100分de名著forティーンズ[終]4▽「竹取物語」×木ノ下裕一[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著forティーンズ[終]4▽「竹取物語」×木ノ下裕一[解][字]

誰もが子どもの頃に語り聞かせてもらう定番の昔話「かぐや姫」。その原型が「竹取物語」だ。だが、「そんな話もう耳にタコだよ」と思うなかれ。そこには奥深い物語が!

番組内容
「竹取物語」のディテールを読み解いていくと、びっくりするようなエピソードが満載。「物語創作のヒント」「フェミニズム視点」「生きづらさの相対化」等々のテーマが読み解けるさまざまな人間ドラマが巧みに織り込まれているのだ。この作品をSFととらえると、その楽しみ方が何倍にもなるという木ノ下裕一さんに、古典作品のとてつもない豊かさを教えてもらう。
出演者
【ゲスト】本田望結,【講師】木ノ下歌舞伎主催…木ノ下裕一,【司会】加藤シゲアキ,安部みちこ,【朗読】下野紘,花澤香菜,【語り】目黒泉

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
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「100分de名著」
8月は 夏休みスペシャル!

第4回は 「竹取物語」。

月と地上 2つの視点を持つ
かぐや姫の言葉には

今を生きる私たちに響く
メッセージが込められています。

日本最古の物語を読んで
世界の見方を変えてみませんか?

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著 for ティーンズ」
司会の安部みちこです。

加藤シゲアキです。

本田望結です。

10代の方々に読んで頂きたい名著を
紹介する 「for ティーンズ」ですが

最後に ご紹介するのは
かぐや姫でおなじみの「竹取物語」です。

前回が経済だったので ちょっと もう少し
難しい本が来るのかなと思ってました。

あらすじも知ってますけど

改めて こう 文章で読んだっていう経験は
意外とないかもしれませんね。

深く掘り下げたことはないと思うので
今回 最後に取り上げます。

教えて下さるのは 木ノ下歌舞伎主宰の
木ノ下裕一さんです。

よろしくお願いします。
お願いいたします。

歌舞伎演目の現代劇化を試み
数多くの公演を行っています。

木ノ下さんにとって
創作の原点の一つ 「竹取物語」。

その出会いは
中学の国語の授業だったといいます。

当時の先生が すばらしかったんですね。

物語とか小説は頭で理解するんじゃなくて
心で読むんだよ。

その先生に いざなわれて
「竹取」を勉強していくと

情景描写が非常に美しい作品なんですよ。

で そのあと 絵にしてみたいなと思って…

でも どんなに描いても

想像してるものよりも
劣ったものが出てきてしまう。

その時に 初めて…

…というふうに思いましたね。

古典というのに 最近 興味があるので
今日は心で読みたいと思います。

あ なるほど じゃあ もう
沼にね ずぶずぶと皆さんを。
古典沼に。

木ノ下さん 今回 お聞きしたら

10代の読者にお勧めの読み方があると
聞いたんですが。 そうなんですよね。

10代だと 学校とかね 家庭とか

大人から見れば 狭い世界の中で
生きてるわけですよね。

でも 「竹取物語」は
そういう 世界の常識とか

そういうものを疑っていく
世界の見方を変える物語として

「竹取」を読んでみると
いろんな発見があったりいたします。

その着眼点で読むと また いろんな
見え方がしそうで面白いですね。

では 見ていきましょう。

「竹取物語」には
日本の物語に よく見られる

物語のパターンが
数多く含まれているんですね。 はい。

人が興味を引く物語のパターンの
宝庫なんですね。

例えば…

「一寸法師」とか「かぐや姫」も
初めは 非常に小さいですよね。

で 最も重要なのは 非常に…

そういう話のことを

「貴種流離譚」というふうに
呼ぶんですけれども

「竹取物語」は その点ね

月からやって来て 地球 人間界に住んで
また 月に帰っていくので…

すごい。
非常に スケールが大きいんですよね。

だから 言いかえますと
SF作品なんですよね。

パターンの多さからして 物語の壮大さ
というのが もう既に伝わりますね。

ねえ。 とんでもないでしょう。

こんなプロット書いて 編集に見せたら
多いですって言われますもん。

そう 詰め込みすぎますってね。
しかも あの短さですからね。

それでは 木ノ下さんの現代語訳で
読んでいきましょう。

朗読は
声優の花澤香菜さんと 下野 紘さんです。

翁は 竹の中にいた 小さく
かわいらしい女の子を連れて帰り

妻の嫗と育てることにします。

女の子は 驚きのはやさで成長。

3か月ほどたった頃には
美しい女性に育ち

「なよ竹のかぐや姫」と名付けられました。

やがて 姫のもとには
大勢の男たちが 求婚に訪れるように…。

しかし 縁談を断り続けるかぐや姫に
翁は言います。

はい。 こちらが冒頭ですね。

これは
古典の いわゆる常套句で

さまざまな物語で

「今は昔」から始まるものは
多いんですけれども

「皆さん 今は現代ではありません」と。

受け手を もう…

そういう感じがいたしますね。

(本田)
「今 あなたは昔にいます」と言われたら

もう 昔にいる気になりますもん。

そうだよね。 もう細かいことは気にせず
昔なんだって思おうってなりますよね。

そう その強制にというのが
すごく伝わりました。 そうですよね。

狂言のね 名人に

二代目の 茂山千之丞さんという方が
いらっしゃって

その方がですね 「今は昔」ということはね
「昔は今」ということでもあるんだと。

つまり 昔の物語なんだけど

現代の物語でもある
ということでもあると。

…というふうに
その千之丞さんは おっしゃってて

ああ なるほどなって思ったんです。

古典を通して 昔の話なんだけれども
何か共感できる…

なるほどな。
結婚しろと言う親と

別に 一人で生きていくことって
いいじゃないかというところって

今 まさに
よく言われるような話題ですよね。

そうなんですよ。 そうそうそう。
そういうシーンでしたよね これは。

昔は 女性の社会的な立場というのは
弱かったですから

男性の経済的な庇護がないと
なかなか生活しづらいんですよね。

だから あのおじいさんは
結婚を勧めている。

なんですけれども
かぐや姫 納得しないんですよね。

ほんとに 私のことが好きな人のところに
結婚したいわというふうに

言うわけですね。

つまり翁 おじいさんは
経済的な安定を願ってる。

でも かぐや姫は
精神的な安定を願ってるというふうに

ここで すれ違ってるから

この議論はですね
なかなか平行線だというところもね

何ていうか 非常に深いところだな
というふうに思ったりいたします。

へ~
そういう時もあったんだ じゃなくて

すごく共感できる部分が
今 まさにきてますね。

当時で言えば ほんとに
もっと 結婚というものの価値というか

決まりみたいな感じじゃないですか。

その中で 衝撃的な 多分 発言ですし

フェミニズム的なね 考えを
持っていたというのは

あ 当時から こういう女性はいたんだ
ということも衝撃でしたね。

そうですよね。 うん。

さあ このように かたくなに
結婚を拒む かぐや姫ですが

次第に態度を変えて
ある条件付きで 結婚を承諾します。

しかし かぐや姫が求めたのは
存在するか分からない伝説上の宝物。

結婚相手の候補の一人
庫持の皇子が頼まれたのは

「蓬莱山にある珠の枝」
でした。

策略のうまい彼は
ある作戦を思いつきます。

まずは 本物とそっくりな
偽物を職人に作らせます。

その上で 手に入れた経緯について

実際に起こったかのような作り話をして
だますというもの…。

早速 出来上がった
偽物の珠の枝を持って

かぐや姫の屋敷を訪れます。

そして 出迎えてくれた翁に
作り話を披露し始めました。

意気揚々と話をする 庫持の皇子。

そこへ
未払いだった 珠の枝の制作費を求め

職人たちが押しかけてきました。

訳を聞いた かぐや姫と翁は
皇子の話が全て嘘だったと知ります。

恥をかいた庫持の皇子は
こっそり かぐや姫の屋敷を抜け出し

その後 姿を消してしまいました。

何か 情けないですね 庫持の皇子。

嘘のね うまい人って
結構 具体的に嘘を言うんですよね。

いついつ どこにいたよとかね。

他にも求婚者がいますよね。

5人 出てくるんですけど

おのおのの個性のね 描き方が
やっぱ 非常に巧みなんですよね。

石作の皇子というのは
「心のしたくある人」

これは要領のいい人という意味ですね。

阿部御主人という人は お金の力で

宝物を手に入れようとするんですよね。

で 大伴御行という人は

体育会系なんですよ この人。

なので 軍事力とか体力勝負で

大真面目に 宝物を探しに行くんですよね。

石上麻呂足という人は

この人は文化系なんですよね。

だから その知識とか
さまざま 情報を収集して

探しに行くんですけれども
やっぱり失敗しちゃうというね。

…という
きっと ことなんでしょうね。

う~ん まあ でも これ
5人 今 やぶれてしまいましたけど

このあと もう1人 出てきますよね。
そう。

ラスボスが まだいるんですよ。
(加藤 安部)ラスボス。

これは 時のね
もう 最高権力者であります…

…という そういうシーンに。

帝は 宮廷に連れて帰ろうとしますが

かぐや姫は
「この世の者ではないので…」と断って

「きと影になりぬ」と
ありますが…。

普通に解釈すれば
ちょっとモヤみたいなね…

…というような意味なんですけれども

光の塊になったというふうな
解釈もできるんです。

古典の「影」というのは
「光」を含むんですね。

昔の人は
きっと 光が当たるから影ができる。

…というふうに
きっと捉えていたんです。

なので この「影になりぬ」というのは
光った 発光したというふうにも

読むことができて
ますます SFというね。

だから 伏線回収してますよね。

そういう意味ではね 最初から
竹の中で光ってたわけですから。

薄く もわってなって 触れられない
というふうに 私は思ったんですけど

今の先生のお話聞くと…

その後 帝と かぐや姫は
お互いに 手紙や歌を贈り合い

仲を深めていきました。

こうして 3年の月日がたった春。

かぐや姫は 月を見上げて 物思いにふけり
時には涙するように…。

心配した翁は 尋ねます。

そして ある夜。

かぐや姫は 月を見上げ 泣いている訳を
翁に打ち明けます。

この話を耳にした帝は
月に帰るのを阻止するため

多くの兵士を
かぐや姫の屋敷へ派遣します。

厳重な警備の中
ついに 天からの迎えがやって来ました。

屋敷の辺りが 昼の明るさ以上になり

兵士や家の者は皆
何かに取りつかれたように

戦う気力を失ってしまいました。

「天人が言います」。

かぐや姫が 手紙と不死の薬が入った壺を
帝へ渡すよう告げると

天人は 天の羽衣を かぐや姫に着せます。

悲しみもあるけど
何か うるっときちゃうシーンですよね。

天人が来て 連れ帰ろうとする時に

天の羽衣を着せようとしましたけど
断りますよね。 はい。

羽衣を着ると
もう悩まなくても済むわけだから

いいんじゃないかという
気もするんですけれど…。

いや~ ここね 結構
胸熱ポイントじゃないですか?

ねえ 全体の中でもねえ。
そうですね。

人間らしい悩みからは
解放されるんですけど

まだ 今はなりたくないというふうに

かぐや姫が
きっと思ったんだと思うんですよね。

月の人からすれば
理解できないでしょうね。

かぐや姫の 心変わりというか。

天人の気持ちでいうと

もう この地球というのは
汚らわしいだけの場所なんですよね。

で かぐや姫も きっと初めの頃は
そうだったと思うんですよ。

だから 結婚は嫌だとかね この世界の
さまざまなことが疑問に思うし

煩わしく思ったりする。

なんですけど かぐや姫が
さまざまな経験を積む中で

心の変化というのを
きっと 迎えたんだと思うんですよね。

で それは…

この世界というのは 悩み苦しんだりして
つらい世界ではあるけれども

でも だからこそ 愛おしいんだ
というふうに思ったんだと思うんです。

どちらかというと
冷たい心を持っている かぐや姫が

それだけ 手紙を残したりとか
何か 愛着みたいなものを

地球という
その世界に置いてるわけだから…

シーンですよね すごく。

そうですね。 すごくいいですよね。

非常に味わい深いラストだなと
確かに思いますね。

先生の そのお話を聞いて
もう一度 読みたくなりました。

この「竹取物語」という本を。

…と すごい感じましたね。

そうですね。
あの 物語が そばにいてくれるって

非常に やっぱり すごく大事なことで

夏休みの終わり頃にはね
自ら 命を絶ってしまう

ティーンズのニュースなんかが流れてきて
非常に胸が痛むことがありますけれども

例えば その 今…

物語って ほんとに
その時は 別の世界に行けますから。

これは
全然 現実逃避ではなくて…

そういう意味でも この「竹取物語」は

非常に ぴったりな作品なんじゃないかな
というふうに思ったりいたします。

では 最後に
「竹取物語」の世界に戻りましょう。

皆さん ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。

かぐや姫が去ったあと 帝は 姫が残した
手紙と 不死の薬を受け取ります。

「手紙と薬を燃やした煙。

その煙は 今でも 雲の中へと立ち昇って
絶えることはないと

言い伝えられております」。

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