100分de名著 日蓮の手紙(2)「厳しい現実を生き抜く」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著 日蓮の手紙(2)「厳しい現実を生き抜く」[解][字]

主君の命令と信仰の葛藤、同僚からの嫉妬や憎悪、親子や兄弟といった家族関係のこじれ等々立ちはだかる現実の壁に対して、各人に寄り添いながら、日蓮は的確な助言を行う。

番組内容
日蓮は、法華経への信仰を重んじながらも、それぞれの状況を事細かに分析して、その人がその立場で最も生かされるような解決法を丁寧に指導していく。そこには、宗教者ならではの奥深い人間洞察、社会への深い識見が働いているのだ。第二回は、日蓮の深い人間洞察を通して、職場、家族関係に現れる苦悩や葛藤など厳しい現実を生き抜いていく智慧(ちえ)を学んでいく。
出演者
【講師】仏教思想研究家…植木雅俊,【司会】伊集院光,安部みちこ,【朗読】山内圭哉,【語り】目黒泉

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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  16. お父さん
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  18. トラブル
  19. 仮名
  20. 勘当

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
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今から およそ750年前 動乱の鎌倉時代。

「法華経」を広めた日蓮は
幕府や 他の宗派から弾圧され

数多くの苦難に遭遇しました。

その体験を通して
悩める多くの弟子たちに

手紙で 具体的なアドバイスを与え
導いていきます。

まるで 弁護士さながらに

時には 心理カウンセラーのように

的確に助言した日蓮。

残された多くの手紙を
読み解くことで

厳しい時代を生き抜く
知恵を学びます。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著」 司会の安部みちこです。
伊集院 光です。

今月の名著は 「日蓮の手紙」です。
伊集院さん 前回 いかがでしたか?

日蓮っていうと
社会科のテストに出ますよ みたいな

堅いイメージしかないので 最初
どうなることかと思ったんですけど

この 手紙っていうことで こんなに
ちょっと印象違うのかっていうのに

びっくりしました。

人柄 温かい人だったんだなっていうのが
分かってきましたね。

そう 何でも かみつく やっかいな人って
ちょっとイメージあったんですけど

そういうことでは ちょっとないですね。
はい。 指南役 ご紹介しましょう。

仏教思想研究家で作家の
植木雅俊さんです。

よろしくお願いします。
よろしくお願いします。

前回はですね
日蓮の生涯を振り返りまして

そこには もう
数々の苦難が相次ぎましたよね。

今回はですね そういう
日蓮の体験を踏まえた上でのですね…

自分の経験がですね 反映してますから…

今 生きる私たちにとってもですね
そのヒントになるようなものが

あふれてるんじゃないかということを
考えてます。

さあ では 手紙を読んでいきましょう。
まず 1人目の門弟への手紙からです。

こんばんは。 日蓮です。

今 富木常忍への手紙を
書いてるんですけど

この人 結構頼りになるんですよ。

富木常忍は 日蓮の門弟で
鎌倉幕府の地方官僚の一人。

文才 教養があり
大変優秀な人物だったといわれています。

そんな富木常忍が
トラブルに巻き込まれました。

1269年の ある日 富木常忍は
鎌倉幕府の問注所

現在の裁判所にあたる機関から
呼び出されたのです。

しかし 本人には おとがめを受けるような
覚えは全くありません。

当時 日蓮は 布教を続けるとともに
幕府や他の宗派を批判し

公開討論を持ちかけるなど
活発に活動していました。

日蓮の話に関心を持つ人たちが急増。

その影響力に おそれをなした幕府は
日蓮に圧力をかけようと企てます。

そして 富木常忍と おもだった信徒3人を
裁判にかけることにしたのです。

知らせを聞いた日蓮は
すぐに 富木常忍に

注意点や とるべき態度などについて
書き送りました。

更に こう続けます。

いや~ 何か 感情的な人かと思ったら
顧問弁護士みたい。 ねえ。

有能なアドバイザーみたいな。
ええ。

恐らくですね…

日蓮自身は 伊豆へ流されたんですけども
その時の口実がですね 「悪口罪」。

要するに 幕府や いろんな諸宗をね
悪口言ってるという罪を着せて

島流しにされてるわけです。

で 日蓮は そこでですね
当時の法律を勉強するんです。

あの「御成敗式目」というのをですね。

「御成敗式目」が
もう隅から隅まで 頭に入ってる。

その上での注意事項なんですね。

向こうにできることは
挑発して 反論してきたら

悪口罪という手にくるだろうと。
もう日蓮はね そこを見越してるわけです。

で 何度もね それでも
しつこく言うんだったら すみませんと。

あなたと私とはね そんな恨みを
持つような関係ではございませんとね

冷静に語りなさいと。

その 勉強もしてるから
知識もあるうえに 経験もあって

でいて 何か…。

私のね 友達の友達がですね 突然
裁判所から召喚状が来たというんですよ。

え~!?
びっくりしますよね。

その人がね 私の友達に相談して

じゃあ これ読んでごらんって
私の本を読ましたらしいんですよ。

そしたらね
あっ この手でいけばいいんだなと。

うまく やり過ごせたという話を
聞きましてね。

我々が やってることと
同じことだというんで言ってました。

なるほど。

さあ では次の門弟へのアドバイスの
手紙を読んでいきましょう。

はい。 え~ 次は 私の弟分的存在の
四条金吾ですが

ちょっと感情的で
カッとしやすい性格なんです。

幕府の実力者 北条一族に仕えていた
四条金吾は 武芸に優れた人物でした。

また 医術の心得もあったことから

主君の病を治療し
あつい信頼を得ていたため

日蓮の門徒でありながら
弾圧されることなく

幕府の中枢にいました。

しかし ある日
トラブルに巻き込まれます。

日蓮を ライバル視する僧侶と

日蓮門下の三位房が問答を行い

三位房が 相手を論破した時のこと。

四条金吾は
三位房の付き添いをしていました。

彼を妬み 憎しみを抱く者たちが…

…と デマを流したのです。

これによって 主君から…

…と命じられます。

このことを 四条金吾は
すぐに日蓮に知らせました。

この知らせを聞いて
「まずい!」と思いました。

短気で こらえ性がないんですよ この人。

それで 私も いろいろ考えました。

そこで日蓮は 四条金吾に代わって
主君に身の潔白を訴える上申書を代筆。

次のような手紙を添えて
送りました。

まず 「自分から 所領を返上するわけには
いかない」と主張した上で

「法華経」を信仰しているという理由で
所領を没収されるのなら…

…と言い切るように
日蓮は アドバイスします。

そして
何も悪いことをしていないのだから

奉行人に こびへつらってはならないと
教えたのです。

その2か月後 事態は一変します。

主君が病に倒れ 四条金吾は
主君の治療を行うことになります。

これをきっかけに
再び信頼を得ることができ

所領も返してもらうこととなったのです。

しかし 四条金吾は
同僚たちの嫉妬を買ってしまいます。

心配した日蓮は
次のような手紙を送りました。

更に 次のようにアドバイスします。

陳情書 自分の身の潔白を示すための
その書面を代筆したとありましたけど

そこまでするかなと思ったんですが
いかがですか?

四条金吾に任せてれば カッとなってね
もう 猪突猛進型ですから

このことは もう…

その出し方もですね…

まずはですね 四条金吾は その陳情書を
書いてるということをね

鎌倉市中にね
うわさが広まるのを待ってるわけです。

そうすると…

あるいは その話がですね
幕府の中枢にも伝わるだろうと。

そこに この陳情書を ボンと出したらね
一気に解決するでしょうと。

いや これは 何か
その デマに対する対処法として

デマに対して カッとなって

「分かった そんな疑われるんだったら
やめてやるよ」って

「あ 今 やめてやるって言いましたね」って
なっちゃうわけですよね。

でも それに対して
数人が出してるデマよりも

大人数が 「おい 四条金吾って そんなこと
やるようなやつか?」みたいな

大きな うねりにして
包み込むことと同時に

四条金吾も気持ちよくなるような
かっこいい振る舞いの

在り方みたいなものを
アドバイスしてるじゃないですか。

どういう言葉を発するのか
どういう 言い口ぶりをするのか

どういう身振りをするのかまで
書いてあるんですよ。

これは面白いですね。

あの「日蓮の手紙」の中で 後半
「酒宴に参加するな」とかありましたけど

あれも やっぱり性格を見据えて
具体的に言っているんですか?

恐らく お酒が好きだったのかな。
なるほど。

それと もう一つはね 武術の達人ですから
しらふでは負けると。

飲ませてから やっちゃえということもね
日蓮は見抜いてたんだと思いますね。

これも やっぱ すごいのは
そこがまた 細かいアドバイスなのは

これが ほんとに主君のお誘いだった時に
ただ ぶっきらぼうに断ってると

また せっかく結んだ信頼関係が
駄目になるかもしれないから

一旦 ちゃんと ほんとに主君が
呼んでるかどうかは調べなさいとか

こんな細かいとこまで できます?

そのね 内々
調べさせるということの前にはね…

へ~ 賢い。 2回まで。

更に こんな手紙も送っていますね。

「法華経」を信仰するということは

社会に反する在り方をするということじゃ
ないということなんですね。

一番 重視すべきなのは 「心の財」ですと。

だから
心が 非常に豊かな人になりなさいと。

あなたが そこにいることによって…

でも やっぱり これも すごいのは…

もっと言うと 他の信者や門下生に

立派であったって言われるように
して下さいという話じゃなくて

ほんとに
ごくごく一般な 鎌倉の人たちが

何だか分かんないけど あいつは
立派なやつだったよなっていうふうに

言われないと 本当の意味で
「法華経」が見直されることにも

多分 ならないんだと思うのね。

「法華経」を実践するということはですね…

自己が いかに尊い存在なのか
ということに目覚めることなんです。

だから 他の人のためにも
立派な人になって

人のためにも貢献しよう 社会のためにも
貢献しようということがですね

「法華経」が
本来 意図したことだったわけですね。

だから 一時的にはですね
主君から 誤解されますよね。

日蓮が言い続けたのは…

誠意を貫けと。

そうやって 信頼を勝ち取っていくと。

そこに近道がないということを
日蓮は分かってるんでしょうね。 はい。

こちらとしては もう
誠意を貫き通すしかないんですよ。

分かってもらえるまで。

私 完全に四条金吾派なんで
すごい学ぶところが いっぱいありますよ。

いや 分かるわ~。
俺の中の四条金吾も分かるわ~。

さあ では最後に ある兄弟に宛てた
日蓮の手紙 ご紹介します。

武蔵国の池上郷を治める
池上宗仲と宗長の兄弟がいました。

幕府最高権力者の直轄地であった
武蔵国は

他宗派の勢力が強く 日蓮の門徒は
厳しく目をつけられていました。

その2人に あるトラブルが起こります。

父から 兄の宗仲が…

…と迫られたのです。

兄の宗仲は
筋金入りの信徒なので

彼の心は
びくともしませんでした。

でも 弟の方が迷っちゃったんです。

親の言いつけに背いてまで

日蓮の信徒であることを
貫く必要があるのかって。

それで こうアドバイスしました。

ここで 私は…

…と まずは称賛しました。

そのあと 調子を変えて

このたびの兄上の勘当は残念ですが
父君の希望であるし…

そうなれば いよいよ…

…と 痛いところを突いたのです。

家督を譲られるのは悪くないけれど
「法華経」も捨て難いと

揺れる弟の心の内を
見事に見抜いています。

このあと
更に日蓮は 手紙を送り続けました。

そして 最終的には 父は兄の勘当を解き

更に 父も日蓮に帰依し
事は円満に終わったのです。

でも その書かれてることを
順に見ていくと

何か あの辺 矛盾してるのかなと
思ったのですが。

あなたたち2人は
非常に立派な兄弟だと まず褒めます。

ところが 弟さん あなたは所詮は

もう お父さんについてね
家督を欲しいでしょうというふうに

上げたり下げたりなんですよ これ。
しますね。 はい はい。

どうすりゃいいんだとかね この心の中に
言葉にならない言葉として

魔のささやきがね あったと思うんです。

自分では それを認めたくない。

ところが日蓮は あえてね
その 弟の心の中に渦巻いてる

この 何をどう考えていいか
分かんないところをね

一つ一つ きちっと取り上げて
羅列してみせて

で それによってですね 何が問題なのか
どうすべきなのかということを

あなたは自分で考えなさいということをね
言ってるとこなんです。

日蓮は こうしろ ああしろとは
言ってないんですよ。

自分で判断してという
このやり方はですね

もう カウンセラーですね。

ちょっと怖いぐらいです
ここの文章に関しては。 はい。

ただ 僕が知りたいのは 最後の最後に
お父さんの方が折れるってのが

何があったら そうなんのっていう。

その ちょっとヒントになるのがですね
こちら 今 ご紹介してる その手紙は

真筆が残っているんですね
あ すげえ! はい。

これ 実際のものなんですけれども。

手紙の横っちょにね 振り仮名が
振ってあるんですよ 何か所も。

分かりますか。 この こういう ちっちゃく
書いてるところ。 あ~ ありますね。

特にね 終わりから
3行目のところを読むとね

「むいにいるままに」
というね

振り仮名が
振ってあります。
はい。

ここですね。

その文字はね 日蓮の筆跡じゃないんです。

何人もが 振り仮名をつけていると。

ということはですね
この手紙をもらった

池上兄弟の 奥さんたちも読めるように
平仮名を振ってあげた。
は~…。

ということは 奥さんたちもですね
これを一生懸命 読んだ。

兄弟も 2人の奥さんたちも
力を合わせてですね

お父さんをね 何とか助けてあげたい
というような思いでですね

対処したんじゃないかというふうに
思いますね。

最終的にですね
兄の勘当も許されるんですね。
へ~。

で 最終的には
お父さんも 日蓮に帰依するわけです。

それ すごい。 そこが俺 すごいと思って。

そうするとですね
お兄さんにとっても 万々歳

弟にとってもね 両方とも うまく収まって
全てがね 万歳なんですよ。

ほんとだ。 もしかしたら お父さんが

結局 ないがしろにされちゃうような
おうちになっちゃってたら

あそこは 日蓮のせいで
おかしくなっちゃった家だよって

言われかねないじゃないですか。
はい。

でも この形で解決してれば
周りの人たちも

あれ? 「法華経」は
日蓮は いい人なんじゃないか

いいことなんじゃないかって
俺 効果はあると思うんだよね。

この時代は 封建時代ですね。

君に忠 親に孝が強制される時代です。

ということはですね 自己を無くして…

親に従うという時代なんです。

ところがですね この四条金吾にしても
池上兄弟にしてもですね…

まあ いつの時代にもですね
因習だとか 偏見だとか 差別だとか

先入観などがありますよね。

日蓮はですね
その葛藤を いかに乗り越えて…

…というのが 先ほどの
主君のためにも 仏法のためにも

世間のためにもという言葉だと
思いますよね。

まずは 真の 正しい自己であることが
大事だということなんですよね。

ここが 自己だってとこが
いいですよね。 はい。

その 宗教というものでもなければ

誰か 特定の
すごい立派な人ってものでもなくて

そこは 自己であるというところが

それは やっぱり 無神論者でも
そこに異論はないです。 はい。

さあ 次回は
当時 虐げられていた女性に宛てた

「日蓮の手紙」を
読んでいきたいと思います。

植木さん ありがとうございました。

どうもありがとうございました。
ありがとうございました。

♬~

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