出典:EPGの番組情報
あさイチ「プレミアムトーク 山崎貴/映画監督▽最新VFXでおばけずかん」[字]
▽プレミアムトーク 映画監督・山崎貴▽CGを駆使したVFX(視覚効果)でヒット映画を連発▽最新作の制作現場▽おばけがカレーを食べる!?▽クリエイターの創作の秘密
詳細情報
番組内容
▽プレミアムトーク 映画監督・山崎貴さん▽高度なCGを駆使したVFX(視覚効果)でヒット映画を連発▽「ALWAYS 三丁目の夕日」「STAND BY ME ドラえもん」トップクリエーターの創作の秘密は?▽おばけがカレーを食べる!?最新作「ゴーストブック おばけずかん」の制作現場も【キャスター】博多華丸・大吉、鈴木奈穂子
出演者
【ゲスト】山崎貴,【キャスター】博多華丸,博多大吉,鈴木奈穂子ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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- 最初
- 映像
- 意見
- シーン
- スタッフ
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
生字幕放送です。一部、字幕で
表現しきれない場合があります。
大吉≫おはようございます。
7月1日
金曜日の「あさイチ」です。
鈴木≫きょうも9時までの
放送です。
大吉≫金曜日は
「プレミアムトーク」
きょうのゲストはこの世にない
ものを映像で作り出す映画監督
さんです。
(VTR)
鈴木≫昭和ブームを
巻き起こした映画
「ALWAYS 三丁目の夕日」
観客を驚かせたのは
まるで
タイムスリップしたかのような
昭和30年代の
このリアルな町並みです。
本日のゲスト、山崎貴さん。
映画監督として
誰も見たことのない映像を
生み出すVFXの先駆者です。
このVFXとは
コンピューターグラフィックスと
実写を合成して、このような
高度な映像表現を作り出す
視覚効果のことです。
代表作「永遠の0」では
VFXを駆使して
緊迫した戦闘シーンを再現。
現実との境目が分からないほどの
リアルなCGで
どぎもを抜きました。
たったワンカット
数秒の映像に真剣勝負。
妥協は一切ありません。
ドラえもん≫僕、ドラえもん。
実写だけでなく
アニメーションの分野でも
才能を発揮。
「ドラえもん」史上初となった
3DCG映画は
世界59か国で公開されました。
最新作は
どんな願いもかなうという
禁断の本を巡る冒険物語。
瑤子≫行ってみよう。
≫はい。
VFX満載!
不思議な世界が生み出されます。
今回、「あさイチ」は山崎監督の
映画作りの舞台裏に潜入。
ヒット作を
次々と世に送り出す秘密と
その情熱に迫っていきます。
大吉≫改めましてけさのゲストは
映画監督の山崎貴さんです。
作品の数々
あれもこれもどれもそれも
監督さんの作品なんですね。
華丸≫VFX、CG、実写もある
という。
マイケル・ジョーダンが
アニメのうさぎとバスケットを
する、僕が最初に
VFXと出会ったのはそれでした。
大吉≫昔はCGと。
華丸≫分かりやすかったですよね。
大吉≫今は全く分からないですね。
山崎≫自分たちも作っていて
どこまでCGだったっけ?って。
メーキングを作って
ここもCGだったという感じです。
鈴木≫きょうは山崎さんの
情熱や最新作について
たっぷりと伺います。
山崎さんへの質問やメッセージを
お待ちしています。
ちなみに放送の前に
すでにイラストなども届いており
ます。
山崎監督とガッキーさんですね。
まずは、山崎監督の仕事場を
ご紹介します。
数々のヒット映画はどんなところ
で生まれるのでしょうか。
(VTR)
こちらが、山崎監督が所属する
VFX制作会社です。
日本を代表するような優秀な
クリエーターが集まっています。
山崎≫ここが
一応、作業している部屋ですね。
増えたり、減ったりしますけど。
少数精鋭のスタッフたち。
1作品に、およそ半年かけて
VFXを作り上げます。
スタッフの役割は
大きく分けると2つあるそうです。
こちらは、3DCGアーティスト。
この世にない映像を
ゼロから作り出します。
観察力や
デッサン力が求められます。
こちらは、コンポジター。
撮影した映像とCGを合成します。
いかに自然に仕上げられるかが
腕の見せどころ。
スタッフの作業をチェックする
山崎監督。
作品作りが佳境を迎えると
大変なことになるそうです。
山崎≫結構ね、いすで…
タイヤがついているので。
取材者≫どんな感じですか?
山崎≫こう、作業している
じゃないですか。
呼ばれると、すーっと行って
ここで、こうで、こうで…って
また戻って。
次はこっちで見せてみたいな。
結構、いす上で
移動していることが。
あんまり遠いと
さすがに歩いて行きますけど。
山崎監督のデスク。
ここでシナリオを書いたり
CGを作ったり
キャラクターデザインを行います。
そのとき欠かせないのが、こちら
人体模型。
山崎≫非常に
勉強にはなりますよね。
さらに、山崎監督が
とても大切にしているものも
見せてくれました。
山崎≫それのデザイン画ですね。
昔、描いた。
いちばん最初の
デビュー作に出てきた
メインのキャラクターなんで
思い入れがあるので
貼ってあるんですけど。
目に入ってくるじゃないですか。
…貼ってありますけどね。
そして
特別に案内してくれたのは…。
山崎≫ミニチュアを
保管してある場所なんですけど。
これまで
山崎監督の映画に登場した
貴重なミニチュアが
いっぱい。
山崎≫この辺は、あれですね
「三丁目の夕日」で使っている
ミニチュアなんですけど。
お宝発見!
あの昭和の町並みを再現した
ミニチュアが
今も大切に保管されていました。
でも、なぜ
残しているのでしょうか。
山崎≫だからいろんな映画に
出ています、この辺の。
こういう特徴的なやつは
あんまり使えないんですけど
でも看板替えたりしながら。
あんまり、どーんとメインで
使うことはないですけど
例えば、ロケで撮った建物
1軒だけ昭和の建物があって
奥、全然昭和じゃなかったりする
ってあるじゃないですか。
そうすると、奥の部分は
こういうミニチュアが
入っていたりとかっていうのは
よくやります。
あと、これとかは
「ジュブナイル」っていう
いちばん最初の映画に出てきた
空間移動装置なんですけど
これはミニチュアじゃないですね。
実物大のセットなんですけれども。
大吉≫仕事場を
見せていただきました。
CGを使うこともあれば
ミニチュアも
使うことがあるんですね。
山崎≫ミニチュアを作ることが
好きなので。
もともと会社に入ったときに
ミニチュアを作る人だったんです。
だから親和性があるというか
よく使いたいそうですね。
1回ミニチュアをCGの中に
取り込んで
それをCG的に合成するという
作業をよくやっています。
大吉≫スタッフさんが20人
ぐらいいらっしゃると
いうことですが
1本の映画で担当が20人は
少ない気がするんですが。
山崎≫うちは細く長くというか
たくさんの人で短い期間で
やる人もいますけれど
海外の映画だと200人
300人でやっていますね。
大吉≫エンドロール
いつまでも終わりませんよね。
山崎≫うちのエンドロールは
すぐに終わります。
大吉≫少数精鋭ですね。
20人でハードワークですね。
華丸≫現場で立ち合うんですか。
山崎≫何人かはグリーンバックで
動きをチェックするために。
実際、目線を変えたりとか。
結局、長い時間ずっと同じタイプ
の仕事ができるので
最初のほう、下手くそでも
だんだん、うまくなっていて
最後は、スペシャリストになるん
ですよ。
だから僕は少ない人数で
長くやりますね。
鈴木≫1人の人が
最初から最後まで
作品の中でも成長していく。
山崎≫結構、うまくなります。
同じ予算の中で
たくさんやると短い時間しか
作れないけれど
少ない人数だと長い時間。
使える。僕らはそっちのほうです。
華丸≫スタッフの図鑑もできるん
じゃないですか?特徴を書いて。
山崎≫把握していないと
この仕事を誰に振るか
あいつこれがうまかったよなって
特徴をつかんで仕事の割りふりを
しています。
大吉≫得意
不得意がありますからね。
鈴木≫ファンにはたまらない
「三丁目の夕日」のミニチュアが
出てきましたよね。
映画のワンシーン、ご覧ください。
こういうふうに使われて
実写とCGが
混じっているんですね。
山崎≫近くにあるやつは
さっきあったミニチュアを写真に
撮ってCGで取り込んだものです。
鈴木≫後ろの東京タワーとかは?
山崎≫フルCGです。
いちから作ったんです。
電車もフルCGです。
華丸≫人は?
山崎≫いろいろです。
手前の走っている子どもたちは
実写ですね。
でも途中からCGになっています。
大吉≫映画館は
大スクリーンで見るので
あれ、これちょっと違うなって
違和感を覚えたらだめだから。
山崎≫こういうドラマが
メインの映画はCGだなと
思ったら冷めるじゃないですか。
そういうことを避ける
クオリティーが要求されるんです。
鈴木≫そしてデスクには
人体模型を置いて筋肉など
細かいところまで
こだわっていらっしゃる。
山崎≫クリーチャーを作ることが
多いので
見ながらここには
こんな大きな筋肉が
あるんだなとか
大体、人の形をしていれば
大体同じところに筋肉があるから。
鈴木≫いろいろな
こだわりぶりなんですが
そんな山崎監督の最新作が
おばけの世界に迷い込む物語です。
VFXにも、CGと
実写の合成にも注目してご覧くだ
さい。
(VTR)
願いがかなうといううわさの
ほこらを探す少年たち。
3人には、どうしてもかなえたい
願いがありました。
宗佑≫何か、いた?
太一≫何か白いの見えたよな。
一樹≫やめろって、そういうの。
その夜。
≫起きてくだされ。
一樹≫うわあ!えっ、何?
図鑑坊≫静かに。
わが名は図鑑坊(ずかんぼう)。
一樹≫図鑑坊?
図鑑坊≫昼間の願い
かなえたいか?
命懸けの試練になるぞ。
ほこらの場所にある古本屋で
「おばけずかん」を手に入れよ。
店主≫あとは、これとこれ。
謎の古本屋では
手にすればどんな願いもかなう
「おばけずかん」が
作られていました。
そして、一樹たちは
「おばけずかん」を見つけます。
店主≫やあ、君たち。
≫うわあ!
店主≫慌てるな!
瑤子≫ちょっと君たち
待ちなさいって!
店主≫どちら様?
瑤子≫すみません。
あの子たちの担任です。
すぐに連れ戻しますから!
様子のおかしい3人を
追いかけてきた瑤子先生。
「おばけずかん」を手にしたまま
一樹たちは必死で出口を探します。
ようやく外に出たものの
何やら様子が…。
一樹≫これ、なんて読むんだ?
今のはさ、たまたま風が…。
太一≫いや、そんなわけあるかい。
一樹≫だよね。
「おばけずかん」を
開いてみると…。
瑤子≫図鑑坊?
太一≫家に来たおばけじゃん!
≫うわあ!
瑤子≫早く図鑑!
図鑑押しつけて!
図鑑坊≫惜しかったな。
≫う…う…うわあ!
次々と現れるおばけたち。
子どもたちが、どうしても
かなえたい願いとはいったい?
鈴木≫リアルですね。
華丸≫くぎづけですね
子どもも大人も。
鈴木≫ちょっと
ほろっとする場面もあって
とても楽しくて
おもしろい映画でしたけれど
映画の原作は、子どもたちに
大人気の「おばけずかん」
という本です。
学校の図書室では
いつも貸し出し中という
人気シリーズです。
これをもとに山崎さんが脚本を
書かれて、さらに監督も
務めていらっしゃいます。
映画の中で出てくる
おばけのデザインも
みずからすべて。
山崎≫
原作にあるデザインを
リニューアルしたものもあるし
まるきり
一から作ったものもあります。
鈴木≫中でも図鑑坊と
山彦(やまびこ)は何度も
描き直したそうですね。
大吉≫原案というのは絵本で
絵本はこんな感じだったんですね。
第2段階でもう。
山崎≫ちょっと怖いやつを
出したほうがいいかなと
デザインして、これでいこうかな
と思ったんですが。
大吉≫最終的には変わっていきま
したね。あれ?と思って。
山崎≫何種類かデザインを
貼っていたんです。
子どもたちが来て
真ん中のじゃないよねって言って
右側のほうがいいって
出演の子どもたちが
大修正したんで。そうですかって。
大吉≫そういう意見も
取り入れるんですね。
。
山崎≫がんがん
取り入れるんですね。
子どもたちに見てほしいので
どういう反応するかなと。
大吉≫真ん中は
ちょっと怖すぎると。
大きさから何から変わりそうな
気がするんですけれど。
山がバックになってるから
すごい巨漢に
山彦、なっちゃったなって。
そして下にある図鑑坊ですね。
ダイジェストにも登場しましたが。
もともとは。
山崎≫おっさんっぽい
キャラクターだったんです。
大吉≫第2段階で
ちょっとふっくらして
今風な感じになって
そして第3段階。
華丸≫目が違う。
大吉≫ハリネズミですね。
鈴木≫これでも
かわいいんですけどね。
大吉≫でも最終的には
こうなりあります。
いろんな意見が
採用されたんですか。
山崎≫いっぱい描いたんです。
そして、みんなに見てもらって
プロデューサー会議のときに
僕はこれでいこうとしたんですけ
どかわいいほうがいいって、
でもハリネズミまんまだなって
いうか
最終的に右側のものになりました。
大吉≫もとの図鑑坊と
違いますよね。
とんでもない
ビフォーアフターですけれど。
大人気の絵本と映画版は
変化しているというか
子どもたちにとって
大きな見どころですね。
鈴木≫こうしたおばけが
映画の中で、その場にいるように
映し出されています。
こういうおばけの世界が
どうやって撮影されたのか
ご覧ください。
(VTR)
子どもたちが
窓から外を見る場面。
おばけが、わんさか!
VFXで不思議な世界観が
表現されています。
こちらが撮影の様子。
おばけは一応いるんですけれど
7体だけ。それが…。
CGが合成されて
おばけの大行進に。
クライマックスに近づくと
VFXを使った場面が
さらに増えていきます。
≫せーの!
≫うわあ!
緑色に覆われたスタジオ。
この部分に
CGが合成されるんですね。
ほぼ全面緑の中でのお芝居です。
お芝居の撮影が終わってから
VFXの作業です。
ここで、山崎監督の頭の中にある
理想の世界観を形にします。
苦労することもあるそうで…。
例えば、子どもたちが
異世界の境界線に立つこの場面。
足がすくむような断崖絶壁に
滝が流れ落ちる
幻想的なシーンですが…。
山崎≫なかなか異世界の
不思議な…
そこで、実際に撮影に使ったのは
ちょっとした小高い丘。
丘の形に合わせて
CGで断崖絶壁を作ります。
このCGと子どもたちが立つ丘の
映像を合成すると
監督の思い描いた映像が
出来上がりました。
さらに、知恵を絞った
場面があります。
図鑑坊がカレーを食べるシーン。
CGキャラクターが
本物のカレーを食べているんです
ね。
その撮影方法に悩みました。
どうしたかというと
図鑑坊が食べるポジションで…。
グリーンをまとった人間が
実際にカレーを食べるんです。
そして、カレーとスプーンの
動きだけを残し
そこに図鑑坊を合成したんです。
山崎≫食べる瞬間だけは
完璧に合わせたんですね。
位置合わせとか、アクション全部
あの場所に
合わせないといけないので
すごく大変だったんですけど
リアルワールドなカレーを
CGのキャラクターが
食べるっていうことができた。
大吉≫ある意味すごいアナログな
あんな緑色を着た方が
召し上がって、それを合わせる。
山崎≫アナログな部分が多ければ
多いほどリアルになるんです。
大吉≫CGでカレーって
難しいんですね。
山崎≫流体だし
固形物が入っているし
おいしそうに見えなければ
いけないじゃないですか。
ハードルが高いなあと、実写で
やろうって。
鈴木≫位置合わせとか
難しいですよね。
山崎≫やってくれた彼女に
そこ微動だにしないで食べてくれ
って。
華丸≫口に米粒が付いてましたね。
鈴木≫ああいうシーンを
撮るだけで
どのぐらい時間がかかるんですか。
山崎≫始めると時間が
かからないんですが
ライティングとか
きちっとやって
ワンカット1時間とか
1時間半ぐらいかかりますね。
華丸≫崖のところも屋外でそれ
っぽいところのほうがスタジオ
よりも。
山崎≫太陽の光が
なかなか再現できないんです。
遠くからくる平行光線がいちばん
難しいんで外は外で撮るように
しています。
華丸≫びっくりしました。
鈴木≫子どもたちの撮影の
シーンは全面緑のがあってだから
あそこの芝居をするっていうのは。
山崎≫本当に難しいと思います
子どもたち頑張ってくれました。
いろんなことで
こういうシーンになるんだよって
インフォメーションは
与えていたんですけれど
子どものほうが
ごっこ遊びをしているから
入りやすいのかもしれませんね。
すぐ、そういう雰囲気に
なってくれました。
大吉≫演技指導されていますね。
きょうここにお人形さんも
来ていますが。
図鑑坊、CGで
カレー食べてましたね。
山崎≫本編はCGなんですが
現場にこの人形を置いて
ライティングとか確認するんです。
あとは子どもたちの目線とか
これがいることでそこにいるんだ
なって大きさもちゃんと。
大吉≫映画の本編には
出てこないけど撮影現場にも
人形が。
山崎≫この人がいないと
大変なんです。
最終的なCGが
これと見分けがつかないと
いうレベルにしなければ
いけないので
これによってCGの動きが
左右されるので
丁寧に作っていただきました。
大吉≫これを現場に
持ち込んで撮影していくんですね。
鈴木≫ああでもこの写真は
CGですね。
大吉≫ややこしいですけれどでも
子どもたちの目線が合ってるから。
山崎≫撮影の本番になるとそこに
CGを合成しなければいけないの
で子どもたちの目線を
ちゃんと撮らないと。
鈴木≫実際に映画では
空を飛んでいたりするシーンが
一反木綿のシーンがあって
撮影現場がどうなっているか
というと緑色
一反木綿に乗っている男の子の
下に緑の。
山崎≫おみこしみたいになって
スタッフが運んでいるんです。
空中を舞っている感じで
しなきゃいけないので
この人たちの動かし方もちょっと
違うなとか。
鈴木≫その辺がアナログですね。
大吉≫普通の映画監督さんは
その場で撮って
OKじゃないですか。
山崎さんの場合は1回撮ってから
また合わせるということが
あるんですよね。
山崎≫現場は、カットをかけると
終わったってみんな喜ぶんです
けど僕のCGのチームはそこから
どんよりして
みんなはしゃぐなって。
<笑い声>
鈴木≫さらに子どもたちをはじめ
俳優陣がCGをちょっとでも
イメージしやすいように
特別に作ったシミュレーションの
映像があります。
(VTR)
おばけと対じする場面。
本番と同じスタジオで
事前に撮影されました。
「おばけずかん」を取り出して
おばけを閉じ込めようとする
シーン。
画面中央に
仮のCG映像が合成されています。
子どもたちが立ち向かっていくと
おばけの怒りが爆発するんですが
その様子も
イメージしやすくなっています。
鈴木≫こういうのを
事前に撮影
俳優陣、子どもたちも
いましたけれども事前に撮影して
それを1回。
山崎≫1回編集して
CGもラフなものですけれども
CGも入れて最終的な
こういう映像を
作ろうとしているんだよというの
を
子どもたちに見てもらって
今回初めて、映画に出るのが
初めてという子が2人いたので
これをやっておかないと、たぶん
わけが分からないなと思って
特に本番のときには
グリーンバックだけになって
しまうので
1回体験してもらったほうが
いいなと思ってわりと丁寧に
仮の撮影までやって
編集もしてっていう感じで作って。
鈴木≫なかなか事前に
仮の撮影をして
というのはないんですか。
山崎≫ぜいたくですね。
でもよかったので、この方法を
取り入れていきたいなと。
華丸≫やっぱりいい
リアクションをするでしょうね。
可視化というか、実写版
USJで出てきた子どもの顔みた
いな。
鈴木≫本当にいい顔を
していましたよね。
大吉≫僕らの何十倍も何百倍も
想像力というか話の膨らませ方
デザインのしかたがすごいなと
思うんですけれど
今回のおばけ、図鑑坊
最初にイメージ図を
描かれたという話があって
これは何ですか。
山崎≫これは本当に初期のころに
こういう世界観かなというので
描いた絵なんですよ。
子どもたちがランドセルを
背負っていて
巨大なものが出てくるというのを。
最初のイメージですね本当に
どんどんどんどん
変わってくるんですけれども
まずは、こういうものを描いて
映画の肝はここになるだろうって
いうところを。
大吉≫そこまで
読んだことないですけれども
「おばけずかん」
こういう話ではない
でしょう表紙を見ると。
鈴木≫わりと
かわいらしいというか。
大吉≫学校の図書館にあります
みたいなやつがね。
山崎≫そういうイメージがね…。
大吉≫これでしょう?
これを映画化すると言って
分かりましたと言って
イメージ図を描いて仕上がったの
はこれですね。
山崎≫クライマックスが
こういう原作にあるような
かわいいおばけたちを
いっぱい集めていったら
ここに向かっていくという
話にしたかったので、最後
クライマックスは壮大なことに
しようと思って描いて。
鈴木≫何か世に出すものではない
わけですよね。
山崎≫スタッフというか
最初の脚本の打ち合わせのときに
持っていって
最終的にはこういう世界観なん
ですと言うための絵ですね。
鈴木≫それが、これだけ色も
ついて精巧な感じですごいです。
こうやってイメージ図を
描くことは毎回の作品で
されたりするんですか。
山崎≫結構、要所要所で
イメージを描いたりとか
VFXに関わるところ
描くので
絵で描いてというのが多いですね。
大吉≫大事なんですね。
山崎≫1回描いてみると自分でも
これをやろうとしているんだなと
いうのが分かるので。
大吉≫みんなで共有できて
それにしても主役というか。
この変貌ぶりはすごいなと
思いますけれど。
山崎≫だいぶ変わっちゃいます
けれども最後。
鈴木≫こうした絵も描けて
ミニチュアも作れて脚本も書けて
監督もしてすごいなって
思っちゃう。
山崎≫やらせてもらっている
だけで。
大吉≫もともと映画の世界に
関わりだしたのは伊丹十三さんの。
山崎≫いちばん最初にVFXを
勉強したのは伊丹さんの作品で
「マルサの女2」が
最初に参加した作品なんです
けれども
「大病人」とか
VFXたくさん使ってくれる
作品やってくれたので。
華丸≫あのころからそういう
CGとかあったんですか。
山崎≫ちょうどデジタル合成が
わりとパソコンで
できるように
なり始めたころだったので
結構、伊丹さんは新しいもの
好きだったので
だから僕らは持っていって
こういう感じでやろうと思って
こういう絵みたいなものを描いて
パソコンで作ったものとか
持っていくとすごい喜んでくれて
日活スタジオで
撮っていたんですけれど
われわれのスタジオも
近かったので毎朝
朝と夕方に自転車で行って見せて
直してくれって言われると
また夕方に自転車で見せに行って
君たち早いねって言われて
結構、若造の意見
聞いてくれるんですよ。
だから
僕らまだペーペーのころなので
今までの実績とかないのに
持っていくと
君はこういう感じなんだって
次はもう少し早くから参加して
くれって
かわいがっていただきました。
鈴木≫今回、山崎監督について
一緒に働く仲間からも
話を伺っています。
(VTR)
VFXディレクターの
渋谷紀世子さん。
山崎監督のデビュー作から
タッグを組んでいます。
渋谷≫会社の中でも…
みんなの意見に耳を傾ける
山崎監督ですが、やると決めたら
その情熱にスタッフ全員が
引き込まれていくそうです。
渋谷≫「SPACE
BATTLESHIP ヤマト」
の企画のときですかね
もう本当に二つ返事で
やる!みたいな感じで答えていて
…みたいになっている
っていうところは
…だなっていうふうにも
思っています。
わあ、遅刻だ!みたいな話で…
…みたいな感じにはなってる
っていうのは
おもしろいと思います。
大吉≫もうちょっとCGの話が
聞きたかったですけれども。
<笑い声>
大吉≫遅刻をするという話。
いろいろな世代の方が
いらっしゃって風通しのいい職場
だと。
山崎≫さっきの伊丹さんの
現場の影響だと思うんですけれど
できるだけ若い人の意見って
貴重じゃないですか。
いちばん映画を見てくれる
年齢だったりするので
そういう人の意見
あとキャストの人たちにも
さっきの絵を見てもらって
決めるみたいな
本当にきたんのない意見を
言ってもらうことを大事にして
いるんですけれども
大事にしすぎて、みんな
最近きたんなくなりすぎて
最近つらい、みたいな。
平気で監督、これださいんじゃ
ないですかね?みたいな
力不足ですみません、みたいな。
大吉≫何日もかけて作ったもの
これ、ださいですねって。
山崎≫きついですね。
大吉≫楽しそうな
風通しのいい職場なんだなと
思いましたけれども
そんな山崎
さんが映画監督を
目指そうと思ったことには
きっかけがあったということで
パネルを用意させて
いただきました。
山崎さんを本気にさせたのは妻と
いうお話でありますけれども。
鈴木≫山崎さんの妻は
佐藤嗣麻子さんで
篠原涼子さん主演でも話題と
なった
「アンフェア」シリーズなど
数々の作品で脚本や監督を
務められていらっしゃいます。
大吉≫同業というか。
山崎≫そうなんです、彼女の
ほうが先に監督をやっていて。
大吉≫どういうことなんですか?
本気にさせたというのは。
山崎≫イギリスで勉強してきた
んですけれども、日本での作品は
「エコエコアザラク」という
作品だったんですけれども。
大吉≫山崎さんがイギリスで?
山崎≫いやいや
彼女が、嗣麻子が
イギリスで勉強してきて、最初に
監督をした作品が
「エコエコアザラク」で
ものすごく予算がつかなくて
VFXで予算がない
というんで
ちょっとだけ
もらってきてくれれば俺やるから
と優しい気持ちで言ったら最後
いっぱいやることになった瞬間に
ものすごく厳しくて
ちょっとでもお金がないから
これぐらいで勘弁してくれと
言ったら
山崎君
いいの?こんなので名前
クレジットされていいの?って
言われて
それが本当に大変だったんですよ。
本当に大変すぎて
こんなに大変なことを
するんだったら自分の作品を
作ったほうがいいなと思って
じゃあ映画監督を目指そうと。
大吉≫監督からいろいろ指図され
てやるぐらいだったら。
山崎≫自分でやるほうがいいなと
思って結構本気で
監督を目指すようになった。
大吉≫当時
結婚をされていたんですか。
山崎≫結婚してなかったですね。
まあまあ結婚してるみたいな
感じだったですけれども。
大吉≫あれは話題作だったから
それで仕事が増えたりしなかった
んですか。
「エコエコアザラク」は。
山崎≫ものすごくいろいろな
方たちが評価してくれて
よかったでしょう、ちゃんと
やってって
奥さんに言われています。
鈴木≫同業どうしが
同じおうちにいて
お互いの作品を見合ったり
話し合ったりするんですか。
山崎≫できるだけ
アンタッチャブルにしていますね。
けんかになるので。
華丸≫最中は特に。
山崎≫意見を求められたときだけ
答えるようにしています。
僕も意見を聞きたいときだけ
お願いしますと。
そういうときじゃないときに
よけいなことを言うと
黙っていて
山崎君の作品じゃないからって。
鉄のおきてがあって
よけいな口出しはしないように
している。
大吉≫こういう情報もあります。
驚いたんですけれども
初監督は15歳。
山崎≫中3ですね。
中学3年のときに
文化祭用の映画だったんですけれ
ど
とにかく映画を作りたくて
作りたくて、しょうがなくて
でも8ミリカメラとか持ってい
ないんですよ。
友達の親戚の人がいいカメラを
持っていると聞いて
みんなで出かけていって
貸してくださいと言って
カメラを貸してもらったりとか
棚卸しという
バイトがあるんですよ。
月に1回やるバイトみたいなのが。
それにみんなで行って
フィルム代を稼いだりして作って。
大吉≫僕らよりちょっと
年上の山崎さんなんですけれども
15歳のころは本当に
機材とかも高価で。
山崎≫全然ないですよ。
大吉≫今はスマホだ何だと
ありますけれども。
山崎≫本当に羨ましいですよ。
当時は8ミリで撮ったら終わり
という感じで。
本当に大変だったんですけれど。
鈴木≫ちなみにどういう作品を
作ったんですか。
山崎≫すごいですよ
宇宙船が地球外で
人類が住める惑星を探していたら
地球が破滅してしまったという
ことで新しい惑星を探すという。
華丸≫CGが必要な内容ですね。
山崎≫すごい巨大な
ミニチュアを作って
荷車みたいなものにみんなで
乗って移動して撮影したりとか。
僕は松本なんですけれども
美ヶ原高原という
ちょっと地球じゃないみたいな
風景があるので
そこにみんなで行って
朝方撮ったりして。
大吉≫なかなか本格的な。
山崎≫なかなか本格的な作品。
大吉≫上映されたんですか。
山崎≫文化祭でやって
すごいお客さんが。
当時、長野県で
映画を作っている
中学生いなかったので
なぜかみんな
げらげら笑うんですよ
僕らが出てくると
めちゃくちゃ
笑って
いやあ、おもしろかったって
本来僕らが
ねらっていたおもしろさとは
全然違うところで
大評判になって生徒の
8割ぐらいが
見てくれたということで。
鈴木≫幼いころの写真です。
少年のころからすごく作るのが
得意だったというか。
大吉≫これは
何をしているんですか。
山崎≫紙を切って
虫を作っている写真ですね。
華丸≫リアルですね。
折り紙と違うんですか。
山崎≫違う違う。
紙を切って虫を作るのが
得意だったんです。
大吉≫はさみで切って。
山崎≫やっていることは
今とあまり変わらないですね。
鈴木≫そういう気持ちで
この作品も今、作っている
感じですかね。
山崎≫ずっと文化祭をやっている
気分。
本当に中3のときに作った映画の
イメージが忘れられなくて
みんなで、うわあっと作って
当時、公開して
お客さんが来てくれるという
それがたまんなかったんでしょう
ね。
大吉≫監督さんが子どものころ
今みたいにスマホやパソコンが
あったらまた変わったでしょうね。
山崎≫本当に羨ましいですよね。
スマホでばっかり作業してるかな
と思いますけれども。
ただ、だんだんいろいろなことが
できるようになってくる
プロセスを全部味わっているので
いちいち喜びがあったんですよ。
CGがこんなに手軽にできるよう
になったとか
会社のパソコンで
合成ができるようになったとか
すごい技術的な
ブレイクスルーを何度も体験して
いるのでそれはよかったのかなと。
鈴木≫もしかしたら幼いころに
パソコンがあったら
今のような作品にはなっていない
かもしれないですね。
山崎≫そこでなんとなく満足して
終わった可能性もありますね。
大吉≫昔は、あるところに
行かなければ
CGなんて作れなかったんですね。
山崎≫子どものころなんてCGが
一切なかったですから
途中で出現したんですけれども
まあ時間がかかるんですよ。
会社に入りたてのころに
一日ずっと見ていて
画面の3分の1ができました
みたいな時代で
一こまの3分の1とかいう
時代だから
今は本当にすごく
ノートパソコンとかでもCGが
作れる時代になってきたので
すごい進化だなと思っています
けれど。
鈴木≫山崎さんの同級生から
たくさんメッセージがきています。
まず美術学校の同級生の
かおりさん、
あのころも楽しそうに映像を
作っていてキラキラした目と笑顔
は同じですねいろいろな場面で
見かけるたびにうれしく元気を
もらいます。
それから、誇りだという方から
数々の名作を作り続けて
活躍している山崎さん
同級生の誇りです。
三重県の方から質問です。
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