組みを発見したんですね。

その分裂の仕組みがですね 実は
全生命で同じであったということが

後に分かったんですよ。
ということで ものすごく業績が大きい。

でも すごくね
インタビューとかでも気さくな方で

あと
飛行機乗りでもあるんですね この方。

クラシック飛行機を
自分で操縦するんですよ。
趣味ですか?

うん。 すごく だからね
何か ユニークな方なんですね。

学者とか博士っていうと それだけ
学んできたような感じがしますけど

まっすぐじゃなかったことで

ユーモアな視点を手に入れた方なのかな
っていう印象ですね。

それでは まずは 作者ポール・ナースの
生物学との出会いから見ていきましょう。

朗読は下野 紘さんです。

自分とは 大きさも形も違うけれど

何か目的をもって動く姿は
どことなく似ている。

この時 蝶を見て感じた疑問が
生物学への第一歩でした。

同じ頃 授業で 命の基礎となる
細胞の世界に衝撃を受けます。

小さな細胞の中で繰り広げられる
命のドラマに魅せられ

生物学者への道を志したのです。

うん。 福くんは 授業で
細胞を見た記憶はありますか?

あります あります。

中学校の時に たまねぎの根を それこそ
同じように ギューッて押し潰して 見て。

中学校のね 授業とかで
細胞の仕組みとか

恐らく 分裂とかについて
教わるんですよね。

ところが やっぱり そこで答えを
最初に教えてもらっちゃうことが多くて。

そうすると その ナースさんみたいな
感動は味わえないんですよね。

そういった意味で ナースさんの
先生であったキース先生は

すごくね いい先生だったと思いますね。

さあ では その感動がスタートで書かれた
この本なんですけれども

5つのステップによって
解説をしていきます。

今のところが まず最初の
「細胞」だったわけですよね。

細胞というのは
生命の基本単位ですね。

細胞が分裂をしないと本当に
生命そのものが成り立たない。

だから 細胞と細胞分裂というのが
生物学の基礎なんですね。

みんな 1つの細胞から始まった
ということですよね。 そうですね。

(加藤)全生物。 はい。
はあ~。

ポール・ナースさんは この本の
ステップ1の細胞のところでですね

細胞の どこかの部分が重要だと
書いているんですけれども

どこだと思いますか?
(鈴木)そうですね。

まあ 核というぐらいですから…

中心ですもんね。
大事といえば 核ですよね。

ここでは 細胞膜が重要だと言っています。

その理由はですね それがないと…

なるほど。

例えば そうですね お家というのが もし
その壁がなかったら困るじゃないですか。

学校とか 駅とか 図書館とか
全部 何か その区画が決まっていて

その機能が発揮されてるので
区画がないと

実は 働きそのものが
うまくいかないということで

細胞膜が重要なんだというふうに
言ってますね。

あ~。
(加藤)なるほど。

(鈴木)そこを分けるもの自体が重要だ
っていうふうなことは学校では習わない。

意外ですね。

でも ちょっと 細胞と その細胞の中で

どこが大事かっていうのが
分かってきたので

ステップ2にいきたいんですけれども
2つ目は「遺伝子」。

遺伝子の正体は その核の中にある
DNAってものなんですね。

デオキシリボ核酸という物質です。

DNAが持っている情報
というのがありまして それが遺伝子。

我々の体が成長するための
設計図なんですね。

この
遺伝子について書かれているところで

ナースに ノーベル賞をもたらした
研究について書かれてますね。 はい。

細胞が分裂して 2つの細胞になると。

これがですね
細胞周期ということなんですが

ポール・ナースさんは これを20代の頃から
ずっと研究していて

最終的に その分裂の仕組みですね。

遺伝子が どういうものなのか
ということを解明したんですね。
へ~。

生命活動の基本である 細胞分裂。

1974年 その謎を解くために

ナースは 分裂酵母を使った実験を
繰り返していました。

探していたのは 細胞周期の…

細胞周期のスピードに関わる遺伝子を
見つけるために

ナースは 分裂酵母の中から

「異常な成長をしてしまう」変異体を
探していました。

自動車でいう ブレーキや
アクセルの部分を見つけるためです。

そんなある日 細胞周期が速すぎて

成長する前に分裂した
ごく小さな変異体を発見しました。

ナースは これを「Wee」と名付け
調べ続けます。

しかし 50個近く集めても
核心をつく発見に至りませんでした。

数か月後 新たな変異体を発見しますが

「どうせまた同じウィー変異体だろう」と
ゴミ箱に放り込んで 家に帰ります。

しかし…。

一回 捨てたものを取りに行って
大発見につながったという。

こういうエピソードって 本当に何かこう
作ったのかっていう感じなんですけど

偶然なんだけれども やっぱり
その幸運を呼び込むためには

日頃の ものすごい努力があって。
そうですね。

ある日 突然
その幸運の女神が ほほ笑むと。

しかも 戻ろうというふうにね 何か
ちょっと疲れたし 寝ちゃおうじゃなくて。

明日でいいかって
思ってもいいんだろうけど

そうじゃ駄目だったんですね きっと。

掃除の人が 夜来て
全部 捨てちゃうんですよ。
ああ そっか。

いや~。
ええ~。

ず~っと そのことだけ考えてる
ということもあるでしょうし

それは 努力とも言えるんでしょうけど
やっぱり 好きなんだと思うんですよね

それを見続けられるというのは。

何事も そうだと思いますね。

僕も このお仕事も やっぱ
ちっちゃい頃から続けられてるのは

好きだからですし。

続けて 3つ目のステップは
「自然淘汰による進化」です。

(加藤)僕らが思ってる自然淘汰って 何か
ふるいに落とされるっていうようなね

適応できないものが落とされていく
という印象なんですけど。

結果的には ふるいのような
イメージではあるんですが…

では 自然淘汰について
詳しく見ていきましょう。

自然淘汰のプロセスを ナースは
キリンを例に解説します。

もともとは 首の長さが
さまざまに異なっていた キリンの先祖。

比較的 首の長い個体は高い枝に届くため
葉を多く食べることができました。

当然 おなかが満たされた個体の方が
生き残る確率が高くなります。

こうした世代交代を
何万年も繰り返すことにより

次第に 長い首をもった個体が
支配的になり

キリンという種が形成されていきました。

これが 自然淘汰です。

このプロセスを繰り返すことで
生き物は さまざまな種に進化しました。

つまり この進化の系譜を逆にたどれば
一つの生物に行き着きます。

人間もキリンも
そして ナース少年が見た蝶も

もとは 同じ一つの「命」なのです。

知性があったから 頭がよかったから
というわけじゃないですよね。

たまたま 首が長かったから

そういう個体が生き残っていった
ということですよね。

そうなんですね。 だから その実際には
突然変異が起きて

首が長くなったり 短くなったり
いろんなことが起きるわけですよね。

でも 結果的には
その生き物がいる地域の環境…

そういった形で どんどん種が広がって
増えていったということですよね。

そうですね。 その38億年前には
本当に 地球上の生命の誕生があって

そこから どんどん枝分かれしていく
ということは

枝同士は 何か
すごく遠い感じがするんですけれども

もとをたどれば 本当に
生命は みんな親戚ということですよね。

人間同士でも 優劣をつけるっていう
考え方の人も いたりしますけどね。

言語が違ったりとか
肌の色が違うだけで

もう すごい近いですよね
人間だけで考えたら。

ロシア軍が ウクライナに侵攻しましたと。

人が大勢殺されているし
動物も たくさん死んでますよね。

人類皆同じで 生命は皆兄弟だと
そういった観点があれば

人を殺戮したりとかということは
しないと思うんですよ。

だから 正直 こう…

次に進んでいきましょう。

ステップ4 「化学としての生命」です。

化け学の化学ですね。

(鈴木)僕は去年「化学基礎」のレギュラーを
NHKでやらせて頂いてて。

自分自身のね 生きていく中に
化学というのは

すごく重要な っていうのを
1年間かけて 学びました。
おお~。

ポール・ナースさんの専門分野なんですね。

どうしても 専門分野のことだから
詳しく書きたいということで

この章だけは ちょっとね 難しいです。

結局 生命現象というのは
その根底に その化学反応

化け学というものがあるんですね。

ただ それっていうのは そんなに大昔から
人間が知ってたわけじゃなくて

ワインとかビール これがまあ

そのアルコールになる
「発酵」という過程ですね。

発酵というのも ちょっと
改めて 教えてもらってもいいですか?

ぶどうのジュースですね。

この中にある糖
これが 化学反応によって

エタノールというアルコールですね
これに変わる それがワインとかビール。

だから その発酵というのは
化学反応なんですよということですね。

それを 更に一歩進めて じゃあ
それは どうやって起きるんだろう

誰がやってるんだろうといって
そこに酵母が出てくるんですね。

(加藤)酵母。
酵母細胞。

まあ酵母細胞が
実は糖分を エタノールに変えている。

つまり 酵母細胞が生きていく
という営みが この化学反応で

アルコールになるということなんですね。

ということは その…

一方で ナースは 化学反応ばっかりに
気を取られることは

懸念してるんですよね。
そうなんですね。

個々の化学反応ばっかりを列挙しても
駄目であって

そこで一体 何が起きてるんだろう
ということで

実は そこで情報というものが
非常に大切なんだというふうに

ナースさんは言ってますね。
情報。

この本のステップ5のところに
出てきますね。 「情報としての生命」。

化学反応は起きるんですが
そこには 意味があるわけですよね。

その意味が何かということを
たどっていくと

情報ということになるんですが。

で ここで出てくるのが
ちょっと先ほど言いました

DNA 遺伝情報というものがあって
1950年くらいですかね

ワトソンさんと
クリックさんという方がね

DNAの構造を解明したわけですが
そこで ようやく人類が

生命の本質は情報なんだ
ということに気付いたんですよね。

へ~。
まだ 70年ぐらいしかたってないんですね。

最近の話。
そうですね はい。

コンピューターみたいなものと
すごく似てると思うんですね。

情報を
このコンピューターも扱いますよね。

生物も一種
情報を扱っている機械というふうに

考えることができると思うんですね。

生命が 膨大な時間をかけて進化した
プロセスは 遺伝子の変異

つまり 情報のアップデートとして
見ることができます。

コンピューターのOSを
アップデートすれば

連動するアプリケーションも
複雑化します。

生命のシステムも 進化とともに
複雑化する傾向にあるのです。

しかし 生物とコンピューターを
単純に比べることはできないと

ナースは言います。

非効率 非合理的と言ってましたけど
あれは どういうことですか?

太古からあった 何か プログラムが
わ~っと複雑になって

進化して 成長してきて
そうするとですね

必要なくなってしまう部分も
あったりするんですよ。

例えばですが
人間 「鳥肌が立つ」と言いますよね。
ええ。

これね 大昔は意味があったんですよ。

体毛を立てて その間に 空気の層が
たくさんあるということによって…

ああ だから寒いと立つわけですね。
そうなんです。

ところが現在は 体毛が細くなって
短くなっちゃったので もう…

これ 非合理的だし 非効率ですよね。

確かに。

それが 人間らしさを形成していたりする
ということですよね。

それが 恐らく
生命らしさなんでしょうね。
生命らしさ。

すべてに理由があるわけでもない
というか。

もう 要らないものも
たくさん持ってるし みたいな。

生命とは何かを検証した後
ナースが唱えたのは…

この本の最後を
こんな言葉で締めくくります。

やっぱり 人間は
その特権があるわけですよね。

となると
まあ 環境問題なんかについても

本当に
人間の都合だけを考えるんじゃなくて

全生命のための地球なんだ。

そういった観点に立って
考えていく必要があると。

そのためには 本当に…

なるほど。 深い絆を理解する。

さっきの この枝葉を知っているのは
人間だけですもんね。

なかなか重い任務を
ポール・ナースは…。

ほんとですね。
我々に突きつけますね。

いや~ 生命とは何かっていうね
莫大なテーマで

それを知って 次の責任につなげていく
というのは 大事なのかなと思いました。

次回は 新たなゲストと共に
10代向けの名著 ご紹介します。

今回も ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。

♬~

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