SWITCHインタビュー 達人達「中馬和彦×重松象平」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

SWITCHインタビュー 達人達「中馬和彦×重松象平」[字]

大手通信会社社員にして「バーチャル渋谷」のプロデューサー中馬和彦とNYを拠点に世界で活躍する建築家重松象平。「都市づくり」の第一線にいる2人が語る都市の未来とは

番組内容
「バーチャル渋谷」は渋谷区や民間会社70社余りが取り組むインターネット上の仮想空間。誰でも参加でき仮想の渋谷の街で買い物やライブなどを自由に楽しめる。通信の発達を背景に新しい街づくりをしかける中馬が指名したのがリアルな場で都市計画に携わる重松だった。世界中で巨大建築を手掛けてきた重松もまた都市には熱い思いがある。実は2人は大学の同級生だが会うのは20年ぶり。リアルと仮想はかみ合うのか、緊張の再会。
出演者
【出演】バーチャル渋谷プロデューサー…中馬和彦,建築家…重松象平,【語り】六角精児,平岩紙

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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キーワード出現数ベスト20

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  10. ハハハハ
  11. 建築家
  12. バーチャル渋谷
  13. リアル
  14. 一緒
  15. 挫折
  16. プロジェクト
  17. 日本
  18. 必要
  19. アバター
  20. 仮想空間

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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最近 ちまたで よく聞く言葉がある。

「メタバース」。

インターネット上の仮想空間の中で
現実世界と同じように

ビジネスや娯楽などの活動が行える
サービスのこと。

例えば 渋谷区公認で
2020年に始まった こちら。

渋谷の街をCGで再現。

利用者は 自分の分身
「アバター」で参加し

ライブやイベントなどを
自由に楽しめる。

スマートフォンさえ
あれば

誰でも参加できる
この仕組み。

コロナ禍で行われたハロウィーンイベントには

なんと 50万人以上が参加した。

日本のメタバースの最前線ともいえる
バーチャル渋谷を仕掛けたのが この男。

大手通信会社で プロジェクトを
社外に向けて発信したり

ベンチャー企業の投資やサポートを
担当している。

中でも バーチャルで 新しい都市の
カタチを提示するプロジェクトは

国内外から注目を浴びている。

日本のメタバースの第一線を走る中馬が
会いたい人とは…。

アメリカ・ニューヨークを拠点に
世界中で活躍する…

都市を象徴する
巨大建築をはじめ

多種多様な大型プロジェクトを
手がけている。

去年 福岡市で誕生した…

アメリカ・シカゴで進行中の

近未来的な研究開発施設。

カナダ・ケベックシティの

緑あふれる公園にたたずむ美術館。

独創的で かつ
時代と都市に溶け込む建築デザインで

世界から高く評価される重松。

実は 中馬とは大学の同級生で

当時は大親友。

しかし そんな2人は
あることがきっかけで

およそ20年も会っていないという。

彼とは 久しく会ってなくてですね。

でも いろんなところで
活躍は聞いていて。

仮想現実と

物理的な現実。

それぞれの世界で一線を走る2人が
都市に託す思いとは…。

♬~

この日 一時帰国中の重松が訪れたのは…

こいつじゃないですよね?

(取材者)違います…。

ええっ…?

こうやって…。

中馬が指定した場所は

自身がプロデュースする
バーチャル渋谷の中。

街をCGで再現した仮想空間では

「アバター」というキャラクターが
自分の「分身」となって活動する。

対談に先立ち
重松も ある場所を訪ねていた。

360度 28台のカメラで
全身をスキャン。

これで 高精度な分身を
作ることができる。

システムにログインした重松。

アバターとなり
仮想の渋谷で中馬を探し始める。

まずは ハチ公前に…。

戸惑いながら
バーチャルの渋谷の街を探し回る重松。

そのころ 中馬は
リアルなハチ公像の後ろで

自分のアバターを操作。

バーチャルハチ公前で
重松を待ち受ける。

バーチャルに没入する重松。

後ろにいる中馬に気付かず 探し続ける。

また?

あいつ…。

おい!
うわっ…! ハハハハ…!

どう? どうっすか?

元気? 元気?
久しぶりじゃない?

およそ20年ぶりの再会は…

いや 何かね せっかく…

すてきなステージを
用意してあげようかなと思って。

見ていただくとさ…

よく出来てると思うんだけど。

これ ずっと 夜なの。
今は。

変えることはできるよ
いくらでも。

右下のさ イスのマークみたいなの
あるじゃん。

これを長押ししてくださいと。

そしたら 立つから。

ああ 立った 立った。

手のマークあるじゃん 左右に。
これをやると…。

ハハハハ…。

…になってるの 分かる? これ。

今 すごい高速猫パンチ。 両手で…。

高速猫パンチ…! ハハハハ…!
両手で…。 ハハハハ…!

さあ そろそろリアルな対談に
いきましょう。

これ もともとさ
このバーチャル渋谷とかっていうのを

19年とかから
渋谷と一緒に仕事をやっていて。

何か エンターテインメントを

デジタルでアップデートしましょう
みたいなことを

いろいろ 提案してたのよ。

「テクノロジー使って」みたいな…。

渋谷区さんと一緒に
いろんな用意してたんだけど

ちょうど コロナになってね。 それで…

でた!
だよね?

そういうコミュニティーを
サポートしたり 伸ばしたり…

メタバースっていうのは そういう…

なったらいいなと思ってる
って感じかな。

メタバースは
人々のコミュニティーを発展させ

新しい街の「カタチ」を生み出す
切り札になると中馬は期待する。

「超越」を意味する「メタ」。

「宇宙」を意味する「ユニバース」。

2つの言葉を合わせた造語が
「メタバース」。

インターネット上の仮想空間で
人々がつながり

ゲームやイベント
今ではテレワークなど

仕事でも
活用されている。

中馬が進めるバーチャル渋谷は
行政と 70を超える企業が参加。

革新的な「都市連動型メタバース」として
日本の最前線を走る。

コロナ禍でリアルな催しが中止になる中

バーチャルで開かれた
ハロウィーンイベントには

世界中から50万人以上が

アバターとして参加し
盛り上がった。

渋谷を舞台に中馬が目指すのは

日本のカルチャーの活性化

そして 発信だという。

ああ… そっか。

まあ あとは やっぱり…

MIYASHITAとか どう思う?

ああいうのが
どんどん増えればいいと思うけど。

渋谷っぽいよね。
うん。 やり方も うまいし。

だから あれが 本当に…

…っていうと
そこが問われるんじゃない? 最終的に。

もともと だって あったものだからね。

作り替えたときに どうなるかだよね。

やっぱ 何か こう
「ブレードランナー」的なとこが

渋谷って
たぶん あるんだと思うんだけど

近未来都市的な… 人も含めて。

その場っていうのは すごく重要で
その場の特殊性みたいな…。

だから それは…

それは たぶん その…

渋谷から始まったっていうのは

ちょっとした
きっかけだったかもしれないけど

渋谷っていうのが
腑に落ちる感じはする。

何か いろんな多様な人たちが
駅に集まってきてる感じだし

やっぱ…

そうだよね。 まあ でもさ

彼らの大半は スマホの占有時間が
もう 長いわけじゃない?

だから…

…ってあるべきだと思っていて。

そのやり方って 必ずしも
リアルの街だけではなくて

バーチャル空間の 今の SNSとか
ユーチューバーみたいな文化。

本当の…

何か 街そのものを

どこまで進化させるべきなのか
っていうところについては

俺は 結構 懐疑的で。
こんなに同じものが

似たようなとこにたくさんある必要
あるんだっけ? みたいな。

これって どんどん バーチャルで
代替できるから。

じゃあ もう できるものは
バーチャルでやればいいと。

でも じゃあ その都市空間は
別に 必要ないじゃん。

ZoomとかTeamsで
入ればいいから…

そういう 働くとかコミュニケーション。

別に 都市で わざわざ 歩いてってさ
誰かに出会う必要はないんじゃないの?

インターネット上で
コミュニケーションするために

なぜ バーチャルな都市空間を
あえて 作る必要があるのか。

重松は 中馬に問いかけた。

メタバースっていうものが たぶん
何で 今 ブームになってるっていうか

バズワードになってるか
っていうことだと思うんだけど。

単純に コロナになって

で みんな 学校 行けません
リモートでやります。

ただ だべってる。 ゲームもせずに。

例えば 自分の子どもが それを
やり続けてもいいと思ってるの?

いいと思う。
それ しかたないと…。
いいと思う。

っていうのは 結局さ…

でも それは必要な行為じゃない?

家の中で 引きこもって 一人で
何か いるっていうのではなくて

友達と集まれる。

…っていうものが
たまたま ありましたと。

それがゲームでした。 何となく…

すると…

地方のケーキ屋さんの子が

いきなり 歌って ミリオンセラーを
出しましたなんてことは

誰も想像できないじゃん? そんなの。
昔は 絶対なかったわけだし。

でも そういうことが
実際に 環境を与えられたら

そういう人が出てくる。

必ずしも 有名でも何でもない…

学校に行ってたわけでも
何でもない人たちが

そういう…

僕らは それを
いかに仕掛けるというか

そのサポートをするというか

そういう立場でいられるかどうか
っていうところの…

そういう形のイマジネーションは
すごく大事。

1973年 鹿児島県で生まれた中馬。

少年漫画が大好きで
将来の夢は パイロットだった。

地元を離れることに反対する親を説得し

福岡の九州大学に進学した。

中馬と同じ1973年

重松は 福岡県で生まれた。

小学3年生のとき
親の仕事の関係でボストンへ。

そこで西洋建築に触れる。

絵を描くことや
ものづくりが大好きだった重松。

地元 九州大学の建築学科に進んだ。

そして 2人は…

意気投合し 音楽やファッション
将来の夢など

互いに 何でも言い合える存在となった。

やがて 中馬は
東京の大手通信会社に就職し

仕事で国内外を渡り歩く生活に。

重松は 国際的に活動する建築家を目指し
単身 オランダへ。

事務所に入り
仕事に没頭する日々が続いた。

ある出来事がきっかけで
2人は その後 会うこともなく

20年を超える時間が流れた。

ロンドン。
だよね?

ケンカして…。 そうだよね。

家を 建てる建てない… 将来
建てる建てないってなったときに…

俺は
「やらせてくれ」とは言ってないけど…

もう 速攻で 奥さんと一緒に…

ハハハハ…! それで…

知らん! それ 知らんわ! それ…。

出てったよね?

対談することになるとは
思ってもいませんでした…。

はい こちらになります。 どうぞ。

中馬が 今 力を入れているのは

第5世代移動通信システム
「5G」を活用したビジネスだ。

その一つが バーチャル渋谷。

「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」
という特徴を持つ5Gによって

多くの人が 同時に
ネット上で つながることができる。

それぞれの方たちが入ってきて…

仮想空間で 人々が 自由に 出会い
しゃべったりすることを実現させた5G。

さらに 車やセンサーなど
あらゆるものもネットにつながり

生活様式が大きく変わるといわれている。

ここで 重松は
5Gについて抱いている

さまざまな疑問を投げかける。

実感として 5Gが
何か 生活に寄与したって感覚

いまだに 全く ないし。

ふだんの生活で
大きく変化が生まれるの?

でも たぶん 5Gは 結構
これまでとの違いがあるとすると

一番大きいとこは
「多接続」っていうのがあって。

全部のものが
インターネットにつながっても

大丈夫になったっていうところが
5Gで。

だから 実は 結構 速度以上に

大きいインパクトがあるのは
そっちだと思っていて。

現象面でいうと 今 すごい…

「ロボティクス」「自動化」みたいな
すごい 技術が進んでて。

もう 中国 行ったら ほぼ 全部
店 無人みたいな…。

ホテルも無人みたいな。

だから いろんなところに 通信が
入れられるようになったことで

つまり 無人化・省人化が
究極に進むみたいな。

でも そこでね そこで
人間が 逆に そこから解放されて

何か 別のことが できるということでは
ないじゃん 今のところ。

そこで 人は
必要なくなるかもしれないけど

その分 仕事が減るわけで…。

不安だっていうか そういう こう…

どうしても 効率化みたいに
とらわれるんじゃないかなと…。

効率化ってさ そんなに悪いことだと
僕は 思ってなくて。

例えばさ 昔さ 田んぼってさ
みんな 一生懸命 手で植えてて

稲作しか やってなかったわけじゃん。
だけど 何か 耕うん機とか出てきて

自動で 田植えしてくれるし
稲刈りだってしてくれて

一人で おじいさんでも

米作りができます
みたいな感じになってるじゃん。

店員さんが コンビニで…

人が 本当に
接客をしなきゃいけないのかと。

だって 別に ロボットができる…。

ただ 確かに そこの仕事は
なくなりましたねって。

じゃあ…

違うもので生活していく
っていうふうに やっぱり

新陳代謝になっていくんじゃないのかと
思うけどね。

…になるような気がして。

便利なことって 今の平和なときには
あんまり 悪用されないけどさ

悪用される可能性があると。

だからといって 何だろうな…

人が イノベーションの歩みを
止めないのかっていうと

それは
ちょっと 違うような気もしていて。

たぶん…

そういう観点でいうと
たぶん その方向には

ずっと流れていくし それによって
むしろ

気をつけなきゃいけないところを
むしろ 新しい技術とかで

カバーしていけばいいんだと
思うんだけどね。

中馬は 学生時代
実は クリエーターに憧れていたという。

しかし 才能あふれる仲間たちと出会い

自分の能力の限界を知る。

そして 彼らを応援していこうと決心する。

通信技術を支える会社に入ったのも
そのためだ。

今は
社外に投資する部門の責任者として

新しい才能や気鋭のベンチャー企業と
一緒に

最先端のビジネスを生み出し続けている。

じゃあ そういう
モチベーションみたいなものは

人を助けるみたいな。
人って そういう…

俺の仕事をするところの
何か 考え方の起点みたいなのが

なぜ 会社員になったのか
っていうことも帰結するんだけど

何か…

…っていうのがベースにあって。
ずっと 一貫して

社会に大きい影響力を与えたいと思って
企業側には いるんだけど。

なんだけど
自分が与えられるぐらいだったらさ

自分が
クリエーターになってるわけじゃん。

だから 社会に影響を与えられる人を
応援する形で

結果として それを
何ていうかな… 加速度的に

僕らのさ 大企業のパワーとかを
注ぎ込むことで

伸びるものは
全然 2倍も3倍も伸びるから

そういうことを
やりたいっていう話だし。

何か すごい…

ちょっと クスッて
笑ったりみたいなところが

どこまで提供できるかと思って
やってるから

できるだけたくさんの人に もちろん
使ってもらいたいと思ってるんで。

開設して およそ1年半がたった
バーチャル渋谷。

中馬は 今 仮想都市のさらなる可能性を
模索している。

これによって…

将来的には バーチャルの街での行動が

リアルでも連動するという計画だ。

例えば バーチャル空間の中で
スニーカーを買うと

リアルな店から実物が家に届くなど

仮想と現実の垣根を越え
融合される日も近い。

中馬が願うのは 誰しも
自分らしく生きること。

バーチャルの空間ってさ
世の中 いろいろあるじゃん。

でも そういうのってさ
究極的に仮想空間じゃん。

全く同じような機能性なんだけれども
そこに…

…っていうことが
僕らとしての 一つの投げかけで。

こんなアプローチしてるとこって
あんま ないんだよね 世の中で。

難しいこと言うね。

あるハンディキャップを
持ってる人がいて

残念ながら リアルでは働けない。
なんだけど こういう空間だったら

あるコントローラーだけ 一つ持てば…

今までの インターネットの中で
仕事ができるっつったらさ

せいぜい 何か キーパンチをします
みたいな世界だったんだけど…

接客もできるっていうことでいうと…

例えば
すごく寡黙で真面目な人なんだけど

でも 何かの すごい オタクですとか

これって 一見 結び付かないけど
皆さん 共存して あるじゃん? って。

それを たぶん 社会生活の中で
知ることは少ない。

そんな簡単に割り切ってさ 何か
言えるもんじゃないと思うんだけど

何か そういうものの受け皿としては
メタバースみたいなのは むしろね

人間に 心地いいんじゃないかと
思ってて。

実は…

そういう形で普及していくんじゃないの
って思うんだけどね。

じゃあ 今から…
バーチャル渋谷だけど

メタバース池袋とか
メタバース新宿とか。

もう 大阪は… もう 実際 決まってるし
やってるし…。

大阪は やってるの? 大阪って
大阪の どこ? 大阪全部?

それはね まだ 一応
オープンになってない…。

大阪の あるところをやる
ってなってる…。

帰国は久しぶり?
ううん。

東京とか福岡で仕事してて。
あれ?

プライベートジェットで
帰ってきてないよ。

ほら! やっぱり。
うわっ! やられた。

覚えてる?

…って言ってたことがあった…。
ああ~…!

そんなこといったら 俺…

後半は 舞台をスイッチ。

世界的建築家集団の

ニューヨーク事務所代表を
務める。

美術館やオフィスビルから都市計画まで

20件以上の案件を抱え
世界を飛び回っている。

今 日本で
手がけているのは

大規模都市計画と

ランドマークとなる
超高層ビルの建築デザイン。

その工事現場を2人で訪ねた。

これ?
あれ。
あれでしょ?
あれです。

あれだよね。 だいぶ 建ってきたね。

そうなん?
そうだよ。 28階。

重松は このビルのデザインに
あるこだわりがあった。

これを建てるときに…

イメージを具体的に見るため
完成模型が置かれた場所へ移動。

重松が内装のデザインを手がけた
都市の未来を考える研究施設だ。

うん うん うん。
で さっき…。

あれね。 あの 一番でかいやつね。

中馬がいるタワーが ビジネスタワー。

まあ ちゃんとした…

あっ これね。
おお~…! こうなるわけだ。

これが
タワーの完成模型。

地上49階。

オフィス ホテル 商業施設。

上層階には ギャラリーなど
多くのテナントが入る予定だ。

重松こだわりのデザイン。

ビル同士をブリッジ状の公園でつなぎ…

高層ビルたちは
点から線となり

もともとあった都市の大通りとも
つながって

街が
立体的に活性化する。

こういうのを作るときにさ…

このでかいのが
ボーンと降ってきて…。

どのくらい? 例えば これだと。
これだと もう…

ええっ? そうなの?
で 竣工までに

まあ あと2年。
だから 8年ぐらいかかるとして

それでも そんなに この規模だとさ
そこまで長いほうじゃないんだけど。

あなたにとって…

これは コンペだったんだけど。

こんな でかいもんが
だって 形に残るんだもんね。

そうだね。
楽しいよね 確かにね。

大学院卒業後
建築家を目指し

海外へ飛び出した重松。

門をたたいたのは オランダにある
名だたる建築家を輩出する設計事務所。

そこで
文化や人種の壁に当たりながらも

粘り強く自分の作風を模索。

時代を取り込むセンスが認められ

2006年 ニューヨーク事務所の代表に就任。

今では 世界の象徴的な建築や

大規模都市計画まで
依頼されるようになった。

アメリカ・シカゴで進行中の

イリノイ大学 イノベーションセンター。

カナダ・ケベックシティの美術館。

去年 ふるさと 福岡に完成した
オフィスビルのデザインも担当。

時代を感じ 都市の特性をくみ取った
重松らしさが表れている。

天神のやつも
削れてる部分っていうのは

ここの下に こういう
広場を作って

こっちの細い通りと
明治通りを

なるべく
つなげやすくして。

でも この角だけを
こうやってデザインすることによって

すごい象徴的な角を作って

さらに その前に
ちょっとした広場を作る…。

やっぱり そういう こう

「都市の文脈」の中から
生まれてきて

そこを いかにデザインするか
っていうことを

常に考えてるから。

…みたいなところを すごい気にされてる
ってことなんでしょ? そうそうそう。

やっぱり こう 周りに 公共性とか
人が集まるような仕掛けを用いないと…

だから すごく スタンドアローンで
完結するものじゃなくて

そこに 協調するというか
調和するみたいなところっていうのを

結構 大事にしてるっていう…。

建築家って たぶん ふた通りあって…

それを こう どのプロジェクトでも
作り続けていって

向こうから期待されるものを
作っていくって感じ。

ザ・アイデンティティーで 「どうだ!」
みたいな人いるじゃない? 何か。

あなた そういう感じでもないよね。
だから それは 逆に 僕はできなくて

それは たぶん…

…っていう特殊性が
重なって初めて

建築って生まれると
思うんだけど。

「この気候で」とか。

そういう中で…

…っていうのが
僕の建築への信念というか

楽しみ方なのね。

アメリカ・マイアミのホテルに付随した
イベント施設。

円柱と箱型の2つの建物からなる。

景観に合わせながら

リゾートから アートや文化の発信地に
生まれ変わろうとする街を

重松は デザインで後押しした。

特徴は 400もある窓。

なんと すべて 形状が異なっている。

2つの建物の中は 1つにつながっていて
間仕切りも可能。

多様化するアートに対応できる機能性を
備える。

通り沿いには スペースを設け

人々が集まるようにした。

この独創的な建物は
街に影響を与える仕掛けともいえる。

建築って やっぱり デザインと
切り離せないところあるじゃない?

あえて なぜ デザインをするのか
っていうことも含めて…

それは すごい… 哲学的な質問かな。

デザインって ある意味 こう

何かの問題解決とか
何かを改善するとき…。

例えば これが 丸なのか四角かで

使いやすさとかっていうのが
変わっていくわけだよね。

だから こう…

…で デザインをしているつもり。
まず それが前提にあって。

機能美だけじゃないんだけど まず…

…っていうのが デザインの一つで。

例えばさ 何かのときにさ
ふわっと着想して

適切なプロジェクトのときに
これだ! と思って

そのデザインを出してくるみたいな
そういうもんではないってことなんだね。

それは ほとんどないね。
ないんだね。

何か こう
いくつかの引き出しがあって

作曲じゃないんだけどさ
楽曲のネタがあって この中から

これのプロジェクトは これだろ
みたいな… っていうようなことを

俺は してるんだと思ってたから。
だから そんなに こう

何ていうかな… ケースバイケースで。
引き出しはあるよ。

でも 何か 無数にありすぎて
その一つが ガ~ンって

これ 使えるねって感じで
やるっていうのは

そうやってる人も
たぶん いるんだろうけど

俺は それは
なるべく やらないようにしてるから。

でも もちろん これ…

昔 考えてたことあるなみたいな
デザインになることはある 最終的に。

でも それは
プロセスを経て そうなることとさ

最初から引き出し開けて これです
っていうのと ちょっと違うじゃん。

…っていうふうに考える人も
結構 多いと思うんだよね。

でも 感性っていうのも もちろん
あるから そこが 面白いんだよ。

…っていう瞬間が すごい楽しいわけで。

だから 理性も感性も両方必要。

ここで 中馬が 最近の高層建築について
聞きたかった質問を投げかける。

何か ほら 先ほどさ

デザインとか いろいろ見せてもらって
説明もらったんだけど

昔はさ 例えば
瓦建築だとか木造だなんだってさ

地域という特徴もあったけど…

すごく もちろん 均質化に対する
危惧っていうのはあって

それ 実際 俺
ずっと それを言い続けてる立場なの。

これ ちょっと見てほしいんだけど

これ 山手線で これ 東京…。

で この
違う色のドットが…

浅草に行ったら違うし
渋谷に行ったら全く違うし…。

でも 今さ こういう大規模開発って
どうしても

ある成功者がいると それと似たような
コンテンツが入ってくる。

それをさ 俺…

ガラスの箱の中に
同じようなものをパッケージ化して

どんどん こう
いろんなとこに作っていく。

弁当を批判してるわけじゃなくて
こうやって…

何となく 同じような感じがする。

建築家って 各プロジェクトを

差異化するために雇われてるわけ…。
そうだね。

この計画と この計画は違う
っていうのを見せるために

デザインが入ってくるわけなんだけど。

でも 中身が一緒だったら 結局 こう
本質的に変わんないだろうって思うのね。

それは たぶん
みんなも感じてることだと…。

それは すごい危ないことで

浅草に行こうが 六本木に行こうが
渋谷に行こうが

同じような開発がされてるとさ…

そこから 何か…

だから やっぱり
美術館とか あの中には いろんな

デジタル系とかのクリエーターが
集まるようなスペースもあるんだけど

そういう
そこから何か生まれるような仕掛けを

どんどん していかないと

ただの消費する空間になってしまう。
そうだよね…。

じゃないと 逆にいうと 建ったときが
完成度で一番ピカピカで きれいで

そこから 朽ちていって
価値が減衰しちゃう…。

そうそう。 まさに そのとおり。

そうだよね。

建築家として
独自性に欠けた都市計画には

危機感を覚えるという重松。

大切なのは 建てて終わりではなく

そこから…

重松にとって…

人の幸福度とか
ウェルビーイングっていうのは

あんまり こう
指標の中になかったんだけど

今 どんどん そういうのが やっぱり

一番大事だねっていうふうに
変わってきてるのね。

確かに 幸福度っていうのは
人それぞれだし

いろんな尺度があるから
難しいんだけれども

それでも やっぱり みんなが
この都市にいて楽しいなとか

この都市が好きだなって思える

環境作りっていうのは
やっぱり 大事だと思う。

何か 例えば
どういうふうにしたらいいとか

今後 こういうの作りたいとかあるの?

一つの単語でいうと
俺は「包容力」だと思っていて。

いろんな尺度 幸福度という尺度の中で
どんな人も

今日は あそこに行って
おいしいごはんを食べて

公園に行って ゆっくりして 帰って
リラックスできましたとか

それも 一つの幸福の在り方だし。

その人なりの幸福を
見つけられるような…

やっぱり…

そういうものが やっぱり こう

直接的に
その街に反映されてるような感じかな。

やっぱり どこにでもあるような街
っていうよりは

そこにしか ありえないような環境が
なるべく作られてるっていう街が

生き残っていくんじゃないかなと思う。
なるほど。

20年ぶりじゃないですか お互いに。

それなりに苦労もしたと思うんだけど
何か…

これは…

もう ほとんど… 日々 挫折だけど

一番の 俺 挫折は たぶん…

うん。 具体的に言うと…?

何でかっていうと 俺たち やっぱり
第2次ベビーブーマーで

73年生まれって こう
人口比率の中で 一番多いじゃん。

自分的には 何か こう
日本についていけなくてさ

あぶれたような感覚があったのね。

だから 何か こう
出るしかないのかなって

それが最後の望みのように…

何かあったの? 挫折。
何かね もう 全く一緒だと思うね。

全くない?
まねして申し訳ないけど…。

また まねする。
挫折しかない。

挫折の考え方が 何ていうかな…
失敗した! もう駄目だ! じゃなくて

これを次の糧にするためにはと思えば

全然 挫折も ポジティブに
なるんだろうなとは思うんだけど。

でも
最近の若い人とかと接してて どう?

何か 俺からいうと

挫折っていうか あんまり こう…

ゴリゴリ こう… 何ていうの
徹夜してでも やるとかさ

若い人は すごく減っていて

個人的には すごい いいことだと思う。
いいことだよね。

やっぱり それでも 結局できてるじゃん
っていう感じになってきてるから

長いものに巻かれる感がなくて。
分かる 分かる。

ああいう感覚は すばらしいよね。

だから あれが 次の新しい都市とかを
生むんじゃないかなって

すごい期待してる。

でも 逆に 僕らが 彼らと同じ目線で

今からやっちゃいけないっていう理由は
どこにもないからね。

もちろん。 それは 自分は やらない
っていうことではなくて

まさに それに ついていきたいし
そういう…。

うん そうだね。 一緒にやっていきたい
という感じはある…。

あんまり 僕は 建築家の人たちと
そんなにお話しすることがないんだけど

箱ものを作ってる… すごい やっぱり

ランドマーク的にも映えるし
すばらしいんだけど

これだけ 社会 変わってるのに どこまで
対応できるんだろうかとかっていう

そういう感じもあったんだけど
重松さんの話 聞いてると 全然違うよね。

そこで やっぱり メタバースを

ちゃんと 中馬と
デザインできるぐらいの建築家が

生まれてきてほしいなと思うし
自分も そうなりたいと思う。

だから…。

ハハハハ…!

何度も言うけど…

ハハハハ…!

やっぱり
さすがに 昔から貪欲なやつだったんで

いろいろ吸収してるし
いろいろ知識もあって

何 言っても こう…

ちゃんとした議論ができるような
感覚でしたね。

全然
20年のブランク 感じなかったですし

一方で 僕も 相当な密度の濃い人生

生きてきたっていう自負は
あるんですけど

彼も すごいものを
積み上げてきてるじゃないですか。

それが 何か こうね 短い時間でしたけど
すごく伝わってきて

同時に すごいうれしかったですね。

う~ん…。

ハハハハ…!

何か… 長い人生 生きてきた中で
一番 何か こう

すべてのものが近いのが彼なんですよ。

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