逆転人生「地域で防災力UP!西日本豪雨逃げ遅れゼロ」[解][字] …の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

逆転人生「地域で防災力UP!西日本豪雨逃げ遅れゼロ」[解][字]

突然の災害から命を守る「避難スイッチ」とは?西日本豪雨で逃げ遅れゼロを達成した岡山の集落。地域の人々を巻き込み、防災力を高めてきた。すぐ使える知恵と工夫が満載!

番組内容
2018年の西日本豪雨。岡山・総社市の下原地区でも大規模な水害が発生。しかも地区の工場が爆発事故を起こし、パニックに陥った。だが、下原の住民たちは全員深夜のうちに避難を完了。一人の逃げ遅れも出さなかった。東日本大震災をきっかけに、地域一丸となって避難訓練に取り組んできたことが功を奏したのだ。下原地区の逆転劇を通して、あなたの町の防災力を高める目からうろこのアイデアを紹介。都市部で効果的な方法も。
出演者
【司会】山里亮太,杉浦友紀,【ゲスト】川田一馬,【出演】津田篤宏,高橋真麻,【解説】京都大学教授…矢守克也

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
バラエティ – トークバラエティ

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
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大規模な水害が
いつ どこで起きても おかしくない時代。

あなたの町も 大切なのは防災です。

今日の「逆転人生」の舞台は

2018年 西日本豪雨に襲われた
岡山県の とある集落。

ここ…

350人が暮らす この集落も
洪水に襲われましたが

なんと その6時間前には
全住民の避難が完了。

小さな子どもから
体の不自由な お年寄りまで…

シンプルイズベストよね 避難訓練って。

なんと 住民の皆さんは

町を挙げての避難訓練を
毎年 欠かさず続けてきたのです。

大事なんだな やっぱ。

平穏な日常の中で 訓練を続けることに
疑問の声もあったのですが…。

目から うろこの知恵と工夫で

明るく楽しく
防災意識を高めてきたのです。

(高橋)う~ん!

そして…。
(爆発音)

うわあ!
(窓ガラスが割れる音)

4年前の西日本豪雨。

地区の工場が
突然 大爆発。

住民たちは パニックに陥りました。

その時 積み重ねてきた避難訓練が
彼らの命を救ったのです。

異常気象時代の 今こそ知ってほしい
小さな集落の逆転劇です。

田中さ~ん!
田中さ~ん!

♬~

早速なんですけど
ちょっと お三方に質問ですが

皆さんの ご家庭では

どういう状況になったら
避難すると決めていますか?

そうですね
僕 単身赴任で東京いてるんで

やっぱり いざという時には
一応 決めてるんですけどね

ここに行くようにっていうふうには。
へえ~。

そうなんだ。 避難する場所
ここに みんな集まるんだよとか。

そうですね。 集まろうぜっていうふうに
言うてんすけど

まあ でもね 実際動けるかどうか
っていうのは ちょっと分からんとこよ。

確かに そっか~。 津田さんが単身赴任で
東京で好き放題 遊んでる間に もし…。

(高橋)夫とは 全く話したことない。
え~! 真麻さん。

そうなの?
はい。

だから 今日 話さなきゃって思いました。

防災って どっかで とはいえ

自分のとこに そんな大きな災害
降りかかることもないし

何か どっかで自分は大丈夫なんじゃ
ないかなって気持ちがあって

あんまり深くまで考えないですよね。
そうなんですよね。

災害から命を守るためには

地域で防災力を高めていくことが
大切だと言われています。

今日は そのための知恵と工夫が満載です。

私が生まれ育ったのは

のどかな田園風景が広がる…

およそ100世帯が暮らす
小さな集落です。

あっ 川の近くなんですね。

地区の東側には 高梁川が流れ

更に いくつかの
支流や用水路もありました。

(高橋)へえ~。

私は 川田一馬。 下原で暮らして70年。

大きな災害は
一度も経験してきませんでした。

あっ ずっと住んでて

そんな なかったんですね
大きな災害が。

2009年に 長年 勤めた会社を定年退職。

妻と のんびり過ごしていました。

そんな私が なぜ防災を
意識するようになったかというと…。

ものすごいことになってる。

テレビで知った…

日常が突然 破壊されたことに
衝撃を受けたのです。

そうでしたよね ほんとに。

この下原でも 私が生まれる前
大きな水害がありました。

(高橋)へ~。

明治26年 台風による大雨で高梁川が氾濫。

ほぼ全ての家が流され
30人以上が亡くなったといわれています。

うわ~ でも亡くなってるんだ
そんなに。

幼い頃に聞かされた この話
すっかり忘れていたのですが

東日本大震災をきっかけに思い出し
防災に取り組まねばと思ったのです。

その思いは 地区の自治会長も同じでした。

みんな
もうテレビで見たと思うが

災害に備えて 自主防災組織を
作ったらどうだろうか。

(一同)おお~!
(拍手)

早速 下原の地形に基づいた
避難計画を立てることにしました。

下原地区は 北側の伊与部山の麓に
位置しているため

南に行くにつれて 標高が低くなります。

もし 高梁川が氾濫し 洪水が起きれば
南側ほど 浸水のリスクが高まる。

そこで 避難場所として目を付けたのが
ここです。

標高が高く 350人全員が
避難できるだけの広さもあります。

続いて 避難ルート。

ほとんどの住民にとって

真ん中の県道を通る
このルートが最短です。

しかし 県道は標高が低いため
洪水の時は冠水してしまうおそれがある。

そこで 伊与部山に通じる3本の坂道を
避難ルートに設定しました。

いち早く高い所に逃げた上で

山の中を通って いちょうの木広場に
避難することにしたのです。

山の中の道は狭く
1人通るのが やっとの所もありました。

安全に避難できるよう
皆で協力して道幅を広げました。

夜間の避難に備え
いちょうの木広場には…

2年かけて 少しずつ準備を
整えていったのです。

すごいなあ。

そして…

(町内放送ベル)

どれくらいの人が参加してくれるのか
不安に思っていたのですが…。

うれしいことに 住民の半数以上
200人近い人がやって来たのです。

すごいなあ。

伊与部山を登る 急な坂道では
こんな光景もありました。

すいません
ありがとうございます。

代わってもらうね。
ありがとね。

(男性)
はい 押しますよ。 せ~の よいしょ。

(女性)
すいません ありがとうございます。

いちょうの木広場に集まった
大勢の人たちを見て

私は 確かな手応えを感じました。
すごい。

訓練をやったおかげで
課題も見えてきました。

あっ 土屋さん。

最初は
いちょうの木広場に避難してから

7つの地区ごとに
点呼を取る仕組みでした。

しかし…。

(一同)はい。

この仕組みだと
逃げ遅れた人がいると分かっても

対応が間に合わないおそれがある。
(津田)う~ん ほんまや。

(高橋)え~ でも逆に
じゃあ どうするのっていう。

そこで 2年目の避難訓練から
仕組みを大きく変えました。

地区ごとに集合場所を決め

避難する前に そこで一旦
点呼を取ることにしたのです。

集合場所に現れない人がいれば
直ちに自宅に急行。

避難を呼びかけます。
(高橋)そうか~。

お年寄りもいらっしゃりますね。
ああ~ 確かに。

こうして誰ひとり

逃げ遅れを出さない仕組みを
作り上げていったのです。

(救急隊)
1 2 3 4 5 はい。

3年目の避難訓練には
地元の消防署も参加。

救命処置の講習会をしてくれました。

(小西)いやあ…

(救急隊)
はい 本日は ありがとうございました。

しかし…。

いや まあ そういう人もいるだろうな。

平穏な日々が続く中で

訓練に後ろ向きな声も
上がり始めたのです。

そうねえ。

一馬さん その…

そうねえ。

起こるかどうか分からない災害。
それに備えるのは簡単ではない。

しかし この時 西日本豪雨は
3年後に迫っていたのです。

いやあ 確かになあ
ず~っとそういう災害がなくて

で 我々は このね
今の時間から見てますから

3年後に来るの分かってるから
避難訓練 大事だと思うけども

ず~っと災害が起きてない所で
避難訓練 参加しろって言われたら

自分だったら確かに 少しいいかなって
なっちゃうなって思うんですけども。

私も 大きな災害を見ると
お水をちゃんと買っておかなきゃとか

非常食 買っておかなきゃって
思うんですけれども…

…っていう気持ちは
分からなくないですね。 ねえ。

そういう人たちをどうやって
参加させていくのかっていうのが

今回の話の肝になってくると
思うんですけど。

ということで本日は 川田一馬さんに
お越し頂いています。

よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。

避難計画 すごいねえ
よくできてるなと思ったんですけども

普通は何か こう 近くの小学校とかに
逃げるじゃないですか。

なぜ自分たちは
いちょうの木の広場を選んだんですか?

小学校 遠いんですよ。
で 高齢者もいる。

それから低い所があるんです。
小学校に たどりつくまでに。

それよりか 自分たちのよく知ってる所の
まず洪水を前提ならば

一刻も早く 高い所に1次避難。
それをみんなで考えましてね

ここまで逃げとったら大丈夫やなと。
なるほどなるほど。

ちゃんと高低差まで
考えて。

確かに行くルートで
低い所があると

そこに水がたまって
動けないなんて言って
うろうろしてる間に

大変なことに
なってしまうって
あるかもしれないけども

高い所をひたすら
目指せるような
ルートが分かってれば

そういう危険に遭わずに広場に行けると。
はい。

いや 考えてます? 真麻さん
この 自分たちがどっかに避難する場所。

はい それは迷いどころですね。

だから災害の内容によって

避難所に行った方がいいのか
家にいた方がいいのかって。

家の地盤も確認したら一応 固かったので。

あっ 調べてるんですか ちゃんと。

俺 住んでる所の水害起きた時の
危険度みたいな あるんすよ。

ああ そうなんだ。
それで調べたら結構 高いんすよ。

へぇ~。 ハザードマップ上で?
そう。 川が 大きい川が近くにあって

だから やっぱ…

すいませんね あんなに分かりやすく
他力本願の人呼んだりして。

(高橋)アハハハハ。
(津田)ハハハハ。

俺 何言うても山ちゃんが あんなん言う。
違う違う。

さあ ここからは防災心理学が ご専門で

京都大学 防災研究所教授の
矢守克也さんにも

リモートで参加して頂きます。
矢守さん よろしくお願いいたします。

お願いします。
はい よろしくお願いします。

まずですね 「どうせ災害なんて
起きないよ」という声ありましたよね?

その背景にあると考えられるのが
こちらなんです。

(矢守)まあ 簡単に言うと人間やっぱり
こう ふだんからですね

まさかのモードへ切り替えるって
苦手なんですよね。

どうしても まだ大丈夫じゃない? とか

周りが危なくても
私だけは大丈夫だろうとか。

あ~ ですよね。
思っちゃう。

(矢守)今日ね 話題になっている
この西日本豪雨でも

私の地域に まさか
こんなことがあるとはと思って

避難が遅れてしまった方
たくさんいらっしゃるという結果がね

やっぱり調査結果 出ています。

それに それ無理からぬところもあって
被災地で よく聞くのは

何十年も住んでるけれども こんなことは
初めてだという お言葉なんですね。

何十年も大丈夫だったんだから

いや 今回だって大丈夫じゃない? って
やっぱり人間だから思っちゃいますよね。

この正常性バイアスに要は打ち勝つ必要が
あるということなんですけれど

命を守るための 一つの手段として
矢守さんが提唱しているのが こちらです。

まさに ふだんから
災害モードへの切り替え。

その切り替えをするためのスイッチを

みんなで あらかじめ やっぱり
決めておかないといけないっていう

そういう考え方ですね。
なるほどな。 うんうんうんうん。

避難スイッチ
いろいろなものを材料にできるんですね。

ここで一番として出ているのは
いわゆる避難指示とか 大雨警報とか

そういった情報を自分たちの避難スイッチ
というふうに決めておいてもいいし

それから 地区の中でね 例えば

「あの用水路の辺りが あふれ始めると
この地区は もう危ないんだ」

というふうに自分たちで体験できることを
スイッチにするという考え方もあります。

他にも 「おじいちゃん住んでるとこ
危なそうだよ」って

孫が電話してくれることに
なってるんだ みたいに

お孫さんからの声かけを
スイッチにしといてもいいんですね。

あ~ そっか。

こんなにも自分の中に
スイッチがないと思いませんでしたね。

スイッチ 確かに 何も考えてなかった。
そうなのよ。

やはり自分たちで
2人1組で
3本の川の偵察部隊を

自ら自分たちの
増水状況を見て

それで
避難スイッチを押そうと
そういうふうに決めました。

だから 具体的に
こうなったら動くっていう

ルールを持っとけば
いいってことだよね。 そうなんです。

さあ ねえ でも今は
その正常性バイアスも働いて

避難訓練なんかいらないんじゃないかと
言われてた

その3年後に 西日本豪雨が来てしまうと。
このあと どうなるんですか?

はい。 一馬さんたちは このあと

意外な方法で
住民たちを巻き込んでいくんです。

私は 防災組織のメンバーに
問いかけました。

(高橋)おお。
そうだ。

そうだそうだ。 やろう!

やりましょう!
やろう!

やりましょう!
(拍手)

しかし 熱心なのが 自治会の
中心メンバーだけでは 意味がありません。

肝心なのは…

この時 とっておきの妙案を
授けてくれた人がいました。

市の防災担当…

避難訓練を始めた時から
何かと相談していました。

正直…

そうっすよね。

(号砲音)

というわけで目を付けたのが

下原で30年続く伝統行事 大運動会。

子どもも お年寄りも一緒に楽しむ
ビッグイベントです。

そこに組み込むのか。

その催し物の一つとして
豪華賞品がもらえる

防災クイズを行ったのです。

司会進行は地元の子どもたち。

クイズの中身も考えてくれました。
へ~ 何か いいかもな。

その一つが こちら!

津田さん 正解は?

津田さん。
僕ですか? そうですよ。

えっと あれじゃないですか。
自分の居場所を知らせるホイッスル!

いいんですか 津田さん。 正解が出るか?
答えは…

うお~!
ちゃんとしてる。

いざという時 大きな音で…

意外とそういうのは しっかりね
勉強してるんですよ 彼は。

更に…。

子どもたちが大はしゃぎ。
こんなものも活用しました。

これ何だか分かりますか?

実は水をかけるだけで
あっという間に食べられる お餅。

ええっ?
おお~っ。

不思議な非常食の
試食会を開くことで

子どもの好奇心を刺激し
訓練を盛り上げました。

(女性)よかった~。

そして 防災意識を家族で
共有してもらうことも 重視しました。

さまざまな防災グッズを配布し
使い方などを話し合ってもらったのです。

グッズだよねって。

避難訓練は
どんどん充実していきました。

2016年には初の夜間訓練を実施。

懐中電灯を頼りに 避難道を歩き
安全性を確認しました。

そして…

私たちは あの西日本豪雨と
向き合うことになったのです。

う~ん。

西日本一帯で 経験したことがないほどの
大雨が降り続いていました。

ありましたよね これ。
(津田)あった。

うん そうね。

うわあ。
夜8時。

防災組織のメンバーが
地区の公会堂に集まりました。

メンバーの枝松さんが 高梁川の支流
新本川の様子を確認してくれました。

みんな! 大変だ!

(一同)え!?

垂直避難した方がいいかもしれないな。

よし 町内放送やろう!

(一同)はい!

しかし この時 私は悩んでいました。

家にとどまるのではなく

いちょうの木広場に
逃げた方がいいかもしれない。

この判断 難しい。
(津田)難しいなあ。

一方で 地区には
体の不自由な高齢者も多く

夜間 豪雨の中 避難を呼びかけるのには
ためらいもあったのです。

水平避難でもした方がいいんだろうか。

そうだなあ
夜で危ないというのもあるし みんな…。

(爆発音)
(高橋)うわ!

(窓ガラスが割れる音)

(小野)うわあ~! 雷が落ちたか!?

うわ 地震か? おい。

(小西)みんな大丈夫か?

(小西)何が起きたんだ。
(津田)え~ どういうこと?

あっ…

え?
何で?

川沿いのアルミ工場が突然
大爆発を起こしました。

(高橋)何で?

先ほど確認に行った
新本川の水があふれ

工場の溶解炉に流れ込み

水蒸気爆発を
起こしたのです。 あ~。

偶然 その瞬間を捉えた映像があります。

(高橋)わあ! おっきい!
(津田)大爆発やん。

(爆発音)
爆発によって

アルミなどの塊が周辺の民家に飛来。

火災も発生し
下原は大混乱に陥りました。

(津田)あ~ 爆風で。

(高橋)危ない。

(高橋)危なすぎる。

ええ!
(津田)ええ~!

もう…

その間も 雨は激しく降り続いていました。

しかも工場爆発が
さらなる問題を引き起こしたのです。

避難場所に設定していた
いちょうの木広場。

アルミ工場の
目と鼻の先に
位置していたため

使えなく
なったのです。

(高橋 津田)ええ~!
うわあ~。

7年かけて練り上げてきた
避難計画が崩れ去りました。

(津田)うわ~。

(高橋)ええ…。

そっか こういうことは だって
予想してないから 訓練のしようがない。

パニクって それは もう
いん石が落ちたとか

何だ かんだ言って もう
何が何やら さっぱり

もちろん アルミ工場が爆発したなんて
夢にも 想像だにしてなかったもんでね

頭ん中 真っ白で
何をしたらええんか分からないじゃない。

もう ありとあらゆる避難経路 考えたり

こういう状況になったら どうだとか
考えに考え尽くした人でも

想像つかないようなことが起きてしまう
災害というのは。

スタジオにはですね 爆発事故で

工場から民家に飛んできた石を
持ってきて頂いています。

ちょっと こちらに用意しました。
えっ!?

(高橋)ええっ? こんなにおっきいの?
(津田)でかっ!

えっ!?
(高橋 津田)ええっ。 ええ!?

これが飛んできたの?
(高橋)危な~い。

重さが約70kg。
(津田)そんなに?

(川田)これが万が一 寝てる人に
直撃だったら もう命なかった。

(津田)そら そうですよね。
これもう硬いですよ こんな。

これで ケガされた方は
いらっしゃらなかったんですか?

幸いなことに ケガも軽症で済んだんです。
(高橋)う~ん。

こういった恐怖まであったとは
知らなかったんで その中で…。

水害ってもう 水害のことだけ…。
そう だけだと思ってたら。

考えますよね。

…も起きうるんだというのを
これが その証拠として。

なるほど 皆さん戒めだ。

そこをね 避難訓練に住民を巻き込む工夫
ほんとにすごいんですけども

矢守先生から見て この下原地区の工夫
どう ご覧になりました?

ええ。 え~と ポイントは
ふだんのね 暮らしの中に

まさか 災害の時への備えを
上手にビルトインする

組み入れるっていうところかなと思って
拝見してました。

運動会のくだりがありましたよね。
(高橋)うん。 楽しそうだった。

(矢守)運動会っていう みんなが楽しみに
ふだんやることの中に

しっかり こう防災の要素が
組み入れられている

すばらしいと思いました。
なるほどなあ。

いや あと このね
防災に関していろいろ

一馬さんがやってらっしゃることとか
見てて思うのが

地方であると 避難訓練もうまくいくと
思うんですけど

都市部はね ちょっと

難しいんじゃないかなと
思っちゃいません?

難しいですね。
(津田)う~ん ねえ。

大阪の家の方は
ご近所づきあいとかもありますけども

東京とか まず隣 誰が住んでるかも
分からんぐらいなんで。

一軒家とかに お住まいだと まだね

お隣さんとか お向かいさん
知ってますけれども

マンションとか
特に大型のマンションってなると

ほとんど接触する機会がないですからね。
ないですね。

一つね 参考になるかなと思う例を
これはですね

ある都市部で 少し小高い所に
ショッピングセンターができて

そこの駐車場を避難所として 車で逃げる
っていう避難訓練なんですけれども

今まで避難訓練っていうと
日曜日の朝9時 全員集まって下さい

地域のみんなで やる行事ですから
というイメージあったと思うんですけど

これ そうじゃないんですよ。
そうじゃなくって

1週間とか10日ぐらい幅が決めてあって
その間に

各家庭ごとに お好きな時に
一度その新しく指定された駐車場まで

逃げてみて下さいって
こういう打ち出し方をされたんですね。

そうすると 参加率が上がったそうです。

(高橋 津田)う~ん。
確かになあ。

これ それぞれ 一見バラバラに

そんな全然 まとまりないじゃないかと
思われるかもしれないですけど

車でそれぞれ 避難訓練をされたあとに
お気付きのことがあったら

SNSですね それを通じて お寄せ下さい
っていうふうにやっといたんですよ。

そうしたら 途中に低いとこがあるから
かえって危ないんじゃないか

このルート良くないんじゃないかとかね

それから ショッピングセンターって
夜逃げても

そこのトイレって使わせてもらえるのか
確かめてみた方がいいとか

いろんな意見が寄せられたということで

だから こう
避難訓練のやっぱり やり方が

少し都会向きに
やっぱりアレンジするっていうのかな

そういうことが大事だったんだなあと

これ やられた自治会長さん
お話しになってました。
なるほどね。

さあ でも ねえ この 「逆転人生」。

今 一馬さんが立ち向かってる
このですね 逆転劇は

せっかくの避難計画も
使えなくなりましたよね。

大変な状況 さあ津田さん

これ どうやって
逃げ遅れゼロを達成したと思います?

とんでもない状況ですよ。
これは やっぱり人間 最終手段です。

違います。 さあ いきましょう。

雨がやむ気配はありませんでした。

しかし 下原地区は工場爆発で
混乱が続いていました。

あっ そっか でも
あの爆発があったあとだ。 はい。

よかった。 ありがとう…。

このシステムでやってたからね
ちゃんと班ごとに確認するっていうのを。

(津田)確かに。
訓練してたから。

あっ もしもし。

市の防災担当 新谷さんでした。

(高橋)うわあ~!
ええ!

ええ!?

(一同)はい!

(一同)はい!

絶対に…

そして 大混乱の中で
新たな避難計画を立てたのです。

いちょうの木広場の代わりに

高梁川を越えた所にある体育館
きびじアリーナに避難する。

(高橋)うわっ 結構遠い。
(津田)ええっ。

しかし 下原地区からの距離は
およそ3km。 いや~。

深夜 大雨の中を
お年寄りが歩くには遠すぎる。

そこで 道路状況を確認し
車での避難を決断。

車がない人は一旦

公会堂に集まって
もらうことにしたのです。

体育館に避難してください!
避難してください!

深夜1時。 各地区の班長が
避難を呼びかけ始めました。

ありがとね。

私は車が使えない人たちのために

市役所の新谷さんに
車の手配を依頼しました。

日頃から 連携していたことが功を奏し
迅速に対応してくれたのです。

深夜2時。
公会堂に集まった およそ70人が

市の車で
きびじアリーナへの避難を始めました。

しかし 衝撃的な情報が
飛び込んできたのです。 えっ?

(高橋)何~?

数名の住民と いまだ連絡を取れず
どこにいるか分らない。

(津田)ええっ。
ええっ?

(高橋)そんな全員ってやっぱり。
そらあ難しいっすね。

深夜3時すぎ 警察にも協力してもらい
家に確認に走りました。

寝ちゃってるとかもあんのかな。

田中さ~ん!
田中さ~ん!

起きてますか~?
田中さ~ん!

田中さ~ん! 田中さ~ん!
田中さん!

(高橋)あ!
(津田)あ~ ついたついた。

安否確認は夜通し続きました。
へ~!

前田さ~ん!

下原に残っている人はいないか
全ての家を確認したのです。

すごい 朝4時半まで。

朝4時半。 最後まで残った私と
自治会長の小西さんが

きびじアリーナに避難しました。

その後も念のため

自主的に避難したと思われる
住民たちの安否確認を続けました。

親戚のとこだな。 ああ ああ ああ 了解。

そして 朝8時。

お~い!
お~い! お~い! みんな!

(高橋)すご~い!

よかった!
お疲れさまです!

一馬くん。
はい!

よっしゃ~!
(拍手)

よっしゃ~!
よしよしよしよし。

その3時間後の午前11時。

私たちの下原地区は
洪水に襲われました。

最大3mの浸水。

もし逃げ遅れたら
命がなかったかもしれません。

(高橋)ほとんどだもん。
うわあ…。

(津田)爆発もしてんだもんなあ。

災害なんて起きるはずがない。
そう思うこともありましたが

私たちは避難訓練を続けてきました。

それが あの日
全ての住民の命を救ってくれた。

継続こそが力になる。

私は そう信じています。

(拍手)

いや ほんとに説得力がありますね。
継続こそ力になる。

いや ほんと。 だからこそ
想定外な爆発が起きたりとか

避難する場所が 3km離れた所になっても
全員が無事だったと思いますし

常々班分けをして 細かく人を把握する
っていうことをやってたから

できたんだなと思うと ほんとに
訓練しててよかったなと思います。

確かに。
あのイレギュラーなことが起きて

そのイレギュラーなことは
確かに訓練はできなかったけど

それに対応する選択肢を作れたのは

日頃の あの班別に
ちゃんと確認するとか

そういったもの 培ったものがあるから
すぐ代案ができたってことですもんね。

いやあ でも すごいです。

最後の1人の安否が分かった時
どういう お気持ちでした?

もう それは うれしかったです 正直に。
うん。

さっきのVTRのとおりなんです。
ある班長さんがうれしそうに。

一生忘れられません あれは。

これ 矢守先生 想定外の事態も起きて

計画どおりにね いかないところも
あったんですけども

やっぱり これ 毎年訓練を
行ってきたことが大きいんですかね?

そうですね。
ここは暗すぎて避難できないとかですね

車椅子で立ち往生してる人がいるとか

小さな失敗の多い訓練を
されてきたと思うんですよ。

それが結果としてね
超ビッグな想定外に出会った時にも

何とか対応できる実力をつけていた
その原因になった気がしますよね。

自分たちで自ら応用問題 解いて

無事避難 逃げおおせたと

そういうことではないんかなと。

基本問題をやり続けたからこそですもんね
それが大事だという。

そない思っとんです。

さあ 改めてお二方 防災について

今日からね やっていこうみたいなこと
何かありましたか?

今回お話を伺っていて
一番大事だろうなと思ったのは確認する。

未確認でないっていうことが
大事だなと思ったので

今 結構 携帯電話の番号とか
覚えてなかったりするので

きちんと連絡先を何も見なくても
覚えておくっていうことと

確認するために。
なるほど。

さあ津田さん ありますか?
今日からやってみたいということ。

確かにそうですね 今日 帰りにちょっと
ホイッスルでも家族分 買って…。

あのクイズの正解…

(笑い声)

そういう意識は大事ですからね。
(津田)はい。

まずは そっから 一歩目として。
そうですよね。 ほんとにそう。

あとは もう
自分の中の避難するスイッチを

ちゃんと もう一回
具体的に決めとくのと

経路の確認とかは やっぱ
こういうのって見た 聞いた直後って

ああやっぱ気にしなきゃ駄目だな
っていうのが

意外と家に帰り着くと
そこら辺が ぼやっとする時があるから

それじゃあ いけないってことを
今日 再確認できたんで

しっかりしたいと思います。

いやあ 一馬さん
ほんとに今日は貴重な お話

どうもありがとうございました。
お疲れでした。 ありがとうございました。

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