安倍総理が28日、持病の悪化を理由に辞意を表明しました。第2次安倍政権が発足してから7年8カ月。憲政史上最長の政権は、この国に何を残したのかを振り返ります。
2012年、再び政権に返り咲いた安倍総理は、その後の国政選挙でも5連勝し、『安倍一強』と呼ばれる時代を築きました。その原動力となったのは“経済に強い”というイメージです。『アベノミクス』を看板に“異次元の金融緩和”を推し進めた結果、株価は上昇し、2018年にはバブル崩壊後、最高値をつけました。景気回復は“戦後最長”と言われていましたが、内閣府は先月、景気回復は2018年の段階で途絶えていたと認定し、幻だったことがわかりました。消費税を2度の増税によって5%から10%に引き上げたのも安倍政権でした。政権発足以降、実質賃金は4.4%減少。景気回復が実感できない国民が多いのも事実です。
安倍政権のもう一つの売りは『地球儀を俯瞰する外交』。アメリカのトランプ大統領をはじめ、大国の首脳との蜜月ぶりをアピールしてきました。ロシアのプーチン大統領とは27回もの会談を重ね、地元の山口県長門市の老舗旅館にも招きました。狙ったのは北方領土問題の進展。これまでの「4島一括」から「2島先行」での返還に舵を切ることで活路を見出しました。しかし、ロシア側に譲る姿勢は見られず、進展はありませんでした。
多くの反対の声が上がった『集団的自衛権の行使容認』を憲法の解釈を変えてまで実現しましたが、それでもこだわり続けたのが、祖父・岸信介元総理の悲願でもあった『憲法改正』でした。9条に自衛隊を明記することを目指していましたが、これには自民党内にも慎重論があり、レガシーを作ることはできませんでした。
『安倍一強』はひずみも生み出しました。8億円も値引きされて国有地が売却された森友問題では、財務省が公文書を改ざんするというあってはならない事態が発覚しました。さらに、長年の友人に便宜を図ったのではないかと問われた加計問題。そして、安倍総理が主催した桜を見る会。“権力の私物化”とともに公文書管理の在り方が問われました。これらの問題について、安倍総理は28日、「説明ぶりなどについては、反省すべき点もあるかもしれないし、そういう誤解を受けたのであれば、反省しなければいけないと思いますが、私物化したことはないと申し上げたいと思います」と述べました。
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