SWITCHインタビュー 達人達「小島秀夫×野口聡一」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

SWITCHインタビュー 達人達「小島秀夫×野口聡一」[字]

3度宇宙へ飛び立った宇宙飛行士・野口聡一×「メタルギア」「デス・ストランディング」で世界的に有名なゲームクリエイター小島秀夫。レジェンドが情熱を保つ秘けつとは?

詳細情報
番組内容
過去3度宇宙へ飛び立ち、国際宇宙ステーションで日本人最長の335日を過ごした宇宙飛行士・野口聡一。対するは、大の宇宙好きとして知られるゲームクリエイター・小島秀夫。代表作「メタルギア」シリーズが世界で5700万本以上を売り上げ、最新作「デス・ストランディング」では「コロナ禍の現実社会を予言しているようだ」と話題になったレジェンド。日本を、世界をリードする2人が、情熱を保ち続ける秘けつを語る。
出演者
【出演】ゲーム・クリエイター…小島秀夫,宇宙飛行士…野口聡一,【語り】六角精児,平岩紙

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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穏やかなメロディーを奏でる…

窓の外には 美しい地球の姿が。

宇宙飛行 過去3回。

国際宇宙ステーションで
日本人最長となる

335日を過ごしたレジェンド。

宇宙では
みずからを「ウーチューバー」と称し

その魅力を楽しく伝えてきた。

失敗した。

最新の宇宙飛行では

野口が乗った宇宙船にも
注目が集まった。

スペースシャトルやソユーズではなく

民間の宇宙船で 宇宙へ飛び立ったのだ。

見事…

…にも成功。

宇宙に新しい時代をもたらした。

宇宙開発の最先端にいる野口へ
熱いラブコールを送ったのが…。

世界的…

アクションや戦闘が主流だった
ゲームの世界に

映画のようなストーリー性を導入。

代表作「メタルギア」シリーズは
5, 700万本以上 売り上げた。

2年前に発表した新作は

崩壊した世界で
主人公が荷物を配達するという

異色のゲーム。

物語の舞台は

超常現象を恐れた人類が
地下に閉じこもり

孤立している世界。

主人公は 配達人となって
さまざまな荷物を届け

人々の繋がりを回復していく。

コロナ禍で分断された現実世界を
ほうふつとさせるストーリーが

まるで予言のようだと話題になった。

深いテーマ性は
キアヌ・リーブスをはじめ

名だたるクリエイターたちの心を

わしづかみにしている。

2019年には

ゲーム界の
アカデミー賞といわれる祭典で

見事…

そんな小島
実は 大の宇宙好き。

僕も…

熱い思いをぶつける小島に対し
野口の反応は…。

日本が誇る 2人のレジェンドが初対面。

一体 どんな化学変化が起きるのか?

♬~

小島さんですか?
あっ 小島です。

ありがとうございます。
いろいろと お話 伺えるの

楽しみにしてます。
すごい あの…

憧れの人を前に
少年のように目を輝かせる小島。

興奮を隠せない。

ここで終わってしまう…。
じゃあ こちら ご案内したいと思います。

今日は ありがとうございます。
よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

ああ~ なるほどね。
今日は その辺を ちょっと

野口さんに聞いていきたい…。
そうですね やっぱり…

本当に 我々 そういう…

…っていうと ちょっと 何かね
年寄りくさくて嫌なんですけど

やはり 時代の最先端 一番 こう…

おっしゃるとおりですね。
時代の背景としては…。

宇宙の覇権をね。
東西冷戦ね。

ソ連とか 皆さん
今 知らないと思いますけど…

冷戦時代 アメリカとソ連は
宇宙の覇権をめぐり 激しく争っていた。

その様子を見て 世界中の人たちが
宇宙に夢中になっていったのだ。

やはり 月面着陸ですよね。
アームストロング船長の。

あれ 僕 リアルタイムだったので。
そうですか。

あのインパクトっていうのが
今の僕…

いまだに影響を与えてる…
そういうのがあったので

僕は 宇宙飛行士になりたかった
っていうのが…

まあ なれなかったんですけど。

野口さんは
何がきっかけなんですかね?

私自身は 若干 こう
本当に数年の差ですけども

アポロ11号は 全く覚えてないんですよ。

で リアルタイムで起こってる出来事に
感動したのは

1981年の
スペースシャトルの初号機ですね。

私 高校入ってすぐだったんですけど
そのときに 「あっ これ すごいな」と。

まさに 世界中の人たちが
そのイベントに注目して。

あれ自身はね 3日間ぐらいの
短いフライトだったんですけども

それで…

…っていうふうに見たのが
最初のきっかけでした。

日本の経済成長が続いていた時代。

16歳の野口は
宇宙への夢を膨らませていく。

実は 私…

あっ すごいですね。
そのとき やっぱ…

ハハハハ…!
宇宙飛行士学科なんかないしね。

実際 いなかったんですけど。

でも ちょうど
高校を卒業するころにですね

日本人も宇宙にっていうので

毛利さん 向井さん 土井さんですね
いわゆる

初期生3名が
選ばれて

活動を始めたのが
ちょうど

大学に入るころ
だったんですね。

大学で航空学を学び

宇宙事業を手がけるメーカーに就職した
野口。

エンジンの設計者として
宇宙飛行士の募集を待った。

ようやく チャンスが訪れたのは
30代に入ってから。

500人以上の中から選ばれ
見事 夢を手にした。

野口さん 会社に入られて

で そこから 宇宙に行くっていうのは
すごい決断というか

僕は もう その… ゲームの仕事に
追われてるというかですね

何か 宇宙に行きたいんですけど
そこで立てないというか…。

野口さんは どうだったのかと…
家族とかの反対とかありますよね。

そういう意味では
まあ 31歳で選ばれたんですけど…

なんとか ぎりぎりだったと思いますよ。

理解者みたいな人はいたんですか?

それは大きかったですね。
だから 妻が反対してたら

たぶん 応募してなかったと…。

実際に 宇宙飛行士に
選ばれましたってなるとね

本当に 全国紙で
テレビでも いきなり バンバン出て…。

そうなるとね
さすがに めでたいことなので

いろんな人が祝福してくれて…

そういう話になっちゃって…。
そんな簡単に…。

で 意気揚々とアメリカに行って

5年目ぐらいで
ようやく 宇宙に行けますと。

で そこから 訓練…
本当に 本格的に始まって

一緒に飛ぶ仲間も決まって

いよいよだという1か月前に…

2003年の2月1日ですよね。

2003年2月

スペースシャトル
コロンビア号が

宇宙からの帰還中に
爆発。

シャトルが飛び立つとき
剥がれた断熱材が左の翼に当たり

穴が開いたことが原因だった。

この事故で…

予想外の事故は 夢を追ってきた野口に

初めて現実の厳しさを突きつけた。

本当に コロンビア号の仲間は 我々と

打ち上げ日が もう 本当に
数か月しか ずれてないので

同じような訓練を
ずっとやってたんですよ。

なので 彼らがね 発射台に行く前の晩に
僕 トイレで会ってて

「あれ いつ行くんだっけ?」っつったら
「明日から行ってくる」って言うから

「いってらっしゃい」と。

「すぐ あと 僕も行くからね」って

本当に 最後の言葉は
そうだったんですね。

当日も含めて。

過去のいろんな事故例も
もちろん 頭に入ってるんですけども

全く そういう覚悟が
なかったっていうのが

そのコロンビア事故のときにですね
痛烈に感じたんですよね。

そのあとは
どういう… あれなんですか?

それは 家族も一緒で。

妻もね
もちろん すごく大変だったと思うし

子どもは そのころは 小学校の…

中学年ぐらいだったんですけどね
上の子はね。

そうすると
やっぱり 分かるわけですよ。

で うちの子にも「大丈夫?」
っていうようなことを聞いたときに

「本当は
お父さん 行ってほしくない」と。

「行ってほしくないけど
お父さんが ずっと こう

頑張って準備してたことだから
行ってほしい」という話…。

いい子ですね…。
そうですよね。

だから それを やっぱ あとで聞いて…。
そこを反対されたら

ちょっと悩んだとこですよね。
そうだと思います。

で 実際問題 コロンビア事故で
退職した飛行士も多かったですね。

事故から2年後の2005年

運行を停止していた
スペースシャトルの再開が決まり

野口は メンバーに選ばれた。

悲劇を繰り返さないため
野口には大きな任務が課せられた。

スペースシャトルの機体に出来た傷を

宇宙空間で修復するテストミッション。

飛行中に発生する無数の傷をすぐに修復し
事故を防ぐねらいだ。

宇宙船の外で行う危険な作業。

野口は 500回以上の訓練を繰り返した。

最大のミッションだった船外活動も
無事 成功。

このとき 宇宙にぽっかり浮かぶ
地球を目にした野口。

強烈に光を放つ その姿が
脳裏に焼きついたという。

僕が 一番 聞きたいのが やっぱり
宇宙に行きたいっていう理由ですけど

自分が住んでる地球… 薄い膜の地球…

まあ これ
よく聞かれると思うんですけど

やっぱり それを知りたいから行きたい
というのは あるので。

おっしゃるとおりで まさに
無重力空間に出て

窓から ぱっと見えるものが
最初に見たのが地球なわけですけども。

漆黒の宇宙にあって 太陽の光を

もろに反射してきてくれるのが
地球なので。

そこの
ダイナミズムっていうんですかね。

あと そこに 間違いなく
40億年にわたる生物の進化

生物だけじゃないですけどね
地球そのものの進化

そして 自分が知っているすべての人…

そのとおりですね。

そこは強烈ですね。

おととし行われた
最も新しい野口の宇宙飛行。

向かった先は…

サッカーのコートほどの大きさがあり

アメリカ ロシア 日本などが
共同で運用している。

ここで 野口は 科学実験などを行い…

これで 完成!

みずから撮影 編集を行い

ユーチューバーさながらに
宇宙生活を伝えた。

混ざりました~!

見えてきましたね 地球です。

思いっきり地球が見えてまして。

自撮り棒を手に

国際宇宙ステーション内部の
貴重な映像も配信。

世界各国が作った部屋が

継ぎはぎ状に連なっている様子が
よく分かる。

しかし こうした閉鎖空間で
限られたメンバーと暮らすことで

ストレスなどは たまらないのだろうか?

僕 どうしても お聞きしたかったのは…

入れ代わりはあるとして…

ストレスとか…
プライベートな空間もあんまりなくて。

一般の人は無理なんちゃうか
というふうに思うんですよ やっぱり。

人間社会なんですよ。
それは 我々 人間なので

宇宙飛行士として訓練されていようが
そこで暮らしているかぎりは

人間としての感情は
当然 起伏はあります。

喜怒哀楽もあり。

そこをいかに抑えるかっていうのも

一つ 訓練の見せどころではあるかなと
思います。

明らかに合わない人はいるわけですよ。

間違いなく合わない人っていうのは
いるんだけど

そこの地雷を踏まないように
くんであげれば

なんとか… 半年であれば。

もう一つは やっぱり
例えば 7人ですけど

7人だけが お互いに向き合うように
しないっていうことです。

つまり 例えば
家族との時間を しっかり持つとか

地上の管制官の人がいますけど
そこが間に入るとかいう感じで

3対4とかにしちゃわないようにする
っていう工夫も

やっぱり あるわけですよね。
ですから…

物理的に隔離してるけども
精神的には繋がってる状態を

いかに作るかっていうのが…。
コロナと一緒ですよね。

最新の宇宙飛行で

およそ15年ぶりとなる船外活動を行った
野口。

楽しげな報告の裏で 実は
大きなアクシデントに見舞われていた。

そうすると もし
そこから 空気漏れが激しくなると

酸素がなくなっちゃうので
まさに 生死の危険があると。

一緒に出てる宇宙飛行士の…

まさしく その命っていうのが

どう捉えようと
必ず有限なものであり…

僕はね 宇宙飛行は全部 引き算だと
思ってるんですよ。

地上にいるときから
徐々に引き算していくのが

宇宙だと思ってるんですけど

ロケットに乗って離れたとたん
家族とは もう会えないとか

いろんなものも食べれなくなる。

そこから さらに引き算されて

船外活動の間は
それが もう まさに 目に見える形で

僕の相棒の残り時間は6時間半
僕は7時間というような感じで

全部 自分の背中にしょっている
リソースだけで生かされてるわけです。

それは 地上に戻ってきても
実は 一緒なんですよね。

それが
40年先か 4時間先かだけの違いで。

そういう意味で
生かされてることの大切さと

残されてるリソースを
いかに大事に使うかっていう

そういう感覚は すごくあります。

まさに 手が触れる死の世界

そういう感覚っていうのは
やっぱり 僕にとっての

宇宙体験の本質だと…。

今回の宇宙飛行では
その宇宙船にも注目が集まった。

アメリカの新興企業
スペースX社が開発した宇宙船の

初の本格運用だったのだ。

ミッションの成功を受け

数か月後には 同じ宇宙船で

民間人だけの宇宙旅行が実現。

宇宙飛行士は乗らず
ほぼ全自動運転で地球を周回した。

これまで NASAなど

国家プロジェクトが主導していた
宇宙事業。

そこに民間企業が参入したことは
大きな衝撃だった。

…っていうのが
過去10年間なんですよね。

だから 「いや それじゃ駄目だから」
っていうのを言い続けて。

でも スペースXは自分なりに考えて…

私自身も 結局 古い世代なので

国からお金をもらって やる以上は
こうあるべきだっていうね

そこに とらわれているんですけど

彼らが それで…

そう…! すごいスピードですよね。

国際的な 学生が集まるような
シンポジウムに行くと…

そういう意味では これまで

我々も含めた旧世代が見ていた
宇宙開発絵図と

全く違う世界が
ここから広がると思いますね。

創業 僅か19年で
宇宙旅行を実現させたスペースX。

打ち上げにかかるコストを

従来の100分の1に下げることを
目標にしてきた。

そもそも
宇宙船に ばく大な費用がかかるのは

多くの部品が使い捨てのため。

スペースXは 驚きの方法で
この課題をクリアした。

宇宙飛行を終えたロケットが
帰還する瞬間

なんと 打ち上げ時と同じように

垂直に着陸できるのだ。

こうすれば 整備も簡単で

ロケットの再利用が可能。

数十億円の節約になるという。

当初 誰もが不可能と考えた垂直での着陸。

スペースXは 無数の実験を繰り返し
実現にこぎつけた。

失敗を恐れない その精神こそが

宇宙開発の本質だと 野口は見ている。

何年か前にね
月面着陸50周年だったので

アメリカで 当時の人たちの話をね
いっぱい聞く機会があって

あっ そういうことかと思ったのは
彼ら…

もう 本当に いっぱい失敗して

お前 よく そんなのやったな
っていうぐらいの裏話があって。

で 今は考えられないですよ。

あんな ずさんな設計と

いいかげんなプロジェクト管理で。
イチかバチかですよね…。

とてもじゃないけど 少なくとも…

…というようなプロジェクトを
やってたんですよ。

でも 成功したわけですよね。
失敗を まさに 恐れないというか

不可能なことに…

かつて 日本は
60年代 そうだったと思いますし

アメリカも きっと そうなんですよ。
だから

今は やっぱり そういうことが
できにくくなっている。

どんどん身近になる宇宙。

しかし 小島は 幼いころに見た

わくわくする宇宙探検が
忘れられないという。

…っていう
とんでもないことじゃないですか。

それを子どものときに見たから
今の自分があるんで。

ビジネスはビジネスでいいんですけど
昔ながらの…

そこを やっぱり
伝えていってほしいなとは

思うんです…。
なるほどね。

そこは 本当に難しい問題というか

同じことを 例えば…

一方で…

…っていうのはね
必ず出てくると思います。

例えば
エベレストの山頂… 立つとかね

あるいは 太平洋横断でもいいですけど
それを 無人のローバーでやって

どれくらい 人々が
自分たちのね 挑戦する気持ちに

カタルシスを与えてくれるっていうか。

ラジコンでね 太平洋往復しても
それはそれで すごいけど…

物語にならないですよね。
そこを 若い人に

ちょっと 伝えたいというか…。
なるほどね。

帰還することって大切ですよね。
そうですよね。

ですから そこは残るんじゃないかなと
思いますけどね 有人宇宙としてはね。

体験そのものを
いかに言語化していくか

ストーリーとして
何を伝えたいのかっていうのは

本当に 私としては
この残りの時間をかけてですね

挑戦していきたいなと思いますね。

後半は 舞台をスイッチ。

対談の興奮冷めやらぬ翌日

小島は 野口をオフィスに招いた。

失礼します。 あっ こんにちは。
こんにちは。

今日は また お邪魔して…。
先日は ありがとうございます。

よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。

こちらに?
はい。

こちらを見ていただいて…。
いきます。

会社のエントランスは
宇宙船の乗り込み口をイメージ。

少年時代の夢を具現化したデザインだ。

そうですね。

ゲームを作り続けて35年。

レジェンドの名は 世界にとどろいている。

作品の受賞歴は数知れず。

SNSのフォロワー数 世界一の
ゲームクリエイターとして

ギネスにも認定されている。

名だたるスターやクリエイターたちを
夢中にさせる

小島のゲーム。

その理由は どこにあるのか
野口が創作の秘密に迫る。

まず 最初にですね やっぱり
小島さんのプロローグというか

小島秀夫少年ですよね。
どこにいて 何をやっていて

どんな子どもだったのかっていうのを
お伺いしたいんですけど。

まあ 絵を描くのが好きで

彫刻とか粘土とかが
大好きだったんですよね。

で まあ そこは得意だったので。

それと…

歩きながら 物語を考えたりとか

ごはんを食べながら ちょっと…

世界を考えたりとか
っていうのがありまして。

よく どぶって 昔 ありましたよね。
はい はい。

あそこに落ちたりしてて…。
落ちちゃうっていう漫画みたいな話…。

絵を仕事にしたいっていうのが
ありましたので

美大に行こうとしてたんですけど

当時は 今みたいに CGとか
グラフィックデザインとかなかったので

普通の学校に行って
もんもんとしてたんですけど

そのときに…

あれで
ちょっと びっくりしたんですよ。

で 最初に
「スーパーマリオブラザーズ」っていう

あれをやったところ

学校を… 大学を休んでしまうぐらい
熱中しまして。

僅か 「A」「B」のボタン2つなんです。
確かに…。

「ジャンプ」しかないんですよね
「走る」と。

その2つの使い分けで
アドベンチャーができるというか。

映画とも違うし 小説とも違うし。

で ゲームの可能性が
何となく 見えたというか。

…っていうので それで

当時 ゲーム会社に。
ふ~ん…!

そのころは どういうゲームが…
最初に携わられてたんですか?

え~っとね…

あっ なるほど。

小島の初作品「メタルギア」。

銃を撃ち合うゲームが全盛の中

秘密裏に敵地へ潜入するという
斬新な設定。

今までにない緊張感が
世界中で大人気となり

5, 700万本を売り上げた。

当時は 銃で撃ち合いするゲームが
人気があって

それを作ってくれと
言われたんですけど

弾を飛ばすとですね
表示枚数が決まってまして。

例えば 僕と野口さんがいて

僕が…

なので 成り立たないわけですよ。

そういう コンバットする…。

で どうしようかな? と思ったときに…

両親が やっぱり
戦争を経験してましたので

空襲とかも遭ってて

アウシュビッツの話とかも
ずっと聞かされてたんで。

じゃあ 武器を持たずに…
これは ちょっと変なんですけど

敵地に潜入して ミッションをこなして
脱出するっていう発想の転換で

それならば
弾を ばらまかなくてもいいので。

で 作ったのが「メタルギア」で。

その後も 独創的な作品を
次々に送り出した小島は

さらなるオリジナリティーを求め

52歳で独立。

4畳半のオフィスから
再出発し

一つの作品を発表する。

それが…。

最新作…

舞台は 未来の北米大陸。

超常現象により地上が破壊され

人々の多くは 都市の地下にこもり

孤立して暮らしていた。

主人公は 配達人として
さまざまな荷物を届け

分断された人々を繋いでいく。

(歓声と拍手)

前代未聞の配達ゲームは 世界を驚かせ

ゲーム界のアカデミー賞と呼ばれる
The Game Awardsで

3部門を制覇した。

それから 何よりも…

ありがとうございます。

(歓声と拍手)

「デス・ストランディング」。
話 入りたいと思うんですけど。

最初に ちょっと
僕は これ 懺悔なんですけど

長く ゲームに接しない時代が

私の50年の人生で
30年ぐらいありまして。

今回 お話 頂いて 急きょ

やることになりまして。
ありがとうございます。

ハハハハ…!
字が ちっちゃい…。 読めない。

そしたら…

最初のところね
最初のエピソードのところまでいって

あっという間に
中に入り込んでしまって…。

今 3週間目ぐらいなんですけど
あれは 何なんですかね?

何で 取り込まれてしまうのかが
まだ 分かってないんだけど。

2年前に発表した作品が

今なお 話題となっているのは

現実とリンクしているかのような
世界観にある。

突如 発生した超常現象
「デス・ストランディング」。

あの世と この世が繋がり

死の世界のものが地上に押し寄せてくる。

デス・ストランディングを恐れ
人々は 都市の地下にこもり

孤立して暮らしていた。

配達人である主人公・サムは

食料や薬 兵器など
あらゆるものを運ぶことで

分断された都市を繋ぎ

孤立した人々を救っていく。

未知の現象を前に 立ちすくむ人類。

人々を繋ぐサムの姿は

まるで コロナ禍における
エッセンシャルワーカーのようだと

話題になった。

これは 皆さん
同じように感じると思うんですけども…

2016年の作品ですよね。

出たのは19年ですけども…。
19年だ…。 ああ そうですか。

企画は16年ですね。
企画 16年。

作品の中では いわゆる…

デス・ストランディングという
現象の中で人々が分断されていると。

で 恐れて 外に出てこないと。
まさに コロナで…。

そこを繋いでくれることに関して
強烈な希求があると。

で サム自身も
接触恐怖症で

握手もできなければ
非常に…。

現代社会を もう 極めて正確に
しかも 比喩を使って。

まさに 今 小島さんが描いたとおりの
世界になっちゃってるわけですよね。

そんな難しいことはしてなくて。

実際に…

「過去」「現在」…。
で 振り幅があるので。

今 俯瞰して…

やっぱり 2016年の時点で

EUからイギリスが抜けたりとか

トランプが
壁をつくったりとか

分断の兆しはあって。

それと同時に ネットも やっぱり
SNSで中傷があったり…

十数年前にインターネットが出来て

オンラインでも ゲーム
全部 繋がってるんですよね。

そこで 何が起こったかというと
世界中で戦い合う。

小島が触れたのは
高校時代に感銘を受けた作家

安部公房の短編小説「なわ」の一説。

棒で人を遠ざける
ゲームばっかりだったので…

ゲーム 変われへんなあと思って

ちょっと…

小島の作品では
この「なわ」をモチーフにしたシーンが

いくつも登場する。

配達のため 苦労して川を渡るサム。

時には 同じ場所を
何度も渡らないといけない。

しかし 久しぶりに同じ場所を訪れると

川に橋が架かっている。

オンライン上の誰かが架けてくれたのだ。

その善意にプレーヤーは

「いいね」で お礼。

姿は見えなくても どこかで繋がっている。

小島が考える「なわ」の精神だ。

ポストコロナ まだ どの程度 続くか
分からないんですけども

その先にあるのは やっぱり
その分断を越えて

繋がりから…。
そうですね。

縄で繋がってて 間接的に繋がる。

例えば 最初は
自分のために かけるんですよ。

ロープも 建築物も。

それが 世界中の人に
見えるようになって 使われると

なぜか みんなが そこで「いいね」くれる。

それが分かってくるとですね
人間 ちょっと変なもんで

次 置くときに
人のこと考えるんですよ。

ちょっと 相手のことを思う。

今なんて もうね
スマホで 表情 見えますけど。

何か ちょっと 直接的じゃない
間接的に繋がることで

相手を思いやらないと
コミュニケーションできないので。

ちょっと
時代錯誤ではあるんですけど

ちょっと 時代を戻ってみるのを

オンラインでやってみよう
っていうので それが基本ですね。

さらに 小島は
この老人のエピソードを通し

繋がりの本質を問いかけている。

あのゲームでも
ちょっとは触れてますけど

やっぱり…

ゲームの中で
おじいさんが出てくるんですけど

その人 1人暮らしで

ちょっと 病気なんで
薬とか持っていくんですね。

で 持っていくと余命が延びるというか。
ああ…!

ストーリーとは
ちょっと違うところにあるので…

で 結局…

ただ単に 繋がったらいい
っていう問題じゃなくて

その辺は かなり重要だとは
思うんですけどね。 なるほどね。

たった一人で 荷物の配達を続けるサム。

移動手段のほとんどは徒歩だ。

野口は この主人公が
黙々と歩くという点に

深い感銘を受けた。

あれだけ いろいろ
テクノロジーがある中で

最終的には サムはですね

川であれ 雪山であれ
ひたすら歩いて前に行くと。

メタ的な要素として…

成功した人って 猛烈に努力 日々…。

宇宙に行くためにって
猛烈に 毎日 努力じゃないですか。

結局 目標地点があって そこまで
一気には飛べないですよね。

やっぱり 一歩 前へ出して
それが 気が付けば

ゴールに近づいている
っていうことだと思うので

ゲームで あんな歩くゲームは
ほぼ ないんですよ。 ああ 確かにね。

やっぱり 私自身も

宇宙飛行士の 宇宙に到達するまでの
日々のステップに

すごく似てたなあと思います…。

ああ なるほどね。

なるほど。
なので 無駄ではないわけですよ。

僕が通った道も そうですけど

野口さんが通ってきた道も
若い人たちが たどって

宇宙に行こうとすると思いますんで。
なるほどね。

年寄りの役目。 そうですね。

小島の視線は 今

作品を通して 次の世代に
思いを繋ぐことに注がれている。

それは どこへ行っても歓迎してくれる
ファンの声があったからだ。

野口さんも
たぶん 同じだと思うんですけど

宇宙に行かれるまでと行ったあと。

僕も 1本出したあとと出す前とは
動機が全く違います。

なぜかというと 世界中に
700万人のファンがいたんですよ。

ほんで アメリカに行ったら もう 何か
ロックスターみたいな扱いを受けて。

こんなに 皆さんに
愛されてるというか…。

病気の方とか手紙をくれて
「あなたのおかげで頑張れます」とか

もっと言うと 病床で やってる人とか。

自分のものじゃなくて
皆さんの… ファンのために

あるのかなというのがあって。
そこからはですね

やっぱり…

今も続けてますよね。
だから 野口さんも たぶん

宇宙飛行士として行かれて
皆さんに いろいろ聞かれたりして

目標となるわけじゃないですか。
オリンピック選手も そうですけど。

そこからの人生って…

ああ なるほど。
すごい よく分かりますね。

確かに 1度目は
自分の夢の実現のため。

まさに 突っ走って

宇宙に行けるためなら
何でもやるというぐらいの感じで。

宇宙空間で 自分が そういう役に立つ
というところを示したあとは

まさに おっしゃられたとおり
子どもたち…

日本の人たち 海外の人たち含めて…

…というところで
英語で言うところの

「コーリング」という言い方ありますよね
「天職」って言ったらいいのかな。

自分が 社会 未来に貢献するために

これができるっていうのが
小島さんの場合であれば

ゲームであり ゲームの物語を
紡いでいくことであり

私の場合には 宇宙への挑戦を
続けることだったのかなと。

…っていう気持ちはね あるんです。

無限に広がる宇宙とか
無限に広がるゲーム空間ですから

そこを行くっていうのは
ロマンですよね。

知的好奇心 プラス…。
好奇心であり… はい。

知ったところで 何があるの?
というのが今の現代ですけど

何のメリットがあるんですか? と。
そこはペイするの? とかね。

ちょっと 実現しそうにないレベルの
高いレベルの夢に向かって

損得勘定なしで
全身全霊 懸けられる対象と。

それが 見つかったから よかったし

見つかっていない人のために
道をつくるっていうのが

僕らの役割でもあるんですよね。

♬~

<ろう学校の
生徒たちが
毎日使うような手話を

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