クローズアップ現代+「ゴルゴ13は終わらない▽さいとう・たかをさんの“遺言”」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

クローズアップ現代+「ゴルゴ13は終わらない▽さいとう・たかをさんの“遺言”」[字]

先月、亡くなったさいとう・たかをさん。「自分抜きでも続いて欲しい」と語り残したゴルゴ13は異例の連載継続が決まった。作品に込められたメッセージに独自取材で迫る。

番組内容
先月、劇画家さいとう・たかをさんが84歳で亡くなった。国籍不明の寡黙なスナイパーが活躍する『ゴルゴ13』は、これまで202巻を刊行。ギネス世界記録にも認定されているが、出版社は今後も連載の継続を発表。それが可能なのは、さいとうさんが確立した脚本、コマ割り、作画などを分業する仕組み。新たな才能や最新の世界情勢を取り入れ質の高い作品を生み出してきた。作品が果たした役割、込められたメッセージを読み解く。
出演者
【キャスター】井上裕貴,【ゲスト】漫画原作者・小説家・脚本家…長崎尚志,【語り】古谷徹

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 定時・総合

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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生字幕放送です。一部、字幕で
表現しきれない場合があります。

≫無敵の主人公を通じて
あの人は何を伝えようとしたのか。

「ゴルゴ13」の生みの親

さいとう・たかをさんが
先月、亡くなりました。

(銃声)

≫国籍不明のスナイパーが
世界を舞台に暗躍するストーリー。

≫複雑な国際情勢を
リアルに描写し

大人の鑑賞に耐えうる
劇画のジャンルを確立。

単行本は200巻を超え
ギネス世界記録を打ち立てました。

≫善悪を超えた暗殺者を
主人公にした真相とは。

そして、生涯をかけて
描こうとした人間の姿とは。

≫「ゴルゴ13」に刻まれた

さいとう・たかをさんの
メッセージに迫ります。

半世紀以上にわたって

さいとうさんが制作の
拠点としてきたプロダクション。

亡くなって10日余り。

スタッフたちは
今も作品をかき続けています。

時代を超えて愛され続けてきた
さいとう作品。

代表作は「ゴルゴ13」。

主人公はデューク東郷と呼ばれる
謎のスナイパー。

どんな依頼も、一度請け負えば
狙った標的は必ず消し去ります。

≫強調された眉。

独特なセリフなど

唯一無二のキャラクターが
多くのファンを魅了してきました。

「ゴルゴ13」を通じて
伝えようとしたことは

何だったのか。

25年にわたって
脚本を任されてきた作家

平良隆久さんです。

外交・軍事に詳しく
ドローン兵器の脅威に

警鐘を鳴らす回などを
担当してきました。

≫ドローン兵器を開発した
アメリカの軍事会社が

アフリカのスラム街で

生身の人間を標的に
実験を行うストーリー。

はるか離れた場所から
ゲーム感覚で

人々を次々と殺害していきます。

≫ドローンは
街中を自由自在に飛び回り

ついにゴルゴまでも追い詰めます。

さいとうさんが
特に描こうとしたのが

「人間の愚かさが
人間を追い詰めていく」という

世の中の本質だったと
平良さんは言います。

≫2年前
ドローン兵器を扱った番組で

さいとうさんは、争いをやめない
「人間の性(さが)」について

こう語っていました。

≫人間を描く上で
さいとうさんが大切にしたのは

徹底したリアリティーの
追求でした。

「ゴルゴ13」が
舞台としてきたのは

東西冷戦の象徴だった
ベルリンの壁の崩壊や

中国で大勢の死傷者が出た
天安門事件。

アメリカ同時多発テロ事件など

世界を揺るがした
現実の国際問題です。

そこで
さいとうさんが編み出したのは

人物、背景

乗り物、武器などの
対象ごとに

それぞれの担当者がかき分ける
分業制でした。

さいとうさんがデビューした
1950年代半ば。

漫画の神様と言われた
手塚治虫さんをはじめ

漫画界の先人たちの多くは
ストーリーから作画までを

1人でこなしていました。

≫さいとうさんは
このスタイルを

大きく変えたのです。

≫指示を受けていたのは
背景専門のスタッフ。

資料室には、膨大な数の写真が
集められています。

何気ない街角の風景から
刑務所内部の様子まで

インターネットのない時代にも
世界中から資料を集め

参考にしていました。

さいとうさんの役割は
ストーリーの構成や構図を考え

コマの配置や大きさを
決めることです。

こうした分業制によって

作品に圧倒的なリアリティーを
吹き込んできたのです。

≫ちなみに
さいとうさんがかくのは

「ゴルゴの目だけ」という
都市伝説もありますが…

ちゃんと顔もかいていました。

こうして、さいとうさんは
子ども向けだった漫画を

大人も楽しめる劇画へと
進化させたのです。

数々のヒット作を生み出してきた
漫画家の浦沢直樹さん。

さいとうさんがそれまでの漫画の
世界観を一変させたと語ります。

≫革命とも呼ばれる大きな変化。

中でも、重要な意味を持ったのが
外部の脚本家の活用でした。

例えば
大手銀行が合併する金融再編の回。

≫脚本を担当したのは
実は、当時現役の銀行マン。

メガバンク誕生の背後でうごめく
権力と金融界の駆け引きを

生々しく描きました。

「ゴルゴ13」では、ほかにも

キャリア官僚や
分子生物学の研究者など

多様な分野の第一線で働く人や
その内情に詳しい人たちが

脚本を担当してきました。

その数は、のべ50人を超えます。

緻密に描かれた作品は、現実の
世界にも影響を与えてきました。

外務省で、かつて在外邦人の
テロ対策を担当し

イラクでの勤務経験もある
江端康行さんです。

≫治安が悪化するイラクで
日本の石油会社の社員が

油田での採掘を目指す回の描写に
感銘を受けたといいます。

民間の警備会社とともに
採掘調査に向かう、このシーン。

実際に現地で使われている装備や
車列の組み方などが

細かく表現されていました。

日本人の危機管理意識を
高めたいと考えていた江端さん。

さいとうさんに依頼して

4年前、邦人向けの
安全対策マニュアルを作りました。

≫世界の現実を描ききろうとする
まなざしは

将来の危機を予見するかのような
描写にもつながっていきました。

原子力発電所で起きた
放射能漏れの事故を描いたこの回。

≫水素爆発の危機が迫る中で
混乱を極める電力会社の幹部たち。

かかれたのは
福島の原発事故の30年近く前

チェルノブイリ原発の事故の
2年前でした。

さらに、ウイルスによる
集団感染の恐怖も描いていました。

ゴルゴが乗り合わせた
豪華クルーズ船の中で

密輸されていた猿から
感染力の強いウイルスがまん延。

しかし、政府は
市中感染を防ぐために

乗客全員を船内で隔離します。

クルーズ船
ダイヤモンド・プリンセスで

新型コロナウイルスの集団感染が
発生する25年前の作品です。

この回の脚本を担当した
よこみぞ邦彦さん。

これまで70本以上の脚本を
手がけてきました。

≫さいとうさんから
教えられたのは

取材を尽くすことだった
といいます。

≫事実を積み重ねているからこそ

今の私たちへの警鐘になったと
感じています。

≫なぜ、さいとうさんは
「ゴルゴ13」という

異色の主人公を生み出したのか。

その原点は
幼少期の体験にありました。

戦後50年以上がたって

さいとうさんがかいた
「終戦の日」。

小学校の壁に掲げられていた
「米英撃滅」という標語。

それが外されている光景が
時を経て、なお

脳裏に焼き付いていました。

≫さいとうさんとともに
終戦を迎えた

小中学校時代の同級生たちです。

≫世の中の価値観が揺らぐ中で
さいとうさんの生活は荒れ

社会への不信感を
募らせていったといいます。

≫そんなさいとうさんに

ただ一人、正面から
向き合ってくれたのが

担当の東郷先生。

周りの価値観に流されない
生き方を教えてくれたといいます。

≫後に善悪を超越した主人公を
生み出した、さいとうさん。

恩師にちなんで
デューク東郷と名付け

人間の愚かさを暴き出す役割を
託したのです。

主人公が、莫大な資金力や
情報網を持つ組織から

協力者になるように
迫られる場面…。

それに対して、こう言い放ちます。

≫さらに、「テロリストは
正義を脅かす存在だ」と主張する

軍の幹部に対しても…。

(空爆の音)

≫「ゴルゴ13」の
連載が始まって半世紀以上。

世界では、いまだに人間どうしの
争いや暴力が絶えていません。

さいとうさんと親交を続けてきた
浦沢直樹さんは

「ゴルゴ13」が
続いてきたことの意味を

今、改めてかみしめています。

≫先週
「ゴルゴ13」の最新話が

さいとうさん亡き後
初めて掲載されました。

≫さらに、数か月先に向けて
新作の脚本作りも進んでいます。

≫人間を描く。

さいとうさんが貫いた精神は
引き継いでいくつもりです。

井上≫さいとう・たかをさんや

「ゴルゴ13」について
より詳しい記事は

こちら画面左の
QRコードからご覧いただけます。

「ゴルゴ13」の元編集者で
「MASTERキートン」など

数多くの漫画の脚本を手がける
長崎さんに聞いていきます。

どうぞよろしくお願いします。
長崎≫よろしくお願いします。

井上≫まず、さいとうさんの死

どのように受け止めて
いらっしゃいますか。

長崎≫ひと言で言うと
喪失感しかないんですけども

メディアが報道する

1時間ぐらい前に

さいとう・たかをさん関係者から

電話をいただきまして

それまで全然
知らなかったんですよ。

本当に
ちょっと前までお元気だったんで

信じられないというか

どうしたらいいんだろうと
いうのが

本当に正直な思いです。

井上≫お人柄としては

どんなことが
いちばん思い出されますか。

長崎≫大きな人だったのと

それから冷静沈着な人だったと
いうところと

人情があるようで
ちょっとさめたところもある方で

なんか変な言い方で

戦国武将になったら

この人は天下をとるかも
しれないな

みたいな感じの人だったんですよ。
井上≫作中の中でも

人間とは何か
正義とは何かということを

問い続けてこられましたけれども
実際身近で

どんなエピソードとか
ありますか。

長崎≫「ゴルゴ13」に関して
言いますと

正義とか悪とか
平等という言い方は

変なんですけれども
例えば、何となく編集部では

ゴルゴは日本人の
味方なんじゃないかとか

日本に不利益を
もたらさないんじゃないか

そういうものを
あまりかいてほしくないという

思いがあったんですけど
さいとうさんは、そこはやっぱり

完全に否定されて
ゴルゴという人間は

仕事に納得して
仕事を引き受けて

それを淡々とこなす人間だから

相手が、標的が日本人であろうが

それは撃つんだと
いうふうにおっしゃって

それが、ある種の平等だと。

そこに、その精神が
ぶれなかったんで

「ゴルゴ13」というのは

ここまで続いたんじゃないかと
思うんですよ。

井上≫何だかぶれない精神で
言いますと

ゴルゴとさいとうさんって
似ているようにも

感じるんですけど。
長崎≫見た目は似てないですけど

ね。
時々

さいとうさんは
ゴルゴはわしやとか

おっしゃってたんですけど
確かにさっきも言いましたけど

ぶれないところとか
パニックに陥らない人なんですよ。

仕事を引き受けると
どんなに多くても

期日どおり

淡々とこなす方なんですよ。

そういうプロフェッショナルな
義務感

そういうものに関しては
似てたんじゃないですかね。

ゴルゴというのは
さいとうさんのキャラクターの

反映だと思いますけどね。

井上≫そういう意味でも
自分自身がかくということ

なんですよね
ゴルゴについては。

長崎≫そうですね。
ゴルゴだけは本当に

自分で表情とか
一つ一つ

こだわって
かいてらっしゃったですね。

井上≫さて、今回の番組
最初から

ご覧になりたいという方は
こちらのQRコードから

ご覧ください。
もう一つ、ご紹介します。

さいとうさんの死を受けて
漫画家のちばてつやさんは

「劇画」というマンガの
一ジャンルを創生し

日本の漫画劇画文化を
ここまで大きく育んだのは

疑う余地なく彼の功績です
とコメントしています。

長崎さん
さいとうさんが漫画界に

残したもの
影響というのは

やはり大きかったですか。
長崎≫大きかったと思います。

さいとうさんというのは
ゴルゴが出始めたころというのは

創作の王様は
ハリウッドだったんですよ。

映画のハリウッドだったんです。
それにどうやって勝てるかって

ことを考えられて
結局、巨大資本じゃないと

勝てないんですけども
優秀な職人が集まって

絵によって表現すれば

それよりも上の作品が
できるんじゃないかって

いうふうに思われて
劇画システムを

作られたと思うんですよ。
そのシステムが

継続していかないと
さいとうさんの思いというのは

つながらないんじゃないですかね。
井上≫でも、驚いたのが

作者が亡くなってから
分業が生まれるんじゃなくて

もっともっと前から

この体制ができている
そのすごさもありますよね。

長崎≫そうなんです。
それこそ

劇画時代の
ライバルみたいな方たちに

声をかけて
君は私より絵がうまいから

作品に参加してくれとか
君は私より筋がうまいから

ストーリーがうまいから
参加してくれって

頭を下げて
集めているんですよ人を。

彼らに対しては
ボスじゃないんですよね。

パートナーとして
一緒に「ゴルゴ13」を作る

あるいは別の作品を作る
パートナーとして

集めてくるという

そういうリーダーシップの
持ち主だったんです。

井上≫でも世界を見渡しますと

世界が
いろいろな正義を主張して

分断も生まれていると
思うんですけれども

さいとうさんだったら
今の社会

どう見ていると思いますか。

長崎≫1990年までの
東西冷戦という

割と単純な
単純ではないんですけど

割と単純な世界から
変わってきてですね

今おっしゃったように
いろんな人が、いろんな複雑な

正義とか
いろんな悪を主張し出した中で

さいとうさんは、それを冷静に
ちょっとふかんして見て

その先にあるものを
見続けていた方だと思います。

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