出典:EPGの番組情報
ヒロイン誕生!ドラマチックなオンナたち「北林谷栄×上坂樹里」[解][字]
時代を切り開いたドラマチックな女性たちの生き様を新進気鋭の女優がドキュメントとドラマで描く。今回は「日本一のおばあちゃん女優」北林谷栄の壮絶な役者人生に迫る。
番組内容
30代から「老女」の役を演じ続けた女優、北林谷栄。映画「となりのトトロ」の「メイちゃ~ん!」の声でも知られる北林。映画での役作りのため前歯を抜いてしまうなど数々のエピソードを持つ。「日本一のおばあちゃん女優」と呼ばれた北林の原点は何だったのか?そして、老女にこだわり続けた思いの根底にあったものとは?人気ティーンズ誌のモデルで女優の上坂樹里(17歳)が北林の凄絶とも言える人生をたどり、役者魂に迫る。
出演者
【出演】上坂樹里,小杉勇二,【語り】古谷徹ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
- 北林
- 女優
- 老女役
- 映画
- 舞台
- 彼女
- コツ
- 演技
- 劇団
- 劇団民藝
- 自分
- 女性
- 人生
- お疲れさ
- 衣装
- 稽古
- 最後
- 作品
- 実際
- 上坂樹里
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
<皆さん 初めまして。
私は 女優の上坂樹里といいます。
今 私が お年寄りのように
腰を曲げて歩いているのは
この番組で 私が演じることになる
ある女性に少しでも近づくためです。
その人物とは…>
物事が
俺の思いどおりになってゆくなんて
おら 生まれてから初めてのことだぞ。
<30代初めで
おばあちゃんを演じるやいなや
その演技が認められ…
黒澤 明や
市川 崑など 名だたる監督たちの作品に
老女役として出演。
そして 私たちの世代に印象深い
あの作品でも…>
や~い お前んち オッバケや~しき!
カンタ!
<「となりのトトロ」では
声で おばあちゃん役を演じました>
<北林さんが 98歳で亡くなるまでに
映画や舞台などで演じた老女役は
なんと100以上ともいわれています>
<そんな北林さんに付いた異名は…>
<大女優の北林さんを 私が演じるには
どうすればいいのか?
私が北林さんになるために
北林さんを学ぶ。
この少し変わったプロジェクトは
始まりました>
ドラマや映画に出てくる
ヒロインのような女性は
現実の世界にも数多く存在している。
そこで…
この番組では
劇的な人生を送った実在の女性と
演技に情熱を燃やす
注目の若手女優をマッチング。
2人の
ドラマチックなオンナたちが出会い
女優自身が その生涯を学びながら
最後に…
全く新しいドキュメンタリードラマ番組。
第2回は
日本一のおばあちゃん役者として
今も多くの人から愛される女優
北林谷栄に
現在 ティーンズ誌の
専属モデルとして活躍し
女優として歩み始めたばかりの17歳。
上坂樹里が迫ります。
<最初の打ち合わせの日。
北林さんについて
映画や本などで勉強してきた私は
ずっと気になっていた
ある疑問を打ち明けました>
<女優としては まだ駆け出しの私にとって
北林さんは はるか遠い存在。
少しでも近づくため 若くから
おばあちゃん役をやり続けた理由を
何としても知りたいと思いました>
<そこで私は 北林さんが
役者人生の大部分を過ごした
劇団を訪ねることにしました。
それは 1950年に旗揚げされた 劇団民藝>
失礼します おはようございます。
(一同)おはようございます。
<舞台の稽古をされているということで
特別に その様子を
見学させていただきました>
第5海兵隊 26連隊の一部が
完全武装で乗り込んできた!
アメリカがやって来たのであります!
<舞台の稽古を見ること自体
初めてだった私は
声や動き その全ての迫力に
圧倒されました>
<実は 北林さんは この劇団民藝の…>
<戦後 劇団民藝は 焦土と化した日本で
多くの人々の生きてゆく喜びと
励ましになるような
民衆に根ざした演劇芸術をつくろうと
旗揚げされました。
今のように SNSなど
意見を発信するツールがない時代。
演劇は 自分の考えや思いを
世の中に訴えるために
重要な役割を果たしていました。
そんな北林さんが そもそも
女優を目指そうとした きっかけは…
12歳の時に経験した ある出来事が
大きく影響しているといいます。
それは…
1923年に起きた 関東大震災。
10万を超える人々が亡くなった
大混乱の中
朝鮮人が 井戸などに
毒を投げ入れているというデマが飛び
罪のない多くの人が 犠牲になりました>
<生前 北林さんは 当時のことについて
こう語っています>
<世の中に はびこる不合理を 訴えたい。
北林さんは そんな思いを胸に
高校を卒業後 女優の道へと
進むことになったのです。
そして 30代の初め
同僚の宇野さんと
舞台について話している時
転機が訪れます>
そうなんだ!
<当時 老け役というのは
貧乏くじと言われ
敬遠される
役柄でした。
しかし
北林さんは…>
今の演劇のおばあちゃんって
みんな顔に 同じ しわを描いて
つえで 地面をドンドン突いて…。
<北林さんが これほど熱くなったのには
ある理由が…。
明治44年 1911年に
銀座の洋酒問屋の一人娘として生まれた
北林さん。
幼い頃に母親を亡くし
代わりに祖母のすずさんから愛情を受け
育てられました。
弱い者の立場に立つことの大切さなど
生きていく上で 大事なことを
たくさん教えてくれる おばあちゃんを
北林さんは
母親のように慕っていました。
そんな すずさんを
近くで見てきた彼女にとって
周りが演じているおばあちゃん役は
モヤモヤするものばかりだったのです>
<後日…>
<自分にしかできない
おばあちゃんを演じたい!
そんな強い思いで 舞台に挑んだ結果
彼女の老女役は 大絶賛。
評判は 瞬く間に広がり…。
黒澤 明監督の「醜聞(スキャンダル)」や
市川 崑監督の「ビルマの竪琴」など
数多くの映画にも 老女役として出演。
そして…>
おら いねぐなったら
どうしてやってくべえな。
<1959年の映画「キクとイサム」では
役のために 前歯を抜いて熱演。
この時 なんと47歳。
この作品で ブルーリボン賞
主演女優賞を受賞しました>
<こうして老女役は
彼女の代名詞となっていったのです>
<今回 そんな北林さんと親交の深かった
劇団民藝の後輩 小杉勇二さんに
彼女について教えていただきました>
<疑問に思ったことは
徹底的に向き合う。
それが 演技の原点でした>
<演じるためには
徹底的に追求するという北林さん。
最初におばあちゃん役を演じた際には
役作りのために
あるものを作ったといいます。
それは…>
うわ こんな感じなんだ。
へえ~…。
<今回 彼女が書き残した
少ない情報をもとに
美術スタッフさんが再現してくれました>
<実際に試してみると…>
<私は このギプスをつけて
実際に街を歩いてみることにしました>
<お年寄りの何気ない動作にも
ちゃんと意味がある。
ギプスをつけて体験してみなければ
考えることも
気付くこともできませんでした>
<更に 北林さんが長くおばあちゃん役を
演じる上で 大切にしていたものが
ここ早稲田大学の演劇博物館に
保管されていました>
失礼します。
お~ すごい…。
<それは 衣装>
<役で使えそうな服を着ている人を
見つけると
直接 交渉して 譲ってもらうなど
自身で集めた服を
衣装にしていたそうです。
北林さんの衣装に対する思いを
生前のインタビューで
知ることができました>
<汗染みなど 服に刻まれた
生きていた証し。
目にするだけで
その人の生活が よみがえってきました>
<北林さんは ただ演じるというだけでなく
全力で その人に成りきり
その人生に向き合おうとしていたのだと
思いました>
<実は 私は
自分の祖父母以外のご年配の方たちと
ちゃんと向き合ったことが
ありませんでした>
<そこで
60代以上の方々が集まる
シニア劇団に
お邪魔させてもらいました>
<実際に 直接お話をして
ご年配の方たちのことを
知りたいと思ったのです>
ああ 読み聞かせ。
<皆さんは これまで どのような人生を
送ってきたのでしょうか>
<みんな 一人一人違う人生を送り
今がある。
私は 北林さんが
本当に表現したかったものが
少し分かった気がしました。
これで 全ての取材は終了です>
<そして…
ついにドラマの撮影日が やって来ました>
<それでは 私 上坂樹里が演じる
女優 北林谷栄さんをご覧ください>
面白かったです。
ありがとうございます。
北林さん すばらしかったです。
次も期待してます。
初めておばあちゃんを演じて以降
谷栄のもとには
多くの老女役のオファーが
来るようになっていた。
北林さん お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
いや~ 北林さんのおばあさん役は
いつ見ても本物だよ。
いつか うちの劇団の舞台にも
出てくださいね。
はい 是非。
ちょっと 北林は貸しませんよ。
そりゃ厳しいか。
(笑い声)
最後のシーン すっごくよかったよ。
最後よかったね。
泣いてたよね?
見てたの? (笑い声)
うちの演出 遅いわね。
そうだな…。
北林さんの演技に ベタぼれだから
また話してるんじゃないか。
でも 北林さん
本当いいところに目をつけたよな。
そうね おばあさん役専門の女優なんて
前代未聞だもん 引く手あまたよね。
でも もし うちの劇団で
あの役をやれって言われたら…。
絶対嫌よ!
何が悲しくてお年寄りの役ばっかり!
絶対やりたくないわ。
北林さん呼んできて
やってもらえばいいのよ。
確かに!
(笑い声)
当時 老女役は 役者たちの間で
貧乏くじだと言われ 敬遠されていた。
いらっしゃい。
ああ 北林さん 舞台は 無事終わったの?
♬~
(ため息)
久しぶりに会ったと思ったら 何なの!
別に好きなもん選んだっていいじゃない。
ここは ナポリタンがおいしいと
言ってるじゃないの!
大体 あなたはね
昔から 自分で選べないのよ。
ちょっと… どうしたんですか?
この人が 私が薦めたものを
全然 選ばないのよ!
姉さんが薦めたものって
大体 おいしくないのよ。 はあ?
それにね もう この年になったら
だまされないわ。
何? それ。
アハハハハハハハ。
お二人 姉妹だったんですね。
ええ。
いつも そんなことで
けんかされてるんですか?
いいえ 今日は 久々に再会したのよ。
この人が 満州から引き揚げてきて
ずっと会えていなかったから
声をかけたのに これよ。
何よ 私だって楽しみにしてたわよ。
でも よかったじゃないですか。
2人とも無事で また こうして
けんかができるんだから。
ああ そうね…。
でも 昔と変わっていないわ この人は。
姉さんもね。
行ってきます!
じゃあ 今日の稽古は
この辺りにしようか。
はい。
北林さん ちょっと。
はい。
やって来たのは 老女役をばかにしていた
あの女性だった。
うちの劇団で 今度やる公演で
老婆役があって
彼女にやらせようと
思ってるんですけど…。
何せ 初めてなもんで…
北林さんに おばあさんを演じるコツを
教えてもらいたいんですよ。
もう老婆役といえば
北林さんの専売特許だし…。
コツですか…。
うん そう コツ。
コツは…。
ありませんので お引き取りください。
え?
ちょっと 北林さん。
北林さん そりゃ あんまりだ。
確かに老婆役は 君の代名詞だし
その地位を 荒らされたくないのかも
しれないけど…。
あの。
私 今までで一度も
おばあさんの役が やりたいなんて
言ったことはありませんよ。
え…。
私はただ いつだって本物に近づきたい
役になる人物の生涯に寄り添いたい。
そう思っているだけ。
それに…。
そもそも おばあさんなんていう役は
ありませんので。
それじゃ。
<生涯 人間を表現することに
こだわり続けた北林さん。
1991年の映画
「大誘拐 RAINBOW KIDS」では
大金を略奪する 大富豪の老女役を演じ
人生初の日本アカデミー賞 主演女優賞を
受賞。
リアリティーを追求してきた結果
最高の栄誉を獲得したのです>
では 以上になります お疲れさまでした!
(拍手)
お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
<このプロジェクトの終わりに
私は ある場所を訪れました。
それは…>
2002年公開の映画 「阿弥陀堂だより」で
北林さん演じる おうめさんの
住まいとして建てられた 阿弥陀堂。
地元の方や多くのファンの希望から
今もそのままで残されています>
<訪れた人たちが
自由に書き込みできるノート。
そこに私も 女優としての決意を
書き込ませていただきました>
Source: https://dnptxt.com/feed/
powered by Auto Youtube Summarize