出典:EPGの番組情報
情熱大陸【女優/広瀬すず・後編▽直面する壁、そして意地…長期取材で語った言葉】[字]
演じる役は、かつて「誘拐事件の被害女児」だった女性。主演映画『流浪の月』の役作り…直面する大きな壁と撮影現場で見せた意地。“女優・広瀬すず”が今、思うこととは
番組内容
2020年の本屋大賞受賞作『流浪の月』。李相日監督が映画化する話題作…この作品で広瀬が演じるのは誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かないさらさ)。“更紗”という役を理解するために、過ごした環境に身を置く一方、李監督からは「役柄に合わせて儚げなシルエットに」という注文が。トレーナーによる徹底した食事制限と減量。大好きなラーメンもしばらくお預けなのだ…。
番組内容2
撮影が始まると、広瀬が纏う空気は一変する。カメラを前にした時の集中力――だが実はこの時、広瀬は女優として大きな壁に直面していた。ここ数年、広瀬のスケジュールは多忙を極め「役を“こなしている”自分がいるのでは」と感じることも…。現場では、生半可な気持ちで役を演じることは許されない。 映画『流浪の月』の撮影現場で見せた意地。そして、1年に渡る長期取材の果てに“女優・広瀬すず”が語った言葉とは…?
プロフィール
【女優/広瀬すず】 1998年静岡県生まれ。2012年にモデルとしてデビューし、翌年女優デビュー。 主な出演作に、映画『海街diary』(第39回日本アカデミー賞 新人俳優賞)、『ちはやふる』シリーズ、『怒り』、『三度目の殺人』(第41回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞)、『いのちの停車場』、ドラマ『学校のカイダン』、連続テレビ小説『なつぞら』、『anone』。
プロフィール2
2019年には『Q:A Night At The Kabuki』で初舞台を踏み、第54回紀伊國屋演劇賞 個人賞受賞。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
公式HP
【番組HP】 http://www.mbs.jp/jounetsu/
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
福祉 – 文字(字幕)
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<1本の映画を作るには
さまざまな準備を
しなければならない>
(広瀬)こんな感じなんだ 坊主って
(メイクスタッフ)
いやいや だけじゃないです
<特殊メイクに必要な
どろどろの液体が
広瀬すずの首から上に
塗られていった>
<彼女には初めての経験だ>
<これが5分ほどで固まり
顔の型が出来上がる>
じゃ ゆっくり外していきます
(メイクスタッフ)体を
ちょっと前に倒してください
…で 頭を後ろに
ゆっくり引いてください
はい ありがとうございます
すご~い
(メイクスタッフ)ばっちり取れました
ありがとうございます
何か ちょっと寝ちゃった
(笑い)
(メイクスタッフ)余裕ですね ハハハハ
えっ すご~い
(メイクスタッフ)ありがとうございます
よく 東宝で見るやつ
(メイクスタッフ)そうです それです
型取り 全然 余裕
余裕
安心感?
うそ すごいね
何か 初めてやる人とかね
結構びびったりなんかして ほら
何か
呼吸できないんじゃないかとか
(メイクスタッフ)そうそうそう 皆さんね
そう
えっ 何か
映画の人になった気分です
ホントだ すごい厚さだね
<デビューから10年の節目を
記念して
新たな写真集も出版される予定>
私 満面の笑みですよ だって
よいしょ
<演技力が
高く評価されている彼女に
直球の質問をぶつけてみた>
えっ 何だろう
こんなに何か…
ヘラヘラした回答でいいのかな
何だろう 役…
演じる感覚ですか?
う~ん…
何か 一番…
う~ん…
感想が単調 う~ん…
だから 何か…
<虚像と実像の間を行き来する
俳優という仕事>
<主演映画の現場には
私たちの知らない広瀬すずがいた>
♬~
<主演作のクランクインまで
ひと月>
<広瀬すずは 共演者の一人
横浜流星と 初めて顔を合わせた>
<監督は「フラガール」や
「悪人」などで知られる 李相日>
<広瀬と組むのは
今回が2度目になる>
(横浜)はい
(李)横浜に対するイメージ
作品とか
まぁ それ以外の見え方
まぁ
中で出てるものからのイメージ
(李)まつ毛が長い
何か 作品見てても
何かすごい 似てる目の人が
いないなと思うので 何か…
(李)バサッて感じ
うん
思うだけじゃなくて
分かんない 勝手に感じたりして
ないですかね? あれ?
勝手に
何か 下手に座ってやるより…
<ここから先は
監督と俳優2人のリハーサル>
<立ち会うことは許されなかった>
<李監督は 俳優に求めるレベルが
極めて高いと聞く>
<リハーサルは4時間に及んだ>
(スタッフ)お疲れさまです
お疲れさまでした
すいません
ご迷惑をおかけしまして
全然 こちらこそ
またお願いします
またお願いします
お疲れさまでした
ねぇ 夜になっちゃいましたね
(スタッフ)なっちゃいましたね
どんな
リハーサルだったんですか?
何かもう
ずっと エチュードというか
同じシーンを 何十回やったか
分かんないんですけど
やっぱ エチュードなので
考えながら
次 こういう会話に進んだら
いいのかなとか
次の この話題に持ってくのに
ここを埋める…
こことここの ここを埋める会話を
どうすればいいかなとか
やっぱ
考えながらやるじゃないですか
何か その 考えるっていうのは
役よりも自分が前に出ちゃってる
瞬間… だから
やっぱ それが もうちょっと
なくなるといいよねっていう
だから まだまだ リハーサルにも
なってないよねって言ってました
今日はリハーサルにも
なってないよねって言ってて
<映画の原作は
去年 本屋大賞を受賞した小説
「流浪の月」>
<9歳で
誘拐事件の被害者と騒がれ
屈折を抱え続けてきた主人公を
広瀬が演じる>
<事件当時 まだ少女の主人公が
一人の大学生から
声をかけられるのが この公園…
という設定だった>
<彼女自身が この場で
カメラの前に立つことはない>
<けれど ここは
主人公の未来を変えた場所>
<見ておこうと考えたのは
役作りの一環だった>
井上さん ブランコ苦手ですよね?
こぎ方 もう忘れちゃって
でね 更紗は
今 僕がこいでるところですね
実はですね
実は 逆のほうがいいんですね
ここ 面白いんですよ
文が見えるんです
そう それで 目線がチラチラ…
ちょっと 僕 こいじゃったから
これ…
ありがとうございます
これに座ってもらって
座って ちょっと ゆっくり
こいでみてもらっていいですか?
これぐらいか
<少女は
このブランコに乗っている時
大学生の存在に気付くらしい>
<広瀬は 体を絞るトレーニングに
取り組み
食事制限で減量に励んだ>
<監督が思い描く主人公は
どこか はかなげなシルエットの
女性だという>
キャ~!
大丈夫
<李監督の作品には 6年前
17歳の時にも出演している>
<演じる意味と
心構えをたたき込まれた>
えっ?
えっ? みたいな
何か そのあと
「ちょっと来い」って言われて
すごい 現場離れて
誰もいない所に呼ばれて
すごい冷静なトーンで
「この映画 壊す気?」って
言われて
確かに 何か 台本上でも
私が演じてた役が
映画の
ラストシーンだったんですよ
だから…
それ言われて…
<その作品 「怒り」>
<痛ましい事件に巻き込まれた
高校生が
ラストシーンで感情を爆発させる>
(叫び声)
(叫び声)
(叫び声)
(映画スタッフ)
はい じゃ 携帯お願いします
<「流浪の月」の
撮影がスタートすると
広瀬は 再び
監督の厳しさと向き合った>
(映画スタッフ)
はい じゃ本番いきます
(李)はい 用意…
はい!
(映画スタッフ)スタート!
<警察で取り調べを受ける主人公>
「私は
梨花ちゃんのお母さんに頼まれて」
(刑事)「分かってますよ」
(ノック)
(刑事)「はい どうぞ」
(李)カット
(映画スタッフ)はい 続けていきます
(李)う~ん 何ていうの?
(李)はい いきます
(映画スタッフ)本番
(李)はい 用意…
(映画スタッフ)用意…
(李)はい!
(映画スタッフ)スタート
「何も やましいことありません」
「私は
梨花ちゃんのお母さんに頼まれて」
(刑事)
「うん えぇ 分かってますよ」
(李)はい カット
はい いきますよ
(映画スタッフ)…いきます
(映画スタッフ)はい ちょっと直します
(映画スタッフ)はい 携帯お願いします
扉 閉めてください
じゃ 本番いきます
カメラ回るよ
(李)はい いきます
(映画スタッフ)本番
(李)用意…
(映画スタッフ)用意…
(李)はい!
(映画スタッフ)スタート
「何も やましいことありません!」
(李)何ていうのかな…
(李)もうちょっと こう…
何ていうのかな
(李)ふててるというかさ…
(鐘の音)
<テイクは もう20回を超えていた>
(映画スタッフ)
はい じゃ本番いきます
本番
(李)はい 用意…
はい!
(映画スタッフ)スタート
「何も…
やましいことはありません」
「私は
梨花ちゃんのお母さんに頼まれて」
<俳優の務めは 監督に応えること>
<広瀬は 最後まで もがき続けた>
お疲れさまでした
<自分は 与えられた役を
生きているか…>
<苦しくて果てしない自問自答を
しかし彼女は どこか
楽しんでいるように見えた>
<雨の長野…>
<ロケ現場には
水中カメラが用意されていた>
<湖に身を沈め
声にならない叫びを上げる主人公>
<重要なカットになりそうだ>
<夏というのに冷たい雨>
<カメラは
水中で叫ぶ主人公の顔を狙う>
(映画スタッフ)
はい じゃあこれで本番いきます
はい では 本番 用意…
(李)本番
(映画スタッフ)本番
(李)用意 はい!
(映画スタッフ)
はい カット カット カット
<彼女は 自らリテイクを申し出た>
<監督が かすかにうなずく>
(映画スタッフ)はい回します 本番!
(李)用意 はい!
(李)はい カット!
(映画スタッフ)はい カット!
はい OK OK OK!
じゃあ 上がっていただきましょう
頭 使わなかったよな?
ハハハハハ!
(李)お疲れさまでした
お疲れさまでした
(男性)…いります?
使いません お疲れさまでした
(スタッフ)すごかったです
(スタッフ)面白かった?
あっ そうなんですね
ありがとうございます
はい
イトウさんに ラーメンだけ
ダメって言われてるんですよ
<2か月半の撮影が終わった
3日後>
<町中華にやって来た広瀬は
早くも興奮していた>
へぇ~
ヤバい ちょっと待って
1回 気合い入れる
いただきます
<大好物のラーメンにありつくのは
4か月ぶり>
<映画に取り組んだ日々が
どれほど彼女を追い詰め
悩ませていたか>
<その表情が教えてくれた>
んふふふ…
涙が出そう
涙が出る んふふふ…
別に…
分かりやすく言うと
<頼もしい言葉だった>
はぁ~! うまし!
<俳優・広瀬すずは
まだまだ化けるに違いない>
失礼します
<それにしても
豪快な食べっぷりではないか>
う~ん
はぁ~
このお風呂…
このお風呂 欲しいです
入りたい
塩分 最高!
塩分 おいしい!
<シャイで
口数少ない男がつぶやいた
孤高の人生観>
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