「私の統合失調症を語ろう」
統合失調症とは、妄想、幻覚、認知障害など様々な症状が複合して出現する脳の疾患であり、脳機能異常を生じる原因は複数あります。そのために様々な病気の表現があり、それは本人の人生に大きな影響を及ぼします。
治療者・支援者として成長していく過程で、医師であれ、看護師であれ、精神保健福祉士であれ、様々な異なった問題を抱えた患者さんと出会い、治療や支援ということを学んでいきます。しかしそれが、その人が持つ”病気”を治療する、ということだけに目を向けたことであってはいけないと思います。
患者さんたちは病人である前に人間であり、それぞれの人生を歩んでいます。その人生をより豊かに、実りあるものにするために『治療』があるのだ、と私は感じています。
今回、日本統合失調症学会が浦河で開催されるにあたり、精神障害のある人たちのビデオによるインタビュー集を企画しました。あくまでも、治療や支援の専門家として統合失調症と向き合っている人たちを対象にした出版物です。発症の経緯や治療、薬など、統合失調症に関わるかなり個人的な情報がどんどん登場します。人として、統合失調症とどう向き合って生きてきたのかを明らかにすることが目的ですから、どうしても聞きたかったことです。
登場する5人の方々にもその主旨を理解していただき、日頃あまり話さないことも聞かせていただきました。自分を語ることで、自分と向き合い、病気と向き合ってきた彼らだからこそ、できるのだと思います。あくまでも、治療の専門家のよりよい育成のため、と理解をいただきました。
内容や医療倫理の面から、本大会の大会長である齋藤利和先生、向谷地生良先生のご指導もいただきました。インタビューは、精神科医である、ひだクリニックの肥田裕久先生にお願いしました。
より深く、統合失調症というものを理解していただくために、そして、病気を抱えていてもいきいきと生きてゆこうとする人たちのために、このビデオがお役に立つことを願っています。
DVDの詳しい内容はこちら。
http://www.hoshikuzuclub.jp/
総合監修=齋藤利和(札幌医科大学 教授/第8回統合失調症学会 大会長)
監修=向谷地生良(北海道医療大学臨床福祉学科 教授)
冊子監修=川村敏明(浦河赤十字病院精神神経科 部長)
聞き手=肥田裕久(ひだクリニック 院長)
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