出典:EPGの番組情報
プロフェッショナル「神様は、捨てず放らず~焼き肉店従業員・豊島雅信~」[解][字]
予約不可!3時間半待ちの大行列ができる焼き肉の名店にその男あり。「ホルモンの神様」と呼ばれ半世紀。自らの“焼き肉道”を追い求めてきた豊島雅信の、下町人情物語。
番組内容
内閣総理大臣でも芸能人でも予約は一切お断り。3時間半待ちの大行列ができる焼き肉店の名物は、「日本一」の呼び声高い牛の内臓肉・ホルモン。豊島雅信(63)は、ホルモンの魅力を見いだし世に広めてきたパイオニア。「ホルモンの神様」と慕われ、文字通り夜を徹し、その個性を引き出すための仕込みに命をかける。幼い頃事故で右指をなくし、仕事のほとんどは左手一本。ホルモンに救われ、ホルモンと共に挑む、人生の物語。
出演者
【出演】焼き肉店従業員…豊島雅信,【語り】橋本さとし,貫地谷しほりジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
テキストマイニング結果
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- 水分
- ガスロースター
- ロース
- 胃袋
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
その店は 予約を一切 受け付けない。
一国の首相も 並ばなければ入れない。
それは
東京の下町で愛され続けてきた…
焼き肉の名店。
名物は 極上のホルモン。
♬~
(主題歌) 豊島雅信 63歳。
孤高の 焼き肉店 従業員。
かつて 「放るもん」と呼ばれ
売れ残り 廃棄されることの多かった
牛の内臓。
豊島は その魅力を見いだし
高めてきたパイオニアの一人。
ホルモンの神様。
♬~
海外のグルメガイドで
日本ナンバーワンに選ばれた 豊島の店。
「日本の焼き肉文化の象徴」とも評され
客のみならず 料理人たちもが学びに通う。
2歳で失った右指 己の運命を呪った。
近づく 終わりの時。
託された 夢。
豊島が歩み続ける 焼肉道。
♬~
東京 足立区。
え? (取材者)すてきですね。
そう?
昼の12時。
豊島は 肌着一枚で
店にやって来た。
そう。 ねえ。 はい。
ねえ。 はあ~。
この日は 明け方の4時まで
仕込みに追われていたという。
座席数50の下町の焼き肉店。
ここで人生の大半の時間を過ごしてきた。
一息つく間もなく 仕込みに取りかかる。
牛の心臓 ハツを使ったオリジナル料理。
開店に合わせ 最高の状態になるよう
火を入れる。
土日の開店は 午後3時。
2時間前には 客が列をなしていた。
(取材者)大阪ですか?
はい。
(豊島)はい 4人…。
メニューは カルビ タン
ホルモンなど 30種類。
それをガスロースターで焼くという
ごく一般的なスタイルだ。
この店は 豊島の母が 55年前に始め
今は 店主の 兄 久博さんと
2人で切り盛りしている。
カルビやロースのような
正肉と呼ばれる部位を兄が担当し
豊島はホルモンを担う。
正肉の うまさも さることながら
店の人気は このホルモンの盛り合わせ。
コブクロやギアラ センマイなど
およそ5種類
それぞれに異なる下処理が施されている。
(豊島)はい 15 14 9番。
客の様子に目を配り
ホルモンを出すタイミングを計る。
(豊島)追加も含めてね。
夜10時 この日の営業が終わった。
だが 休む様子はない。
すぐに仕込みに取りかかる。
豊島は 幼い頃 事故で右指を失ったため
ほとんどの作業を左手で行ってゆく。
(豊島)
あ~。
こうやって開けらんないから。
取り出したのは 牛の肝臓 レバー。
豊島の店の代名詞だ。
レバーの中でも 中央にある
最上の部分だけを切り分けていく。
断面に 無数の穴が現れた。
レバーの中に 縦横無尽に走る血管。
その張り巡らされた血管を
より分けながら 一口大に切り分ける。
ほんの僅かな食感のざらつきをも
豊島は許さない。
包丁の刃先に当たる感覚を頼りに 隠れた
血管までをも 徹底的に より分けていく。
1時間もの時間をかけ 採算度外視で
究極と呼ばれるレバーを作り出す。
休む間もなく 次の部位へと取りかかる。
牛の胃袋 ギアラ。
甘みを含んだ脂と コリコリとした
歯応えが特徴のホルモンだ。
一般的な下処理では 小麦粉などをまぶし
ぬめりをこそぎ落とすのが定石。
だが 豊島は あえて タワシだけを使い
僅かに ぬめりを残す。
ホルモンと向き合う時
豊島が大切にする流儀がある。
♬~
腐敗のもとになる余計な水分を
すぐに絞りきる。
豊島が眼鏡を
手にした。
胃袋であるギアラの表面には
牛が飲み込んだ毛などが
深く刺さりこんでいることがある。
肉の一片一片を
確認しては
全ての毛を
抜き取る。
更に 焼いた時
甘みを含んだ脂が しみだしやすいよう
隠し包丁を入れていく。
手間と工夫を重ねることで
ギアラの個性を引き出していく。
全てのホルモンの仕込みが終わったのは
午前4時だった。
最後に 従業員全員で 賄いを食べる。
よいしょ!
開店から この時間まで
一度も座らず作業を続けてきた。
聞けば このあと
家で 数時間 眠り
昼には また店で
仕込みの続きを行うという。
はい どうも。
♬~
全国各地から客が訪れる
豊島の焼き肉店。
至る所に
客を思う気持ちが込められている。
例えば 水を一切加えず作る
モツの煮込み。
水分がしみだすまでの間 火を入れながら
1時間近く 手でかき混ぜる。
更に 副菜のナムルを作る際の塩は
一度 焼いて水分をとばす。
塩を加える時も 手間をいとわず
一度 手に もみこんでから 食材へと移す。
だが その
こだわりを
豊島が客に
押しつけることはない。
炭火ではなく
ガスロースターを使い続けているのも
訪れる客を考えてのこと。
(豊島)はい。
予約を取り 決められた量を仕入れる方が
経営は安定するが
それをかたくなに拒んできた。
味もさることながら
時代と逆行するような
その生き方が
人をひき付ける。
お~っ!
ありがとうございます。 すごい!
ありがとうございます。 おいしそう!
ねえ。 あの~ お嬢様と 一緒に来て!
♬~
♬~
♬~
♬~
(豊島)今日も一日ご苦労さまでしたって。
♬~
♬~
♬~
はい。
♬~
8月 豊島さんは墓参りに向かった。
妻と共に 両親の眠る
墓に花を手向ける。
でも お参りを終えても
豊島さんは帰ろうとしない。
生前 世話になった人の墓を回っては
線香をあげていく。
豊島さんは その63年の半生で
何を見 何を体験してきたのか。
昭和33年 豊島さんは
精肉店を営む両親のもとに生まれた。
2歳の時だった
店にあった ひき肉の製造器に
誤って手を入れ 右手の指を失った。
生活するうえで
不自由を感じることはなかったが
学校に通うようになると
意識せざるをえなかった。
「もう学校には行きたくない」。
中学を卒業すると 就職すると決めた。
知人の紹介で
神戸のステーキ店を口利きしてもらった。
だが いざ働く段になると…。
実家に戻り 家族が精肉業のかたわらで
営んでいた焼き肉店で 働き始めた。
だが 仕事に身が入らない。
言われたことを適当にこなしては
店が閉まるのを待ち 遊び歩いた。
「自分は 必要のない人間」。
そんな日々が 15年。
仕入れに訪れた食肉市場で
ある光景を目にした。
カルビやロースなどが次々と引き取られる
その脇で
売れ残ったホルモンが
大量に置かれていた。
どこか 自分と重なった。
豊島さんはホルモンを買い取り
売るための工夫を重ねた。
雑味や臭いを取るための洗い方や
舌触りを良くするための刃先の入れ方。
1日15時間 左手一本での仕込み。
包丁を押さえ続けた指からは
指紋が消えた。
偏った重心を支え続けた足は血流が滞り
思うように動かすことが できなくなった。
それでも売れない日々は続いたが
もう 諦めたくはなかった。
試行錯誤を続けて 数年後。
ぽつりぽつり 地元では見かけない客が
店を訪れてくるようになった。
見向きもされなかった食材を
笑顔で頬張る
客を見た時に
豊島さんは思った。
♬~
(豊島)やっぱり…
それから 30年。
「焼肉道」っつうのを。
豊島さんは 右手が教えてくれた
自分だけの道を 歩み続ける。
♬~
おう。
おう! 高いラーメン屋っすよ。
すいません!
おはようございます。
おはよう。
豊島のもとを 訪ねてくる人たちがいた。
人気ラーメン店の店主に
大分で独立を果たした弟子。
教えを請いたいと訪れる料理人たちに
豊島は技術を包み隠さず伝えてきた。
8月上旬。
また一人 訪ねてくる者がいた。
36歳。
自分の焼き肉店を開きたいという夢を
アルバイトをしながら追っている。
豊島は ふだん使っている包丁を
持ってくるよう伝えていた。
あ でも その2年前の…。
持ってきました。
なまくら。 ちょっと2本だけですけど。
なまくら。
あ 切れないですか。
豊島は 渡辺の準備の甘さを指摘した。
いや 心は 気持ちは…。
見かねた店の従業員が 渡辺の包丁を研ぐ。
豊島が ギアラの
仕込みを教え始めた。
(豊島)3…。
1 2 3。
ここ こう…。
こう…。
どう… だから。
切り込みの幅も 深さも まだ甘い。
店の定休日。
一人 仕込みをしていた豊島が
語りだした。
半世紀 共に切り盛りしてきた兄夫婦が
店を畳みたいという。
もう この店は 今のようには
続けられないかもしれない。
♬~
客の気持ちに触れたいと
渡辺が いつもより早い時間にやって来た。
上ミノ はい。
はい 9番へ。
渡辺は かつて焼き肉店を持ちたい
という夢を諦めた過去がある。
その後 職を転々とし 再起をかけ
豊島のもとを訪ねた。
包丁は 合格。
豊島は この日 再び
渡辺にギアラの仕込みをさせた。
(豊島)はい。
だが…。
前回から
2週間。
習練のあとが見られない。
夜 豊島がしきりに足を気にしていた。
実は 去年 酷使してきた左足の動脈が切れ
救急搬送されたという。
医師からは 手術しても元には戻らず
これ以上 仕事を続ければ
再発の可能性があると告げられた。
ハハ…。
夏の終わり。 渡辺が 再び店にやって来た。
この日 豊島は
まず掃除をするよう 渡辺に命じた。
(笑い声)
へい へい へ~い。 お前…
今度は 外の掃除。
気持ちが籠もらなければ
人の心に届くものは作り出せない。
あら。
(笑い声)
やります。
豊島は 渡辺に声をかけ続ける。
♬~
♬~
渡辺に ギアラを切らせる。
失敗すれば 売り物にはならない。
だが豊島は 恐れるなと背中を押す。
包丁を入れる音が 変わり始めた。
渡辺の成長。
豊島は うれしそうだった。
♬~(主題歌)
午前4時 いつものようにテーブルを囲む。
♬~
ありがとうございます。
はい おやすみ~。
お疲れさまです!
そして
またすぐに この場所に戻ってくる。
♬~
前進あるのみです。
今日より明日
明日より あさって。
それを目指して 頑張るしかないです。
♬~
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