出典:EPGの番組情報
歴史探偵「大坂の陣 幻の大洪水」[解][字]
戦国最後の決戦・大坂の陣。その常識が覆る!幻の大洪水が発生。大坂城が難攻不落の水の城になっていた。豊臣と徳川の水をめぐるし烈な攻防を徹底調査。衝撃の結末とは!?
番組内容
戦国最大の決戦・大坂の陣。20万もの大軍で攻め寄せる徳川家康。目の前に広がったのは、大洪水によって難攻不落の水の要塞と化した大坂城だった。作戦を指揮したのは、若きプリンス・豊臣秀頼だ。今回、最先端の洪水シミュレーションを駆使し、豊臣の洪水作戦を徹底解明。さらに大坂城の発掘調査や海外史料から真田丸の戦いの真相や豊臣滅亡の謎も明らかに。水を制する者が天下を制す。まったく新しい大坂の陣・幻の戦いを描く。
出演者
【出演】佐藤二朗,【アナウンサー】渡邊佐和子,近田雄一ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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キーワード出現数ベスト20
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- 洪水作戦
- 今回
- 作戦
- 所長
- 水浸
- 北側
- 淀川
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
戦国最後にして 最大の決戦が行われます。
かかれ~!
押し戻せ!
攻める徳川家康 守る豊臣秀頼。
総勢30万が激突した
史上空前の戦いです。
今回 「歴史探偵」は
大坂の陣を独自に調査。
これまでの常識を覆す
大発見がありました。
今 画面の上ですね 北側 決壊しました。
なんと 大洪水が発生。
大坂城が
難攻不落の水の城になっていたことが
分かったのです。
大坂の陣は
豊臣と徳川の
水をめぐる
攻防だった?
400年の時を超え
幻の戦場がよみがえります
「歴史探偵」 調査開始です。
♬~
大ネタを 今日は持ってきましたね。
そうなんです。
戦国のね 最後にして最大の決戦
大坂の陣なんですよ。
そうなんですよね。
ドラマチックに まいりますよ。
これは 期待しましょうよ 近田さん。
そこで まずは
大坂の陣 おさらいしていきましょう。
こちらですね。
起きたのは 今から およそ400年前です。
関ヶ原の戦いの14年後。
天下を手中に収めた家康と
秀吉の跡継ぎ 秀頼の争いでした。
冬の陣と夏の陣
2回の攻防で勝ったのは 家康。
豊臣家は滅ぶことになります。
まずね 見てくのは
冬の陣なんですよ。
ええ ええ ええ。
今回の調査で…
あのね 近田探偵
毎回 あなた それ言うんだけど
この大坂の陣 冬の陣 夏の陣って
もう 映画 ドラマ たくさんやって…。
確かに。
いろんな人が もう調査っつ~か
何か 史実を調べてさ
そんな あなた
何か棒みたい 持った あなたが
覆すような 何かを
ほんとに発見できるんですか?
そこですよ。
ほんとに見つかったんですよ。
そんな 簡単に見つかんの? これ だって
めちゃくちゃ有名な戦いですよ?
出てこないでしょう 簡単に。
出てくるんです!
ハハハハッ うれしそうだね
ほんとですか?
水?
はい。
水?
水…。
実は…
さながら 水に浮かぶような城だったと。
ほんまかいなあ。 ちゃんとね それを示す
史料もあるんですよ。
そうですか。 こちら ご覧頂きましょう。
はい。
冬の陣に参加した
武将の記録
ですけれども…。
つまり 人為的に
洪水を
起こしたのではないかと。
で しかも これ
起こしたのが この人。
秀頼。
つまり 城を守る側が洪水を起こしたと。
大坂城を守る秀頼が
わざと 洪水を起こしたってことですか?
はい。
ちょっと いや… 水なんて
私 知りませんよ 大坂の陣で 水なんて。
所長 そこの新しい姿です!
アハハッ 見たこともない!
近田探偵が 見たこともないような興奮。
見て下さい!
分かりました。 現地 調べてきました。
どうぞ!
ほんまかいな これ。
いや 本当なんですって 所長。
豊臣方が繰り出した
洪水作戦に迫るため
まずは その手がかりを求めて
現場へと向かいました。
さあ 大阪城から
北東に およそ20km。
見えてるのは
大阪の枚方市です。
今 私が立っている淀川の橋
淀川の水の堤防を
あの辺りで切って 始まったと
言われています。
かかれ~!
冬の陣で 豊臣方が決壊させたのは
淀川の堤防でした。
いけ~!
堤防を切ることで
周囲を水浸しにして
徳川軍の進撃を阻もうとしたのです。
現場調査を進めると
当時 豊臣方が切った堤防の痕跡を
見つけることができました。
あそこ 大きな壁みたいなものがあります。
あれ 堤防の跡だそうです。
大きい!
えっ 何メートルあるでしょう これ。
すごい。
冬の陣が始まる 10年ほど前。
豊臣秀吉の時代に造られた
淀川堤防の跡です。
今は 道路によって断ち切られて
巨大な断面を見ることができます。
大きな堤防だったんだねえ。
まあ 川が大きいからね。
豊臣方は
なぜ この前代未聞の作戦を実行したのか。
そこには 徳川軍との
埋め難い戦力の差がありました。
徳川家は 幕府を開き
日本中の大名を従える圧倒的な立場。
20万もの兵力を
動員することができます。
一方 この時 豊臣家は
大坂周辺の僅か60万石を
治めるにすぎません。
集められる兵力は
10万ほど。
正面から戦いを挑んでも
勝ち目はありません。
うわああっ!
総大将の豊臣秀頼が
選んだのが 籠城でした。
堅固な大坂城で徹底抗戦し
徳川方が疲弊するのを
待つ作戦です。
ところが 籠城には
弱点がありました。
四方から取り囲まれると
補給が絶たれ
自らも追い詰められる危険が
あったのです。
この弱点を克服するため
秀頼が繰り出したものこそ
洪水作戦でした。
城の周りを 水で満たしてしまえば
徳川勢も 容易には近づけまい。
城の周りを水浸しにして
徳川方による包囲を阻む秘策です。
幻の洪水作戦とは
どんなものだったのか。
最先端の技術で
その実像に迫ります。
調査に用いたのは
洪水シミュレーター。
自治体の
水害ハザードマップなどにも
使われる技術です。
出ました シミュレーション。
当番組 恒例のシミュレーション。
つまり もし 冬の陣当時の
データを集めることができれば
秀頼が起こした洪水を 再現できるはず。
こうして…
前例のないプロジェクトが始まりました。
まず重要なのは
洪水の規模を左右する降水量。
冬の陣が起きた 1614年は
どれほどだったのか。
協力してくれたのは
古気候学の第一人者
中塚 武さん。
木の年輪に含まれる物質から
過去の降水量を割り出します。
こちらは 過去500年間の
大阪の降水量のデータ。
冬の陣の年は 現在の平均より
なんと 1.5倍もの雨が降っていたことが
分かりました。
…というふうに思います。
次に取りかかったのが
地形の復元です。
水の流れを知るためには欠かせません。
大手地図会社の
スペシャリストたちと共に
挑みます。
現在の測量データや
江戸時代の国絵図 発掘調査をもとに
川や堤防 平地の標高を
それぞれ推定しました。
では ご覧頂きましょう。
大坂の陣当時の立体地形が
初めて よみがえります。
南北に 大きく盛り上がった台地。
その 一番北の端に 大坂城があります。
このデジタル空間に水を流すと
一体 どのような光景が
広がるのでしょうか?
デジタル空間に
水を流す?
ハハハッ ちょっと あまりのことで
理解できない すぐに。
いよいよ…
城郭考古学者の千田嘉博さんに
結果を読み解いてもらいます。
それでは 洪水シミュレーション
スタート お願いいたします!
さあ 今 画面の上ですね
北側 枚方の辺りが決壊しました。
水が しみ出しています。
どんどん どんどん
下に広がってきていますね これね。
2本のラインが
淀川の堤防を示しています。
その堤防の東側ですね
水が どんどん どんどん
広がってきていますね。
いや~… この広がり方
千田先生 どうでしょう?
(千田)いや これは いろいろ…
堤防を切ってから
数日後。
衝撃の光景が
広がりました。
衝撃の光景だねえ
これ 水浸しにしちゃってんだもんね。
こう 見てみますと
今で言う 淀川から
この大阪平野の その範囲一帯が
水につかっているという状況です。
巨大な湖が誕生したかのような
状況ですね。
周囲より標高が低い
大坂城の北側と東側は
10kmを超える範囲が冠水。
水深は 深いところで
2mを超えています。
はあ~
足 つかんじゃん。
ほんとに湖だね。
とても
兵を進めることはできません。
そうだわなあ。
最新のシミュレーションで
初めて明らかになった
大坂冬の陣の大洪水。
歴史の陰に消えた
幻の戦場が よみがえりました。
ほんとに 全く新しい
大坂の陣の姿じゃないですか。
はい ありがとうございます。
そうなんです。
で 調査に同行して頂いた
千田嘉博先生にも
事務所に お越し頂きました。
今回の調査 いかがでしたか?
これまでですね
まあ 史料では確かに
豊臣方がですね 堤防を切って
作戦をしたんだっていうことは
確かに
知られてはいたんですけれども…
なるほど。
ちょっと! 近田探偵 よくやった。
最初 疑いの目をかけられて
どうしようかと思いましたけど。
最初 正直 疑ってました 完全に。
所長 実はですね
このシミュレーションをもとに
CGで再現してみました。
出ました CG。
はい!
こちらですね。
これが! ほう。
おお! うわ~
これ でも 立体的に見ると
ほんとに もう 何ていうか
もう 向こう 海って感じ。 ハハハハッ!
いや ほんとに 見渡すかぎり…。
距離としては 10km 20km先まで水浸し。
すごい範囲だったんだね これ。
ちょっと 千田先生に
この洪水作戦のポイントを
解説して頂きたいと思います。
これ もう既に
すごいことになっていますけれども
これは とてももう 徳川軍は
大坂城を
こちらから攻めることができない。
向こうからは来れないですよねえ。
これ 実はですね 豊臣軍にとっては
いいことばっかりだったんです。
いいことばっかり?
なるほどねえ。
それに対しまして 攻めていた
徳川の軍勢なんですけども…
そんなに数いるから 20万も。
こういう形で…
なるほど! なるほど なるほど。
でも 確かに この戦に関しては
よかったかもしんないけど
まあ 実際に この領地を
水浸しにしてしまってるわけだけど
これ 先生 豊臣方も
困ることはあるんじゃないですか?
もう これはですね…
これは 豊臣にとっても
非常に被害が大きくて
まあ 文字どおり…
ただしですね 先ほど
VTRにもありましたように
当時 今よりも雨が多かったっていう
時代ですから
地域の人たちっていうのは
河川が増水するっていうことは
かなり その対応策というのも
ノウハウをですね
持っておられたっていうのは
あると思います。
恐らく 地域の人たちにとっては
事前に こういうふうだから
っていうことで 逃げる方は逃げて。
そういったことも したうえで
実行したのではないかな
というふうに思います。
なるほど。
今回 シミュレーションについては
水害から地域を守るための
シミュレーションを使わせて
この歴史のために
使わせてもらいましたので…。
なるほど。 ありがとうございました。
ふだんは 調査の目的としては
当然 水害から人々を守るための
調査機関を使わせて頂いた。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
いや すごいスケール感ですけれども
所長。
うん。
忘れてないですか? この方。
あっ!
これは まさに
真っ赤な鎧が飾ってありますけども
え~ 真田幸村として有名な 真田…。
信繁。
信繁!
冬の陣の一番の見せ場といえば
やっぱり…
そりゃそうですよ!
実は その真田丸も
水に大きく関係していたんです。
真田丸も水? ほんまかいな。
2016年の NHK大河ドラマ「真田丸」。
城の名は…
何とします?
真田丸よ!
ここで繰り広げられたのが
冬の陣 最大の激戦です。
真田丸があったのは
現在の大阪城から 南に1.5kmの場所。
(千田)いや~ いよいよ近田さん
やって来ましたですね。
ここ。
ここですよ~!
アハハハッ!
はい。 真田丸 実はですね…
ええ~!
現在は お寺や学校が広がるこのエリア。
大坂冬の陣当時 およそ250m四方の
真田丸が そびえていました。
これまで 真田丸は
大坂城と一体化した
砦だと
考えられてきました。
ところが 現場の地形からは
全く異なる
真田丸の様相が浮かび上がります。
(千田)
これ 見て頂きますと…
まあ 真田丸のところが
高くなっているというのも
これ お分かり頂けると
思うんですが…。
傾斜になってますね。
(千田)近田さん
大坂城のあった
この北側の方
見て頂きますと…。
はい あっち?
(千田)何か 面白いことに
なってません?
あ… 結構な坂あります?
今 あの 車が往来していた その奥
「スクールゾーン」と書かれたところ。
(千田)すごい坂です。 つまりですね…。
あっ じゃあ 今
我々がいるところ ここ… 谷?
はい 谷の中です。
復元した立体地図で見てみましょう。
真田丸があったのは ここ。
大坂城との間には
幅200mに及ぶ
巨大な谷があることが分かります。
実は 真田丸は
大坂城とは
切り離された
出城でした。
信繁は いわば
敵を引きつける「おとり」となって
大坂城を守る役割を
果たしていたのです。
しかし 真田丸には
大きな弱点がありました。
出城ゆえに
もし 取り囲まれれば
ひとたまりもありません。
そんな真田丸の弱点を
信繁は どう防いだのか。
今回のシミュレーションによって
秀頼が起こした洪水作戦が
関係していることが
明らかになりました。
ちょうど ここの場所が
真田丸のあったとこなんですけれども。
真田丸の場所 ここ。
(千田)これ 途中まで…
(千田)…というのが
このシミュレーションで分かりますね。
あっ 確かに。 青くなってます。
(千田)青くなってますよね。
しかも 結構
これ 深いんじゃないですか?
シミュレーションでは
真田丸の北の谷にも
水が入り込んでいました。
なんと真田丸は
洪水を利用することで
背後の守りを固め
敵の包囲を防いでいたのです。
そのおかげで
信繁たちは 存分に戦うことができました。
ねえ 真田信繁の活躍にも
水が関係していたっていうのは…。
もはや もう 最強じゃないですか。
特にですね 真田丸というのは
今回の
シミュレーションで
実は 大坂城との間の
大きな谷に…。
谷にね。
水が入ってきていて
そちら側から
北からですね 回り込んで
背後の真田丸を 徳川は
攻めることができなかった
っていうことが
これ 分かってきた。
これ 初めて 今回のことで
分かったんですけれども…。
ありゃまあ! 先生が
ここまで興奮して
おっしゃるわけですから。
いや すばらしいじゃないですか
すばらしい発見じゃないですか。
でも 先生ねえ
史実は 当然 まあ当たり前ですけど
ねえ? 徳川家康が勝つわけですけどね。
そこですよね。
おお。
じゃあ 家康が どう攻めたのか
というところですけれども
家康が着目したのも
また 水だったんです。
なに また水かい おい! 両方 水?
(雨音)
早う 行かんか!
うう…。
何をしとる!
あっ 危ない!
秀頼の洪水作戦に翻弄される
徳川勢です。
城に近づくことすら ままなりません。
♬~
(家康)くそ! 若造め。
どこもかしこも水浸しじゃ!
攻めあぐねる 徳川家康。
このままでは 秀頼の思うつぼ。
撤退を余儀なくされます。
あふれ出た水を制するには
一体 何が必要か。
よし すぐに 取りかかるのじゃ。
大阪城から 北に3.5km。
淀川が分岐する 長柄。
家康の策を読み解くカギが
残されていました。
(千田)え!? おっきい石ありますね これ。
結構 ごろごろしてますよ。
(千田)ごろごろしてる え~!?
おお 結構大きい石。
(千田)あらまあ!
(千田)ありますね これ。
ほう。 しかも1個じゃない。
(千田)えっ いくつもありますよ。
1 2 3 4 5 6 7 8!
河川敷の至る所に転がる 謎の巨石。
これまでは…
…だと考えられてきました。
しかし 千田さんの考えは違いました。
よく見ると 石の形はバラバラ。
一方 大坂城の石垣は
形が そろっています。
長柄の石は 大坂城の石としては
不自然だというのです。
このことから この石は
大坂の陣の時 家康が ある作戦のために
使用したのではないかと
千田さんは見ています。
(千田)…っていう可能性が
あるんじゃないかと思います。
水に苦しめられる家康。
その打開策こそ…
いや また
いちいち スケールがでかいな。
堤防 造っちゃうの?
もし 堤防によって
川の水を せき止めることができれば
大坂城の周りから水が抜け
四方から 総攻撃を仕掛けることが
できるはずです。
家康が堤防を築いたのは
長柄など 5か所にも上ります。
急げ~!
少なくとも 1万5, 000人と
20万もの土のうを投入。
城造りに匹敵する大事業が
急きょ 行われます。
昼夜にわたる作業の末
およそ20日の後
大半の堤防が完成しました。
では 家康が造った堤防で
どれほど水を抜くことができるのか。
再び シミュレーションします。
さあ スタートしました。
(千田)お~!
あっ もう
北側 すぐ水が抜けていきますね。
(千田)ねえ 抜けていきますね。
どんどん抜けていく。
丸1日が たちましたけれども
だいぶ 北側の方からは
水が抜けていきます。
(千田)いや~ これ 堤防を造る作戦
すごい効果的ですね これ。
そうですね。 ただ 大坂城周りは
まだ 結構 水が残っています。
あっ 一気に消えた 一気に消えた。
(千田)消えました。
時間は 丸3日がたっています。
2日 3日たつごとに どんどん どんどん
水が少なくなっていきますね。
こちらは 堤防を造って
2週間後の様子です。
以前と比べると
冠水エリアが 大きく減少しています。
水が残っているエリアでも
水深は 10cmから50cmほど。
劇的に浅くなりました。
こうして 徳川方は
いずれの方向からも
大坂城に
兵を進めることが
できるようになったのです。
実は 水抜き作戦は
家康の秘策の一部に
すぎませんでした。
真のねらいは
その先にありました。
家康は 堤防が完成するやいなや
ある場所に向かいます。
「備前島」です。
それは 大坂城の北
500mの距離にある小島。
シミュレーションによれば
備前島は 初め
洪水によって 水につかっていますが…
堤防完成後は 水が引き
兵を進められるようになりました。
よ~し。 あとは仕上げじゃ。
この備前島に 家康が配備したものこそ
オランダやイギリスから取り寄せた
最新の大砲です。
大砲の有効射程は 500m。
備前島から 大坂城本丸を
直接 狙うことができます。
家康は 水抜き作戦によって
大砲の射程圏内に
秀頼を捉えたのです。
よいか。 撃って 撃って 撃ち崩すのじゃ!
(砲声)
(悲鳴)
キャー!
この集中放火が脅しとなり
豊臣方は戦意を喪失。
秀頼は 家康に和睦を
申し出ることになるのです。
いや~ まさに 守る方も攻める方も
ほんとに その… 水。
…っていう感じですねえ。
勝負の決め手が お城周りじゃなくて
ちょっと離れた堤防。
そこを押さえるっていうのが
また肝といいますか
意外なところですよね。
川の流れを 水の流れを変えるっていう。
堤防まで造っちゃう!
しかし 千田先生 これ でも 堤防って
そんな簡単に出来るもんなんですか?
ああ そうか。
そういった意味では 慣れていた
っていうのは あると思うんですね。
それとですね 実際に この堤防を造った
徳川方の大名たちですが
実は ちょっと訳ありでありまして…。
何ですか?
関ヶ原の合戦の時に
ちょっと
家康に逆らっちゃったっていう…
まあ そういう
毛利さんとか そういう人たちが
「造れ」って命じられてまして…
モチベーションもあったわけだ
そういう。
モチベーション すごいありました。
もう ですから ものすごい勢いで造ると。
その辺も 家康は賢いですかねえ。
うまく 人を使って 造って…。
ねえ?
さあ 所長 こうして…
これ でも こうやって見ると…
…なんてことも
ちらっと思ったんですけど
そんなことはないんですか? 先生。
これはですね…
…と思います。
いかなかった?
豊臣方は 籠城戦を取っていて
10万人の軍勢は
ほぼ 無傷でありましたから
無理やり攻める
っていうことになりますと
これは 徳川の方にも
かなりの犠牲が出ると。
これは 家康としては
避けたいと。
で 秀頼にしてみても
ここで 家康と
折り合っていけば
豊臣の家としては
存続できるっていう。
だから 家康にとっても
秀頼にとっても
ここで 和睦しておく
っていうのが
2人にとっては
とても よかったと。
ウィンウィンだったと。
はい …いうことはあったと思います。
はい そうなんです。
最後 ご覧頂きますのは…
いよいよ。
最近 大阪城のすぐそばで行われた
発掘調査で
夏の陣を引き起こした男たちの痕跡が
見つかりました。
(千田)これ すごいものが
見つかってまして…
(千田)この柱もですね
建てた状態で残ってるんですよね。
出土したのは
「陣小屋」という仮設の建物。
ここで暮らしていたのは
豊臣方の主力となった
牢人たち。
幕府による取り潰しで
領地を失った元大名や
その家臣の侍です。
大坂の陣で 豊臣家は
戦力不足を補うため
日本中から
牢人を かき集めていました。
実は この牢人たちの存在が
豊臣・徳川両者の間で
新たな火種になっていたのです。
牢人たちは
一体 何を引き起こしたのか。
海外に眠る史料から
その実態を読み解きます。
当時 日本と交易を行っていた オランダ。
大坂の陣の頃 大坂に駐在していた
オランダ商人の報告書が見つかりました。
そこには 牢人たちの
危うい行動が記されています。
「牢人たちが
人々の家を奪い取っている」。
「京都の町を
焼き払おうとする者もいる」。
牢人たちは 冬の陣が終わったあとも
乱暴を繰り返し
社会の秩序を乱していたのです。
天下を治める家康にとって
これは 決して見逃すことのできない
行為でした。
これは あの…
家康は 秀頼に対し
牢人問題の解決を迫ります。
「大御所家康は 秀頼に対して
牢人を追い出せと命じた。
もし できなければ 再び戦争になると」。
再び訪れた 戦いの危機。
秀頼が この問題を解決するためには
牢人たちに
あるものを渡す必要がありました。
恩賞をもらわねば
何のための戦だったのか!
そうじゃ!
そうじゃ そうじゃ!
牢人たちが求めていたのは恩賞。
すなわち 領地のこと。
冬の陣にあたり
秀頼は 領地を渡すことを約束し
牢人たちを雇い入れていました。
しかし この戦いで
新たな領地を得られなかった秀頼は
約束を果たすことができませんでした。
オランダの史料には
家康が 最も危険視する
ある牢人の名が記されています。
信繁のことです。
信繁も 破格の恩賞が約束され
それが かなわなかった
牢人の一人でした。
我らの戦は まだ終わってはおらぬ。
我らの戦は まだ終わってはおらぬ!
牢人たちは
自らの力で領地を手に入れるべく
再び 戦いの備えを始めます。
(家康)くそ!
戦の支度じゃ!
家康も 再び大坂に出陣。
(牢人たち)おう!
こうして 牢人たちに引きずられる形で
和睦は破綻。
豊臣家は 大坂夏の陣へと
突き進んでいきます。
そして…。
今じゃ! かかれ!
信繁たちは 決死の突撃で
家康を あと一歩のところまで
追い詰めます。
あぁっ!
狙うは家康の首 ただ一つ!
(いななき)
しかし…。
押し戻せ!
(兵たちのおたけび)
やがて 数に勝る徳川方が反撃を開始。
そして 豊臣方は総崩れとなりました。
♬~
洪水作戦で家康を追い詰めた 秀頼。
こうして 豊臣家は
滅びることになったのです。
もう これを見ると
ほんとに 秀頼としてはね 何かこう
自分が能動的に戦うっていう姿勢は
もう ほとんどないというかねえ。
…ってことですかねえ。
…と思ったと思うんですけども。
…っていうことで
あまりにも そこが それぞれの思惑が
違ってしまったってとこ
あったと思います。
…というところは
あったのかなあというふうに思います。
さあ 所長 今日は 大坂の陣を
「水」という視点で見てまいりました。
そうだね。
全然 イメージ変わりましたよね。
やっぱり 堤防を決壊して
水を攻めたって言葉で聞いてもさ
どれぐらい それで広がったのか。
あるいは どれぐらい それが
徳川家としたら 攻めるのが
不可能だったかっていうのはさ
ああやって
ビジュアルで見るとさ
「これは無理だ!」って
思うわけじゃないですか
広さも 深さも。
だから スケールの大きさが
やっぱり すごい分かりました。
伝わってきましたよねえ。
千田さん いかがでした?
…でもあったというふうに思いました。
もう 千田先生も
非常に評価して下さってる シミュレーション。
これ 今後 他の調査にも どんどん
使っていけそうじゃないですか?
そうですね。
所長 何 次 調べましょうか?
まあ じゃあ 来年の大河に合わせて
「源平の戦い」とか どうですか?
おお~ いいですねえ。
いいですねえ。
その時には まあ 近田探偵でね。
ありがとうございます。
でも 冒頭 「私が解き明かした」ぐらいの
感じを受けたけど
まあ ほとんど
CGとか シミュレーションに
助けられてたっていう
そういう感じもしますね。
そこは すいません…
あなたさ なんで 毎回
そんな すごい うまいこと言えるの?
昨日の夜から考えてました。
昨日の夜から考えてたのか!
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