NHK地域局発 ラウンドちゅうごく「岐路に立つローカル鉄道」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

NHK地域局発 ラウンドちゅうごく「岐路に立つローカル鉄道」[字]

過疎化や豪雨・土砂災害による巨額な復旧費用のため、ローカル鉄道の存続が危ぶまれている。JR芸備線やくまがわ鉄道・いわて銀河鉄道など存続に向けた取り組みをルポ。

番組内容
私たちの暮らしを支えるローカル鉄道。しかし、過疎化や豪雨・土砂災害による巨額な復旧費用のため、存続が危ぶまれている。事態を打開しようと、広島の山間部から岡山へと抜けるJR芸備線では、利用促進のために、イベントなどを実施。各地のローカル鉄道でも、線路などのインフラと運行・運営などを切り分けたり、より公共性のあるサービスを始めるなど、対策が始まっている。岐路に立つローカル鉄道の取り組みを追う。
出演者
【ゲスト】日本総合研究所調査部主席研究員…藻谷浩介,【キャスター】出山知樹,【解説】榎嶋愛理,【語り】志賀隼哉

ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

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  18. 乗客
  19. 赤字
  20. 年前

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

私たちの暮らしを支えてきた
身近な公共交通 ローカル鉄道。

今月 沿線に衝撃が走りました。

NHKの単独インタビューに答えた
JR西日本の社長。

利用が少ない
ローカル線について

バスへの転換を含めた
見直しに言及したのです。

対象となるのは 中国地方のJR路線の
半分近くに上ります。

沿線地域の人口減少による
乗客の落ち込み

高速道路網が整備され
バスやマイカーに 利用客が移っています。

更に
近年 激甚化する気象災害。

復旧のための費用負担が 鉄道会社に
重く のしかかっているのです。

存続が不安視されている JR芸備線。

中学・高校生の
貴重な交通手段となってきました。

地域の鉄道が
なくなってしまうのではないか。

沿線の住民たちは
厳しい現実を 突きつけられています。

地域の公共交通
ローカル鉄道を どうしていくのか。

各地の事例から考えます。

こんばんは。 「ラウンドちゅうごく」です。

地域の人々にとって 身近な存在である
ローカル鉄道が

今 岐路に立たされています。

JR西日本は 今年に入って

利用者の少ない
ローカル線の在り方について

大幅に見直す考えを示しました。

具体的に言いますと 1kmあたり

1日平均
何人を運んだかを示す 「輸送密度」

これが
2, 000人以下のローカル線については

バス路線への転換も含めて
自治体と協議を進めるとしています。

中国地方の対象となる路線です。

21路線のうちの10路線です。

山間部を走るローカル線の
大部分を占めています。

その中の一つ 広島と岡山を結ぶ芸備線。

都市圏の乗客は多いのですが
山間部を走る区間では 乗客が激減して

地域では
存続を不安視する声が上がっています。

去年11月 芸備線に

プロ野球カープのラッピング列車が
運行され始めました。

この列車は
広島県庄原市の市民グループ

「カープ号を走らす会」が
企画しました。

会の事務局長の住田則雄さん。

このままでは 芸備線の庄原市内の区間が
廃止されるのではないか

強い不安を感じていました。

…というのが あったね。

危機感の背景には

路線の存続が 差し迫った問題に
なってきたことがあります。

去年 JRが
沿線自治体と立ち上げた検討会。

それから…

乗客を増やすことが
芸備線の喫緊の課題だとされました。

カープ号を企画した 住田さんたち。

募金を集めることで 芸備線の現状を
知ってもらおうと考えました。

≪募金を よろしくお願いします。

≪お願いしま~す。

カープに ゆかりのある…

(男性)ありがとう。

僅か2か月で
必要な資金 300万円が集まり

カープ号が実現しました。

駅に設置されたノートにも
励ましの言葉が 多く寄せられました。

しかし イベントなどの際には
一時的に乗客は増えても

一日の平均利用客は
ほとんど増えていません。

日常の利用客が増えなければ

抜本的な問題の解決に
つながらないと感じています。

更に もう一つ
大きな不安要素があります。

近年 激甚化している 気象災害です。

4年前の西日本豪雨では

芸備線でも
広島市郊外の鉄橋が流されました。

この橋の復旧だけで 1年3か月

総額13億円の費用が かかりました。

次に 大きな被害を受ければ
復旧されることはないかもしれない。

住田さんは 危機感を募らせます。

ゲストは 地方自治や地域の再生に詳しく
著書も多い 藻谷浩介さんです。

どうぞ よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。

藻谷さん
ローカル線はですね 過疎ですとか

あるいは 気象災害で
持続が困難な状況が見えてきました。

JR西日本もですね コロナ禍で
2年連続の赤字の見通しということで

ますます ローカル線の維持費

これが 重く
のしかかるという状況になっています。

今から30年以上前に行った

国鉄分割民営化の時に
先送りした問題がね

30年ぶりに復活してきたという
理解の方が 正しいと思います。

分割の時にですね
本州の鉄道は 首都圏や関西圏や

東海道新幹線を持ってる会社の利益で
賄って 何とか運行して下さい。

残りの北海道 九州 四国については
まあ 基金を積むので

その金利補填で運行しましょうと。
どっちみち 黒字にはならないので

そうやって維持しますよ
という話だったんですが

金利が つかなくなって
本州以外の支援金が細り

そして 今回のコロナ禍でですね

大都市圏の鉄道も 赤字になりましたので
支えられなくなった。

では そもそも
支えられない赤字の鉄道は要らないのか。

例えばJR北海道 札幌も含めて
全部 赤字ですけども

もし廃止すると 北海道の経済というか
交通 成り立たなくなります。

渋滞 大変なことになりますよね。
つまり 赤字だから やらない

客が少ないから やらないっていう
議論そのものが…

議論のやり方を
見直さなきゃいけないんです。

そして もう一つの
大きな危機が 気象災害です。

大きな被害を受けて 復旧できないまま

廃線となってしまうケースが
相次いでいます。

現在 全国で 水害や土砂災害による
休止区間があるのは 6路線。

九州では 2年前の豪雨によって

JR肥薩線と第三セクターのくま川鉄道が
大きな被害を受けました。

そうした中で 新たな方式を取り入れて
復旧を目指す取り組みを 取材しました。

≪それでは皆さん お待たせいたしました。
いよいよ出発です。

一日も早い全線開通を願って。

くま川鉄道の明るい未来に向かって。
(2人)出発進行!

≪いってらっしゃ~い!

去年11月 熊本県のくま川鉄道は

一部区間で 運行が再開されました。

2年前 熊本県の
人吉・球磨地方を襲った豪雨。

くま川鉄道では 所有していた車両全てが
水没しました。

更に 球磨川に架かる鉄橋も流され

被害総額は 40億円以上に上ると
試算されています。

復旧にあたって くま川鉄道では
国の新たな方式を取り入れました。

線路用地や鉄道設備を
沿線自治体に譲り渡し

そのかわりに 復旧にかかる費用を
国と自治体に負担してもらいます。

くま川鉄道は
巨額の復旧費用を背負わず

鉄道の運行事業に
注力することができます。

一方 線路用地や鉄道設備は
公的な資産となり

自治体が維持管理します。

鉄道の所有と運行を切り分ける
上下分離方式。

国は 4年前から この仕組みを
災害復旧に活用しやすくしたのです。

くま川鉄道の社長で
上下分離方式をとることを決断した

永江友二さんです。

これまで 地元で
美容院や飲食店を経営してきました。

その経営手腕を買われ
くま川鉄道の社長に就任。

観光列車を走らせるなど
地域の活性化に 尽力してきました。

永江さんが
上下分離方式を導入した理由は

地域の利用者の
利便性を優先しようと考えたからです。

被災前 くま川鉄道の利用者の8割は
地元の高校生。

毎日800人が利用していました。

全線運休中に走らせていた 代行バス。

利用者は 渋滞などを考慮して

30分以上早く
出発しなくてはなりませんでした。

更に このバスの運行のために

自治体は
年間4億円以上を負担。

早期に 鉄道を復旧した方が

地域の負担が減り
輸送効率も上がると考えたのです。

一方 同時に被害を受けた
JR肥薩線。

ここでは JR九州と
沿線自治体との協議が進まず

復旧のめどは立っていません。

線路を保有するJR九州が 工事費用を
負担することになっていますが

いまだ その総額さえも
見通せないままです。

豪雨で被災した 老舗旅館。

旅館自体は 復旧しましたが

肥薩線が再開しないことには
地域の再生が進まないと考えています。

上下分離方式で
一部再開に こぎ着けた くま川鉄道。

社長の永江さんは
公的支援を受けたからには

地域のために 何ができるのか

より問われることになると考えています。

永江さんは まだ再開していない
鉄道区間を活用して

レールバイクを
走らせることにしました。

観光客を集め
地元に貢献することにしたのです。

地域において 重要な役割を果たす鉄道。

広い視野で その価値を
見直さなければならないと考えています。

やっぱり…

はい。 藻谷さん 災害の復旧には
巨額の費用が かかるわけですけれども

これ 鉄道単体の問題ということでは
なくてですね 地域全体で費用対効果

あるいは 価値というのを考えていく
視点っていうのが必要ですよね。

はい。 ただですね 災害で壊れるのは
鉄道だけではないんですよね。

同じ区間で 道路も壊れています。

では 道路の復旧費用は
誰が出してるんでしょうか。

これは あの え~
国の税金から出してるんですね。

今 くま川鉄道ので
上下分離という話ありましたね。

これは 実は くま川鉄道の
すばらしい工夫なんですが

世界共通のやり方なんです。
なるほど。

(藻谷)
ええ つまりですね 世界中どこでも

黒字の鉄道って ほとんどないんですね。

交通って そもそも
税金を使って やることじゃないかと。

交通と医療と教育ですかね。

この3つは
黒字になるはずがないのだから

効率よくお金を入れて 運用して
みんなに供与する。

道路も必要だけども 鉄道が
たまたま あるところについては

鉄道も 路線部分については
道路と同じ扱いで

まあ 公共がもって
税金で なるべく安く補修して。

だけど 上を運行するのは
バスと同じように

鉄道会社が運行…
自分の採算で運行すると。

これ 上下分離ですけども
このやり方にしようというのが

まあヨーロッパ 日本の各地で
始まっている 世界の常識です。

鉄道の方が お金がかかるという
イメージがあるんですけれども

なぜ鉄道の方が 効率がいいというふうに
お考えになるんでしょう?

実は 鉄道もですね バスも
運転手さんの人件費が ほとんど…

燃料代が 運行経費のほとんどなので
お金あんまり違わないんですね。

違いは 鉄道は 線路部分も

自分で つくっているので
お金が かかるわけですが

上下分離をして 線路部分を 公共が
道路と同じように負担してしまうと

あとは 鉄道もバスも
そんなに お金は違いません。

そうなると なおのこと
運転手さんの人件費を支援するなら

より利用者が多い方がいいわけですが

鉄道の方が分かりやすいので
旅行者が よく使うとかですね

同じく 鉄道の方が
渋滞に引っ掛からないので

かなりの地方都市であっても
渋滞ありますので

ラッシュ時の輸送が便利だとか
外国人観光客が使いやすい。

それから もう一つ 全国で上下分離した
例って いっぱいあるんですけども

非常に多くの例で
お客さんが ちょっと増えるんですね。

地域の人が 税金を入れて
維持してるんであるから

じゃあ やっぱり使おうかと思う人は
一定数 出てくるんですね。

ローカル鉄道と道路を
区別する必要はないんですね。

全て交通 動くということを
どうやって維持するか

まあ 「交通権」っていう言葉も
あるんですがね。 動く権利ですね。

交通権 だから 教育を受ける権利と同じ。
そんな際限なく あるわけではないが

ある程度の交通は
ちゃんと維持できるように

みんなで集めた税金を
賢く使っていこうねという意味で

鉄道も道路も同じです。

公共交通として
地域が抱える課題と向き合うことで

生き残りを図る 鉄道会社も現れています。

第三セクター…

朝のラッシュが終わったあとの車内。

2両編成のうち
1両全て 優先席になります。

岩手県の山間部から 盛岡市内の病院に
通院する人のためのサービスです。

専用の乗務員「医療アテンダント」が

体調の確認や
病院までのタクシーの手配を担当します。

ただいま ご用意いたします。
お待ち下さい。

アテンダントの中には
介護経験者もいて

高齢者に安心して
乗ってもらおうという取り組みです。

雪深い岩手県北部では 冬場
自動車での移動は 危険も伴います。

一方で 病院の多くは
盛岡市に集約されていて

長距離の通院を
余儀なくされているのです。

高齢化と病院の集約。

地域が抱える課題に対応するため
このサービスが生まれました。

駅に着いたあとは
提携するタクシー会社に バトンタッチ。

盛岡市内の病院まで 1人あたり
200円で向かうことができます。

このサービス 徐々に利用者は増え

10年間で 2倍になりました。

鉄道会社では 先月から

このサービスを
妊婦にも使えるようにしました。

バス会社と協力し

これまでの料金の半額で
通院できる切符を発売しています。

藻谷さん これ 地域の課題解決と
利用客の増加… ということで

まさに ウィンウィンの関係を
目指そうという取り組みでしたけれども。

三セク鉄道らしいですね
生き残りの工夫なんですけども

やはりね 背景には
病院の統合があるわけですよね。

岩手県 人口 希薄ですから
遠くから盛岡の病院まで来て下さいと

じゃ どうやって来るんですか?
そのための足として 車で来て下さい。

いつまでもですね 車に乗れる
年じゃないよねっていうことに

さすがに令和になって 日本人の
多くの人も気付いてきたと思うんです。

病院を統合して
町まで来てもらう以上

電車が走ってるとこについては
電車も乗れるようにした方がいいよね。

駅から病院が遠かったら
タクシーで ちゃんと運びましょう。

こういう やり方をすることによって
地域全体の活力を維持しようと

ここに住んでもいいという人を
増やそうという取り組みです。

確かに 高齢者が ずっと車に乗ることが
できるというわけではないですよね?

やはり 日本全体が若かった頃ですね

今から20~30年前は
社会の平均年齢も ずっと若かったから

いつまでも 車に乗るんだみたいに
みんな思ってたかもしれません。

実際には 80になって まだ動けるし
病院も行きたいんだけど

そろそろ 車を運転するのは危ないよね
って人が 日本中で増えてますよね。

その時に もちろん バスでもいいんですが
たまたま鉄道が残ってる地域であれば

鉄道を利用しやすくした方が
お年寄りも安全ですよね。

特に 冬 雪が降るような地域
広島県北も そうですけどね。

そういうことを含めて ある鉄道を
ちゃんと有効利用しようということが

地域全体の活力アップ
活力維持につながるだろう。

これ 全国に
言えることではないでしょうか。

ローカル鉄道を
鉄道会社と住民が

地域全体として
どうデザインしていくか

そういうことを考えていく時代に
なってきているということでしょうか?

鉄道会社だけの責任に おっかぶせていて
何とかなる時代は終わりまして

地域が引き受けるものは 引き受け
そして それを 国が

ちゃんと サポートするものは
サポートする。

鉄道がある地域だけ 支援するのは
変だという議論があるんですが

例えばですね 日本で
昔のまま残ってるお城って 12個しかない。

12個しかない
残ってるお城を持ってる自治体は

お城の維持に かなり税金を使ってますが
それは不公平でしょうか?

たまたま残ってるものを ちゃんと守って
活用するのは その地域の個性ですよね。

たまたま鉄道は 今まで廃止されずに
残ってきた地域というのも

ない地域もあるわけだけど
残ってた以上は

税金をもって 支えていくことで
その地域の個性が発揮できるし

そのことに 逆に そういう残ってる地域に
関しては 国が こういうふうに支援する。

鉄道がない地域に関しては
別の支援をするということで

今 そこで一生懸命 元気に生きてる人を
支えようという方向に行く時に

地域を
どう支えるかということからですね

この交通 鉄道ですとか
学校とか医療っていうのは

まさに 日本が試されてるポイント。

実は いちローカル線の問題のように見えて
高齢化していくけども

それを支えていくだけの力や
お金は まだある日本が

どういうふうに
生きていくんですかっていう

そういう課題が ここに見えてるんです。

どうやって 社会の最低限の
ミニマムの線を支えるかという議論から

考え直さなくてはいけません。

ありがとうございました。
「ラウンドちゅうごく」 今日は

岐路に立たされている
ローカル鉄道について お伝えしました。

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