100分de名著“金子みすゞ詩集” [終](4)「ことばで響き合う未来へ」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著“金子みすゞ詩集” [終](4)「ことばで響き合う未来へ」[解][字]

金子みすゞの手書きの詩512作は弟の雅輔が大切に保管していた。昭和59年その全作が出版、死後50年以上たって初めてみすゞ全集が刊行。国語教科書にも掲載される。

番組内容
平成にはいり、金子みすゞは大ブームとなる。さらに東日本大震災の直後、テレビから流れた詩「こだまでしょうか」は、傷ついた人々の心を癒やした。今では全512作に曲がつき、全国で愛唱される。第4回は「明るい方へ」「このみち」等から、私たちに生きる励ましと勇気を与えるみすゞの詩の力を読み解く。
出演者
【講師】作家/翻訳家…松本侑子,石橋静河,【司会】伊集院光,安部みちこ,【語り】加藤有生子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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未曽有の災害に直面した
私たちの心に響いたのは…。

一冊の詩集も出さず 世を去った
詩人の言葉でした。

「みんなちがって、みんないい。」。

第4回は 私たちを励ます
みすゞの詩の力を読み解きます。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著」 司会の安部みちこです。
伊集院 光です。

今月の名著は 「金子みすゞ詩集」です。

まあ みすゞは詩作への情熱を

ずっと持ち続けた人だったんだなって
思いますね。

前回 第3夜目で
無知な僕は 初めて

金子みすゞが 若くして
自殺をしてしまったというのを聞いて

ちょっと まだ
ショックを引きずっております。 はい。

指南役は 引き続き
作家で翻訳家の松本侑子さんです。

松本さん よろしくお願いします。
お願いします。

よろしくお願いします。

みすゞが亡くなったのが 昭和5年で

そのあと 日本はというと ひたすら
戦争への道を進んでいきますよね。

あの みすゞが憧れていた詩人というのは
そのころ どうしてたんですか?

西條八十先生ですけれども 「東京音頭」。

今もね人気の 「ハァ 踊り踊るなら
チョイと東京音頭 ヨイヨイ」。

あれも八十先生ですし
たくさんの歌謡曲も書かれますが

一方で 軍事歌謡も
たくさん書いておられまして…

これは 女の子の童謡歌手が歌ってですね
レコードになるんです。

ですから 子どもがですね 軍事的なことを
歌うような時代になっていきます。

当時はですね まあ 特に戦争中は…

…という まあ 時代ではありました。

あの 親しかった投稿仲間も
いましたよね。

ああいう人たちは
どうしてたんですか? はい。

「童話」で切磋琢磨した 島田忠夫さん

あの農村のね 静かな詩を書いてた人は
戦争中 ガラッと変わりまして

激しい戦争の詩を書いてます。

こうしたね 戦争の
この軍国主義の時代に

みすゞさんのね…

この小さなお魚の命さえも
いとおしむような詩は

もう どんどん 一般には
忘れられていくという時代になります。

そうですよね。 日本兵が お国のために
手柄を立てたということは

相手の国では 誰か 家族が亡くなったと
いうことなんだという視点を持ってたら

心が もたないような時代だから
ニーズは なかったかもしれないですね。

さあ 戦争によって みすゞが愛した
童謡詩の世界は大きく変わりました。

こちらをご覧下さい。

昭和12年から 日中戦争
16年から 太平洋戦争が始まり

日本は 戦時体制に入ります。

童謡の世界にも 戦意高揚のメロディーや
歌詞が求められるようになりました。

ヒットした童謡の一つが
昭和14年の「兵隊さんの汽車」です。

戦後は 「汽車ポッポ」という
題名になり 歌詞も変わりますが

当初は 子どもたちが日の丸を振り
出征兵士を送り出す歌でした。

♬~

敗色が濃くなった
昭和20年になると

子どもは 死ぬ覚悟で戦えと
児童合唱団が歌いました。

♬~

この時代 みすゞの詩や
大正時代の童謡のような 繊細な心は

軟弱とされたのです。

昭和20年8月 日本は終戦を迎えます。

軍国主義が終わると
子ども心を自由に歌う童謡が

人々の心を打ちました。

昭和23年 童謡歌手 川田正子は
「里の秋」で

南方から復員する父の無事を願う
素直な心を歌いました。

♬~

こうして 平和とともに
童謡の時代が戻ってきたのです。

う~ん…。 何か すごいVTRでしたね。
いや ほんとですね。

戦争というものが
どうやって こう

国民の中に しみこんでいくのか
みたいのが ちょっと分かりますね。

歌とか詩って 大きいですよね 力が。

松本さん 童謡が 戦後に復活した背景
というのは何があったんですか?

やっぱり大きなのは 表現の自由ですね。

何でも この思ったこと 考えたことを

自由に発言できるような国になった
ということで

子ども心を自由に表現する
童謡の精神が復活したこと。

もう一つはですね 大正時代に…

そこで 昭和32年に
「日本童謡集」という本が発行されます。

これは 大正から昭和の
童謡詩の名作を集めた本で

編集した選者はですね 大正時代に…

そこに 白秋先生 雨情先生
八十先生の もう大家の詩と並んで…

ああ…。

また 昭和45年ですけれども

みすゞさんの初の詩集

これ 「繭と墓」という
ガリ版刷りのですね

これは
復刻版なんですけれども

大変薄くて
でも きれいな詩集ができます。

これもですね 編さんしたのは
「童話」という雑誌

あれに詩を投稿していた
檀上春清さんという詩人の方がですね

自分が好きだった みすゞさんの
大正時代の詩を集めて 出されたものです。

初めて 出来ましたね。
ついに!

でも びっくりしたのが
昭和45年じゃ もう僕 生まれてますよ。

そうですね。
時間 かかりましたね~。

忘れないで みんなね
心に みすゞさんの詩をね

大事に取っていたということが
分かりますね。

ほんと よかったですね。

そしてですね
昭和57年なんですけれども

みすゞさんが
一番 詩を投稿していた雑誌ですね

「童話」 全75冊の復刻版が
刊行されるんですね。 すごい。

今日 その復刻版の一部を
前の方に持ってきましたけれども

表紙を書いた川上四郎先生の絵も
美しいですしね。

大正時代の童謡運動の熱気が伝わる
誌面が復刻されまして

だんだん だんだん…

うわ~ 何か時代の流れとともに 一旦は
忘れ去られてたような本なんですけど

やっぱり たくさんの読者は
覚えてたんですね。

そして 昭和59年です。

「金子みすゞ全集」が刊行されるんですね。
うわ~。

で これは 弟の雅輔さんが
だいぶ尽力されたんですよね。

そうですね まず あの児童文学者で
詩人の矢崎節夫先生がですね

雅輔さんに連絡を取られます。

矢崎先生は 学生時代に 先ほどご紹介した
「日本童謡集」に載った

みすゞさんの「大漁」という詩を読んで
衝撃を受けて

ずっと みすゞさんの消息をね
探しておられました。

そこで ようやく雅輔さんにたどりついて
お電話をなさったら

昭和4年に みすゞさんが送って
雅輔さんが ずっと持っていた

手書きの あのノート3冊をですね
矢崎先生にお渡しになって

全集が出ることになったわけです。

あの3冊ですものね。
500作以上のものを手書きで。

つながりましたね!
ねぇ。 やっとですよね。

ほんとにね 雅輔さんは 改めて
みすゞの詩のすばらしさに感動して

また 全集の発行を大変喜んで

そして 平成元年にですね
80代で亡くなられます。

今はですね 下関の上山家のお墓にも
入っておられますけれども

生前からの ご本人のたっての願いで
分骨なさって

ふるさとの仙崎でも 眠っておられます。
へえ~…。

すごい 運命の2人ですもんね。

さあ そして…

改めて読んでみましょう。
朗読は 俳優の石橋静河さんです。

黒い雲からふる ほのかな銀色に光る雨。

青い桑をはむ蚕は 白い体になり

やがて 口から糸を吐いて 繭を作ります。

夕顔の ねじれたつぼみは
ぱらりと ほどけて

大きな花が 清らかな香りを漂わせます。

自然の不思議と神秘に 目をみはって驚く
感性のみずみずしさ。

天から地にふる雨という
大きな宇宙 小さな生き物

草花という 自然界全てを描いた みすゞ。

私たちの命の不思議 その尊さへと
思いを誘うのです。

その心は
次の代表作からも感じられます。

空を飛ぶ小鳥と 地面を走る私。

きれいに鳴る小さな鈴と

たくさんの唄を歌える私。

それぞれが違っていることが
すばらしいと肯定する広い心で

世界を包むのです。

更に2011年 東日本大震災のあと
注目を浴びた詩があります。

テレビから
繰り返し流れ

人々の心を慰めました。

あの でも 震災のあと
流れていたというのは

覚えてる人
多いと思いますけど

伊集院さんは あのコマーシャル
ご覧になってましたか?

そうですね。
もう 見るも見ないもなかったよね。

いわゆる その 商品のコマーシャルは
一気になくなって。

まあ 本当に皆さん いろんな
つらいご経験をね なさったと思います。

私は その直後にですね 文学のイベントで
ドイツに行ったんですね。

そうしましたら 全然 知らない人が
「日本人か?」って聞いてくるんですよ。

「そうだ」というと
「いや~ ほんと大変だったね」って。

「あなたたちの気持ちと
僕たちは共にあるから」とか

「元気 出してほしい」とか

全然知らない タクシーの運転手さんとか
ホテルのスタッフの人が

みんなね 声をかけてくれるんです。

ありがとう ほんとに ありがとうって
言うとね

また 優しい顔をして
笑いかけてくれたり 手を取ってくれたり。

ほんとに初めての経験で 驚いたんですね。

そして 日本に帰ってきたら

さっきの 「こだまでしょうか」が
テレビから流れてきたんです。

私ね ほんとに その時に ドイツの
全然知らない人たちが かけて下さった…

もう 知らず知らず
涙が こぼれてきたんですね。

あの 大変 大きな被害を前にですね
一体 小説って何ができるんだろう。

私も ほんとに
疑問を持ってたんですけれども

この詩を聞いて
あっ 言葉には やっぱり力がある

ずっと 人の胸の中で
こだましていくんだということを

この みすゞさんはね
文学者 表現者として教えて下すった。

だから 何か 逆にいうとね
戦争しようってなった時に

急に 邪魔になるのも
何か分かるんですよ。

あの優しい気持ちとか
細かいことに対する

気付きみたいのが分かったら
戦争できないもん。

さあ では続いて もう1篇 私たちを
励ましてくれる詩を読んでみましょう。

この詩も みすゞさんの詩の特徴があって
小さな かわいいものが出てくるんですね。

ただね ここで大事なのは

陽が さんさんと当たる
大輪のひまわりではなく

藪かげの暗いところにいる
葉っぱなんです。

虫も 昼間 飛んでる蝶々ではなく
夜 飛んでいる虫なんですね。

子どもも 日に焼けた
田舎の子どもじゃなくて

日陰の多い都会にいる子どもなんです。

そういう この…

明るい方へ向いていこうというね
みすゞさんらしい

この生きる励ましに満ちた
巧みな これも構成ですね。

なるほど! ほんとですね。
なるほどですね。

どんな生き物も 明るい方に行くんですよ
というだけの話じゃなくて

そういうことか。

藪かげの草。 ここでいいやって
なんないでおくれよっていう感じか…。

いや~ 励まされますね。
そうですね。

で みすゞの詩 512作ありますけれど

今では 全てに
曲がついているんですね。
ほう!

音楽と相性がいいというのも
やっぱり 童謡詩の特徴でしょうか?

そうですね。

例えば 「夕やけ小やけの赤とんぼ」とか
「シャボン玉飛んだ」など

大正から昭和の童謡運動で作られた
この童謡詩ですね。

もう 世界にも類を見ない
総合的な芸術であって

これは もう 日本が世界に誇る
文化遺産だと私は思っております。

へ~。 何か今ね それこそ
コンピューターとかが発達して

子どもの頃から ちょっと
自分の好きな…。 作れますもんね。

フレーズ
作曲できたりとかするじゃない。

そうすると じゃあ例えば 「明るい方へ」に
歌つけようと思った時に

どう つける? っていうことで
響きが変わったりとかも楽しみで。

そうですね。

もしかしたら
これが 今の時代のいいところとして

新しい その童謡詩の
楽しみ方になるかもしれないしね。

で 松本さんは
最後に 紹介したい詩があるんですよね。

はい。
「このみち」という詩でございます。

「このみち」というとね

北原白秋先生の 「この道」という
作品が有名ですけれども

歌詞を比較すると みすゞさんのね魅力が
また よく分かりますので

ご覧頂きたいと思います。
じゃあ 聴いてみましょう。

まずは 白秋作詞の歌
「この道」から お聴き下さい。

♬~

白秋の「この道」は

少年の日に 母と歩いた道を振り返る…

対して みすゞの「このみち」が描くのは
みちのさきに広がる未来です。

う~ん…。

往きと帰りでいう 「往き」。
あ~。

で あれ もう下手すれば出発前かな。
いこうぜっていう。

そうですね。 私たちが生きていく
人生という このみちのさきに

何があるか 分からないんですよね。

とかく私たちは どうせ
何にも いいことないだろうとか

あとは 年取って 死んでくだけとかね
思いがちなんですが

みすゞさんはね 「このみちのさきには、
なにかなにかあろうよ。」。

今は ひとりぼっちでも
きっとね 仲間がいる。

広い世界がある。

明るい未来があると信じて
歩いていこう。

これもね いい詩ですね。

松本先生の解説で 一気に これが
分かっちゃった気がするんですけど

いこうよと言ってる相手
全然 明るくないですよね。

そうそう。 そうなんですよね。
全然。

希望に満ち満ちた
キャラクターたちじゃないですよね。

ひとりぼっちの榎というのは 木ですね。

蓮池の小さな蛙。

さびしそうな ひとりぼっちの畑でね
うらさびれてる案山子。

で 金子みすゞの生きてきた
環境みたいのを見ると

とてつもない優しさみたいのを感じる。

松本さん 最後に
金子みすゞという詩人について

今 改めて伝えておきたいことは
何でしょうか?

そうですね。 あの 詩を読むとかね
小説を読むということはね

実は 個人的な体験なんですね。
1人で読むものですから。

ですから その読む方の感性とか
今まで生きてきた 人生によって

好きな詩は違いますので
皆さんもね ぜひ…

読んで頂けたら うれしいなと思います。

もしかしたら 生き抜ける人
いるかもしれないですもんね。

いや そうなんですよ。
これを読んでね。

そうやって考えると また すごいですね。
その力が すごいですよね。

いや これで全4回 終了になりますけども
伊集院さん いかがでしたか?

4回を もう1回 見直して
もう1回 見直して… したいぐらい

いろんな要素が入ってたし
1日1篇でもいいし

今日の俺の気分 これだ なのが
見っかるまで めくるんでもいいから

ちょっと ゆっくりゆっくり
また読まないとって思いましたね。

はい。 松本さんありがとうございました。
ありがとうございました。

ありがとうございました。

♬~

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