出典:EPGの番組情報
チョイス@病気になったとき「我慢しないで!胸やけ」[解][字]
みぞおちの辺りがヒリヒリと痛む「胸やけ」。主な治療は「薬物療法」と「生活習慣の改善」。症状に合わせた薬の選び方、避けたほうがよい食べ物・食べ方など具体的に解説。
番組内容
みぞおちの辺りがジリジリ、ヒリヒリと焼けるように痛む「胸やけ」は、胃酸が胃から食道に逆流することによっておきる。治療の柱は「薬物療法」と「生活習慣の改善」。治療には、胃酸の分泌を抑える薬「PPI」や、効果がより強力な「P-CAB」を使う。薬が十分に効かない場合には、胃の一部を食道に巻き付ける手術を行う。逆流を起こしやすい食品や食後の過ごし方など、具体的な生活改善法についても専門家が詳しく解説する。
出演者
【キャスター】八嶋智人,大和田美帆,【講師】国立国際医療研究センター消化器内科診療科長…秋山純一,【リポーター】松田利仁亜,【語り】江越彬紀,佐藤真由美ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 高齢者
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
- 逆流
- 食道
- 胃酸
- 粘膜
- 炎症
- 高橋
- 逆流性食道炎
- 原因
- チョイス
- 山田
- 症状
- CAB
- 治療
- 手術
- 場合
- 木村
- PPI
- 検査
- 時間
- 状態
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
<今回のテーマは…>
<こんな経験 あなたもありますよね?
でも ただの胸やけだと放置していると
こんなことも…>
<さらに…>
<じゃあ
胸やけにならないためには…>
<チョイスは ありま~す!>
(3人)チョイス!
<重症度別の治療のチョイスから…>
<すぐにできる生活の工夫まで
たっぷりと ご紹介しま~す!>
健康への道のりはチョイスの連続!
ということで 今日の「チョイス」は…
お芋の天ぷらを 急いで食べると
いつも 「ううっ…」って
「ううっ… ううっ…」ってなります。
あれは 何で…
そうか。
胸やけなのかな?
僕も 息子が 今 中学生なので
やっぱり どうしても こう 揚げ物がね
多くなったりもして。
う~ん…!
何か こう いつもの調子で
ばくばく食べちゃうと
何か 「うぷっ…」っていうふうには
なってるけど
何となく 放置しがちだなっていうのも
あるけど…。
ちょっと つきあい方をね 考えないと
いけないなと思ったりしますが。
「胸やけ」がテーマですが
その原因となるのは「胃酸」です。
胃酸について
ちょっと 整理をしましょうか。
胃酸というのは 食べ物を食べたあとに
胃の中から分泌される液ですけれども
主な成分は塩酸です。
で 「pH」っていう酸性度を表す値だと
1.0から1.5。
これ 鉄をも溶かすぐらいの
それぐらいの強さが
あるということなんですよ。
そうですか!
じゃあ 何で こんなに強いのかというと
食べ物を消化するという
目的と
あとは悪い菌が
入ってきたとき
細菌を
やっつけるために
これだけ
強いというふうに…。
もちろん 必要だから
あるわけですからね。
ということなんですよね。
でも その 鉄をも溶かす胃酸が
何で 胃は溶かさないんですか?
ねえ 気になりますよね。
実は 粘液が この胃の中にあって
粘膜を保護していると。 といっても
これ 1mmにも満たないぐらいの粘液で
胃を守っているんだそうです。
胃酸について
分かっていただけましたでしょうか。
ということで
この胃酸が原因の胸やけについて
今日は お伝えをしていきますけれども
さまざまな この胸やけのケース
ありますが
まずは 典型的なケースからです。
<若いころから 病気らしい病気を
したことがありませんでした。
ところが 60歳になったころ
山田さんの体に異変が…>
<そのときは 一時的なことだと思い
放っておいた山田さん。
しかし 数か月後から
胸やけが 頻繁に起こるようになり
胸が キリキリ 痛みだしたのです。
そこで 山田さんは…>
<牛乳や白湯を飲むと
胸やけが治まったのです>
もう 本当 素人療法で。
何か 胃液を薄めればいいんじゃない?
みたいな話でですね…。
<しかし その方法では
胸やけは 次第に 治まらなくなり
山田さんは 市販の胃薬をのんで
なんとか しのいでいました>
<2年間は 自己流の対処をしていた
山田さんでしたが
ある日の明け方のことでした>
胃が 痛みっていうか…
それが 数回 続いて…
<そこで 山田さんはチョイスをしました>
チョイス!
<専門医に診てもらうことにしたのです。
早速 内視鏡検査が行われました。
すると 山田さんの胸やけの原因が
すぐに分かりました。
こちらが 山田さんの食道の内視鏡画像。
丸で囲んだ部分が 赤くただれています。
胃酸によって
炎症を起こしていたのです。
山田さんは「逆流性食道炎」でした。
「逆流性食道炎」ってどういう病気なの?>
<口から食べたものは
食道を通って 胃に送り込まれ
胃酸で溶かされます。
この胃酸は
通常 食道に逆流することは
ほとんどありません。
食事のとき以外は
食道と胃の境目が
括約筋という筋肉によって
締められているからです。
しかし
何らかの理由で この境目が
きちんと
締まらなくなることがあります。
すると
胃酸が 胃から食道に逆流し
食道の壁を壊して炎症を起こします。
これが
胸やけの正体「逆流性食道炎」です>
<山田さんが
逆流性食道炎になった原因は
何だったのでしょうか?>
胃から食道のほうに
逆流する原因として
いくつか
あるんですけれども…
もしくは…
<山田さんには
思い当たることがありました>
<そして もう一つ 山田さんの好物が
逆流性食道炎の原因になっていたのです>
スープですとか… せんべいなどで
とうがらしの付いたようなもの
ありますよね ああいうものですとか。
<さらに…>
ちょっと 体重が
すごく増えてしまったもんですから。
体重が かなり増えたということも
ありますけれども。
そうすると…
<「繰り返す胸やけを
すっきり治したい!」
山田さんは 改めて チョイスをしました>
<それは
医師の指導をしっかり守ること。
逆流性食道炎の治療は
「薬」と「生活習慣の改善」の2つが
大切な柱になります。
薬は 胃酸の分泌を抑える
「P-CAB」が使われました。
山田さんは
毎日 忘れず のみ続けました。
そして
毎日のウォーキングと
食事の量を7割ほどに減らすことで
2年間で 10kgの減量に成功したのです。
さて 治療の成果は?>
すごく良くなりましたね。
なるほど。
なるほど。
何となく そういう日もあるから。
ああ でも ほっとくと
何か どんどん どんどんつらく…。
だって 2年 自己流にやってたって…。
牛乳飲んだり いろいろ トライして。
気付いたら2年たっちゃったみたいな…。
気付いたら悪化してたって…。
…ということがあるから
心配だなと思いますが。
では ここからは
詳しい方に お話を聞いていきましょう。
よろしくお願いいたします。
(一同)よろしくお願いいたします。
まずは やっぱり その胸やけの原因から
まず 教えていただきたいんですが。
食道から こう…
食べ物が
伝わっていくわけですけれども
食道から胃の中に
入りますと
そのときにですね
ここの括約筋というのがあります。
これは 食べ物が
通ってしまいますと
ちゃんと
締まってくれるんですけれども
これがですね
何かしらの理由で
パカッと
開いてしまうと胃の中のものが
逆流しちゃう
ということですね。
じゃあ どうして
胃酸が逆流するのかってことですが。
こういったものです。
ある! 全部 好きなんですけど…。
全部 好きなんです。
もう 私も そうですよ。 当てはまる…。
早食いですしね。
やっぱり 脂っぽいものは駄目ですか?
そうですね。 脂っこいものはですね
これ 消化を助けるために
胆汁を分泌させるホルモン
っていうのがございます。
これ 「コレシストキニン」という
ホルモンなんですけれども。
このホルモンがですね 本来は
消化を助ける目的なんですけれども
実は 先ほどの ここの括約筋を
パカッと開いてしまう 弱めてしまう
という作用がございます。
それによって
胃酸が逆流しちゃうっていうことですね。
「甘いもの(チョコレートなど)」って
書いてますが。
チョコレートとかですね こういった
甘いものの食べ過ぎっていうの…
これも逆流を助長する。
先ほどの括約筋を
緩めるというふうにいわれてます。
何となく アルコールは 緩みそうだな
っていう感じも 少し ありますけども。
平滑筋っていう筋肉なんですけれども
それが だら~んとなってしまうと。
私 アルコールを飲まない日は
炭酸飲料で! っつって
炭酸飲料 たくさん 飲んでるんですが
それも駄目ですか? ゲップが原因で…?
少量だったらいいんですけど
やはり がぶ飲みいたしますと
そのあと 「げぶっ…」とゲップが出ますね。
これは 胃の中のものを逆流させていると。
なるほど。
食べ方もですね 重要になってまいります。
食べ過ぎ もしくは 早食いですね。
こういったものも 食べるときにですね
一緒に空気を のみ込んでしまうために
胃の中に空気がたまって ゲップが
出やすくなるということもございます。
一方 「甘いもの」もありましたけど
「辛いもの」っていうのもありますし
「カフェイン」っていうのもありますが。
これもですね 胃酸の分泌を
促すっていうことがいわれています。
胃酸分泌が高くなると
逆流する大本が多くなるので…。
ああ そうか そうか そうか!
いろんなことが合わさって
逆流しやすくなっちゃうってことですね。
そういうことですね はい。
<胸やけの原因は
「食事」だけではありません。
例えば 「肥満」。
内臓脂肪がたまると
腹圧が高くなり
胃を圧迫して
胃酸が逆流しやすくなります。
「猫背」も腹圧を高くするので
逆流が起こりやすくなります。
ベルトやガードル
コルセット 着物の帯などで
おなかを強く締めつけても
腹圧が高くなってしまいます>
<でも 「便秘」で なぜ
胸やけが起こるの?>
便秘っていうのはですね これ
先頭車両が詰まってるような状況です。
後続車両が動かない。
行けないんですね。
そうですね。
胃の中に より いろいろなものが
たまりやすくなってる。
先に行かないので
上に上がるしかないという
そういった原理ですね。
なるほど。
正直 僕 まあまあ… 食べて
すぐ横になるタイプなんですけども
これは いかがですか?
食べたあとっていうのは
胃酸が うわ~っと出ます。
それで 胃の中が すごく いっぱいに…
胃酸になってるときに
重力がありますとね それが
下のほうに行きやすいんですけれども
やっぱり 横になりますと
逆流しやすくなる。
重力の影響が
なくなってしまうことによって
逆流しやすくなるっていうことですね。
単純に 本当に 姿勢の問題ですもんね。
いっぱいに入ってる… 飲み物が
いっぱい入ってる瓶を横にしたら
それは こぼれていっちゃうよ
っていうことですね。 はあ~…!
どれぐらい時間がたったら
横になっていいんですか?
胃の中のですね 食べ物が
十二指腸のほうに送り出されるのは
大体 1~2時間っていうふうに
いわれてます。
できればですね 1~2時間は
横にならずにですね ソファーに
ちょっと こう リクライニングで。
縦になってればいいんですもんね。
そうですね。
ちょっと寄りかかるぐらいは
ゆっくりは していいってことですよね。
じゃあ 胃酸が
逆流してるかどうかっていうのは
どういうふうに調べるというか
検査になりますか?
これはですね
まず 一つは 内視鏡の検査
「胃カメラ」っていうふうに
言ってますけれども それを行うと
食道の粘膜にですね 炎症があるかどうか
っていうのを調べることができます。
ここで 赤くなってたり それから
白くなってたり そういったのを
「びらん」
っていうふうに言うんですけれども
そういったものが
ありますと
「逆流性食道炎」という
診断になります。
こういう 何か 段階みたいなのって
あるんですか…?
ああ 今 出てきました。
具体的に説明をいたしましょうか。
炎症の大きさ 広がりによって
4段階に分けられます。
下にいくほど重症ということです。
え~っと この図なんですけれども
上が 緑のほうが食道で
黄色のほうが胃だと思ってください。
食道を縦に開いた図が
この状態であるというふうに
思ってください。
最も軽症の「グレードA」は
長さが5mm未満の炎症があると。
「粘膜障害」というのは 粘膜に障害が…
炎症があるっていうことですね。
「グレードB」は 長さ5mm以上の炎症が
少なくとも 1つある。
「グレードC」になると 炎症部分が
連続して こうやって広がって
全周 75%未満の状態である。
最も重症「グレードD」になると 炎症が
全周の
この75%以上にわたっている状態になる。
「A」「B」が軽症
「C」「D」が重症だということです。
大体 8割5分から9割ぐらいの方が
軽症…。
「軽症」… ああ よかった。
ほとんどの方は軽症なんですけれども
横のほうに広がってくる
重症型の方っていうのは
大体 1割から1割5分ぐらい
というふうにいわれています。
じゃあ 胸やけを
起こしている方っていうのは
こういった症状が
必ず 見つかってくるということですか?
そういうことでもないんですね。
これが難しいところなんです。
これ 逆流があって
そこの所が傷になってると
内視鏡で見えるようになります。
ちょっと逆流してるぐらいだと
傷は残さないんですね。
それで 内視鏡で見ても
分からないっていう方が
いらっしゃるってことです。
なるほど。
じゃあ 炎症なくて 胸やけだっていう方が
いっぱい いらっしゃるんですか?
びらんがない
「非びらん性逆流症」という病名の方が
半数ぐらい いらっしゃるというふうに
いわれてます。
でも 何か 不思議に思うのは
食道の粘膜に炎症がないのに
何で 胸やけが
起こるんだろうっていうことですが。
食道の知覚過敏っていうのが
起こっているというふうに
いわれています。
その過敏っていうのは
なぜ 起こるんですか?
自律神経の乱れっていうのが
この食道の粘膜の過敏性を
起こしてしまう
というふうにいわれています。
ちょっと あれなんですね
敏感に なり過ぎちゃってる
ってところがあるっていう。
原因は あるんですか? それの。
一番はですね これ 「ストレス」ですね。
ああ なるほど。
どちらかというと「若いやせ型の方」に
多いというふうにいわれています。
ええ~…。
やせ型の方に多いのは なぜなんですか?
ちょっとしたことですね。 やはり
緊張を感じてしまったり 心配性だったり。
やっぱりですね
そういったストレスが… 感じやすい方。
そういった方が
非びらん性のほうが多いってことですね。
治療っていうのは 薬と 生活習慣の改善。
これ もう
2つの柱っていうのがありましたけど
薬は どのようにして使っていくのか
ということが気になるんですが。
<まず最初に使うのが
「PPI」や「P-CAB」という
胃酸の分泌を抑える薬です>
「PPI」と「P-CAB」。
この違いというのは
どういうふうになります?
<PPIは 胃酸の分泌を抑える薬として
二十数年前から使われてきました。
のんだあと 3日から5日で
効果が表れます。 しかし
夜間に 効き目が少し弱くなったり
効き方に 個人差があることが
弱点でした。
そこで 6年前に登場したのが
効果が強いP-CABです。
効果が3時間で表れ
一日中 持続します。
しかも 効果に個人差がありません。
そのため 重症の場合には
P-CABが第1選択になっています>
そこまで効くって聞いてしまうと
じゃあ PPIじゃなくても
P-CABに みんな しようよ
って思うんですけど そうではないと。
そうですね。 重症例はですね
やはり 酸が 多く逆流してますので
しっかり抑えたほうがいい
ということなんですけれども
先ほどの非びらん性の場合は
それほどでもないので
PPIでも十分ですし
また そのP-CABはですね
保険適用外ということもございますので
PPIが 第1選択ということになります。
薬の費用は
おいくらぐらい かかるもんですか?
PPIは 3割負担の一般の方ですね
…で 大体 月1, 000円ぐらい。
それから
P-CABもですね 月2, 000円ぐらいで
求められますので。
なるほど。
この PPIやP-CABっていうのは
薬局では 買えるんですか?
町の薬局では
売ってないということになります。
処方で 病院で
出してもらうっていうことになりますね。
では ほかの薬は どういうふうに
使っていくのかということですが。
まだ 残った酸分泌っていうのを
この「制酸薬」というもので
中和してあげるということになります。
これは 逆流したときに
先ほど お白湯だとか
牛乳飲んでっていうことも
ありましたけれども
それと同じような作用ですね。
じゃあ この「粘膜保護薬」っていう…。
粘膜がですね 非常に荒れてる場合には
やっぱり これは
逆流を抑制するだけじゃなくて
そこの粘膜を
良くしてあげようということで
粘膜を保護するお薬を…
釉薬みたいなもんですね
そういったものを
塗ってあげるという目的で使います。
さあ 続いて 「消化管運動機能改善薬」。
胃の中の胃酸が 大体 1~2時間で
小腸のほうに排出されるというふうに
いわれてますけれども。
胃もたれが
ひどかったりっていう方はですね
これ 胃の運動が
低下してる場合があります。
そうすると 胃の中に停滞して
上のほうに逆流するので
早く 小腸のほうに
送り出してあげようということで
こういったお薬を
使うっていうことですね。 なるほど。
でも さっき ストレスが ちょっとね
原因みたいなことになってくると…。
非びらん性の逆流症は。
それを緩和するっていうことで
解決する部分もあったりするんですか?
そうですね。 やはり
ストレスマネージメントっていうのが
いろんな世界で
今 重要になってきてますけれども
こういったストレスが原因の
非びらん性の場合はですね
それが非常に重要になってまいります。
それでも 良くならない場合ですね
「抗不安薬」とか「抗うつ薬」。
こういったものを
ちょっとね 使ってあげると
楽になる方もいらっしゃいます。
また 睡眠がですね 全然とれない方。
これもですね 頭が休まらないので
いろいろなストレスを
感じやすくなってしまうので
軽い「睡眠導入剤」みたいのを
使ってあげると
ぐっすり眠れてですね 症状も
軽くなるっていうことがございます。
さて 逆流性食道炎の主な症状が
胸やけということなんですけれども
思いもよらない症状が
出ることもあるんです。
<高橋さん 80歳 主婦です。
運動は 散歩と体操が日課。
食生活は
腹八分目と塩分控えめを心がけるなど
健康には最大限 気をつけていました。
ところが 2年前。
突然 思いもよらない症状が
出始めたのです>
<その後 高橋さんのせきは
次第に ひどくなり
横になっていられないくらいの状態に
なってしまいました>
(せきこみ)
もう 普通の かぜの症状じゃない…。
<高橋さんは
耳鼻科で「ぜん息」と診断されました。
ぜん息の薬を処方され
自宅で様子を見ることになった
高橋さん。
ところが 症状は
良くなるどころか さらに ひどい状態に>
ああ これは もうね 普通じゃないと…。
<家族が救急車を呼び
高橋さんは病院へ搬送されました>
<入院し 詳しく検査することになった
高橋さん。
ぜん息だと信じていたのに
内視鏡を使って調べてみると…>
<こちらが
高橋さんの食道の内視鏡画像です。
食道が炎症を起こして
真っ赤に ただれているのが分かります。
黒く見えるのは 出血の痕です>
<そして こちらは
出血の瞬間を捉えた画像。
真ん中の 赤い柱のように見えるのが
出血です。
出血は その場で
すぐに クリップで止められました。
でも…>
<2つのケースが考えられます。
一つは
胃から逆流したものが気管に入り込み
異物を吐き出そうとして
せきが出るケース>
<もう一つは
逆流した胃酸が食道の粘膜を刺激し
その刺激が気管支にも伝わった結果
反射が起きて せきが出るケースです>
<重症の逆流性食道炎と分かった
高橋さんは
チョイスをしました>
チョイス!
<逆流性食道炎の薬をのみ始めたのです。
高橋さんの治療には
胃酸の分泌を強力に抑えるP-CABと
食道の粘膜を保護する
アルギン酸という薬が使われました。
治療が始まって1か月。
激しいせきは治まりました。
そこで 胃酸の逆流もなくなったかどうか
確認するために
高橋さんは
ある検査を受けることになりました>
<センサーが付いた
直径2mmのカテーテルを
鼻から胃まで注入し
胃液に含まれる胃酸の強さ
食道のどこまで逆流しているのかを
丸一日 調べて治療を考えます。
検査の結果
逆流は なくなっていたものの
胃酸の分泌量は
まだ かなり多かったため
胃酸を抑える薬は
のみ続けることになりました>
<薬による…>
<状態は?>
(取材者)何か 逆流してくるって…?
<実は 高橋さん
激しいせきが出る前から
しゃっくりに悩まされていました。
そのときに 「軽度の逆流性食道炎」と
すでに 診断されていたのです。
これが
そのときの食道の内視鏡画像です。
このときは 軽かったため
経過観察と言われました。
それから4か月で こんなに
ひどい状態になったのです。
なぜ たった4か月の間に
こんなになってしまったの?>
「何か原因ある?」って
言われたんですけれど
そのとき…
<実は 当時 高橋さんの夫が
脳梗塞や心臓病で
入退院を繰り返していました。
それが 高橋さんにとって
かなりのストレスになっていたのです>
<そこで 高橋さんは
薬の治療を続けながら
あるチョイスをしました。 それは…>
自分のことは
あんまり 考えなかったんですね。
<こちらが 最近撮影した
高橋さんの食道の画像です。
食道の粘膜の炎症が
きれいに なくなりました>
だから そういうので
少し 良くなったのかなって思います。
先生には感謝してます。
いやあ びっくりしましたね。
この進む速さというか。
いやあ びっくり…。 4か月で…。
改めて 逆流性食道炎の症状を
ご紹介したいと思うんですけれども。
代表的な症状が…
見ている「胸やけ」や「呑酸」
というものなんですが
呑酸っていうのは 酸っぱいものが こう
胸から のどのほうに
込み上げてくるような症状。
ほかにも…
こういった症状もあるということです。
何か 「胸が痛い」っていうのは
どういった痛みなんですか?
これはですね この食道が
塩酸によってですね… 胃酸によって
刺激されまして
きゅ~っと
こう 胸が締めつけられるような
激しい痛みを
起こす方がいらっしゃるんですね。
まるで
狭心症とか それから 心筋梗塞
こういった症状と
間違えるっていうこともあります。
もし そういう痛みが出たら
どうしたらいいんですか?
やっぱり
心臓病による痛みかどうかっていうのを
医療機関に受診していただいて
心電図とって
見極めてもらうっていうことになります。
「耳の違和感」。
これは どういうことになりますか?
これはですね あまり多くありません。
耳のほうの炎症なんですけど
これはですね
鼓膜の所から外にでるのが
この耳の穴ですけれども
鼓膜からですね
口の中に開いてるんですね。
そこまで炎症が起こると
耳のほうに影響してしまう
っていうことがありますね。
だいぶ上がってきてるんですね それは。
そうですね。
…ということですね。 はあ~…!
高橋さん 「24時間pHモニタリング」
という検査をやられていましたけども
これは どういうときに
やるものなんですか?
治療がですね いまいち効かないと。
薬の効きが
ちょっと 悪いよという場合にはですね
この症状が
どういうことで起こってるのか
どうして
治まらないのか そういったものを
原因をですね 調べるために
この逆流の検査をいたします。
何となく それを 突き止めるっていう
そういう感じですかね。
その検査で使う機器も
今日 お持ちいただきました。
こちらが 機械の本体で
ここから センサーが
付いているということですけれども
実は これ
お鼻からですね こういうふうに入れて
胃のほうまで
入れるということになります。
これで… おさらいなんですけど
どういうことが
分かるのかっていうことですが。
胃の中ではですね 胃の酸が どのぐらい
あるかっていうことを調べます。
食道のほうは
食道のほうに逆流してくるものが
どのぐらいあるかっていうのを
調べるんですけれども。
実は 胃の中は
胃酸が いっぱいありますけど
食道の中っていうのは 先ほどの
括約筋が しっかりしてればですね
中性になります。
大体 pHでいくと
6から7っていう値になりますけど
これが 胃酸 1から2のものが
逆流してくると
6から7から だんだん 低下していって
4以下になると これは
逆流があるというふうに判断されます。
24時間のうちですね 食道の中の
このpH4以下の時間っていうのが4%。
24時間のうちの4%というと
約1時間なんですけれども
そこまではですね
正常な状況というふうにいわれています。
これが4%を超えますと
これ
異常っていうことに
なってきます。 分かりました。
検査費用っていうのは
どのぐらいかかるものでしょう?
これ 大体ですね
3割負担で 2万円から3万円ぐらい。
ちょっと…
1泊2日の検査になりますので
そのぐらいの費用はかかってしまいます。
続いては 薬による治療を
長く続けたものの効果がなく
違う治療法を選択したケースです。
<木村さん 53歳の主婦です。
体に異常が現れたのは10年前>
<心配になった木村さんは…>
<こちらが
木村さんの食道の内視鏡画像です。
胃酸の逆流による炎症で
食道全体が
白く ただれているのが分かります>
<木村さんは
胃酸を抑える酸分泌抑制薬や
整腸剤を使って治療を始めました。
それでも…>
<木村さんは
以前のように食事を楽しむため
チョイスをしました>
チョイス!
<違う治療法を
試してみることにしたのです。
それは…>
…がメインになります。
<木村さんの逆流性食道炎の原因は
胃と食道の間を締める括約筋が
緩んでいることでした。
そこで 緩んだ所に
胃の上の部分を巻きつけて 縫い
逆流しないように締まりを作るのが
この手術です。
実は 木村さん 当初
手術に乗り気ではありませんでした>
<…って どういうこと?>
<「バレット食道」とは
胃酸の逆流を何度も繰り返すことで
食道の粘膜の一部が
胃の粘膜に
変化してしまった状態のこと。
変化した
粘膜の長さが3cm以上になると
がんのリスクが
高くなると考えられています>
<画像の赤っぽく見える部分が
バレット食道です>
<木村さんの手術は 無事 成功!
腹腔鏡手術だったため
回復も早く
8日間の
入院で済みました。
手術から1年。 木村さんの状態は?>
そのうち もう 全く 全然 意識せず…
おかげさまで…
<よかったですね 木村さん!>
よかったですね 本当に。
薬が効かないとなると 手術をする
ということになるっていうことですか?
P-CABをのんでても あれだけの
ひどい逆流があったということで
これはですね
やはり 我々 内科医ではなくて
外科医の先生にですね
外科の先生にお願いして
逆流防止手術を
していただくということが
いいことだというふうに考えました。
<薬が効かないとき以外にも
手術が必要な場合があります。
「食道裂孔ヘルニア」です。
食道と胃の境目は
横隔膜の所にあるのが正常です。
ところが 何らかの理由で
胃が食道側に飛び出して
境目が ずれてしまうのです>
何で ずれるんですか?
おなかの 腹圧が高かったりですね
そういったことになると
上のほうに ずれてきちゃうということが
いわれてるんですけれども
正確な機序っていうのは
分かっていません。
これ ちょっと ずれたぐらいだったら
いいんですけれども
やはり 3cmぐらいですね
こういう ずれがあると
ここの所にですね
空間が出来ちゃうんですね。
あの図で こうやって膨らんでる所。
その上の所に
括約筋が 本当は あるんですけれども。
その空間の所に
お水がたまって
パカッと開いたときに また
逆流しちゃうっていうこともありますし
あとは 横隔膜が
外から押さえつけて
括約筋が中から押さえつけてという
2つの共同でですね
逆流防止っていうのは
行われてるんですけど
それの効力が ちょっと弱くなっちゃう
ってことですね。
あと 手術で
対応するということになってきて
木村さんは
腹腔鏡手術ということでしたけれども
これは
どういった手術になりますでしょう?
おなかの所にですね
何か所か
穴を開けて 腹腔鏡を
中に入れて
遠隔操作でですね
手術をすると。
穴も小さいですもんね。
そうですね。
ばっさりとですね 切ると
やはり 回復が…
術後の回復が悪いということなので
この腹腔鏡でできればですね
これは 非常にいいことですね。
その手術では 胃の上の部分を
何ていう… 巻きつけて…。
何か 胃で締めるっていう。
自分の胃で 自分のここを
ぎゅって締めるっていうことですよね。
そうですね。 胃の上の部分を
食道の噴門っていう所にですね
こう 巻きつけて
エリマキトカゲみたいに
こういうふうに…。
巻きつけて
締めつけるということですね。
縫った所が緩んでくる
っていうことはないんですか?
これはですね どうしても やっぱり
腹圧が そのあと かかってしまうと
緩むことっていうのはあります。
ですから
内臓脂肪が かなり多い方っていうのは
これは やっぱり 減量していただく
っていうのが重要ですね。
緩んでしまった場合には
残念ながらですね
再手術っていうことも
これは いわれております。
それは ぎゅっと 強くなって
そのあと… 手術のあと
食べ物を飲み込んだりするときに
飲みづらくなるっていうことは
ないんですか?
ごはんが通るときにはですね
これ ぱかっと開いてくれるんです。
これ ただ 物理的に
締めつけちゃいますので
ぱかっと開かない。
ですから ものが通るときに
やっぱり ここの所にですね
詰まり感っていうのがあるのが
これが 副作用の一つですね。
じゃあ 結構 締め具合っていうのが
大事ですね。
そうですね。
この締めつけ具合っていうのはですね
これは 非常に熟練した外科医の腕
っていうことになります。
微妙なですね 締めつけ具合というのが…。
加減がね あります…。
ってなると 結構 いい先生を探したいな
というふうに思うんですけれど。
その症例数の多い医療機関を
ネットなんかで検索していただいて
これを受けていただくのが
よろしいかなというふうに思います。
あと VTRの中でですね
逆流性食道炎が重症の場合
がんのリスクがあるっていうふうに
言葉が出てくると
ちょっと ドキッとするんですけれども
それは どういうことでしょう?
実際 バレット食道の画像
改めて ご覧いただきますが…。
何か 一見 きれいなのかなって
思ってしまうんですけれど。
この白くなっている所がですね…。
これですかね。
もともとの食道の部分です。
手前側のほうに
ピンク色の粘膜がですね
広がってると思うんですけれども。
そこが 本来は食道だった所が
胃の粘膜に
置き換わってしまうということで
そこが
バレット食道という所ですね。
これ 何で そうやって
変化してしまうのかってことですが。
逆流があるとですね 胃酸の…
抵抗しようということで
胃の中はですね 胃酸に強い粘膜。
それで 置き換わろうということで
こういった食道の上皮が
胃の上皮に
置き換わってしまうということですね。
ただ これはですね やはり
炎症が 繰り返して起こってきますので
何回も
炎症が繰り返していくうちにですね…
がんが出てきてしまうっていうリスクに
なるということがいわれています。
この長さっていうのが 非常に重要で
この方の場合は それほど長くない…
2cmぐらいなんですけれども
これは やはり 3cm以上になりますと
がんのリスクが
増えてくるということになります。
このバレット食道に
変化した部分っていうのは 例えば
PPIとかP-CABとかをのんだら
元に戻るっていうことはあるんですか?
これは 残念ながらですね
元に戻らないんですね。 なるほど。
しかし 進行はですね
止めるっていうこともありますので
こういったバレット食道の方はですね
お薬 一生懸命 しっかり
のんでいただいたほうがいいと思います。
分かりました。
では 最後に
今日 お伝えした内容を踏まえまして
ベストチョイスのためのアドバイスを
お願いいたします。
「逆流性食道炎」っていうふうに
一般的に言いますけれども
これ 軽い方から重症の方まで
いろいろあるっていうことが
今日 お分かりいただけたかと思います。
軽症の方っていうのはですね
ほとんどが
生活習慣を注意するだけで良くなるし
食事の食べ方とか食事の内容とかですね
そういったものも
非常に重要になってきます。
また この胸やけが
頻繁になった… 週に2~3回
出てくるなあというようなことに
なりましたらですね
これは 何かの…
逆流してくるといった症状が
強くなってくる
ということでございますので
病院の消化器内科を受診して
一度はですね
内視鏡を受けていただくのが
よろしいかと思います。
たかがね 胸やけだっていって
ほっとかないほうがいいっていう…。
よ~く分かりました。
先生 どうもありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
胸やけが続いてるとき
何を食べればよいのか悩みますよね。
おすすめの食材は 脂の少ない
淡泊な白身魚や鶏のむね肉。
そして 豆腐や納豆などの大豆製品。
野菜も
かぼちゃや大根 にんじん 山芋など
消化の良いものを選びましょう。
こうした食材を使って 例えば こちら。
鶏むね肉のミルク煮は いかが?
火が通ったら…
最後に 乱切りにした山芋と
ゆでたスナップエンドウを加えれば
出来上がり!
山芋は 消化酵素のアミラーゼを含み
胃の働きを助けます。
牛乳には 胃の粘膜を
保護する効果があるんですって。
ぜひ お試しあれ!
次回も 皆さんにお届けします。
健康へのベスト…。
(2人)チョイス!
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