関ジャム 完全燃SHOW【MISIA「Everything」高難度解説にキンプリ神宮寺衝撃】[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

関ジャム 完全燃SHOW【MISIA「Everything」高難度解説にキンプリ神宮寺衝撃】[字]

音楽P冨田ラボ本人を前に、MISIA「Everything」&キリンジ「エイリアンズ」の何が凄いのか論争に決着!番組史上最高の難しい解説に、King & Prince神宮寺も悪戦苦闘!?

◇番組内容
関ジャムでプロが度々、MISIA「Everything」とキリンジ「エイリアンズ」のスゴさを解説してきた。今回は遂にそれらを手がけた音楽プロデューサー冨田ラボ本人を前に、何が凄いのか論争に決着!解説してくれるのは、作曲家の岩崎太整。突出した分析力で、超難解なコード進行の謎や、歌詞に隠されたアクセントの秘密など、スゴ技アレンジを細かく分解!番組史上最高の難しい解説に、初登場の神宮寺勇太(King & Prince)も悪戦苦闘!?
◇出演者
関ジャニ∞
支配人:古田新太
アーティストゲスト:冨田ラボ(冨田恵一)、岩崎太整
トークゲスト:高橋茂雄(サバンナ)・宮澤エマ・神宮寺勇太(King & Prince)
◇おしらせ
☆番組ホームページ
 https://www.tv-asahi.co.jp/kanjam/

☆番組Twitter
 https://twitter.com/kanjam_tvasahi

ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
バラエティ – 音楽バラエティ
バラエティ – その他

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 村上
  2. 冨田
  3. 岩崎
  4. コード
  5. 大倉
  6. メロディー
  7. キーボード
  8. 高橋
  9. 解決
  10. 音質
  11. 丸山
  12. トニック
  13. プロ
  14. 奥行
  15. 本当
  16. アクセント
  17. 安田
  18. 横山
  19. 多分
  20. Everything

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

今夜の『関ジャム』は

これまで
多くのプロたちから嫉妬された

あの2曲を手掛けた
プロデューサー本人に直撃。

♬~

今夜の『関ジャム』は…。

これまで番組では

何度もプロたちが絶賛した

2つの名曲がある。

それが…。

『Everything』
MISIAさんの。

アレンジの
冨田さんっていうのが もう…。

♬~「You’re everything」

そう 1つは

2000年リリース
MISIAの『Everything』。

そして もう1曲が…。

(村上)これは もう 蔦谷さんでも
思い浮かばない…?

(古田)へえー!

♬~「まるで僕らは」

2000年 『Everything』と
同じ月にリリースされた

キリンジの『エイリアンズ』。

この2曲

プロが選ぶ 2000年以降の
最強のJ-POPベスト30にも

上位にランクインした

音楽界屈指の
名曲なのだが…。

実は この2曲の

プロデュースとアレンジを
手掛けたのは 同一人物。

それが…。

(大倉)「冨田さん」

97年から キリンジの
プロデュースを始め…。

中島美嘉。

椎名林檎など これまで

数多くのアーティストの
編曲やプロデュースを手掛ける。

更に
ソロアーティストとしても活動。

多くの一流ミュージシャンとの
コラボ曲も多数。

(大倉)「すごっ!」
(高橋)「へえー!」

そして そのすごさを
解説してくれるのが

作曲家の岩崎太整。

実は 岩崎

先日 話題となった
最強のJ-POPベスト30で

1位 2位に この2曲を選曲。

今回 岩崎に
企画の趣旨を伝えると

スタッフのもとに突如

『Everything』の
謎の譜面が送られてきた。

そこには 何やら
難解なコードと思われるものや

謎の数字が びっしり!

という事で 今夜は

プロたちが
あれだけ嫉妬する2曲は

一体 何がすごいのか問題に
決着をつけてもらう!

(拍手)
(横山)こんばんは!

さあ 本日はスタジオに
改めまして

冨田ラボさん そして
岩崎さんにお越しいただきました。

お願いいたします。
(冨田)よろしくお願いします。

(村上)神宮寺君もな
『関ジャム』には…。

今日 初めて ちょっと
お邪魔させていただいてます。

お勉強させていただけたらなと。
(横山)そうやな。 頑張ろうやな。

頑張りたいです はい。 意気込み…
意気込みだけはあります。

まず ちょっと
先ほど お二人で

そうですね
僕が作ったものを

岩崎さんが
分析してくださった。

いやあ すごく
時間かかったと思うんで…。

(岩崎)こういう風に
分析する方法が ちゃんと

確立されているんですね。
(村上)メソッドとしては本当に…。

(岩崎)バークリー音楽大学
という所でやっている

バークリーメソッドっていうのが
あるんですけど。

僕の あくまで 想定する
『Everything』の形。

(村上)岩崎さんの解釈としての
分析としての…。

こういう事になってるよって
いうんですが

これ ねえ… 冒頭 皆さん
見られて わかるとおり

なんのこっちゃ
わからない…。

今日は… これ 相当 頑張って
作ったんですけど

使わないですから これ…。
(一同 笑い)

使わへんのんかい!
(村上)これは使わないの?

岩崎メソッド 使わないの?
これは。

そういう 割と専門的な事なんで

これは こういうものもあるよ
っていう事だけ…。

(村上)こういうメソッドも
あるという。

忘れていいんですね これは もう。
(岩崎)忘れていいです。

では 早速 岩崎は
『Everything』の

どこに すごさを
感じているのか

わかりやすく VTRで。

この曲に岩崎は…。

実は この複雑なコード進行なのに

難解にならないアレンジの妙は

多くのプロも うなるポイント。

では コード進行の複雑さに注目。

♬~

(大倉)「わからへん…」

(高橋)おおー!
(神宮寺)すごい。

あれだけ こう
コードにすると複雑なのに

易しく… 簡単に聴こえてしまう
マジックというのは?

やっぱり… まあ これね…。

(大倉)確かに。
(岩崎)まあ その… だから

これ もともとは
すごくシンプルで

美しいメロディーがあるのに
冨田さんが…。

僕は その…
シンデレラみたいっていうのは

あの… 比喩表現なんですけど。

すごくキレイな洋服
みたいなものを

着せてあげてるように
聴こえるんですね。

まあ だから 松本さんっていう
作曲家の方が

作ってらっしゃるんですけど

松本さんの曲は もう
素晴らしい状態であるうえで

冨田さんが職人のように 一本一本
針を紡いでいくような…。

仕立てて。 それを着せてあげてる
っていうようなものに

僕は感じて。 だから あの…
1位にも挙げたんですけど。

では 岩崎が言う

もともと素晴らしいメロディーを

更に シンデレラのように

着替えさせるという手法が…。

(村上)…というところに

落ち着くみたいなんですが。

デモとかが上がってきた場合に
それに対して

冨田さんのような方が 改めて
メロディーだけを残して

その素材だけを残して
そこを こう

ちゃんと着替えさせてあげる
っていうのが

リハモナイズっていうんですけど。
まあ それの…

冨田さんの傑作が これという。
(村上)リハモナイズの。

はあー!
すげえ!

ぶっちゃけ もっと シンプルな
コードでもいけますよね?

そのとおりなんです。
本当に そのとおりで

実は シンプルだった場合は

こうじゃなかったであろうか
という…。

おおー…!
(丸山)すごい!

(岩崎)メロディーだけを
フォーカスして

メロディーに対して
普通の 一般的な感覚で

和声をつけたら こうなるであろう
っていうのを作ってきた。

おお! すごっ!
(宮澤)聴きたい。

では 岩崎が
わざわざ作ってくれた

一般的なコードと
冨田アレンジを聴き比べ。

まずは イントロの

一般的バージョンから。

♬~

(大倉)「確かに」

(村上)「キレイです。
もうキレイです」

♬~

(高橋)「これで聴いたら
だいぶ ちゃうな」

(大倉)「なるほど。
キレイな複雑さ」

(岩崎)「うん…。
おっしゃるとおりだと思います」

続いて 仮歌が入ったAメロ。

歌は全く同じものです。

(宮澤)「本当 素朴な感じになる」

(大倉)「すげえ!」
(宮澤)「全然違う」

全然 ドラマチックですよね。
(岩崎)そうそう。

もう 本当に その…。

(大倉)切なさが違うな。

(大倉)「ホンマ
キレイなメロディーやもんな」

(大倉)「なんなんやろう…。
引き付けられる」

(高橋)「確かに」
(宮澤)「いやあ すごいな」

(拍手)
(高橋)そういう事なんですね。

冨田さんの編曲のバージョンだと

歌い手としても
感情が乗りやすいんだろうなって。

この なんか 前に…
あっ この音がきたから

ちょっと こういう風に
気持ちが変わるっていう風に

多分… 絶対
モノトーンには歌えないような

ドラマ性があるんだな
っていうのを

聴き比べて わかりました。
(村上)これは 実際 冨田さん

お伺いしますけれども
とうとう…。

よろしくお願いします。

「全然違いますけど」っていう
可能性あんねやろ。

(村上)ありますけれども…。
(一同 笑い)

(村上)岩崎さん
おっしゃられたように

リハモナイズしていく時の
感じというのは

全部 冨田さんの感覚だけで
いかれたんですか?

まあ 全部変えたっていうか…

だいぶ 様子は変わっちゃったと
思うんですけど。

でも 正直 その元のコードが
どうだったかとかを

あまり覚えてないんですよね。
(高橋)へえー!

まあ 1個には これ
20年以上の前の曲なんで

そういう事もありますし。

あと 僕の
作業の仕方にもよるんですけど

僕 いつも コードをつける時に
メロディーを1本だけ抜き出して

それについて
一から もう コードを…。

だから
ストーリーを考えるように

コードをつけていくんですよ。
(大倉)なるほど。

(冨田)なので
一般的なリハモナイズというと

例えば ここに
こういうコードがあったので

このコードを 代替で
これに替えようとかいう事を…

多分 学校で習うのは
そういった方法なんですけれども

僕は メロディーに対して
ベストなものは何かというのを

一から考えるという
やり方だから。

なので 割とね
忘れちゃうんです 元のやつを。

(村上)はあー!
(高橋)それは 作曲の方が

「いや 変えすぎですけど」って
なる事は ないんですか?

うーんと…。

(村上)でも そんなに
覚えてません。

先生は もう そんなに
覚えてません。 そんなもんは。

(大倉)これ でも
ここまで複雑にする理由って

なんなんですか? この曲の…。

僕の中では 複雑にしようとして
してるっていう感じではなくて

ストーリーを組み立ててるって
気持ちなんですね。

で この『Everything』の場合は

もう デモの時点で このBPM…
このテンポで このサイズだと

すごく長くなるというのが
わかっていたんです。

もちろん その
もともとのメロディー…

松本さんの作った
メロディーは

歌いやすいし
キレイなメロディーだし

いい曲なんだけれども
なんせ 長さがあるので

ストーリー作りを
時に繊細に 時に大胆に

新たに バックグラウンドで
作る必要があったなと。

(村上)尺の問題もあってという。
(冨田)あると思います。

やっぱり その… リスナーが
ちょっと 飽きてしまうとか。

あとは サビに入る時の
高揚感とかも

段階的に上がった方がいい
とかいう考え方とか。

(村上)はあ…!
大丈夫? 今のとこ。

神宮寺君 大丈夫?
(神宮寺)いや 今のところ あの…。

(村上)いや なんもしてない…。
俺ら まだ

なんもしてないです 本当に。
(大倉)してない してない。

手厚いサポートのおかげで…。
(横山)もう なんか さっきから

捨てられた犬みたいに
キョロキョロしてるのよ。

僕… 僕だけ置いていかれてたら
まずいなと思って。

(村上)いや 大丈夫よ。 大丈夫…。
(神宮寺)ですよね。 でも…

ついていってます。 はい。

では 実際に 冨田は

どのアレンジ部分に
こだわったのか?

そこには2つのポイントが。

(村上)解決を先送りにするコード。

(高橋)解決を先送り?

♬~(キーボード)

♬~「強く」

(村上)当たってるやん!

超売れっ子 ボカロPが
スタジオに。

あまり顔を 明らかにしない3名は
どんな登場に?

プロが嫉妬する名曲。

解決を先送りするコードとは?

メロディーがありますよね?
メロディー自体は

全く変わらないんだけれども
後ろの背景を変えていく事で

ストーリーを作っていくって…
僕 言ったんですけど。

変わり具合
変わる深さとかが重要なので

それを
コードで演出できるんですけど。

これを理解するためには

コードの機能を知る必要が

あるそうで…。

コードというのは
すごく基本的な事を言うと…。

♬~(キーボード)

(冨田)まあ お辞儀の…
あるじゃないですか。

♬~(キーボード)
(冨田)トニック

ドミナント トニック。
(村上)戻る… はい。

(高橋)トニック?
(冨田)この 2個目の

ドミナントというのは

トニックに
すごく戻りたいんです。

これ 戻りたいじゃないですか。
(安田)戻りたい。

♬~(キーボード)
(冨田)これは なんか

安定してるんです。 トニックは。

トニックは安定してるんだけど…。

♬~(キーボード)
(冨田)このドミナントにいくと

不安定で 「あっ…
ああ やっときた」みたいな。

(安田)落ち着くと。
(冨田)…というのがあるんですよ。

コードは 全て そういう事を
基本に動いてるんです。

冨田が言う「解決」とは…。

♬~

安定する音で いったん

雰囲気を落ち着かせる事。

一方 「解決しない」というのは…。

♬~

緊張感のある

先へ続くような雰囲気の音。

簡単に言うと それぞれには

こんな役割があるそうで。

実は ストーリーを作るために

全てが
綿密に計算されているという。

トニックに いかに戻ってくるか
っていう事なんですか?

そうです。 いかに戻るか
どう戻るか いつ戻るか

どれぐらい離れてから戻るか。
(村上)…戻るか。

それが
時間との関係であったりだとか

どう遠回りするかとか。

(冨田)で これを
『Everything』で説明すると

Aメロの
岩崎さんの考えていただいた

一般的なコードで弾くと…。

♬~「タララ ラララ タタタン」

♬~「タララ
ラララ ランランラン」

…という風になりますよね。

♬~「トレリンロンラ」

ここで 頭のコードは
トニックに戻ってるんです。

はあはあ…。
(冨田)そう。 だから

この曲の先々を考えると

この4小節で
「タラララ ラララララン」って

また 出だしに
戻っちゃうわけですよね。

それで そのあと 「ダ タララ」って
Bに少し上がるっていうのが

滑らかではないなと思ったんです。

1回いって ちゃんと戻って…。

着地して
また飛ばなきゃいけない。

そう。 だから 僕は そこを
もう少し その…。

(冨田)で B頭も
もう少し緊張感を持たせる。

まあ いろいろ考えるんですけど。
(大倉)解決させず?

(村上)うん 解決させず。
トニックに戻らないで?

(村上)短い時間に解決させずに

まだ Bまで引っ張る。
そうですね。 だから この…。

♬~「ダリリ レ ドレリンロンラ」

ところは 僕は…。

♬~「タララ ダ ドレリンロンラ」。

♬~(キーボード)

(安田)解決してない。
(大倉)解決してへん。 なるほど!

♬~(キーボード)
(冨田)ここも緊張するコード…。

(高橋)まだ トニック
けえへんのかっていう事?

♬~「タラララ ラ ドラランロン」

これ 解決してないですよね。
次が始まる感じ。

♬~(キーボード)

だから 前に進んでる感じが
あるんですか? 感覚として。

着地すると やっぱり そこで
スピードも やっぱり 落ち着く…。

(村上)いったん… はいはいはい。

これは みんな わかったでしょ?

(丸山)わかりましたね。
(安田)わかりやすい。

(村上)できへん できへん。
もう しんどい。

二度と走りたくなくなるから。

つまり 『Everything』は

曲尺が長く

飽きさせたくないために

安定が続く音ではなく

次へ興味を引っ張るコード進行で

ドラマチックな展開を狙ったのだ。

では 改めて

解決を先送りにする
コードに注目。

この 次の展開へ続く
絶妙なコード進行が

素晴らしい歌とメロディーを
より引き立たせているのだ。

そして もう1つ ポイントが。

多くのプロも口をそろえる

難解なコードなのに

なぜか難しく聴こえないという謎。

そこには MISIAの ずば抜けた
歌唱があるのは もちろんだが

実は アレンジにも秘密が。

♬~「やさしい嘘なら」

(村上)これだけ だから

難しい構築があるのに

そう感じさせない

縦と横の 響き 動きというのは…。

「縦の響き」を簡単に言うと

一見 難しいコードの羅列でも

1つずつの和音が

音楽理論に基づき

安定や不安定などの役割を
損なっていない事。

しかし
難しく聴こえない理由には

横の動きが重要だという。

(冨田)例えば その

『Everything』の
イントロなんですけど…。

♬~(キーボード)

(冨田)まあ これ ありますよね。
これ なんか あの…

いっぱい コード動いてるな
っていう感じ しますよね?

(大倉)確かに。
(村上)しますよ。

♬~(キーボード)

…なんですけど この中に だから

横で考えると… メロディーが
たくさん入ってるって考えると

いいと思うんですね。 だから
一番 聴こえているのは…。

♬~(キーボード)

(冨田)これだと思うんですね。
(村上)はい。

で 次に聴こえてるっていうか…
これ 意識してなくても

絶対 皆さん 感じているのが
ベースの動きで…。

♬~(キーボード)

(冨田)なんか こんな雰囲気が
動いてるなっていう。 あとは…。

♬~(キーボード)

(冨田)これも まあ
メロディアスですね。

だから そういったものが
同時に進行していると

無意識に いろんなとこの音域に
耳がいっても

まあ メロディアスなものが
流れているっていう印象が…。

そこをキャッチすると…。
(冨田)そう。 キャッチするし

更に 無自覚である
コードの機能とかはさ

後ろで ちゃんと ここで動いて
解決してっていう事を

満たしているので だから
難しく聴こえないと思うんですよ。

ただ ここに1個
こういうメロも入ってるんですね。

♬~(キーボード)

(横山)ええー?
(村上)全然 聴こえないです。

(冨田)なんか おかしいですよね?
(村上)おかしい。

そいつ いない方が
いいんじゃないんですか?

だけど これ
コードの中でやるとですね…。

♬~(キーボード)

(冨田)…の時に
これ 鳴ってますよね?

(村上)はあ…!
(冨田)で…。

♬~(キーボード)
(大倉)確かに!

聴こえる。
(安田)いるなー。

(宮澤)気付かなかったけど いる。
(冨田)で…。

♬~(キーボード)

(冨田)ここに…。
(大倉)確かに。

♬~(キーボード)
(冨田)で このところに…。

♬~(キーボード)

(村上)いる いる。
(冨田)入ってるんですよ。

(村上)分解していただいたら
います。

(冨田)聴こえましたよね?
(村上)聴こえました。

(冨田)そうなんです。 だから…。

(丸山)おかしくない。

つまり 難しく聴こえないのは

複数のメロディアスな旋律が

同時に流れているから
というわけだが…。

そんな中に 一見

♬~

今度は
1つずつのコードで聴いた時に

音楽理論から外れていないので

変には聴こえないのだそう。

僕は 割と この 「浮遊感」
という言葉を よく使いますけど。

だから その… ストレートな
メロディーではなくて

そこが滑らかで
メロディアスであるという事も

難しく聴こえない理由の
1つではある。

(村上)はあー…! さあ 岩崎さん
ご本人様の解説でしたけども

いかがでした?
(岩崎)いや もう…

僕は これ 僥倖ですね。
(村上)ハハハハ…!

(岩崎)これを聞くために これに
出続けてきたんじゃないかと…。

では 改めて

横のメロディーに注目して どうぞ。

♬~

という事で

プロが嫉妬する名曲の理由。

そこには こんな

すご技アレンジがあったのだ。

さあ そして もう1曲。
(古田)まだいけますか?

(村上)はい。 続いては
『エイリアンズ』を

岩崎さん 2位に
挙げておられましたけれども

こちらも
分析をしていただきました。

まずは こちらをご覧ください。
どうぞ。

プロも うなる

キリンジ 『エイリアンズ』の
すごさとは…。

作詞・作曲を堀込泰行。

アレンジを
キリンジと冨田の共同で行った

『エイリアンズ』。

この曲に岩崎は…。

中でも岩崎が注目したのは

日本語のアクセントと
こちらのコード進行。

一体 なぜ ここに注目したのか?

(村上)はい。 もう 導入ですよね。
(岩崎)導入あるじゃないですか。

ちょっと 「遥か空に旅客機」って
言ってもらっていいですか?

「遥か空にボーイング」。
(岩崎)ですよね。

…って どういう事かというと

日本語には
アクセントがあるんですね。

で この まあ 今日…。

(村上)あっ! それで
今日 持ってきてくださってた?

金田一春彦さんの名著ですけど

『日本語アクセント』って これは

日本語が どのようなアクセントで

しゃべられているかっていうのが

ちゃんと記されてるんですね。

ここにある 起伏式と平板式の…。
頭高型とか…。

「ふじさん」だったら「ふ」にアクセント。

「みずうみ」だったら まあ… ねえ。

…っていう風に まあ これ見れば

日本人は誰でもわかると
思うんですが。

まず 歌詞があったりした場合に

日本語のイントネーションとか
アクセントを

そのまま メロディーに
ちゃんと乗せてあげると

ものすごい…。
(村上)なるほど。

「遥か空にボーイング」って
今 おっしゃって…

村上さんが しゃべったのって

そのまま メロディーと
同じ動きしてるんですね。

「遥か空にボーイング」。
(岩崎)「遥か空に」って下がってる。

これを聴いて 日本語の
イントネーションっていうか

そのアクセントと同じ位置に
メロディーが

こう いってるんですね。
「遥か」とかはならないんですよね。

(村上)ならない!
(高橋)なるほど なるほど。

(岩崎)「遥か」って こう
下がってますよね 今 音符…

別に 音符は
読めなくてもいいんですけど。

(村上)「遥か空にボーイング」。
(岩崎)「ボーイング」で

ちょっと上がって 下に下がる。
(安田)確かに。

(岩崎)こういう事を
ちゃんと守ってる曲というか。

(村上)「ダーリン」も そうか。
(岩崎)それになると やっぱり

耳に入りやすいんですよ。
(横山)なるほど!

しゃべってる感じで
聴こえてくるって事ですよね。

(岩崎)だから その…
『エイリアンズ』を聴いて

すごく聴きやすいなと
思うんですよね 多分。

それは だから 堀込泰行さんが
そういう風に 多分

計算されてるのか
自分の感覚で メロディーが

口から出るアクセントに
従っていったのかは ちょっと…

まあ ご本人じゃないんで
わからないんですけれども。

すごく 僕は
そういうアクセントを

大事にしてる曲だなという風で…
逆に それが

認識的に
美しいんだなっていう風に

みんな 感じられるというか。
(大倉)うん うん…。

それを踏まえて
めっちゃ聴きたなるよね。

では アクセントに注目して
もう一度。

♬~

更に 岩崎が注目した

こちらのコード進行に関しては…。

(岩崎)この曲は 多分
僕の考える中では…。

はい。
(岩崎)さっき出たコード進行…

ちょっと ギターでやるんで
ギター 弾きますけど 今日は。

ここに こういう…。
♬~(ギター)

こういう動きが出てくるんですね。

で 「僕の町」っていく。

♬~(ギター)

これ 今 見ていただくと…

図形で見ていただくと
わかるんですけど

縦に動くだけですよね。
(村上)はい はい。

これはね
ギターでしか出ないんですよ。

ピアノはね
こうは動かないんです。

(村上)確かに。
(岩崎)ピアノでやると やっぱり

他のコードに
いっちゃうんですね。

ストレートに
3つ落ちる事はないんですけど。

だから こういうものは
ギターの作曲と

僕は 勝手に思ってるんですが。
多分 そうじゃないか… 本当に。

ちょっと これは
冨田さんにも伺いたいんですけど

実際に どうだったのかは…。
まあ プロデューサー…。

(村上)これは 冨田さん…。
(冨田)うん。

確かに その…
泰行君が持ってきたデモは

ギターの弾き語りっぽいもの
だったと思います。

だから 僕は この曲に関しては

先ほど
『Everything』でやったような

コードを すごく変えて…
とかいう事は やってないです。

はい はい。
(冨田)だから 岩崎さんの推測は

100点という…。
(村上)うわー!

(高橋)当たったよ。
(冨田)…だったと思いますね。

…をするという やり方を
していたんですね。

だから 僕が全部作って
提出するみたいな

ソロシンガーのやり方と
ちょっと違って。

アレンジ部分よりも
プロデューサーという意識の方が

僕は強かったです はい。

(村上)プロデュースしてて どこに
こだわってたかというのを

今回 伺いまして そのポイント
というのがございます。

それが こちら。

多分 90年代ぐらいからだと
思うんですけど

僕が その だから…。

(冨田)「できすぎちゃうと
それは届かない」

みたいなコンセプトを

割と持ってましたね。

あまり洗練されても…
って事ですよね。

そういう事ですね。
例えば その イントロとか…。

♬~(キーボード)

…みたいなのあるじゃないですか。
それは 多分

ギター2本で
やってると思うんですけど

これを…。

♬~(キーボード)

オシャレ!
(安田)変わった!

また オートクチュール
着せるから…。

…っていう事も 当然 可能だし。

(村上)はい はい。
(古田)ハハハハ…!

『エイリアンズ』という曲で
キリンジのお二人…。

お二人が。
…やる場合には

全く必要のない…
思い浮かびもしない事ですけど。

なるほど! うわー!

あえて洗練させすぎない
アレンジによって

日本語の良さや 美しい旋律を
際立たせているのだ。

ここまで
2曲を分析してきたが

続いて 岩崎が気になった

冨田プロデュースの曲が
こちら。

(丸山)「あれ? また…」

2020年リリース

Ryohu
『The Moment』。

実は この曲
『関ジャム』の恒例企画

プロが選ぶ 年間ベスト10でも

蔦谷好位置が9位に選曲。

岩崎は この曲に関して

近年の音楽に欠かせない
重要な要素があるという。

♬~「全てが
その答えになりゃいい」

ここも 岩崎さんに
分析していただいたんですが

分析結果は こちらです。

今日やったのは 例えば

コードとか
メロディーとかいう話でしたね。

僕は それと同等に
今 音質っていうのが

全く同レベルで
重要視されるべきだと思っていて。

実際されていると思うんですね。

皆さん 今はヘッドホンで
よく聴かれたりする…。

イヤホン ヘッドホン… はい。
(岩崎)…っていうので

どんどん どんどん 聴く環境が
目まぐるしく変わってきた。

それで サブスクリプションが
始まったりして。

今は海外のものとかは かなり
シンプルになってる 音楽が。

その代わり 1つ1つの音の
磨き方というか

耳触り…
それが聴こえてくるもの…。

それだけ聴いても
もう格好いい みたいなのは

我々は もう
無意識の中で

それを評価する耳を
持ってるんだと思うんですね。

はあー。
(岩崎)…っていうところで

今回の その
冨田さんの曲に関しては…

それのハイブリッドというのは
『Everything』の ああいう

すごく 緻密な計算とかを
されたような和声の中で

更に その耳触りというか
音質の部分まで

パッて聴いただけで
うわっ! ってなるぐらいの…。

音質… 音を磨くって
それ どういう…

どうしたら どうなるんですか?

…っていうので 今日も
また作ってきたんですけど。

(村上)はい はい… ぜひ ぜひ!
(丸山)ありがとうございます!

(村上)手間ばっかり
かかるでしょう もう…。

いいんです。
こういう事は 僕 大好きなんでね。

これ 見ていて…
読めなくて全然いいんです。

これ ドラム譜ですね。

今日 僕が作ってきたの…
まあ まあ ちょっと

僕の… 自分のやつで
申し訳ないんですが

『全裸監督』っていうのが
ありまして

それのオープニングの曲が
あるんですけれども。

それで 僕がやっていた その…
打ち込みのトラックがあるんですよね。

それが どういうものかって…。

で ドラム譜にすると
こういう事なんです。

全く同じものを
2つ用意したんで

ちょっと 聴いてみていただいて。
(横山)聴きたい 聴きたい!

音質の違いを わかりやすく
伝えるために…。

♬~「Why did you just smile」

岩崎が作った

『全裸監督』のメインテーマの
ドラムトラックで聴き比べ。

では 全く同じドラムでも

音質によって
どれだけ印象が変わるのか?

まずは 加工前から。

♬~

(横山)「普通よね?」
(高橋)「うん」

♬~

(大倉)「ああ… 響いてる」
(安田)「違うなあ」

(丸山)「奥行きが…」
(宮澤)「緊張感があります」

♬~

確かに耳触りは全く違う。

そんな音質にこだわって
作られたのが…。

(横山)「ああー!」
(丸山)「何回見たか」

(丸山)「合ってるなあ ムードに」
(神宮寺)「格好いい!」

(安田)「この音が いいもんな」

めちゃくちゃわかりました。
本当に あの…

ボクシングの入場シーン
みたいな感じでしたよね

緊迫感みたいなのが上がって。

(岩崎)でも やってる事は
同じなんですよ あれ。

ほとんど ドラムしかないものに

ボーカルが
乗ってるだけなんですね。

いやあ…!
(岩崎)だから でも…

もう聴けちゃうというか
あの状態で。

…っていうのが やっぱり
今は ああいうものが

好まれるような世界になって…。

(宮澤)でも 逆に
いろんな音質にする事が

できるわけじゃないですか。
(岩崎)はいはいはい。

今 オーディエンスが
求めてるのは

この音質だ
みたいのっていうのは もう

直感とか そういう事なんですか?

やっぱり すごく大きいのは
要素が大きいものですね。

だから さっきでいうところの
キックっていう その…

バスドラムっていうのが
あるんですけど。

ドーン! って
1発いくところの…

さっき 誰か
おっしゃってますけど

3D… 奥行き。
奥行きがあるという事が

すごく大事な事だと思うんですね。
(高橋)ふーん!

日本の音楽とかは 世界の音楽と
ちょっと… まあ 比べる時に

浮世絵とかと比べる事が

僕は割と好きなんですけど。
(村上)絵で? はい。

(岩崎)
日本の空間認識的な発想って

こういう事になるというか。

これは 広重の
『あたけの夕立』ですけど。

左が『ラス・メニーナス』っていう

ベラスケスの
世界三大絵画の1つ。

これ 実際に
マドリードに見に行くと

この先があるような
錯覚を起こすんです。

(村上)はあー!
奥行き 本当に…。

別に 日本と世界を そんなに
比べる必要もないんですけど

世界で好まれるのは
そういう3D感というか。

やっぱり 奥行きが
バッ! って広がる。

…っていうのであれば 逆に
ドラムだけでも音楽は聴ける。

(大倉)なるほど。
(村上)うわー!

でも わかりやすいですね。

どっちがいい 悪いではなくて
って事ですもんね

これは 聴き方として。
そうそうそう。

それぞれの良さがあるという

西洋と日本の奥行きの違い。

その奥行きの
違いを

視聴者の皆さんにも
体感してもらうべく

岩崎は 2つの
楽曲を用意。

できれば
ヘッドホンで

お聴き
ください。

『ラブライブ!』の曲とですね

アッシャーの『Climax』
っていう曲なんですが

これを2つ
連続して聴いてもらって

あの浮世絵と
『ラス・メニーナス』を

ちょっと
思い浮かべながら…。

(大倉)奥行きの差って事ですね。
(岩崎)奥行きの差ですね。

(岩崎)じゃあ…。
(村上)どうぞ。

♬~「Welcome song!
ひとつになる心」

♬~「だからここが私たちの
Never ending stage」

♬~

うんうんうん。

♬~

♬~「Going nowhere fast」

♬~「We’ve reached
the climax」

♬~「We’re together now」

(高橋)はあー!
(丸山)わかりやすい!

1発で
立体感 違うのがね…。

ヘッドホンが変わったみたい。

(岩崎)だから どっちが
いい 悪いという事ではなく

逆にいえば 『ラブライブ!』
みたいな音像っていうのは

海外では あんまりないので
逆に 海外の人が

すごく熱狂的に
好きになるパターンもあるし

逆に 『Climax』みたいな
ああいうサウンドっていうのは

今の欧米のサウンドには
すごくある形という…。

(村上)うわ!
わかりやすかったっすね 今のは。

やっぱり 要素が少ないんですね。
3Dを出すという事は

1つ1つの要素を かなり
作り込まなきゃいけないので

要素は少ないんです 本当に。
だから これは

いわゆる 和声と旋律と
全く別路線で…

でも 一番
今 大事にしなきゃいけないのは

ここだという風に 僕は…。
(村上)そこから分析した結果

ラボさんが今回 使ってた…?
(岩崎)そうですね。 だから…。

それが しかも
ハイブリッドだっていう…

質感も ちゃんとしてるし

和声も ああいう風に ちゃんと

決め細やかに
作ってあるっていうのが…。

これは ラボさん やっぱ
いろいろと意識されて。

そうですね。 やっぱり 音質…

音色に関して
意識的になるっていうのは

今の時代の音楽家
全員そうだと思うんですよ。

まあ 音質は その コードだろうが
メロディーだろうがより

何より先に リーチするというか
届くのは

最初は音色なんです。
(村上)はい はい!

(冨田)で 岩崎さんは 先ほど

奥行きを中心にね
説明されましたけども

僕が この『Moment』で
やった事に関しては

90年代に
「Lo-Fi」という言葉が

生まれたのは
ご存じでしょうか?

えっ? 知らないですわ。
(冨田)あの…

Hi-Fiに対して
Lo-Fiなんですよ。

(村上)はあ はあ…!
(冨田)まあ 簡単にいうと

レコードっぽい音質に
するとか。

あと 僕らの作業的には
汚すとか。

(村上)ブツブツさせたり
あえて。

あと 「音色を なまらせる」とか
そういう風にいうんですけれども。

それが 先ほどの話にもあった
聴取環境の変化によって

90年代にいってたLo-Fiよりも
もっと細かな解像度で

汚し方であるとか
Lo-Fiの差で

ストーリーを展開させていくとか。
(村上)はあー…!

(冨田)あとは 楽器同士の距離も

Lo-Fi具合で出していける
っていうようなのが

今なんだと思うんですけどね。
そういう事をやりました。

それが まさに 今
冨田さんがやってらっしゃる…。

なるほど なるほど。
(村上)はあー!

♬~

♬~「R y o h u」

では 「音の質感を汚す」とは
どういう事か

『The Moment』の
イントロ部分で解説。

♬~

♬~「掴めよ Only You」

♬~

これは 何もしてないんですけど
途中で だんだん 音が

悪くなっていく感じに
していくので。

すごい。
(大倉)ええー!

で… こう
始まるじゃないですか。

♬~

(宮澤)本当だ!
(冨田)今 1段階…。

♬~

(冨田)これも
どんどんですね…。

ホンマや!

♬~

…という まあ
ここまでもできますし

それを 更にもっと…。

♬~

ああー!
(大倉)あっ すげえ!

(高橋)戦後のラジオやん。

(大倉)すげえ!
(横山)白黒映画 出てくるよね。

(冨田)そうですよね。
だから これぐらいまでやると

多分 その…
顕著にわかるじゃないですか。

だけど
これを もう少し微妙な差で

楽器ごとにやったりするんですよ。

(大倉)なるほど!
(高橋)へえー!

(大倉)そんな細かい事を。
(冨田)そうなんです。

(神宮寺)僕 やりすぎちゃって
変になっちゃいそうです。

僕 もし やったら。
(村上)わからんくなるやろね。

最初に聴いた あれが良かったけど
やっていくうちに

こっちもいいか… でね
迷って 迷って。

(村上)ですよね! もう。
(冨田)ちょっと悪くしてても

しばらく聴いてると
もう それに慣れちゃう。

(村上)それ よく なりますよ。
(丸山)ああ 慣れか。

あっ まだ足りないかっていって
次の朝 聴いてみると

もう グチャグチャになってて
聴こえない。

ラボさんでもあるんですね。
(冨田)…みたいな事はあります。

(村上)はあー!
なんか 安心しましたけど。

♬~「進め」

「ぬくもりと痛みに」って
こう ちょっと…。

次回 LiSAが
スタジオトーク初登場。

プロ目線で
ボーカル面のすごさを分析。

エアポケットみたいな感じで
グーン! って

落ちていくんですよね。
(丸山)なんだ? これ。

歌の秘密が詰まった
歌唱メモに…。

歌い分け 豪華実演も!

♬~「強く」

♬~「強く」

Source: https://dnptxt.com/feed/

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