出典:EPGの番組情報
あしたも晴れ!人生レシピ「いざというとき困らない!相続問題」[解][字]
親が亡くなった後の相続問題。親の財産をどこまで把握していますか?いざというときに困らないため、自分が財産を残す立場になったときの対応もあわせてお伝えします!
番組内容
親が亡くなった後、向き合わないといけないのは相続の問題。財産が少なくても親族間でトラブルになるケースも少なくありません。介護や認知症がからんだ場合、相続が複雑になることも。事前に知識を得ておくことが大切!自分が子どもに財産を残す立場になったときはどうすれば?遺言の書き方など、専門家が、相続をスムーズにするためのポイントをお伝えします!経済アナリストの森永卓郎さんが苦労したという相続体験も紹介!
出演者
【ゲスト】森永卓郎,【出演】弁護士…中山二基子,【司会】賀来千香子,小澤康喬,【語り】堀内賢雄ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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- 大変
- お金
- 検認
- 手続
- 全部
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
必ず来る…
違う。
そう 残されたお金の問題。 相続です。
事前に確認しておかないと
いざという時 苦労するかもしれません。
残された財産には 分割できない不動産も。
家族の中で遺産を巡って
トラブルが発生することも。
経済アナリストの
森永卓郎さんは
両親が亡くなったあとに発生した
相続について こう語ります。
介護の経験は相続の際に配慮されるのか?
ということや…。
相続をスムーズに行ううえで大切だと
いわれる 遺言の作成のしかたなど
相続する側 相続される側 いざという時に
困らないためのポイントをお伝えします。
♬~
「あしたも晴れ!人生レシピ」。
今回は 親や配偶者が亡くなった時の
相続についてです。
どんな知識や備えが必要なのか
見ていきます。
賀来さんは今回のテーマ
いかがでしょうか?
本来だったら 人の死というね
悲しみのあとのことなので
なるべく本当に 家族で穏便に円滑に
というのが理想的なんですけども
なかなか その後 様相が
ガラッと変わってしまうという
残念なことも耳にしたりするので
今日は私も しっかり知りたいと思います。
必要に迫られるまで
見て見ぬふりをしがちな
テーマでもあるかなと思うんですよね。
そうですね。 本当にそうですね。
大事なことなので目を向けて 備えやすく
なるような機会にできればなと思います。
では今回のゲストをご紹介しましょう。
経済アナリストの森永卓郎さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
森永さんは相続で 大変なご苦労をされた
ということなんですよね。
苦労どころか もう本当に…
地獄ですか。
もう10か月間 相続税の申告期限まで
走り続けたという感じです。
お忙しい中で当然 そういった…。
実はですね 私 立場上 脱税というのが
全く許されないんですよ。
もう そんなことしたら 番組 みんな
降ろされてしまうので。
だから とにかく脱税にならないように
しようとしたんですけれども
相続税の申告を整えるだけの作業で
ものすごい大変で。
お金について また特に スペシャリストの
森永さんだと思うので
それでも地獄と おっしゃるぐらい
大変でらしたんですね。
自分のことだったら
できるんですけれども
やっぱり こう うちの場合
父だったんですけど
父の金銭が どうなってるか
不動産が どうなってるか
生命保険が どうなってるか
全然 知らなかったですから。
情報がないと ものすごい大変です。
それでは森永さんの相続のご苦労
一体どんなものだったんでしょうか?
見ていきましょう。
森永さんの両親 京一さんと
トシさんです。
22年前 トシさんが亡くなったあと…
しかし その後 京一さんは脳卒中になり
森永さんの妻が
5年間 自宅で介護にあたりました。
介護費用の支払いは とりあえず
自分たちで払っておこうと
森永さんが負担することに。
その後…
継続的な支払いが発生するため
費用は父親の銀行口座から
引き落としていました。
その預金が底をつきそうになったため
焦った森永さん。
そこで他の銀行口座について
父親に聞こうとするものの
その在りかが分かりませんでした。
本当に分からなかったのかも
しれないです。
2011年に京一さんは亡くなりました。
葬儀も済み 相続財産を確認しようと
両親が暮らしていた家などで
通帳や印鑑を探し始めた森永さん。
父親は銀行に貸金庫を持っていたので
そこに手がかりがあると
思い込んでいた森永さん。
早速 開けてみると…。
入っていたのは なんと卒業証書や
記念写真など思い出の品ばかり。
金めの物って 例えば札幌オリンピックの
記念100円銀貨とか。
何か そんなのしか
入ってなかったんですよ。
そこで…
銀行口座が どこにあるのか 手がかりを
探さなければなりませんでした。
そして やっと銀行口座が判明して
銀行から お金を引き出す手続きを
しようとするも…。
父親が生まれてから死ぬまでの戸籍謄本を
全部 取ってくるようにと
銀行に言われたのです。
「うちの父に隠し子はいません」
つったんですけど
銀行の人が「それは あなたの主張
ですよね。 証拠はあるんですか?」って。
で もう しょうがないから
ずっと 一つ一つ。
手続きにも時間がかかり 苦労して
開示してもらった口座の残高が…。
700円だったことも。
結局 銀行口座9つ 証券口座が2つ。
資産の全貌をつかんだものの
次なる試練が待ち受けていました。
森永さんの場合…
その場合 相続税の課税対象となります。
2011年当時 基礎控除額は…
森永さんの場合は
法定相続人は自分と弟の2人。
財産が 7, 000万円以上あったため
相続税の申告と納税が
必要となったのです。
森永さんは
父親の持っていたマンションなど
不動産の処分の手続きなどに追われ
とにかく時間が足りなかったといいます。
たまたま東日本大震災が起きたので
仕事が全部 キャンセルになったんですね。
その偶然がなければ
おそらく できなかったと思います。
うちは たまたま当時
私が いっぱい稼いでたんで
お金がいっぱい あったんですね。
だから大丈夫だったんですけれども。
そして こんなことも…。
父親の財産を受け取ることができるのは
子どもである森永さんと
その弟で½ずつ。
そこには父親を自宅で介護していた
妻の分は含まれていません。
自宅の介護の時に支払ったお金の
領収書なども取っていませんでした。
その費用を父親の相続財産から
もらうこともできず…。
本当に森永さんの奥様も
よくしてね 差し上げたのに
いや~ いろいろ蓋を開けると
いろんなことが… 期間も迫ってるし
本当に さっき おっしゃったように
やられること 山積みだったでしょうね。
次から次へと試練が
というふうにも見えましたよね。
そうですね。
うちが ずっと立て替えていたお金
というのを
きちんと領収書を取っておけば。
実は もう11年間 うちで面倒を見たので。
11年間。
はい。
とてつもないお金
かかってるんですよ 本当は。
だけど一切 証拠が残ってなかったので。
それをやっておけば おそらく相続税
払わなくて済んだんだろうなとは
思いますけれども。
そこが失敗といえば失敗なんですけど。
お優しさゆえのというかね。
ここで専門家に加わって頂きます。
ご紹介しましょう。
相続に詳しい弁護士 中山二基子さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
相続でですね 大変な思いをする
困ったことになるといったケースは
多いんでしょうか?
そうですね 先ほど森永さんのおうちの
ケースでも分かりますように
お父さんが亡くなったけれども
預金通帳が もっと あるはずなのに
見つからないとね。
どこの銀行に預けてたのかな?とかね。
あるいは田舎に
空き家が ずっと放置されたまま
この空き家 相続して どうするの?
売れるの?とかですね。
そもそも相続のスタート地点で
「う~ん困ったな。 これから大変だな」と
思われるようなケースはありますね。
その相続で困ったことになるケースが
どうも増えているらしいということが
分かるデータがあります。 こちらです。
遺産分割事件調停・審判申し立ての数
なんですけれども
2019年は 1万5, 800件以上ということで
それまでの20年で1.5倍に増加している
ということなんです。
その増え方はね 何ですか?
あんなように増えるというのは。
高齢社会 長寿社会ですから残された
例えば妻は
自分の これから先の長い老後を考えたら
遺産は すごい大事ですよ。
特に扶養も今
子どもに期待できない時代ですよね。
しかも子どもの側の相続人も 自分の子の
教育費が ちょうど かかる時期だったり
家のローンも負担になったりすると。
しかも自分の老後が少し先には
もう迫ってきてますからね。
やっぱり親の遺産というのは
とても やっぱり関心が高いと思いますね。
(森永)何か 相続をきっかけに
兄弟仲悪くなっちゃうケースって
すごく多いですよね。
実はね そういう個々の相続人の
経済的な背景だけじゃなくて
遺産相続の時の話し合いというのは
それまでの親子関係の水面下にあった
いろんな問題が
一気に吹き出てくるんですよ。
とても感情的になって なかなか
話し合いが うまくいかないので
じゃあ家庭裁判所へ持ち出して
解決を図ってもらいましょうか
というようなことで
件数も随分 増えてますね。
もう お聞きしてるだけで
頭が痛くなってくるような気が…。
なかなか生々しい。
ただですね
そんなに うちには財産もないし
トラブルには
ならないんじゃないかなって思う方も
少なくないんじゃないかと
思うんですけど。
統計では 1, 000万以下の相続財産で
調停が解決するケースは
全体の3割ぐらいあったと思いますよ。
つまり財産が少ないからトラブルに
ならないということではないんですね。
むしろ私どもの感覚では 遺産が少ないと
かえって お互いに請求が厳しい
シビアになりましてね
落としどころが少なくて
解決が難しいというんじゃないかな
という感じはありますよ。
(森永)でも何か分かりますよね。
100億円 遺産があったら
あんまり もめないけど
10万 20万だと熾烈な争いになるというか
実感がありますもんね。
(中山)おっしゃるとおりです。
中山さん 森永さんのですね
お困りになったポイント
いくつか ありましたけれども
どうすればよかったというふうに?
やっぱり お父さんを引き取られた時に
これからの介護のこと
あるいは 介護にかかる お金のこと
それから
先に待ってる相続のことについて
お父様に ちゃんと お話しする
一つのチャンスではありましたね。
中山先生のおっしゃるとおり
なんですけれども たぶん やるとしたら
父が脳出血で倒れる前に やっとかないと
いけなかったんだと思うんですよ。
倒れて 要介護4になったあと
何度も聞いてるんですけれども
一応ね 言語機能は
しっかりしてたんですけれども
何度 聞いても「分からねえな」の
一点張りになっちゃってたので
まあ 早い時期に聞いてれば
よかったんですけど。
ただ逆に親が若くて ピンピンしてる時に
財産を教えろって聞くのは
これはこれで難しいですよね。
難しいですよね。
やっぱり こう何て言うんでしょう
縁起でもない話みたいなことになるので
元気な時に お聞きするのも そうですし
弱られた時に お聞きするのも なかなか
タイミングが難しいと思うんですけど
聞き方のポイントというのは
ございますか?
そうですね 本当にね 親御さんと
お金の話をするのは難しいですね。
ただですね 「おやじさん お金
ためてるの?」なんて聞き方すると
これは「お前 俺のお金 狙ってんのか」って
言われてしまいますからね。
やっぱり そういうことじゃなくて
「お父さん 一生懸命 働いて
ためた財産だよね。
だから お父さん 生きてる間に
自分のために ちゃんと使ってよね」と。
「そのためには僕も お手伝いするから
ちょっと ここで財産
整理してみませんか?」というような
アプローチをすると
うまくいったケースもありますよ。
森永さん 今 振り返ってですね
お元気なうちに そうした相続の話を
するとすれば
どうやって話を切り出したら よかったな
というふうに思われますか?
やっぱり おだてることですかね。
…と おっしゃいますと?
うちの父の時代っていうのは何か もう
今は あんまり作れないんですけど
銀行が口座を増やしたかったんで
何か 貯金箱くれたりして
キャンペーンで どんどん どんどん
口座を作ってった時代なんですね。
だから「すごいね いくつ コレクション
あるの?」みたいな聞き方のほうが
よかったのかなって思いますね。
ここで相続についての基本的な情報を
まとめたいと思います。 こちらです。
相続人の範囲や法定相続分は
民法で定められています。
被相続人に子どもがいた場合は
配偶者と子どもが½ずつ。
子どもがおらず 親が存命の場合は
配偶者が⅔ 親が⅓。
子どもも両親もいない場合は
配偶者が¾ 兄弟姉妹が¼となります。
遺言が残されていた場合
その遺言が有効であれば
法定相続ではなく
遺言に基づいた相続が行われます。
しかし法定相続人には「遺留分」という
最低限 保証された取り分が
認められています。
そのため相続人は遺留分の額を
請求することができます。
ただし この遺留分は
兄弟姉妹には認められていません。
森永さんは弟さんと½ずつ
相続されたということですけれども
これについては どのように
受け止めてらっしゃるんですか?
うちの父を11年間 うちのかみさんが
もう徹底的に介護したんですね。
別に お金が欲しいわけでもないんですよ
うちの妻は。
だけど「自分が これだけ やった介護の
貢献が ゼロっていうのは何なんだ」
という気持ちは強くあったみたいですね。
あそこで「介護費用の分もよこせ」とかって
もし言ってたとすると
たぶん兄弟の仲 悪くなってたと
思うんですよね。
だから そこで全く
もめなかったんですよ。
「まあ いいじゃん」で終わっちゃったので。
ただ私は そういうふうに
別に お金があったから
別に お金 必要なかったんで
それで決着したんですけれども
たぶん うちの妻は
面白くなかったと思いますね。
森永さんの奥様のように
献身的に介護されたという時にですね
その献身的な介護について報いる方法
として寄与分という制度があるんだった。
寄与分って何かといいますとね 例えば
相続人の1人が介護したために
例えば お父さんの預金を
減らさないで済んだと。
もし お父さんに専属のヘルパーを
つけてたら
5年間で 1, 000万円は かかっただろうと。
そうすると相続人の1人が
介護したことによって
そのお父さんの預金を
減らさないで済んだ分を
寄与分として相続の時に評価して
まず それは その相続人に受け取って
もらいましょうというのが
寄与分という制度なんですね。
ただ 問題は 介護するのは
長男のお嫁さんですよね。
お嫁さんは相続人じゃないから
当時 もらえなかったんですね。
これは やっぱり
まずいだろうということで
平成30年の相続法改正で
お嫁さん つまり親族も
特別寄与料を請求できるようになった
という そういうことなんで
とても寄与分とか特別寄与料の制度
というのは
理念としては すごくいいですね。
介護が絡む遺産相続の時にですね
トラブルにならないために大事なことって
どういうことなんですか?
介護を始める時に お父さんの介護費用は
どこから出すのかということを
お父さんと他のことも併せて
決めといて
それをきちっと払えるように
先送りしないで
毎月毎月 きちっと払うようにね
しておくとかね。
そもそも お父さんが相続人に
払わなきゃいけない
立て替え金なんです。
一種の債務なんです。
お父さんの借入金みたいなもんなんです。
債務なんだから当然 清算すべきであり
それを清算したものについては
遺産が それだけ
減ってくるわけですからね。
そういう現実の立て替え金について
トラブらないように
きちんと あらかじめ決めといて
それは お父さんの遺産から
除いていけるようにしておく
ということが
とても大事だと思いますね。
もう今のお話 聞いて
そのとおりだと思ったのは
少なくとも介護の経費だけじゃなくて
父の生活費って
全部うちが払ってたんですよ。
例えば電話代だとか
インターネットの契約料だとか
日々の食事から新聞代とかも
全部うちが払ってたんですけれども
そこを こう領収書をいちいち分けて
帳簿を作るっていうような発想は
全くなかったですからね。
私も何か それは同じような気持ちです。
そうなってしまったりしますね。
では ここで相続で困らないために
2つのケースを見ていきましょう。
「子どもがいない夫婦の場合」の
相続問題です。
実は このケースは
相続が複雑になる場合があります。
ある子どものいない夫婦で
夫が先に亡くなった場合
法定相続の割合は
配偶者である妻が¾。
夫の兄弟姉妹が¼となります。
相続人が誰かを証明する
戸籍謄本が必要となり
兄弟姉妹の連絡先を知らない場合には
手続きに時間がかかります。
さらに兄弟姉妹のうち
誰かが既に死亡している場合
相続権は失われません。
相続人は その子どもになるのです。
人が増えていく。
どんどん どんどん相続人が増えて
20名 超えたようなケースもありましたよ。
中にはね 行方不明で連絡がつかない人。
グローバル時代ですから外国に行って
連絡 取りにくい人。
認知症になった人ね。
「兄弟で けんかしたから あんなやつの
奥さんの言うことは知らん」とか
言う方もいて
なかなか遺産分割協議が本当に難しい。
残された奥さんはね
もう本当に介護で疲れたから
家を売って 老人ホームへ
入りたいんですと。
早く この家を売りたいといっても
奥様が そのうちをもらって 相続登記
しなければ売れないじゃないですか。
とっても気の毒だなと思うケースが
この子どもがいない夫婦の相続では
よくあります。
子どもがいないご夫婦が遺産分割協議で
トラブルにならないための
いい方法というのは ないんでしょうか?
それは もう夫に亡くなる前に
遺言を書いてもらっておくと。
夫が認知症になったら遺言 書けませんよ。
だから夫が元気で しっかりしてる間に
遺言を書いといてもらう。
もう これに尽きると思います。
私が経験したケースで「何で奥様
ご主人に遺言
書いてもらわなかったんですか?」
といったら
「子どもがいない夫婦の場合は
亡くなれば妻の私が全部もらえると
思ってたんです」と。
「兄弟姉妹が相続人になるなんて
知りませんでした」と。
ちょっと悲劇ですね。
なるほどね。 子どもがいない場合の
遺言の効果って大きいわけですよね?
大きいですよ。
兄弟は遺留分が ないんですね。
先ほど言った遺留分が 兄弟姉妹には
ないから 遺言どおりになるんです。
本当に「全財産を妻に相続させる」という
そういう単純な遺言を書いておけばいい。
私は4行遺言と言ってるんですけどね。
「遺言」と書いて
「全財産を妻に相続させる」と2行目。
3行目 日付。 4行目 名前と判。
これで立派に遺言として通用して これで
助かった奥さん たくさんいますよ。
それだけで いい。
それで最低限の遺言として有効なんです。
そうしましたらですね この遺言の
大切さが もう十分 分かったところで
書き方のポイントというのを一度
ここで まとめてみたいと思います。
まず遺言の文章は必ず
自筆でなければなりません。
パソコンなどで作成が認められるのは
財産目録だけです。
その場合 各ページに署名 なつ印が
必要になるので注意してください。
必ず日付も書かなければなりません。
なつ印も必要となります。
他にも漏れのないようにしておくことが
大切。
そのために大事なキーワードが。
「その他の財産はすべて○○する」
という一文を追加しておくこと。
そうすれば「指定されていない遺産」が
生じなくなるので
トラブルを防ぎやすくなります。
遺言書って どこに
置いとくもんなんですか?
このたびの相続法の改正で
法務局に保管できる
保管制度ができたんです。
法務局に自分の遺言書を持っていって
保管してもらう制度。
これは すばらしいですよね。
それをもう利用してる人が
どんどん増えてきてますよ。
それ ただ保管してることは
知らせておかなきゃいけないですよね?
知らせておかなきゃ だめですよね
それはね。
何も知らなかったら
法務局へ訪ねていかないですから。
例えばですね 親の実家などに行って
遺言書を見つけた場合
どうすれば よろしいものなんでしょうか。
遺言書の扱い方というか。
密封してあったら絶対
切ったりしないでくださいね。
見つけた人
あるいは遺言書を預かった方は
実は家庭裁判所に検認の手続きを
取らなきゃいけないんです。
検認って 検査の「検」に認めるという。
これは何かと言いますとね
自筆証書遺言を裁判所で検証してね
偽造や変造が
そのあと起こらないように
こういうもんだということを検証する
ということが一つと
もう一つは相続人に
こういう遺言書がありますよと
遺言書がありますということを
知らせる手続きなんです。
ですから検認の申し立てをする時には
相続人の全員が分かる お父さんが
亡くなってから今までの戸籍謄本と
相続人の住所を証明する書類とですね
つけて
検認の申し立てをすると 家庭裁判所が
相続人全員に通知をしてくるわけです。
何月何日に検認をやりますから
ご連絡しますって。
そこで おもむろに裁判所の人が はさみを
入れて みんなに見て下さいって見せる。
ドラマみたいな感じですね。
それで「お父さんの署名と思いますか?
お父さんの印鑑ですか?」ということを
出席した相続人全員に尋ねますね。
で それぞれも お答えになって
検認が終わったら
遺言書の後ろに
検認しましたといって
ぺたっと 裁判所が証明書を
貼り付けてくれるんですね。
そうして初めて
自筆の遺言は有効になるんです。
おすすめの方法というのは
他には いかがですか?
私どもが一番 確実な方法として
おすすめしてるのが 公正証書遺言です。
公証役場で 公証人が関与して
作成しますから
まず無効になることってのが
非常に少ないということですよね。
それと国の金庫に原本が
半永久的に保管されますので。
それと もう一つ これは あんまり
言われてないんですが 執行する時にね
遺産分割協議書だって 戸籍謄本
たくさん取らなきゃいけませんね。
自筆の遺言書は検認する時に やっぱり
相続人を全部 証明する戸籍を取るのに
2か月 3か月かかりますね。
公正証書の場合は お父さんが亡くなった
という戸籍 または除籍ですよね。
これは 死亡の記載は
たぶん1週間あれば できますね。
1週間あれば お父さんが亡くなった
という除籍謄本 取れます。
そうすると もうその1通の除籍謄本と
公正証書遺言
これで銀行の手続きもできるし
相続登記もできるんです。
ものすごく速いですね。
ですから公正証書遺言は
今日の今日 作れません。
やっぱり いろんな書類を持っていって
公証役場でね いろいろ
案文を作ったりして やるんで
時間も お金も手間も かかりますが
やっぱり最後は公正証書にしとくと
安心だというのが
私どもの専門家は言ってます。
ただし 今日 明日は できないので
まずは最低限のことだけね
書いときましょうね 自筆でね。
ということですね。
その場合は相続人の人たちを みんな
一堂に会してっていうことは
必要なくなるんですか?
公正証書遺言の場合には必要ありません。
私も だから父が遺言を書いてくれれば
かなりの部分 解決できたのかな
というふうに今は思うんですけど
ただ 今から11年前でも 当時はですね
あんまり 遺言書を書くっていうのは
富裕層の世界の話で 一般世帯では
あんまり そういうことをする家って
なかったんですよね。
だから やっぱり時代が変わって
遺言の必要性が高まってきてるんじゃ
ないですかね?
それは あると思います。
遺言を作ろうという機運は
ずいぶん一般に広まっていますよね。
それでは よく問題になるケース
次を見ていきましょう。
相続人が認知症の場合です。
ある夫婦のうち
どちらかが認知症だった場合。
ここでは認知症の妻を
夫が介護していたケースを考えます。
介護していた夫が先に亡くなった場合
相続人は配偶者である妻。
そして子ども。
相続割合は½ずつ。
しかし認知症によって 判断能力
認知機能が衰えている妻は
遺産分割協議をすることができません。
このままでは合意できないため
相続手続きは行われないまま。
どうすれば よいのでしょうか?
これは どうすれば?
困りますね。
認知症が すごく進んで
自分の夫が亡くなったことも
分からない方も いらっしゃいますね。
なかなか遺産分割協議っていうのは
絶対できないですからね。
だけど できなくても困るわけですよね。
お母さんの老後の生活費だって
欲しいですしね。
その場合には お母様に子どもが
成年後見の申し立てをして
どなたか成年後見人を
お母様に選んでもらうと。
家庭裁判所に選んでもらう
ということですね。
認知症などで判断能力が低下している
場合は「成年後見制度」を利用します。
家庭裁判所に申し立てをして
「成年後見人」を選任してもらい
本人に代わって
財産管理などを行うのです。
この制度では 後見人に
子どもがなることも可能です。
しかし認知症の親と
後見人である子どもが
遺産分割協議において
共に相続人である場合
互いの利益に相反することがあるため
親に特別代理人を選任することが
必要です。
後見人が選任されれば
遺産分割協議を進めることができ
不動産登記申請なども可能となります。
後見人は遺産分割協議が終わったあとも
本人が死亡するまで一生
その財産を管理することになります。
弁護士などが後見人になった場合
報酬の支払いも必要となります。
いずれにせよ 認知症になる前の対策が
大切になってきます。
さて ここからは自分が遺産を残す立場に
なった時のことを考えていきます。
森永さんは お父様の遺産相続で
大変な思いをされて
今度は ご自分が お子さんに残す時に
どういうふうに
思われてらっしゃいますか?
私 すぐに思いついたのは
やっぱり財産のリストがないと
とてつもない苦労をするっていうのは
分かったんで
私の預金とか株式とかのリストと
あと かみさんの預金とか生命保険とか
全部 一覧にして
パソコンで打ち込んで ファイルにして
私のパソコンのハードディスクに
保存してたんですよ。
そしたら おととしの暮れ そのパソコンが
突然死 しちゃったんです。
結構 リスト作るの 大変だったのに。
そこで もう
正直 言って 青ざめたんですけど
その時 思いついたのは
「そうだ。 お互い 持ってようね」って
かみさんのパソコンにも
保存していたんで
それをもう1回 コピーして
事なきを得たんです。
本当に よかったんです。
ちょっと痛い目を見たんで
今はメモリーカードに入れて
それを保管しています。
森永さんの財産といいますと2年前
この番組で取材致しました
こちらが あります。
そうです。
埼玉・所沢にある 森永さんの私設博物館。
中に展示物されているのは
たくさんの しょうゆ入れに
お菓子のおまけで付いてくる
おもちゃのコレクション。
身の回りの生活用品など
その数 12万点以上に上ります。
ここにあるのは もう全部…
自分の経験の中で 「これ あったよね」って
いうのが そのまんま残されている。
人には理解されなくても 自分にとっては
意味のあるものばかりなんだそう。
一応 私の計画では…
森永さん これ どうするんですか?
やっぱり100年後には
世界遺産になる予定ではあるんです。
ただ 財産的価値は ほとんどない。
1回 テレビ局が1日かけて
全館査定というのをやって
引き取り料込みだと タダですねって
言われたんで。
鑑定士と弁護士さんも来てたんですよ。
弁護士さんが私んとこ来て 耳元で
「森永さん よかったじゃないですか。
相続税かかんないですよ」って言われて。
まあ それは よかったんですけれども
ただ建物の分とかがあるので
もう私 10年以上前から
全国の自治体向けに
「もし欲しかったら
保管し続けてくれるんだったら
無料で差し上げます」って
言ってんですけど
今んとこ どこも立候補がないんですね。
だから今は 息子の弟のほうが
少し コレクションに理解はあるので
今 そこをですね 一生懸命 説得して
事業承継をしようと思ってるんですけど。
まだ説得中で いらっしゃるんですね?
説得中です。
結構 大変なんです。 赤字なので。
中山さん この森永さんの私設博物館の
話の流れで
こんなことを伺うのも
何なんですけれども
受け継ぎたくない遺産の場合には
どうしたら いいんでしょうか?
そういう場合は相続放棄。
知ってから3か月以内に裁判所に
放棄の申述をするということによって
最初から相続人ではなかった
ということになります。
ただ これは もう相続人ではなかった
ということなので
借金は嫌だ。
遠くの山林を引き継ぐのも嫌だとね。
だけど預金だけ 300万あるから
これは引き継ぐよって。
これは できません。
相続人じゃなくなるんですから
全てを相続しないという相続放棄
という手続きはありますよ。
本当に さまざまなポイントが
出てまいりましたけれども
中山さん この相続でですね
遺産を残す側 そして受け継ぐ側
どちらも心がけておいたほうが
いいことって どういうことでしょうか?
やっぱり残していく妻の 配偶者の生活を
ちゃんとしてあげようとか
この家に引き続き住めるように
してあげようとかね。
あるいは介護した子どもに
十分 報いたいとかね。
あるいは 自分たちは 兄弟いるけど
子どもいないから
兄弟ちゃんと やってるから
もう兄弟にあげる必要ない。
世の中に役立つようにね
やっぱり寄付しようとかね。
そういう気持ちを実現するには
やっぱり遺言を書いておくということに
尽きると思いますよ。
それと相続を受ける側。
これは なかなか備えとしても
限界ありますよね。
だって そもそもが
自分の財産じゃないことについて
どんなふうに例えば親に備えてもらうか
という話ですね。
先ほど いろいろ出てきましたけど
結局は親御さんにとって
子どもに苦労をかけないためにはね
介護や介護の費用 その先の相続を
きちんとしておかなきゃいけないな
というような方向に
考えてくれるぐらいに親子関係を
難しいけど作っていくと
いうことに尽きるんじゃないでしょうか。
森永さん 今回は相続について
見てまいりましたけど
改めて どんなことを
感じられましたか?
ものすごく難しいんですよね 法律的にも。
ただ最後に おっしゃったことは
そのとおりで
子どものほうも 親のことを気遣って
きちんと準備するっていうだけじゃなくて
われわれ 高齢側の人間も要するに
いいかげんな相続になると ものすごく
子どもたちが苦労するわけですよね。
だから子どもが かわいくない親って
いないと思うんです。
だから子どもたちが苦労しないように
親世代のほうも きちんと相続が
うまくいくように準備をしておく。
子の立場からすると話しにくい
ところでは ありますけれども
そうは言っていられない。
何となく日常会話の中で少しずつ
触れていくっていうようなことが
もしかしたら いいのかな
というようなことも感じました。
やっぱり いろいろ知っておかなきゃ
いけないことが たくさんあるんだって。
また それも本当に もめたくないために
やっぱり何か 自分の良心と倫理観とを
適切に持ちながら
あと やはり法律というものに
のっとることの大事さと
やっておくべきことっていうのが
いろいろ必要なんだなというのが
今回 本当に教えて頂いて分かったので
ちょっと学んでいきたいと思います。
皆さん どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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