出典:EPGの番組情報
あさイチ「介護する子どもたち 家族に何が?」[字]
親などの介護やケアを担う子供、ヤングケアラー。その数は中学生の17人に1人に上る。今回、子供に頼って暮らすという親にも取材。こうした家庭で何が起きているのか?
詳細情報
番組内容
親などの介護やケアを担う子供、ヤングケアラー。その数は中学生の17人に1人に上る。今回、子どもに頼って暮らすという親にも取材。いったい、こうした家庭で何が起きているのか?どう支援していけばいいのか?【ゲスト】青木さやか【キャスター】博多華丸・大吉、鈴木奈穂子
出演者
【ゲスト】青木さやか,【出演】大阪歯科大学准教授…濱島淑惠,【キャスター】博多華丸,博多大吉,鈴木奈穂子,【リポーター】石井隆広ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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- VTR
- 井上
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
生字幕放送です。一部、字幕で
表現しきれない場合があります。
鈴木≫おはようございます。
大吉≫1月24日月曜日の
「あさイチ」です。
華丸≫早めに誤解がとけて
よかったですね。
大吉≫奈々ちゃん
佐々木希さんがだいぶ
かわいそうになってきた。
鈴木≫最初
警戒していませんでした?
すばらしい方でした。
大吉≫実際は
ジョーのことも一生懸命。
華丸≫ちゃんと別のホテルを
取っていましたからね。
旅館で2人でお茶を飲んでるとき
はどうしようかと思いました。
鈴木≫ベリーちゃんも
トミーさんもすばらしいですね。
大吉≫トミーさんは
お酒飲みすぎですね。
びん持ったまま
これはだめだよね。
華丸≫ラッパ飲みはね。
鈴木≫きょうは
国会中継が予定されていますので
8時55分までの予定です。
きょうのゲストは
青木さやかさんです。
大吉≫きょうの特集はこちらです。
石井≫未成年の子どもが
介護や家事を担うことになったら
家庭はどうなるのか。
20代の男性です。
認知症の祖母と、うつ病の母親を
中学生のころから介護しています。
学校に通っていたころは
早朝から深夜までの
家事と介護で疲れ
休むことが多かったといいます。
≫お母さん、夜の分の薬。
しっかりのんでね。
親などの家族を介護する
ヤングケアラーと呼ばれる
子どもたち。
その数は、中学生の
17人に1人に上っていることが
分かってきました。
一方、子どもに頼らざるをえない
親は、どんな状況なのか。
4人の子どもを持つ
シングルマザーです。
精神障害があり症状が悪化すると
寝込むことも多く
家事や自分のケアを
幼い子どもたちに
任せざるをえませんでした。
そんな自分は
母親失格だという思いに
苦しんできたといいます。
子どもに負担をかけることに
心苦しさを感じながらも
どうすればいいか
分からなかったといいます。
きょうは、ヤングケアラーと
その家族の問題について
考えていきます。
鈴木≫きょうはヤングケアラーに
ついてということで
青木さんもお子さん
いらっしゃいますが
ヤングケアラーについて
考えたことありますか。
青木≫私もシングルで育てていて
うちの娘は
12歳になるんですけれども
ひと事じゃないなと思いながら
VTRを見ていたんですがこの先
自分が調子が悪くなったりしたら
子どもに頼るというか
できてしまう年なので
手伝ってもらっちゃうんだろうな
というふうに思いますから
すごく身につまされるという
感じで見させてもらいました。
大吉≫データでいうと
ヤングケアラーといわれる方は
中学生で17人に1人とか
この数は驚きでしたね。
石井≫その前に
ヤングケアラーという人たちは
何なのかご紹介します。
お手伝いの範ちゅうを超えて
担っている子どものことです。
ヤングケアラー
中学生の17人に1人
高校生の24人に1人ということ
が国の調査で明らかになりました。
クラスに1人、2人いる
計算になってきますね。
鈴木≫本当にこうした数字も
最近分かってきたことかな
というふうに思いますけれども
きょう、ヤングケアラーについて
皆さんからもメールや
ファックスを募集していきます。
子どもに自分や家族の介護や
家事などをしてもらっている。
子どものころ、家族を介護した
また身の回りにこうしたお子さん
がいるといった経験談ですとか
番組を見て感じた疑問や質問など
ぜひお寄せください。
石井≫NHKでは
ヤングケアラーに関して
特設サイトを開設しています。
左下に出ているQRコードからも
アクセスできます。
家族のケアをした人たちの
体験談でしたり先進的な
支援制度のことなど
分かりやすく解説しています。
ぜひご覧いただければと思います。
まず未成年で家族のケアを
することになったら
どんな状況になるのか
中学生のときから介護を続けて
いる男性を取材しました。
(VTR)
井上大樹さん、29歳です。
認知症の祖母と、うつ病の母を
中学3年生のときから
介護しています。
井上さんは、毎日
家事と祖母の食事や入浴の
介助などに追われ、睡眠時間は
一日4時間ほどだといいます。
こうした家族の状況は
井上さんの人生に
大きな影響を与えました。
10代のころ、井上さんは
いつも疲れ果て学校は休みがち。
授業に出ても、寝ていることが
多かったといいます。
≫おい、授業終わったぞ。
≫起きろ。
≫大丈夫か?
≫すまん。
さらに、介護のため
すぐ家に帰らなければなりません。
友人たちが
部活や遊びに誘ってくれましたが
いつも断っていました。
そんな井上さんにとって
唯一、心安らぐのが
料理をしているとき。
実は、調理師になりたい
という夢があったのです。
そんなある日、母から
井上さんの将来の仕事について
提案がありました。
介護職を目指して
高校で介護を勉強したらどうか
というのです。
このまま介護を
続けていくことになるなら
そのほうがいいかもしれない。
井上さんは、調理師になることを
諦めたのです。
その後
介護ヘルパーになった井上さん。
今も仕事をしながら
母と祖母の介護を続けています。
鈴木≫青木さん
どうご覧になりました?
青木≫つらいですよね。
この彼は
自分が学校で誘われないこととか
調理師になりたいこととか
ご家族に言えているのかな
というふうにも
親のことを思うと言えないんじゃ
ないかなと思いましたし
でも、一方でお手伝いというか
やりたいという彼の気持ちも
よく分かりますし。
大吉≫投げ出すわけにはいかない
というね。
でも当然、人生に大きな…
人生を大きく左右することだと
思いますし。
石井≫ほかの番組で事前
アンケートしたところ
いろんな声が寄せられました。
ヤングケアラーだった方からです。
石井≫かなり日常生活に
影響が出てくるということなん
ですが、ここからは
社会福祉がご専門で
ヤングケアラーの調査を
行っている、濱島淑惠さんです。
よろしくお願いします。
濱島さん、こうした
ヤングケアラーの声
どうお聞きになりましたか。
濱島≫やはり一見普通のお手伝い
というふうに見えても
ケアを必要とする家族がいる中で
行われているお手伝いと
なかなか違ってくると
量も増えてきますし
責任が出てくる
必ず確実に毎日行わなければいけ
ない、そうしないと家族が
回っていかないという状況がある
ということです。
そういう中で、当然
学業への影響、学校に行けない。
家で勉強することが
できないですとか
学校に頑張って行くんですけど
授業中、寝てしまうですとか
VTRに出てきた
机に突っ伏している姿なんかです
と、何人もヤングケアラーの顔が
浮かびました。
本当によく聞く話です。
大吉≫こういう現状は学校が
気付くとかというのは
あるんですか。
濱島≫なかなか難しいんですね。
1つには表面的には
学校生活に影響が出ていない
ケースもありまして
頑張って学校には行く
家では勉強できないので
休み時間中に
宿題をやったりすると
熱心な頑張っている生徒さんに
しか映らないので
まさか家庭でそんなことが
起こってるなんて
思いもよらないわけですね。
学校生活に影響が出ている場合
でも遅刻、欠席の理由を
聞かれたときに
うまく説明できない
言語化できないというところで
なかなか理解してもらえない
というのがあります。
そういうところで
気付きづらさがありますし
たとえそれを自分で説明して
学校側がキャッチしたとしても
いわゆる児童虐待とか
不登校、非行とか今までの
児童に関わる問題のどのジャンル
にも当てはまらないので
手の出しようがない。
お手伝いがしんどいだけでは
手の出しようがないというのが
あって内部事情がつかめないと
いうところもありますので
そういうところで対応のしづらさ
があるのかなと思います。
石井≫もうひと方
直接お話を伺います。
石井≫認知症の祖母の介護が
始まり、お母さんがそのころ
亡くなりました。
精神的に追い込まれた状態で
パニック障害になって
大学を1年間休学しています。
4年前にはおばあ様は亡くなって
現在は介護をしていないという
ことです。
きょうはお電話がつながってい
ます。
大吉≫おはようございます。
トモミさん18歳のころから
ケアと家事を担うようになったと
いうことですがこのときはどう
いうお気持ちでしたか?
トモミ≫このときはとにかく
頑張らなきゃなというのと
ほかのきょうだいに迷惑を
かけたくなくてやらなきゃと
せっぱ詰まっている感じで
頑張っていました。
大吉≫21歳のときに
おばあちゃんの介護というのも
加わって、このときは
大学も通われていたと
思うんですが
大学生活との両立とか
ものすごく
大変だったと思うんですけど。
トモミ≫そうですね
家でやることも増えて
まだ、ちょっと
大学の授業とかも忙しかったので
レポート仕上げたり授業に出たり
家では家事をやったりと
大変でした。
大吉≫お友達とかたくさん
いらっしゃったと思うんですけど
そういう方にこういうお話とか
したことは?
トモミ≫どうしてもちょっと
母が亡くなったことと
話がつながりやすかったので
重たくて
友達には話しづらくて
そういう話はしなかったですね。
大吉≫お友達以外にも誰にも
これは言えない状態でずっと
ケアの生活が続いていたという
ことですか?
トモミ≫そうですね。
祖母の担当をしてくださっていた
ケアマネージャーさんにも
祖母の生活面で
相談はしていたんですけど
介護する自分のことになると
違うかなと思って
お話はしていなかったです。
大吉≫ケアマネの方が
いらっしゃったとしてもその方と
するぐらいで、基本的には
トモミさんも相当な分量を
ケアと家事で負担なさっていたと
いうことですね。
トモミ≫そうですね当時は。
華丸≫体調とかご自身の体調も
なかなか
具合が悪くなったりとかも
されたんじゃないですか?
トモミ≫実際、二十歳のとき
母が亡くなって
少したったときに
パニック障害になってしまって
通学も難しくなって
大学を休学することになったり
したこともありました。
青木≫ご家族でお話し…
話し合いというか相談というか
そういう時間は取られたんですか。
トモミ≫あまり
話し合いという形ではなくて
父からは、女の子だし
お姉ちゃんだし、家事やるのは
トモミがやるのが当たり前だよね
というふうに言われたことは
あったんですけど
相談とか話し合いという感じでは
なかったですね。
青木≫負担が自分にある
大きいというのは
家族には言えなかった
ということですかね?
トモミ≫もうちょっと
手伝ってほしいなと思うことは
あったんですけど
ほかのきょうだいと私が
年が離れていたので
やらせるのも
かわいそうかなと思ったり
そもそも父とも
離れて暮らしていたので
話す時間が持てなかった
というのもありました。
大吉≫お父さんは
海外にいらっしゃって
弟さんは4歳も下なので
自分で頑張らなきゃと
トモミさんはなられたんですね。
トモミ≫それで手伝ってというの
は言いづらかったです。
大吉≫きょうはたくさんの
ヤングケアラーの方
番組見てくれてると思うんです
けど、そういう方々に伝えたい
ことありますか?
トモミ≫私は自分が当時
ヤングケアラーだという認識が
なかったんですけど
今はそういうことばも
ちょっとずつ世の中に
浸透してきているので
私が現役だったころよりは
支援とか助けてくれる方とかも
増えてきていると思うので
今、現役でヤングケアラーを
やっている子たちが
その子の生活が
ちゃんと送れるように、ぜひ
周りを頼ってほしいなと思います。
大吉≫トモミさんが現役のころは
今、28歳だから、言うたら
10年もたっていないと思うん
ですけど
何だろうな
この10年でようやく動きだした
という感じですかね?
先生。
トモミ≫自分がヤングケアラー
ということを知ったのも
大学を卒業して社会人に出てから
だったんですけど
そんなことばが、あったんだなと
知ることができたので
世の中変わってきたのかなと
思った記憶があります。
石井≫トモミさんお話聞かせて
いただきありがとうございました。
濱島さんはこの声
どう受け止めましたか?
濱島≫トモミさんの場合はですね
ご家族がケアが必要な状態になる
というのが、数珠つなぎで
起こってしまって
ずっとケアをしているという状況
が続いていたのかなと思います。
こういうケースも少なくなく
本当にさまざまなところで影響が
出てきます。
トモミさんの話にあったように
学校生活ではなくて友人関係
健康面、それだけに非常に
しんどい状況をよく頑張って
いらっしゃったなと思って
伺っていました。
それと同時に家族への強い愛情や
絆ですね、私が頑張らなきゃと
いう思いも伝わってきたんですが
これも多くのヤングケアラーから
よく聞かれる話かなと思います。
それだからこそ、つらいとか
言っちゃいけないとか
家族としてやらなきゃいけない
これが当たり前なんだということ
でSOSが出しにくかったり
空気が重くなってしまうので
話せない、周りをかえって
気遣って話せないということが
あるわけですね。
そういうところで
抱え込んでしまうことが
起こってくるんだと思います。
石井≫家族の介護とか
ケアを担うことで
もっと長い期間への影響が
出てくるといいますか
進学や就職ですね
その辺りはいかがですか?
濱島≫介護をするというのは大人
であってもしんどいことだと
思うんですけど
子ども、若者の特徴としては
人間としての基礎を築く重要な
時期に自分のことよりもケアの
ことを優先させなければいけない
そのために学校に行けない
進学できない、体を壊してしまう
ということになってきますと
生涯にわたってきます。
健康もケアが終わったらすぐに
回復するわけではなく結構
続いたりするわけです。
いざ就職する
自分が家庭を持つときの
足かせになってくる。
生涯にわたってくるというのが
ヤングケアラーの特徴の1つかな
と思います。
石井≫なぜ未成年である子どもに
頼らざるをえない状況になって
しまうのか
ある母親がその事情や胸の内を
話してくれました。
(VTR)
山下由紀子さんです。
上は21歳、下は5歳までの
子ども4人を持つ
シングルマザーです。
パニック障害があり
精神障害の認定を受けています。
突然どうきや、めまいに襲われ
しばらく寝込んでしまうことも
あるといいます。
1人では
家事もままならない山下さん。
その生活は、子どもたちに
頼らざるをえませんでした。
≫ねえ、お母さん、お母さん
おむつ、どこにある?
≫えぇ?その辺にあるでしょう。
≫どこ?
≫ねえねえ、お母さん
おなかすいた。夜ごはん作ってよ。
山下さんは、子どもたちのために
何かしてあげたいと
思っていましたが
体調が悪い日が多く
ほとんどできなかったといいます。
≫ただいま。
≫お帰り。
≫晩ごはん買ってきたから
早く食べよう。
そんな山下さんに代わって
買い物や掃除などの家事を
担ってくれたのが長男でした。
≫お母さん、夜の分の薬。
さらに寝込んでしまうことが多い
山下さんを
いつも気遣ってくれたといいます。
≫大丈夫?
発作が出たときは、治まるまで
ずっと手を握ってくれました。
本来、子どもの面倒を
見なければならない自分が
子どもに支えてもらっている。
山下さんは
ずっと心苦しさを感じてきました。
子どもに負担をかけることに
心苦しさを感じながらも
どうすればいいか
分からなかったといいます。
青木≫すごくよく分かるというと
失礼かもしれませんけど
立派で優しい息子さんだなと
思いますけれど
私もパニック症の薬をのんだこと
があるんですけれども
何しろ元気が出ないんですよね。
とてもとても何もできない。
でも誰かに頼るという
元気もないわけですよ。
だから本当に家族というか
子どもに頼るしかないというか。
やってくれるんですよね
子どもが優しいから。
だからこの状況はとてもよく
分かる。
お母さんの気持ちはよく分かるな
と思っています。
大吉≫周りも正直
気付けないじゃないですか
そういうお薬をのんでいるとか。
あれ?何しているんだろう
みたいな目で
事情を知らないと見ちゃうんで
それもまたお母さんを
追い詰めたりすることに
なっちゃうから
これはすごく難しいですよね。
石井≫濱島さんは
どうご覧になりましたか?
濱島≫私も複数のヤングケアラー
の親御さんと話をしたことが
あるんですけれども、同じような
ことをおっしゃるんですね。
自分のケアばかりをしていて
この子の将来は
どうなるんだろうとか
自分は親として十分なことを
してあげられないとか
まずそういう思いを抱えて
いらっしゃるっていうことは
ご理解いただきたいと思います。
そういう状況にありながら
でも、どうしようもない。
自分の仕事と介護があったり
自分自身が病気だったりする。
そんな中で
誰にも相談できないし頼れない。
親自身も孤立状態にあるという
ことをぜひご理解いただきたいと
思います。
石井≫VTRの
山下さんですけれど
行政や周りに助けを求めることを
思いつかず
自分でなんとかしなければ、なら
ないと思っていたということで
誰かに助けを求めるというのは
ハードルが高いんですね。
濱島≫やはり日本の場合は
介護にしても育児にしても
それは家族の責任だという意識が
強いので
それができない、だめな親だと
言われてしまうという不安もある
と思いますし
また病気や障害に対する差別や
偏見もあるわけですね。
それを言ったことで相手がどんな
反応を示すだろうと思ったら
なかなか怖くて言えないわけです。
先ほどお話がありましたように
自分自身のことで
いっぱいいっぱいなので
そういう支援の情報を集めて
手続きをする余裕なんて
とってもないというところがある
と思います。
鈴木≫皆さんから続々と
メッセージも届いています。
支援について
岐阜県の50代の方から。
この方は市役所の職員ですと。
知り合いにもいるんですが
ヘルパー派遣などを提案しても
子どもが嫌がるからと
受け入れてくれません。
困っていることを知られたくない
のだと思いますが
見守るしかないのでしょうか。
どうしようもないんじゃないかと。
先ほどありましたけれど
親御さんが知られたくないという
こともあるし
頼る元気もないかもしれないし
なかなか親御さんの立場でも
難しいという現状もあるという
ことですね。
石井≫先ほどVTRに
出てくださった山下さんは
精神障害があって
家事などを子どもに任せてきま
したけれど半年ほど前に運よく
周囲からの支援につながったん
です。
(VTR)
家事などを子どもに頼って
生活してきたシングルマザーの
山下由紀子さんです。
(チャイム)
山下≫はい。
勝呂≫おはようございます。
この日、やって来たのは
精神保健福祉士の
勝呂ちひろさんです。
行政の子育て相談で、たまたま
自分の病気について話したところ
紹介されました。
勝呂さんは、親身になって
病気だけでなく
家庭の状況についても
山下さんから
聞き出していきました。
それに対して、山下さんは
自分が家事ができず
子どもに頼らざるをえない現状を
伝えました。
山下≫はい、すみません。
≫おはようございます。
山下≫おはようございます。
その後、勝呂さんの提案で
山下さんは、ヘルパー支援を
受けるようになりました。
現在、体調が悪いとできなかった
子どもの保育園の送迎を
お願いしています。
≫じゃあ、お預かりします。
山下≫はい、お願いします。
≫ママに、いってきます。
山下≫いってらっしゃい。
さらに、食事作りや洗濯
掃除などの家事支援を
受けることもできます。
支援によって、これまで家事や
母親のケアを担ってきた長男は
家を出て、1人暮らしが
できることになりました。
石井≫山下さんは支援を
受けられるようになったことで
時間的にも精神的にも
ゆとりができて
体調がよくなって
今は家事もできるようになった
ということでした。
大吉≫今はこういう方が
いらっしゃる
支援を受けられるというのは
安心感にも
つながって、いいことですね。
濱島≫先ほど言ったように
孤立状態というのがありますので
頼れる人がいるというのは
大きいと思います。
石井≫この実例はいかがですか。
濱島≫本当にすばらしいと
思いますね。
担当の専門職の方が
ケアを要する家族だけでなく
ヤングケアラーや家族全体を
ちゃんと見て、そのうえで
今ある制度で何ができるのかを
考えたという
本当にすばらしいと思いますし
ぜひ多くの専門職の方にも
こういった取り組みを
していただきたいなと思います。
ただ今ある制度の中で
知恵と工夫で対応していくには
やはり限界がある。
そこ止まりになってしまう
ところがあるのかなと思います。
石井≫山下さんは親として
支援につながれましたけれど
一方でヤングケアラー本人への
支援制度は
どうなっているんですか?
濱島≫ヤングケアラー本人を
ターゲットにした支援制度が
今まだない、整備されていない
ところなんですね。
どうしても
運に左右されてしまって
支援されるヤングケアラーと
されないヤングケアラーが
出てきてしまう。
仕組み作りはちゃんとして
いかなければいけないと思います。
大吉≫全自治体に
ああいう仕組みがない
ということなんですね。
濱島≫ヤングケアラーを
対象としたものはありませんので
そこをどう整備していくかは
これからだと思います。
石井≫こうした中で
世界に先駆けて
ヤングケアラーと家族の支援に
取り組んできたのが
イギリスなんです。
2014年に法律を作りまして
この中で18歳未満の
ヤングケアラーを見つけ出して
支援するということを
300以上ある地方自治体に
義務づけたんです。
どういうものかといいますと
支援の中心となるのは
支援団体なんですけれども
これは自治体から
助成金をもらったり、あるいは
市民からの寄付などを
活動資金にしていますが
この支援団体が
学校と連携しまして
ヤングケアラーを
見つけ出していくんですね。
どういうものかというのを
イギリスの支援団体の代表に
聞いています。
石井≫もっと詳しく言いますと
例えば、学校の先生は
子どもが急に宿題を
してこなくなったとか
欠席が増えたとか
学校で寝ているといった
ヤングケアラーの
兆候を見逃さずに
この支援団体につなげるんです。
支援団体の担当者が
子どもの家を訪問して
家庭全体の状況を把握するんです。
そのうえで介護サービスですとか
就職支援などの
自治体の支援に
つなげていくものです。
こうして必要な支援を
つなげていくものです。
石井≫つまりイギリスの
ヤングケアラー支援というのは
早く見つけ出して
家族全体への支援をやっていく。
これを大事にしている
ということですね、濱島さん。
濱島≫やはりこういった
家族全体を支援する
早く見つけ出すということが
仕組みとして行われているのは
すばらしいと思います。
ヤングケアラーかなと思われる
子どもをちゃんとキャッチして
それを支援していく。
支援団体につなげていくという
ルートがきちんと出来上がって
いるということですね。
そこが本当にすばらしいなと
思いました。
やはり早くからの取り組みという
のがあると状況が悪化する前に
アプローチすることが
できますので
予防というところにもつながって
いくのかなと思います。
こういった取り組みを
日本においてもぜひ
進めていってほしいなと思います。
鈴木≫まさに教員の方からも
ヤングケアラーである状況を
つかんでいることも実際にあると
思うんだけれども、学校でできる
ことは話を聞くぐらいしかなくて
無力感を感じると教員の方からも
いただいていますね。
石井≫なかなか入り込むのが
難しい現状があるんですか?
濱島≫話を聞くというだけでも
本当にありがたいことで
本人にとって話を聞いてくれる
人がいるだけで大きいです。
ぜひ続けてほしいと思います。
ただ、それだけでは
根本的な解決にはならないので
今つなぐ先がない
そのつなぐルートができていない
というところですね
そこをぜひ日本でも
進めてほしいなと思います。
石井≫日本でも今、少し支援の
動きが出始めています。
神戸市なんですけれど去年6月に
ヤングケアラー
こども・若者ケアラーの
担当者というものをおきました。
そこでは学校の先生や
ソーシャルワーカーあるいは
ケアマネージャー
介護ヘルパー
福祉の専門職と連携して
情報をここで共有します。
情報を共有したものをもとに
ヤングケアラーや家族への支援を
やっていくというものなんです。
神戸市以外にも鳥取県や
福岡市などがヤングケアラーの
専門相談窓口を
設けているということです。
鈴木≫こういった専門窓口はまだ
少ないと思うんですけれども
相談先は今ほかにあるんですか。
濱島≫それが今なかなかない。
看板としてヤングケアラーの
相談も受け付けますよと掲げて
いるところがありますので
そこを探していただきたいと
思うんですが、それもなかなか
少ない状況ですので、ただ
ヤングケアラーに関する認知は
だんだん進んできているんですね。
うまくいくかどうか
分からないんですが
まずは学校の先生ですとか
保健室の先生にお話をしてみる。
また担当の掛かりつけ医や
ケアマネージャーや
ソーシャルワーカー
そういった方に相談してみる
というのはいいのではないかなと
思います。
石井≫さらに
ヤングケアラーどうしの
交流会の場も出てきています。
こちらはヤングケアラー支援に
力を入れている団体が
月に1回開いている
当事者どうしの交流会の様子です。
濱島さんもこうした集いを
開いていますが意義は
どんなところにありますか。
濱島≫やはり民間の支援も非常に
重要になってくるんですけれども
同じ立場の子ども、若者たちが
集まることで
安心して話すことができたり
孤立の解消につながっていったり
人生を歩むヒントやアドバイスを
もらえるという意味で
非常に意義があると思います。
石井≫具体的にどんな声が
ありますか。
濱島≫初めてここに来て
自分のことを初めて話すことが
できた、ですとか
話すことを受け入れてもらえて
うれしかったですとか
自分は1人じゃないことが
分かったとかですね
そういった多くの声を
聞いております。
石井≫身近にヤングケアラーかも
しれないと思うような子が
いた場合に何かできることは
あったりするんでしょうか。
濱島≫いちばん大事なところは
理解をしていただくというところ
かなと思います。
やはり何かしてあげたいという
思いがあるのではないかなと
思うんですが
ケースバイケースですので
一概にこれをしたらいいですとは
なかなかないですね。
ただやはりまずヤングケアラーを
理解していただく。
よくあるのは
親が悪いんじゃないかとか
虐待されている
かわいそうな子なんじゃないか
とかそういった認識を持たれる方
いらっしゃると思うんですけれど
そういった認識だとなかなか
言いだせないということが
起こってしまう、抱え込んで
しまうことが起こるわけですね。
だからこそ
ヤングケアラーについて
その状況や思いを正しく理解して
いただく、味方になっていただく
ことをいちばん
お願いしたいと思います。
青木≫一般的になるといいなと
思います。
ヤングケアラーだと思われない
ように育てなきゃと思うので
言えるように
なればいいなと思います。
大吉≫いろいろな支援が堂々と
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