静岡市葵区で、刺身が人気のこちらの居酒屋。新型コロナの影響で、一時は売り上げが8割減少しました。
<べじくら 小澤和也店長>「週末は10件くらい予約をいただいていたが、1件とか2件に減ってしまった」
経営に苦しむ飲食店にとって一つの希望となりそうなのが、新たなGoToキャンペーンの存在です。
<江藤拓農水相>「早いところでは、もうきょうから募集を始めるところも当然出てくるのではないか」
9月8日、農林水産省が新たな条件などを発表した「GoToイート」キャンペーン。プレミアム付き食事券は、1万円で買った場合、1万2500円分の食事ができるといったように、購入額の25%分が上乗せされる仕組みです。このほかにも、オンライン予約をした場合には、昼食は500円、夕食は1000円分のポイントが付与されます。食事券は今後、各地域の商工会議所などの窓口や、地域によってはコンビニや郵便局でも購入できる見通しです。関係者によりますと、県内では10月初旬にも参加する飲食店の募集が始まり、10月下旬には食事券を発売、利用可能になる計画です。
<小澤和也店長> 「客が店を利用しやすくなるので、(GoToイートは)期待しています」
このGoToイートに参加する飲食店は、感染症への対策が求められます。消毒液の設置や換気の徹底、客同士の距離をとることなど、条件は多岐にわたります。
<小澤和也店長>「入口に消毒液、入店と退店のとき自由に使えるように。換気も、ドアを一時間に1回、5~10分開けている」
べじくらでは、新型コロナの感染対策がすでに進められています。店の設備として、特に感染対策として生かせそうなのが個室の存在です。
<小澤和也店長>「個室の席です。普段4名席ですが、今は2名でも利用できるようにしています。お客さんからも、これまで2名では使えなかった個室を使えるようになってうれしいという声も上がっている」
また、オンライン飲食予約サイトを通じたポイントの付与も、飲食店にとって大きな助けになると小澤さんは語ります。
<小澤和也店長>「決まった時間に、決まった人数のお客さんが来店してもらえるのは貴重。(お客さんが)今の半分以上戻ってきてくれると助かる」
新型コロナの感染拡大によって景気の悪化が進みましたが、総務省の調査によりますと、外食は旅行の次に落ち込みが激しくなっています。
「GoToイート」は、感染症対策に取り組みながら頑張っている店を応援するのが狙いですが、戸惑いの声を上げる飲食店も存在します。
<三河屋 木口元夫店長>「(Q、GoToイートについてはどう思う?)経済の活性化のためにいいと思う」
静岡市葵区の青葉横丁にある静岡おでんが売りの店「三河屋」です。観光客も訪れるこちらの店は、GoToイートへの参加をあきらめたと言います。
<木口元夫店長>「こんな小さな店で1メートル、2メートル空けろと言ってもそんなのやっていけない。自分たちのできる範囲内で人数制限はしていて、12人入るところを今は7~8人に抑えている」
もともと狭い店内でわいわい楽しく過ごすのがこの店の醍醐味でした。客側からも、GoToイートの参加条件は厳しすぎるとの声も。
<男性客>「こういうお店は、みんな近くに座って、知らない人同士でしゃべる楽しみもある。そういう楽しみが損なわれちゃう」、「(Q、店が条件を満たすのは?)無理。難しそう。醍醐味がない。もうちょっと緩めてもいいかなと思う」
<女性客>「(Q、大量の飲酒は控えるように周知するという項目があるが?)これは人それぞれなので、これは余計わからない。飲める人もいるし、飲めない人もいるのでわからない」
もうひとつ、飲食店側からすると難しいのが「大量の飲酒を控える」という項目です。飲食店は飲み物で利益を稼ぐのが一般的な経営だからです。
<三河屋 木口元夫店長>「(Q、大量の飲酒は控えるように周知するという項目については?)そんなことしたら、おかしくなっちゃう。飲食業は全部できなくなっちゃう。飲食業はやめるということになってしまう」
応援するというなら、現場の声を聞いてほしい。飲食店側の切実な願いです。
<木口元夫店長>「(Q、政府や官僚に言いたいことは?)一般のことをよく知らないからじゃないの?高級料亭とかそういうところばっかり行ってるから」
#オレンジ6 9月9日放送
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